リースス・レーニス

大神ヒラメ

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「僕は先に上を片付けておきますね。」
「任せた。俺も後から向かう。」
シャンスは突然建物の影から姿を現し、バレーのレシーブのような体制を取った。建物の影に隠れていたティーラは、シャンスに向かって全力疾走をした。ティーラがシャンスの手のひらに足を踏み込むと、シャンスはバネのようにティーラを上に押し上げた。そして、ティーラは蝶のように空中を舞って敵の近く…建物の上に着地した。

「こ、コイツ…!?」
ティーラの目の前で銃を構えてる少年は驚愕して後ずさりをした。
「動じるな!敵を撃ち落とせ!」
集団のリーダー格であろう少年が、銃を構えている少年たちに司令を出した。すると、少年たちは「うぉおおお!!!」と雄叫びをあげてティーラに銃口を向けた。
「…随分と血の気が多い子達ですね。」
ティーラは黒手袋をキュッと引っ張りながら不気味に微笑んだ。
そして、舞いながら華麗な手さばきで子供たちの銃を奪っていった。
「くそぉ!先に下の男を人質に取るぞ!銃を持っている者は下の男を…」
リーダー格の少年が悔しそうな顔をしながら少年たちに司令を出そうとしたが…
「もう上におるんよなぁ…」
少年の背後から低い声が聞こえてきた。少年が恐る恐る後ろを振り返ると、いるはずのないシャンスの姿があった。少年はシャンスの姿を見て喉をヒュッと鳴らした。

「ペディさん!!!」
リーダーの異変に気づいた少年がシャンスに銃口を向けるが、シャンスは少年たちに目もくれず、ペディに目を向けた。
「なるほど…お前がペディか…ちょっと俺らと一緒に来てきてくれへん?」
シャンスは腕を組みながらペディに交渉をもちかけた。
「貴様ら!ペディさんをどうする気だ!」
ペディに近づくシャンスに恐怖を覚えた少年たちは、シャンスに銃口を向けて引き金に指をかけた。
「どうもせぇへんよ…ただお話をするだけや。」
シャンスはおどけた態度で少年たちにそう言うと、ペディの耳元で低くこう囁いた。
「お前…マーレの4幹部って知っとるか?」
「っ!お前ら!撤退しろ!僕はコイツらと話をしてくる!」
シャンスの言葉を聞いたペディは、顔を真っ青にして少年たちに撤退命令を出した。
「でもっ!」
「僕の命令が聞けないのか!早くしろ!」
少年たちが心配してペディを置いていかないようにしたが、ペディは切羽詰まった様子で少年たちに指示を出したので、少年たちは撤退せざるを得なかった。少年たちはチラチラとペディの様子を伺いながら、撤退をした。
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