標本少年

風雅ゆゆ

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長編

4、棄念撮影

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京が転校してきて1ヶ月程たったある日、唐突に佐々木が言った。

「なあ、今度の日曜日俺んちに来いよ」

明らかに何か企んでいる様子の佐々木に臆して京は答えた。

「……いやだよ、また何か変なこと考えてるんだろ……」

目線をそらしながらポソポソ話す京は手を組んでいたが、その手は心なしか震えていた。
佐々木は目ざとくその様子に気付くと、ゆっくり椅子から立ち上がった。
京の後ろからかぶさるように体重をかけてくる。片手で京の細い顎に触れた。おびえる京の唇は小刻に震えている。佐々木が側にいるだけで恐怖に圧迫されている様だ。彼の視線を感じるだけで体がこわばってしまう。クラスメイトはクスクス笑いながら2人の様子を楽しんでいた。

「俺が可愛い京チャンに何か怖いことするはずないだろ?いつだってお前の悦ぶ事ばかりしてあげてるんだから」

佐々木は後ろから京の唇を優しく撫でる。京は震えながら黙りこくっていた。組んだ手は汗びっしょりだ。佐々木が喋る度、背中に声の震動を感じた。

「じゃあお前の大好きな山下も呼んでやるからさぁ。3人で仲良くヤろうぜ、な」

山下もさりげなく二人の話を聞いていたらしく、いきなり自分の名前が出てきたのでビクリとした。
京は山下に犯された時、自分から腰を振って彼の挿入を求めた。山下は決して乱暴にしない。彼はいつも京を優しく扱い、気持ち良くしてくれたので、山下に犯される事は他のクラスメイトにされる程嫌ではなかった。佐々木は山下に、ここ数日頻繁に京をレイプするよう命じた。
山下は命令通り京を抱くが、いつもどこか申し訳なさそうだった。

「なぁいいだろ山下?じゃ決定~。日曜な」

それだけ言うと、佐々木はようやく京の背中から体を離した。
軽い口調で話していても、佐々木の顔はいつでも口が微笑めいているだけで目には底知れない暗闇が潜んでいるようだ。京は佐々木の目を見ることが恐かった。
京はとばっちりを食らってしまった山下を見たが、彼は青い顔で黙っているだけだ。
どうして山下は誘いを断らなかったのか不思議だったが、自分が日曜日にどんな目に合わされるのか考えるだけで京は恐怖と不安で一杯になってしまった。

その日は珍しく性暴力を受ける事なく、京は一日を終えた。 

日曜日、SNSで送られてきた地図を頼りに京は佐々木邸へたどり着いたが、中に入れずにいた。
緊張のせいという事もあったが、一番の原因は邸宅の規模にあった。とんでもなく大きい。塀の箸から向こう端までやっと見えるか見えないかだった。
正面に構えた門はアールヌーウ"ォー調の華やかな装飾が施してある。凹凸を削ぎ落した近年の建物というより、一昔前の洋風の豪邸、といったイメージをそのまま形にしたようなデザインだ。門から玄関までの間に、小さな公園がすっぽり入るほどの敷地面積がある。
両開きの大きな玄関ドアの前には、車留めまであった。

そんな豪奢なつくりの建物の前で、ジーンズにパーカー姿の京は明らかに浮いていた。
風格ある表札の脇についた高性能そうなインターホンに気後れしていると、そこに山下がやってきた。彼は清潔感のあるワイシャツにジーンズをはいている。彼の手足の長さを充分引き出していて様になってはいたが、やはり豪邸の前では調和しなかった。
山下は目の前に広がる邸宅に絶句する。

「何だコレ…ここ外国かよ、」

山下がぽつりとつぶやいた。京と山下は言葉もなく、数分ほどその場に立ち尽くしていた。
二人共一瞬顔を見合わせ、先に視線をはずした山下の方が意を決してインターホンを押した。京はクラスメイトにイジメの標的にされてから山下とまともな会話をしていなかった。
二人が交わっている時、山下は小声で謝り、京は彼に挿入をねだるだけだ。きまずい二人の沈黙を佐々木の声が割る。

「おおやっと来たか。今門開けるから入れよ」

インターホンから聞こえる佐々木の声はいつも通りどこか高圧的だ。
門が重々しい音と共に開く。
山下と京は緊張しながら身分不相応な空間に足を踏み入れた。

 「よぉお二人さん。待ちくたびれたぜ全く……」

ドアを開けながら佐々木がブツブツいう。家も大きければドアも巨大だった。
普通の家の3倍程の玄関だ。恐縮しながら二人は中に入る。エントランスは吹き抜けになっていて、天井窓から射す光がフローリングに踊る。この家は恐らくオーダーメイドの特注建築なのだろう。見える部屋のすべての天井が高い。奥のドアから家政婦らしき初老の女性が京と山下に会釈する。

「俺の部屋二階だから。んなとこつっ立ってないであがれよ」

相変わらずマイペースな佐々木が二人を二階へと連れていく。京はこれから起こりうるあらゆる事態を想像し、表情を堅くしたが、隣にいる加害者であるはずの山下の方が顔を蒼くしてうつむいていた。長い廊下の突き当たりが佐々木の部屋だ。

「ほら入れよ」

佐々木は、とまどっている二人の背中を押す。

部屋の中は陽当たりがよく、ドアを開けた時にサテンのような光沢のあるカーテンがフワッと浮いた。京の部屋も十畳ほどあり、子供部屋にしてみれば比較的広い方だが、佐々木の部屋は京の部屋の優に10倍以上はある。
家具は白黒とシルバーでモノトーンの色調をとっていた。不思議と堅苦しくならないのは、ふんわりとした素材のカーテンと陽射しのおかげだろう。京はキチンと片付いている佐々木の部屋をみて驚いた。学校の様子だと私生活も粗野にちがいないと決めつけていたからだ。
山下も部屋を見回していたが何かを探しているように見えた。

「何捜してんだ?山下」

佐々木がパソコンデスクの椅子に腰掛けながら言う。山下は慌てた様子で一言、別に、と言った。

「ふぅん、というか立ってないでそこのベッドにでも座れよ。」

言うと佐々木は机の上に三台並ぶ大きいモニタに目を移し、何か作業をしはじめた。山下と京は一瞬目を合わせ、ベッドの上にちょこんと腰掛ける。数分沈黙が続いたが、やがて佐々木が顔をあげ、二人を呼んだ。

「お前らもこっちきて見てみろよコレ」

京と山下はパソコンのモニタを覗き込み、画面を見て絶句した。アダルトサイトのトップページだ。タイトルの横で少年が自慰行為に忙しむアニメーションが動いている。
その顔にはどことなく見覚えがあった。 

「……何これ……?」

京は嫌な予感がした。山下は何か気付いたらしく、小声であっと叫んだ。佐々木は素早くマウスで画面操作する。ボイスコーナーをクリックし、再生をした。

「あ…ッやぁあん…ソコ…ッ!もっと突いてェ……!」

可愛らしい高いあえぎ声が聞こえきた。この声には聞き覚えがある。
京はサッと顔を蒼くした。

「こ…コレ……ってまさか………」

小刻に震えながら京は佐々木を見つめる。

「めちゃめちゃイイ小遣い稼ぎさせてもらってるぜ京チャン。」 

「!!――――――ッ」

愕然とする京をよそに佐々木はマウスを動かす。
彼は管理人画面から画像倉庫に入った。中には京の恥体写真がずらっと並んでいる。
生徒や佐々木との乱交シーンはもちろん、山下に挿入されて絶頂に達している瞬間などの京のあられもない姿が画面一杯に広がっていた。

「ある筋から仲介を受けたVIPしか見られない会員制のサイトだ。ケツの穴と男根の繋ぎ目モザイク無しとか、レイプ動画とかすげえ売れんだよ。白河が可愛いって買いあさってく奴が多くてさ。高値で出しても買手がつくんだぜ。白河様々ってか。」

京はショックで声を失った。自分が勝手に売られている。それも男子生徒に犯されてる屈辱的な画像を。

京は体の震えがとまらなかった。

「カラダもいいけど声が可愛いっていう奴らも多いんだぜ。お前がおねだりしてる声でイッちまう奴もいるんだと」

カラカラ笑う佐々木をにらみつける気力もなく、京はその場に立つだけで精一杯な状態だった。山下は京を気の毒そうに見ていたが、自分が京をレイプし、精子を何度も放っている光景を見せつけられ、やがてモニタから目線をはずした。

「ッ…何でこんな…………」

京はいつのまにか目から涙をポロポロこぼしていた。佐々木は京の顎を掴む。

「お前が俺の商売邪魔したからだろ?新しい収入源として働いてもらわなきゃなぁ」

「カツアゲなんて犯罪じゃないか…!」

悪びれのない佐々木の態度にカッと熱くなる京だが、パソコンの画面に自分の恥体が現れるたびに何も言う気が起きなくなる。 

「俺はただ借りたい奴に金を貸してただけだ。まあ当然利子つきでな。計画性の無いやつが自滅してっただけだぜ?俺は規約も作って、利子も法律に反しない程度の良心的なもんだ。借りた物返さない奴には強制的にかえしてもらったりしたけどな。」

言いながら佐々木の手は次々に画像をオープンしてゆく。京は何も言えずに肩を震わせていた。人を辱めてまで金に執着する佐々木に改めて憤りを覚えた京は、思わず彼の頬をはたいていた。

「………お前………ッ」

佐々木は頬を押さえながら京を睨む。

「ック………さい…ていだ…お前……ヒック…ッ……」

京は初めて自分から人に手を挙げてしまった哀しさと、画面一杯に見せ付けられた羞恥でまたポロポロと涙を溢した。

「……山下、コイツを縛れ、」

佐々木は口の端に笑みを浮かべながらビデオカメラを取り出した。山下は戸惑っていたが、佐々木に顎で指示されて渋々京の方を向いた。
京はドアに走り、家政婦の女性に助けを求めようとしたが、口と腕を押さえられ、ベッドの上に押し倒された。佐々木はカメラで二人を撮っている。

「ほら山下。大好きな京チャンたっぷりいじめてやんな。やらしい声沢山ださせてやれよ。声も売れるからさ」

山下は京のシャツを捲り上げ、そのシャツで京の手首を縛る。肌に冷たい空気が触れ、ピクンと体を反らした。
桃色の乳首が露になる。
山下は少し戸惑っていたが、白い躯が跳ねるのを見た途端京の胸を吸い始め、指でもう片方の突起をいじる。
じんわりと熱くなりはじめた体に羞恥を感じた京は身をよじるが、山下は京の手首を押さえつける。京の両足の間に入ってきた山下の足は、ズボンの上から京の大切な部分を執拗に刺激した。佐々木は嘲笑を浮かべながらカメラで二人を撮り続けている。

「…んっ………あン…」

 ゆっくりとした下部の刺激に耐えられず、京は吐息をはきながら甘い声をだす。
山下は空いた手で京のズボンを下ろし、下着の上から京の性器を優しく愛撫する。
何回も性交を繰り返すうちに、山下は京の弱い部分を容易く探れるようになっていた。
京はサオの先端を下着の上から指でクリクリとなで回されて恥液をしみださせる。
次第にじれったくなって、自分から山下の指に自分の股間をすりよせるように背を反らした。山下は直に触らず、下着の上から京の小さなペニスを口に含んで刺激を与えた。

「…ッア……んッッ……」

絶頂までたどり着けず、京は切なげに腰を揺らす。

「どうして欲しいか言ってみろよ。上手におねだり出来たら山下君がでかいのブッこんでくれるぜ京チャン?」

ベッドの脇で佐々木が面白そうに言う。山下は少し眉をしかめたが、沈黙のまま京のペニスを舌でいじっていた。京は絶頂ギリギリでじらされ続け、悶え苦しんでいた。舌が滑る度、細い両足がピクンと痙攣する。

「…やぁ…も…イク…ッ」

「ちゃんと言わないと山下もナニしていいかわかんないだろ?ホラ早くイきてぇならおねだりしてみろよ、」

京はフルフルと首を振った。その振動で涙の筋ができる。これ以上自分の情けない醜態が他人の手に渡るのが怖いのと、射精限界の苦しさでどうにも出来なくなっていた。
山下は愛撫を止め京の顔の横に肘を付き、覆い被さるような格好で京を見下ろした。
息をあげ、頬を桃色に染めて蒸気する京の表情はなまめかしい。しかしその本人が自分の性的引力に全く気づいていない所が男子達を更に強欲にかき立てる原因となった。
京はうるんだ瞳で山下を見上げる。
山下は汗で張り付いた京の前髪をよけてやり、涙を舐め取りながらそっと囁いた。山下の唇が柔らかく京の顔に触れる。

「我慢しなくていいんだよ、白河。俺にどうしてほしい?言ってくれればすぐに楽にしてあげられるから……」

 山下の吐息が耳にかかる。名前を呼ばれて、京の性器からまた先走りがしみだした。優しい山下の眼差しが不思議と京を安心させる。佐々木はその光景を少しつまらなそうに見ていたが、とりあえず京のおねだり声が録れれば良しと思い直し、そのままカメラを回し続けた。 
京はまだ葛藤をしているようで、開きかけた口をまたキュッと閉じてしまった。見かねた山下が京に唇付ける。京の小さな唇を舌でこじあけ、口内に滑り込む。

「…ふッ……ぅン…ッ」

熱心な山下に京も必死で舌を絡ませ応える。暫くキスをした後、京は破裂寸前の性器を熱くさせ、唾液の滴る唇で開放を懇願した。

「も…ダメぇ………ッ…俺・・・いかせてェ………もぅイきたいの………」

「やっと言えたね……いい子、」

クシャッと京の髪を撫でてやると、山下はすぐに京のペニスを激しくしごいてやり、射精させてやった。
佐々木は近撮で京が白濁を放つシーンを撮す。

「ハァ……ンッ………ね…山下……………挿れて……?」

射精したての京の躯は微かに震えていたが、次の段階の為に受け口はグショグショに濡れていた。
いつも大勢のクラスメイトをくわえこんでいる場所だ。
カメラの存在も忘れておずおずとねだる。
京は自分の指で恥ずかしそうに蕾を開き、山下が挿ってくるのを待望していた。山下は軽く京にキスをすると、ペニスで蕾の入口をつつきはじめた。愛液と山下の先濡れで穴はグチョグチョになる。京は足を大きく開き、結合を求めた。山下は京の腰を抱き寄せ硬くなった自分の性器を受け口に位置させる。

「白河……入れるよ?」

京はコクンとうなずき、頭上に縛られた腕でシーツを掴む。

「きゃ……ぅンッ!」

次の瞬間、山下の大きなペニスがゆっくりと京に挿入されてくる。グショグショだった京のなかには不釣り合い大きい性器も易々と奥まで入り込むことができた。

「動かすよ、」

山下は腰を前後に深く動かし始める。京の萎えたモノがまた起き上がりはじめた。
京は山下の性器がビクビクと自分の中を擦る感触に酔っていた。

――――山下の熱い……――――

またたく間に勃起した京の幼な気な分身は、出し入れに勤しむ山下の腹にツンと当たる。

「……白河の当たってる……感じてるんだね……」

聞かれて京は紅い顔を背ける。

「…ゃ…そんなこと言わないで……恥ずか……ッぁアンッ!」

山下の先端が前立腺にあたった。
京はビクッと体を痙攣させる。急に呼吸が早くなり、高い声であえいだ。

「ハ…ァッアン…ぁアッ…アッン……ヤッ…ぁあ…ハァン……」

「ココがイイのか…?」

山下も息を荒げながら一点を小刻に突く。結合部分がチュクチュク音を立てた。

「あん!ソコ……ッ……ハッぁ……ん……気持ちイイ……の………ァあンッ!アンッ!ハァッ…もっ……強……くぅ……アン…ア………」

熱いペニスが早急なリズムで京を犯す。シーツを掴む手に力が入り、京は快楽に失神しそうになるのを堪えた。
山下は突く速度を次第に上げた。

「ィ…あァア――――ッッ!!」

絶頂を告げると、山下の腹部にピチャっと白濁を放った。京の射精と同時に蕾に分身を強く締め付けられた山下も大量の精子を京の内部深くに爆発させる。二人は暫く反動のせいで動けなかったが、やがて山下がズルッと性器を引き抜いた。京の蕾からドロドロ精液がながれだす。
京は気持ち良さにまた涙をにじませていた。睫毛に涙の玉滴がついている。呼吸を整えている二人に佐々木が声をかける。

「おい白河、せっかく気持ち良くしてもらったんだから山下のデカイのペロペロしてやれよ、」

京はトロンとした目で山下を見つめていたが、やがて体を起こし、言われるがままに山下の性器をいじり、舌で必死に精子を舐める。京の小さな口では山下のペニスを含みきれなかったが、京は唇と舌を滑らせて、滴る精液を綺麗にした。
最後にチュっと音を立てて京が舐め終ると、佐々木がカメラを置いてベッドに歩み寄ってきた。

「ご馳走様京チャン。またこれで臨時収入が入りそうだ」

そういって自分のズボンの前を開け、無理矢理京の口にペニスを突っ込んだ。京は苦しそうにうめくが、佐々木はおかまいなしに京の口内をつきはじめる。

「……んンッ……グ……ンッ……」

大量の唾液を溢しながら京は泣きうめく。
吐射する寸前で佐々木は京の口から性器を引き抜いた。京を乱暴に反対側に向かせ、指で割れ目をなぞり、大きく両足をひらかせた。秘部が明るい部屋の中で露になる。手を前に付き、尻を突き上げ、両足全開という物凄い格好をさせられて京は赤面した。佐々木は容赦無くペニスを挿入した。
京は強い衝撃に背を大きく反らす。

「……ぅあぁ!やぁん!あんっ!痛ッ!痛いよぉ……!」

バックからガンガンと無造作に突かれて体が壊れそうになる。
京はひたすらシーツを掴んで痛みをこらえていた。
佐々木は京の上体を持ち上げ、下から思いきり突き上げた。

「ひぁッ!ア!アン!ッあ!ハァ…ハァ…や…ぁあ!アンッ!や…ンッ!」

激しく犯されて京は声を上げて泣く。
頭がおかしくなりそうだ。

「淫乱京チャンはこれくらい鳴かなきゃな…。もっと声だせよ」

腰を回して京の中をグチョグチョにかきまわす。痛いハズのレイプが快感に変わるのにそう時間はかからなかった。京は山下に優しく抱かれるのが好きだったが、佐々木にメチャクチャに犯されてる時も同じくらい感じてしまっていた。自分が自分でなくなってしまうのを恐れる反面、もっと気持ちよくなりたいという本能が、佐々木の無理強いを悦んで受け入れていた。
佐々木のものが出し入れされるたびに京はビクンと体を痙攣させる。

「ヒッ…あッ…ァッあ…!!!」

突かれる度に京の先端からまた甘い蜜が染みでてくる。ピクンピクンと京の躰が痙攣し、蕾がキュッと締まる。

「………クッ…」

小さくうめき、佐々木は京の中に白濁を放った。
強い衝撃と共に京は意識を失っていた。
小さな蕾から性器を引き抜いた佐々木は、くったりとした京の体をぞんざいにベッドの上に横たえた。マットレスが大きく波打つ。

「京チャン寝ちゃったからペロペロして貰えなかったなあ。残念残念。」

冷たく笑いながらベトベトになった自分のペニスをティッシュできれいにする。
広い部屋には恥液の臭いが充満していた。
佐々木は性器をゆっくりとズボンにしまい、部屋の窓を開けた。
サァッと涼しげな風が部屋に入り込む。
陽射しを背に佐々木が山下の方を向いた。
山下は自分の衣服を整え、京の体をティッシュで拭いてやっている。
佐々木の口が緩い弧を描いた。

「なぁ山下……お前そいつが好きなのか?」

山下は一瞬手を止めたが、すぐにまた京の体を拭きはじめる。しばらく沈黙が続いたが、山下がおもむろに口をあける。

「……同じ……被害者だから…それだけだ」

「へぇ。珍しく生意気な態度じゃないか。白河にしてみればお前は加害者だけどな」

笑いながら佐々木が言った。
山下は顔をしかめたが、何も言わずに京に服を着せてやる。
京は気を失い、今はすやすやと眠っていた。
寝息を立てている彼の色素の薄い髪が黄金色の光を乱反射する。

「全く真面目くんだな山下は」

佐々木は外を向き、ゆっくりと窓を閉じた。彼は机の上に置いたデジカメを取り、京の寝顔を映し始める。
佐々木がゆっくりと口を開いた。

「こいつは俺のモノだ」

二人は暫く無言で視線を交していた。





微弱の揺れに目を覚ました京は自分が車に乗っている事に気づいた。隣には山下が座っている。

「あ、起きたのか?」

山下が優しく京の髪を撫でる。どうやら京は山下の肩にもたれかかって寝ていたらしい。
前には佐々木と年配の男性が座っていた。佐々木家の運転手だろうか。

「もうすぐお前んちだぜ白河、」

見知った風景が窓の外に流れている。
数分後、車は白河家の前に停まった。

「あ…ありがとうございました」

運転席にいる男性に声をかけ、車を降りる。

「またな京チャン」

走り去る車から佐々木が手を降った。京はほうけた顔でトボトボ家に入る。

「今の車だあれ?」

玄関にたっていた母親が京に問いかけた。

「……あー……友達……かな?」

答えを濁した京だったが、母親は嬉しそうな顔で繰り返した。

「そう、お友達なのね!!」

新しい環境になってからあまり学校友達の話を京から聞かなかった母親にしてみれば、内情はどうあれ嬉しい事だった。

京は複雑な気持で部屋に上がり、机の上のPCを一瞥するとそのまま布団に頭からくるまった。


続く
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