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第四章 ワクドキ学園パラダイス編 12歳
第43話 イタッツァ国立大学
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「痛っ!!」
空港ですれ違いざまに肩がぶつかった。
振り返ると、160cmくらいの身長の女性がスタスタと歩いて行った。
あれ?あの人どこかで見たことがあるような?
「何よ。ごめんなさいくらい言えばいいのにね」
アネモネはプリプリしている。
俺たちは世界一と名高いイタッツァ国立大学の入学式に合わせてイタッツァの首都にある空港へ来ていた。
随伴として派遣された、魔闘士協会のセバツ・チャという人物に送り届けてもらった。
今日が入学式ということで、校内にある寮に荷物だけ置いてそのまま参加という形になる。
さて、ここへ来るまでも色々あった。
まずは、友達との別れだ。
留学なのだから、何もなければ卒業までの5年間は戻れない。
オリビアとの別れは中でも印象的だった。
「そっか、行っちゃうんだね。ボクはずっとライ君のことが好きだったんだよ?知ってた?悲しいよ」
「ごめんな。俺はアネモネと結婚するよ。でも、友達でいてくれよな?」
「もう、ずるいよ。ずっと好きなままになっちゃうじゃないか」
オリビアはお揃いの指輪を見ている。
その横でショックを受けるフォール。
その横で死にそうなほどにショックをうけてるラース。
「い、行ってしまうのは残念だが、俺たちの友情はかわらないぞ!」
動揺しながらフォールは言う。
「あぁ、また、遊ぼうな」
「も、もう来なくていいぞ」
ラースは動揺しすぎて本音が声に出ている。
「もう、お父さんったら!」
オリビアは呆れている。
こうして数少ない友達との別れはすんだ。
対して、教授はあっさりしていた。
「あぁ、行くことにしたんだね。また顔を出すよ」
一言言って去っていった。
シャイナは会釈のみ。
あっさりしたもんだ。
そんなこんなで、別れがすみ、今に至る。
大学では制服なども設定されておらず、本当に荷物を置いただけですり鉢状の講堂に連れて行かれた。
新入生は3000人くらいだろうか。
教員は出席しているものはわずかで、そこまで改まった場ではなさそうな服装をしている。
どうやら聞いていた通り、自主と自由を学校の方針としているだけあって、校則のようなものは存在しないようだ。
まぁ、大学なんてどこもそんなもんか。
しかし、ここ、イタッツァ国立大学はマナ工学の先進校として有名で、世界的にも権威のある大学として一般には知られている。
その実は、魔闘士協会というスポンサーをつけて共同開発という名目で各種企業や、国との繋がりも深い。
まさに、魔闘士を囲うにはぴったりの大学である。
それは2000年間、存在している。
つまり、魔闘士協会という組織はイタッツァという一国と同等の発言権を持っていることになる。
なんと恐ろしい組織であることか。
恐らく、怪しい薬も開発して、アポトキ○ンとかいう若返りの薬も開発しているに違いない。
暗殺組織は黒ずくめのはずだ。
見た目は小学生、中身は高校生の名探偵もどこかにいないかな?
俺は見た目は小学生、中身はオッサンの残念パターンだけど。
まぁ、とにかく、会長が言うには、世界最高の教育がここにはあるらしい。
そして、ここは、密かに魔闘士を育てる教育機関でもあるらしい。
そして、ワールドランカーも複数人が在籍しているとか。
是非とも手合わせ願いたい。
あと、魔術の研究も進んでいるようで、その授業も豊富だそうだ。
魔術の研究は留学中に終わらせよう。
よし、行動指針もできた。
どれ?入学式とやらを見てやろうではないか。
「ただいまより入学式を行う。気をつけ」
ちなみに、指輪の杖は常に装備していて、言葉は全て通じる。
「学長の挨拶」
おばさんが登壇する。
「みなさん、ごきげんよう。ようこそイタッツァ国立大学へ。たくさん学んで下さいね」
短っ!!
もうちょい喋ろうよ。
学長の話は面白くないと相場は決まってるけど、もうちょっとないかな?
「続きまして、在校生徒代表セオ・イブの挨拶」
160cmくらいのスレンダーな女性の生徒が登壇する。
綺麗な黒髪ロングだ。
なんか、彼女を見てるとぼーっとしてしまう。
魔性の色気?
あっ、横でアネモネが怒ってる。
だらしない顔してたかな?
「こんにちは、よき大学生活を」
短っ!!!
学長より短い!
「続きまして、入学生代表より挨拶 ライラック・アルデウスさん、どうぞ」
ん?
誰か俺の名前呼んだ?
「魔闘士専攻のライラック・アルデウスさん。登壇して下さい」
え?
俺?
聞いてないよ?
キョロキョロしてみても、どうやら俺らしい。
アネモネは、なぜか落ち着いてる。
ひょっとして、知ってた?
すると、先程の在校生徒代表のセオ・イブさんが俺を迎えにきた。
手を差し伸べられたので、そのまま手に取ってしまう。
道すがら、説明を受ける。
「あなたが代表だよ~。私が選んだんだよ~。なんでもいいから一言しゃべってね~」
眠そうだ。さっきのキリッとした感じはない。
なんか、今日決めたっぽいな。
まぁ、いいか。
人前で喋るのは前世で山ほど経験してきた。
別に苦手というわけでもないが、この流れだと短くていいんだろ?
テキトーにしよ。
登壇した。
「こんにちは。代表に選ばれました。ライラック・アルデウスです。私は体は小さいですが、12歳なのでこれからが成長期です。この大学でたくさんのことを学んで大きく成長したいと考えています。みなさん、よろしくお願いします」
シーン
いや、拍手くらいしようよ。
「パチパチパチ」
いや、アネモネだけしてた。
逆に悲しい…。
もっと短い方がよかったのかな?
あ、学長にも代表にも拍手はなかったから拍手なしが伝統なのかな?
まぁ、いいや。
その後、式は終わり、各専攻ごとに分かれてオリエンテーションが始まった。
100人単位で分けられるようだ。
魔闘士専攻の100人が集められ、オリエンテーションが始まる。
少し周囲を見回してみると、ちょっとゴツ目のヒトが多い。
ピョコっと少しだけケモ耳みたいなのを持ってるヒトや、耳が尖ったヒトや、目が猫科のようなヒトまでいた。
年齢もかなりばらつきがある。
ここは魔闘士専攻なので比較的若い世代が多いが、入学式では50代の姿も見られた。
もちろん、右隣にはいとしのアネモネもいる。
「初めまして、私がこの専攻の主な担当をする、ニック・ガストンだ。気軽にニック先生と呼んでほしい。今でこそ、100人全員が集まっているが、この後説明するように、授業ごとに分かれて動くので、このように集まることはもうない。能力さえあればどの授業も受けられるので、この1ヶ月でしっかり授業を見極めてほしい。というのも、1ヶ月はどの授業を受けることもできない。授業を受けるに足る資質を持っているかどうか測定する期間としている。受けたい授業ごとに試験を受けるように。日程については別紙の通りだ。あと、ここにいる大半が、他国や他地域からの留学生だと思う。単位は全て自国の学校での卒業単位に流用できるシステムだから安心してほしい。説明は以上だ。質問は個別に受け付ける。では、よき大学生活を」
スタスタとニック先生が帰っていく。
地味にガストンを名乗っていた。
恐らく会長の親戚だろう。
魔闘士協会の力は縁故採用もできるらしい。
恐ろしいな。
ふと気づくと、アネモネと反対側に1人の女性が座っていた。
さっきは誰もいなかったような?
よく見ると、さっきの生徒代表セオ・イブさんだ。
なんでいるんだ?
見つめていると、見つめ返された。
微笑んできたので、微笑み返してみたら、アネモネにお尻をつねられた。
「どうも、セオさん、あなたも新入生だったんですか?」
「そんなわけないじゃない~。だって私は代表だよ~?」
「そりゃそうですね。それで、俺に何か用ですか?」
「ん~?どんな授業取るのか見にきたの~」
「何かアドバイスでもしてくれるんですか?」
「いんや~。アドバイスなんてないよ~?」
「じゃあ、見なくていいですよね?」
明らかに不審者なのに、放っておけない。
何か彼女に感じるものがある。
なんだろう。
落ち着く。
「う~ん。授業が一緒じゃないと、会うことないから、どの授業取るか見せてもらって、同じ授業にするつもりだよ~」
「なんで?」
「好きだから」
急にシリアスな雰囲気を作り、愛の告白をしてきた。
なんか、せこいな。
こんなの、誰だって落ちるぞ。
いや、俺は落ちようがない。
反対側からお尻がちぎれそうなほどツネられている。
冷静になる。
「えーっと、セオさんとは初対面でしたよね?どうして好きになったんですか?」
「見た事はあるよ~。魔闘士大会の試合は見たよ~」
「あー、それでファンになってくれたってことですか?」
「いや~、結婚を前提にお付き合いしてください~」
「ん?なぜそうなる?」
話が通じないぞ?
ストーカーか?
怖すぎだろ…。
「なぜって、そういう運命なんだと思うんだ~」
ストーカー決定じゃん!
いや、でも、断り切れないんだ。
理性では、目の前の女がやばいやつだって。
すると、痺れを切らせたのはアネモネだった。
「あのさ、さっきからアンタなんなのよ?ライが困ってるでしょ?もう諦めて帰りなさいよ」
「ん~。そういうわけにはいかないかな?アネモネ・アフロディーテさん」
アネモネの名前まで知ってる。
アネモネはそこまで有名ではない。
テレビに少し映ったのと、サバイバル戦の様子が放送されたくらいだ。
そこまで調べるストーカーとかヤバすぎる。
「っ?どうしてアタシの名前まで?」
「そりゃ~、恋のライバルの名前は知ってるよ~」
こわひ…。
ちびる…。
「アンタがどうしようが、ライはアタシと結婚の約束をしているのよ?諦めなさい」
女同士のバトルとか怖すぎ。
「あら~。それでも、私はゆずる気はないわ~。決闘でもしてみる~?」
「ええ、望むところよ」
いやいや、アネモネさん、あなた神殺しよ?ケガさせるって。
「ちょっと、それはやりすぎかな?ストップしてください。俺の取り合いになってるのは光栄ですが、ケガされたら困るし」
「あら~、ケガしてもライ君が治癒してくれるでしょ~?それに、光オーラでも治せるし~」
「!?」
光オーラを知っていることに驚く。
闇オーラが危険であることから、光オーラもセットで禁忌とされている。
扱うにはそれなりの指導者のもとでトレーニングを行う必要がある。
「とにかく、決闘なんてやめてください。お友達からということであれば歓迎です。いかがでしょう?もちろん授業の情報も渡します」
「ちょっと、ライ、そこまでしなくてもいいんじゃないの?」
「いや、セオさんは俺のことをかなり調べてきている。その気になれば授業の情報くらい手に入れると思うんだ。だったら、穏便に済ませて、どんなヒトなのか知り合っていくのも方法だと思わない?」
「確かに、知りすぎてるわね。私たちも彼女について知る必要があるわね」
「そうそう。んじゃ、改めて、お友達としてよろしくお願いします」
「ん~、ホントはそんなこと言いにきたわけじゃなかったけど、いいかな?お友達からよろしくね~」
そうして、セオさんとは同じ授業をとる事となった。
1ヶ月間の試験もセオさんが試験内容を全て知っていたので、問題なくクリアできた。
さすが先輩。
セオさんについても少し聞いてみたが、年齢は21歳で、入学したのは11年前らしい。
どんだけ在学してるんだよ?とツッコミたくなるが、この大学では珍しいことではないらしい。
研究職のヒトなんかは在学したまま大学の研究所に就職するパターンも多く、卒業という概念が薄いのだとか。
収入さえ安定していれば何年でもいられる大学なんだそうだ。
ちなみに、卒業できるだけの単位はあるが、卒業するつもりは無いそうだ。
ここの施設が必要だからだそうで、その辺りは詳しく聞いてない。
悪い人も今のところ寄ってこないし、授業に期待かな。
キャンパスライフをエンジョイしよう。
第四章イメージ画像です
空港ですれ違いざまに肩がぶつかった。
振り返ると、160cmくらいの身長の女性がスタスタと歩いて行った。
あれ?あの人どこかで見たことがあるような?
「何よ。ごめんなさいくらい言えばいいのにね」
アネモネはプリプリしている。
俺たちは世界一と名高いイタッツァ国立大学の入学式に合わせてイタッツァの首都にある空港へ来ていた。
随伴として派遣された、魔闘士協会のセバツ・チャという人物に送り届けてもらった。
今日が入学式ということで、校内にある寮に荷物だけ置いてそのまま参加という形になる。
さて、ここへ来るまでも色々あった。
まずは、友達との別れだ。
留学なのだから、何もなければ卒業までの5年間は戻れない。
オリビアとの別れは中でも印象的だった。
「そっか、行っちゃうんだね。ボクはずっとライ君のことが好きだったんだよ?知ってた?悲しいよ」
「ごめんな。俺はアネモネと結婚するよ。でも、友達でいてくれよな?」
「もう、ずるいよ。ずっと好きなままになっちゃうじゃないか」
オリビアはお揃いの指輪を見ている。
その横でショックを受けるフォール。
その横で死にそうなほどにショックをうけてるラース。
「い、行ってしまうのは残念だが、俺たちの友情はかわらないぞ!」
動揺しながらフォールは言う。
「あぁ、また、遊ぼうな」
「も、もう来なくていいぞ」
ラースは動揺しすぎて本音が声に出ている。
「もう、お父さんったら!」
オリビアは呆れている。
こうして数少ない友達との別れはすんだ。
対して、教授はあっさりしていた。
「あぁ、行くことにしたんだね。また顔を出すよ」
一言言って去っていった。
シャイナは会釈のみ。
あっさりしたもんだ。
そんなこんなで、別れがすみ、今に至る。
大学では制服なども設定されておらず、本当に荷物を置いただけですり鉢状の講堂に連れて行かれた。
新入生は3000人くらいだろうか。
教員は出席しているものはわずかで、そこまで改まった場ではなさそうな服装をしている。
どうやら聞いていた通り、自主と自由を学校の方針としているだけあって、校則のようなものは存在しないようだ。
まぁ、大学なんてどこもそんなもんか。
しかし、ここ、イタッツァ国立大学はマナ工学の先進校として有名で、世界的にも権威のある大学として一般には知られている。
その実は、魔闘士協会というスポンサーをつけて共同開発という名目で各種企業や、国との繋がりも深い。
まさに、魔闘士を囲うにはぴったりの大学である。
それは2000年間、存在している。
つまり、魔闘士協会という組織はイタッツァという一国と同等の発言権を持っていることになる。
なんと恐ろしい組織であることか。
恐らく、怪しい薬も開発して、アポトキ○ンとかいう若返りの薬も開発しているに違いない。
暗殺組織は黒ずくめのはずだ。
見た目は小学生、中身は高校生の名探偵もどこかにいないかな?
俺は見た目は小学生、中身はオッサンの残念パターンだけど。
まぁ、とにかく、会長が言うには、世界最高の教育がここにはあるらしい。
そして、ここは、密かに魔闘士を育てる教育機関でもあるらしい。
そして、ワールドランカーも複数人が在籍しているとか。
是非とも手合わせ願いたい。
あと、魔術の研究も進んでいるようで、その授業も豊富だそうだ。
魔術の研究は留学中に終わらせよう。
よし、行動指針もできた。
どれ?入学式とやらを見てやろうではないか。
「ただいまより入学式を行う。気をつけ」
ちなみに、指輪の杖は常に装備していて、言葉は全て通じる。
「学長の挨拶」
おばさんが登壇する。
「みなさん、ごきげんよう。ようこそイタッツァ国立大学へ。たくさん学んで下さいね」
短っ!!
もうちょい喋ろうよ。
学長の話は面白くないと相場は決まってるけど、もうちょっとないかな?
「続きまして、在校生徒代表セオ・イブの挨拶」
160cmくらいのスレンダーな女性の生徒が登壇する。
綺麗な黒髪ロングだ。
なんか、彼女を見てるとぼーっとしてしまう。
魔性の色気?
あっ、横でアネモネが怒ってる。
だらしない顔してたかな?
「こんにちは、よき大学生活を」
短っ!!!
学長より短い!
「続きまして、入学生代表より挨拶 ライラック・アルデウスさん、どうぞ」
ん?
誰か俺の名前呼んだ?
「魔闘士専攻のライラック・アルデウスさん。登壇して下さい」
え?
俺?
聞いてないよ?
キョロキョロしてみても、どうやら俺らしい。
アネモネは、なぜか落ち着いてる。
ひょっとして、知ってた?
すると、先程の在校生徒代表のセオ・イブさんが俺を迎えにきた。
手を差し伸べられたので、そのまま手に取ってしまう。
道すがら、説明を受ける。
「あなたが代表だよ~。私が選んだんだよ~。なんでもいいから一言しゃべってね~」
眠そうだ。さっきのキリッとした感じはない。
なんか、今日決めたっぽいな。
まぁ、いいか。
人前で喋るのは前世で山ほど経験してきた。
別に苦手というわけでもないが、この流れだと短くていいんだろ?
テキトーにしよ。
登壇した。
「こんにちは。代表に選ばれました。ライラック・アルデウスです。私は体は小さいですが、12歳なのでこれからが成長期です。この大学でたくさんのことを学んで大きく成長したいと考えています。みなさん、よろしくお願いします」
シーン
いや、拍手くらいしようよ。
「パチパチパチ」
いや、アネモネだけしてた。
逆に悲しい…。
もっと短い方がよかったのかな?
あ、学長にも代表にも拍手はなかったから拍手なしが伝統なのかな?
まぁ、いいや。
その後、式は終わり、各専攻ごとに分かれてオリエンテーションが始まった。
100人単位で分けられるようだ。
魔闘士専攻の100人が集められ、オリエンテーションが始まる。
少し周囲を見回してみると、ちょっとゴツ目のヒトが多い。
ピョコっと少しだけケモ耳みたいなのを持ってるヒトや、耳が尖ったヒトや、目が猫科のようなヒトまでいた。
年齢もかなりばらつきがある。
ここは魔闘士専攻なので比較的若い世代が多いが、入学式では50代の姿も見られた。
もちろん、右隣にはいとしのアネモネもいる。
「初めまして、私がこの専攻の主な担当をする、ニック・ガストンだ。気軽にニック先生と呼んでほしい。今でこそ、100人全員が集まっているが、この後説明するように、授業ごとに分かれて動くので、このように集まることはもうない。能力さえあればどの授業も受けられるので、この1ヶ月でしっかり授業を見極めてほしい。というのも、1ヶ月はどの授業を受けることもできない。授業を受けるに足る資質を持っているかどうか測定する期間としている。受けたい授業ごとに試験を受けるように。日程については別紙の通りだ。あと、ここにいる大半が、他国や他地域からの留学生だと思う。単位は全て自国の学校での卒業単位に流用できるシステムだから安心してほしい。説明は以上だ。質問は個別に受け付ける。では、よき大学生活を」
スタスタとニック先生が帰っていく。
地味にガストンを名乗っていた。
恐らく会長の親戚だろう。
魔闘士協会の力は縁故採用もできるらしい。
恐ろしいな。
ふと気づくと、アネモネと反対側に1人の女性が座っていた。
さっきは誰もいなかったような?
よく見ると、さっきの生徒代表セオ・イブさんだ。
なんでいるんだ?
見つめていると、見つめ返された。
微笑んできたので、微笑み返してみたら、アネモネにお尻をつねられた。
「どうも、セオさん、あなたも新入生だったんですか?」
「そんなわけないじゃない~。だって私は代表だよ~?」
「そりゃそうですね。それで、俺に何か用ですか?」
「ん~?どんな授業取るのか見にきたの~」
「何かアドバイスでもしてくれるんですか?」
「いんや~。アドバイスなんてないよ~?」
「じゃあ、見なくていいですよね?」
明らかに不審者なのに、放っておけない。
何か彼女に感じるものがある。
なんだろう。
落ち着く。
「う~ん。授業が一緒じゃないと、会うことないから、どの授業取るか見せてもらって、同じ授業にするつもりだよ~」
「なんで?」
「好きだから」
急にシリアスな雰囲気を作り、愛の告白をしてきた。
なんか、せこいな。
こんなの、誰だって落ちるぞ。
いや、俺は落ちようがない。
反対側からお尻がちぎれそうなほどツネられている。
冷静になる。
「えーっと、セオさんとは初対面でしたよね?どうして好きになったんですか?」
「見た事はあるよ~。魔闘士大会の試合は見たよ~」
「あー、それでファンになってくれたってことですか?」
「いや~、結婚を前提にお付き合いしてください~」
「ん?なぜそうなる?」
話が通じないぞ?
ストーカーか?
怖すぎだろ…。
「なぜって、そういう運命なんだと思うんだ~」
ストーカー決定じゃん!
いや、でも、断り切れないんだ。
理性では、目の前の女がやばいやつだって。
すると、痺れを切らせたのはアネモネだった。
「あのさ、さっきからアンタなんなのよ?ライが困ってるでしょ?もう諦めて帰りなさいよ」
「ん~。そういうわけにはいかないかな?アネモネ・アフロディーテさん」
アネモネの名前まで知ってる。
アネモネはそこまで有名ではない。
テレビに少し映ったのと、サバイバル戦の様子が放送されたくらいだ。
そこまで調べるストーカーとかヤバすぎる。
「っ?どうしてアタシの名前まで?」
「そりゃ~、恋のライバルの名前は知ってるよ~」
こわひ…。
ちびる…。
「アンタがどうしようが、ライはアタシと結婚の約束をしているのよ?諦めなさい」
女同士のバトルとか怖すぎ。
「あら~。それでも、私はゆずる気はないわ~。決闘でもしてみる~?」
「ええ、望むところよ」
いやいや、アネモネさん、あなた神殺しよ?ケガさせるって。
「ちょっと、それはやりすぎかな?ストップしてください。俺の取り合いになってるのは光栄ですが、ケガされたら困るし」
「あら~、ケガしてもライ君が治癒してくれるでしょ~?それに、光オーラでも治せるし~」
「!?」
光オーラを知っていることに驚く。
闇オーラが危険であることから、光オーラもセットで禁忌とされている。
扱うにはそれなりの指導者のもとでトレーニングを行う必要がある。
「とにかく、決闘なんてやめてください。お友達からということであれば歓迎です。いかがでしょう?もちろん授業の情報も渡します」
「ちょっと、ライ、そこまでしなくてもいいんじゃないの?」
「いや、セオさんは俺のことをかなり調べてきている。その気になれば授業の情報くらい手に入れると思うんだ。だったら、穏便に済ませて、どんなヒトなのか知り合っていくのも方法だと思わない?」
「確かに、知りすぎてるわね。私たちも彼女について知る必要があるわね」
「そうそう。んじゃ、改めて、お友達としてよろしくお願いします」
「ん~、ホントはそんなこと言いにきたわけじゃなかったけど、いいかな?お友達からよろしくね~」
そうして、セオさんとは同じ授業をとる事となった。
1ヶ月間の試験もセオさんが試験内容を全て知っていたので、問題なくクリアできた。
さすが先輩。
セオさんについても少し聞いてみたが、年齢は21歳で、入学したのは11年前らしい。
どんだけ在学してるんだよ?とツッコミたくなるが、この大学では珍しいことではないらしい。
研究職のヒトなんかは在学したまま大学の研究所に就職するパターンも多く、卒業という概念が薄いのだとか。
収入さえ安定していれば何年でもいられる大学なんだそうだ。
ちなみに、卒業できるだけの単位はあるが、卒業するつもりは無いそうだ。
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