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第四章 ワクドキ学園パラダイス編 12歳
第68話 いきなりS級冒険者?
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3階フロアへ飛び出た。そこで目にしたものは、重厚な黒い扉であった。
「いるな」
俺がつぶやくとみんなが頷いた。
扉を開けると、巨大な天使がいた。
おそらく、謁見の間であろう天井の高さが10mほどの広大な部屋に大きな天使が鎮座していた。
よく想像される、白衣の天使だ。
純白の羽もある。
先ほどのミニ天使同様、顔は鬼の形相であるが……。
「さて、どうしようか?」
「そうね。私が殴るわ」
アネモネは攻めるのが好きだ。
「あの大きさに通常攻撃が通るかはわからないね~」
セオは冷静だ。
「私は応援しとくね」
クロは逃げ腰だ。
「う~ん。作戦ってほどじゃないけど、前の悪魔像の時みたいに重力で動きとめるからその間に有効な攻撃を探してよ」
俺がまとめる。
「了解」「了解」「了解」
そう、大物相手には重力が有効だ。
だって、でかい時点で重力と戦ってるからね。
その手伝いをちょっとしてやるとすぐにバランスが崩れる。
ほらね。
「今だ。たのんだよー」
「は~い」
「わかったわ」
「がんばれー」
セオはセラミックのショートソードを作り、火オーラと闇オーラを纏って切りつける。
相手が大きすぎるから大ダメージにはなりにくいが、チクチク攻撃は通っている。
アネモネは全身を全開オーラで纏い、あらゆる箇所を攻撃している。
打撃メインであるため、攻撃が通っているのかわかりにくい。
決定打に欠けるな。
悪魔像は、足元の重力操作で自滅してくれたけど、さすがは天使。
重力魔術を相殺しだした。
ヤバイ
「重力魔術が相殺されたから動くぞ」
「了解」「了解」「了解」
短いやりとりで最大限のコミュニケーションをとる。
魔術師大会のアレいってみよう。
重力魔術を相殺された上から5000倍でかける。
すると、天使はあっという間にぺしゃんこになってしまった。
圧殺である。
「ちょっと、一人でおいしいとこ持って行かないでよ!」
アネモネが怒ってる。
「ご、ごめん。そんなつもりはなかったんだ。魔術師大会と同じ重力5000倍を使ったらこうなっちゃっただけで……」
「そんなの普通は耐えられないよ~。魔術師大会の相手は実はやり手の魔術師だったのかもしれないね~」
今頃あのマスクマンの評価が変わっても誰も得をしない。
だから、とりあえず聞き流した。
「それで、ドロップアイテムは天使の腕2本だったね」
クロが回収しながら言った。
通常の成人男性の腕とみられる腕が2本転がっていた。
大きくなくてよかった。
元の天使の大きさだったら持って帰れないところだった。
「んじゃ、帰りますか!」
「そうだね」
3人が頷いていた。
「あ、それなら~、冒険者ギルドに寄って帰ろうよ~」
「そうだな。帰還の報告もいるもんな」
「ん~ん、冒険者ギルドでドロップアイテム換金できるよ~」
「え?そうなの?魔術屋だけだと思ってた」
って、ことで、大量のドロップアイテムを持って冒険者ギルドへ寄った。
「いらっしゃませ。ドロップアイテムの換金ですか?魔術屋へ行くよりは安くなりますが、大きく差がでないようには勉強させてもらいます。いかがなされますか?」
「もう、お金にも困ってないので、ここでいいです」
こんなこと言う12歳はいやだな。
「私は多く欲しいですー!」
クロは叫んでいるがスルーする。
「お願いします」
「かしこまりました。査定ができましたらお知らせしますので、ギルド内で少々お待ちください」
「わかりました」
「次は帰還報告に行こ~」
「そうだね」
アネモネが答える。
「ライラックパーティ、無事帰還しました」
代表して俺がしゃべる。
「はい、わかりました。たしか行ったのは、アルルー城のダンジョン6でしたね。上級ダンジョンですね。全員無事ですか?」
「はい。無事です」
「そうですか。おつかれさまです。それでは、マナ抽出所の規模を査定に向かいますので、後日ご連絡させていただきます。次のダンジョン探索の予定はありますか?」
「いえ、今のところは考えていません。あ、あと、ドロップアイテムの査定も今お願いしてるんですけど、よかったら一緒に結果を報告してもらえませんか?」
「ええ、もちろんかまいませんよ。それでは、ドロップアイテムの査定も合わせて、後日、お知らせに向かいます」
「よろしくお願いします」
「って、ことでいいよね?今日はもう帰ろう?」
「わかったわ。ちょっと疲れたもんね」
「そうだね~あれだけの量だと査定に時間もかかるしね~」
そう、かなりの量である。
カートにして3台分。
カートが足りなくなったので、無色オーラで作り出したくらいだ。
「いいけど、また私のウチで査定報告なんでしょ?」
「ばれた?」
「さっき査定説明の訪問先が私のウチになってるの見えたもん」
クロは鋭かった。
「さて、今度こそ帰りますか」
「は~い、クロちゃんバイバイ~イ」
「クロちゃんまたね」
「はーい、それじゃ、明日の授業で会いましょう!」
解散した。
俺たちは3人で連れ立って歩いた。
ちょっと疲れたな。
ボスは大したことなかったけど、ザコの数が多かった。
前のゾンビ並みに倒したもんな。
「さぁ、帰ったら3人でお風呂入ろっか!」
「えー、狭いからやだ」
「私はいいよ~。肌が触れてる方が安心するんだ~」
「でも、お風呂はアタシが最初ね!早く着替えたいのよ。この服、袖なくなったし」
そうだな、腕が吹っ飛んだもんな。
再生できてよかったけど、できないと考えたら恐ろしい場所だな。
ダンジョンって。
「わかった~」
こんなやりとりしてるのも、誰も大けがしてないからだもんな。
即死以外は治るにしても、即死は無理だもんな。
あ、そういや、アリエルは時間巻き戻しで国民の皆さんを救ってたな。
俺もできないかな?
今度実験してみよ。
時間を止めるくらいならいくらでもできるしな。
皮膚が戻せるなら全体の時間も戻せそうだよな。
翌日、授業が終わってからクロの部屋にみんなが集まった。
すると、ノックの音がした。
「はい、どうぞ。入ってください」
「なんで、私のウチなのにライが仕切ってんのよ!」
怒られた。
「失礼します」
と、言って入ってきたのは、3人の男女だ。
報酬の報告に3人はいらんだろ?
「あ」
と、セオの声がする。
「こんにちは、私はギルドマスターをしています、ドノバン・ガストンです。いつもセオドーレがお世話になっています」
「お父さ~ん、どうしたの~?長い間出張だったでしょ~?」
「今日はギルドマスターとして訪問したんだよ。少し待っててね」
文字通り子どもをあやすように扱う。
大人な雰囲気を纏ったオジサマだ。
かっこいい。
「初めまして、市役所で迷宮探索部の部長をしています、アイリッシュ・スタンレーと申します」
キャリアウーマンと言った感じの女性だ。
30代後半といったところか?
「どうも、私は、冒険者ギルド支部長のウルガー・バインです」
小太りのオジサンだ。
見たことあると思ったら、近所のギルドの支部長だったか。
3人の挨拶が終わったところで俺たちも名乗る。
「さて、挨拶も済んだことですし、さっそく本題へ移りますね」
セオのお父さんが仕切る。
「昨日君たちが探索したダンジョンについてですが、名前を確認しても?」
「アルルー城のダンジョン6ですね」
俺が答える。
「そのダンジョンは今は存在しないんだ。どうやら、昔から心配されていたようにダンジョンが一つに繋がってしまい、巨大なダンジョンとなっていたようだ。ランクにして、『特別級』だ。それを学生4人でクリアしたと聞いて驚いたが、セオもいるとは……」
「なんかごめん~」
「いや、謝らなくていいんだよ。でも、危なかっただろ?」
「いいや~、ボスはライがサクッと倒してくれたから簡単だったよ~?」
周囲がどよめきたつ。
「サクッと? 天使の腕2本級を? 学生だけで? しかもこんな小さな子が?」
市役所の部長が驚いている。
「しかも、天使の羽級を何百と倒してる後だろ?」
ギルド支部長も驚いている。
「それだけのことをやったんだ。もう、C級冒険者では足りない評価なんだよ。だから、セオ、今日からはS級を名乗りなさい」
「!!!」
俺たち4人全員が驚く。
「ほかの友だちも含めて3階級特進にしよう。そうでないと、貴重な人材を埋もれさせることになる。こんな前例はない。しかし、君たちはそれだけのことを達成したんだ。誇っていい」
と、言われても全く実感がない。
正直、ランクが上がるならなんでもいいけど、3人も押しかけてきた意味がわからん。
「そこで、ここからが難しい話なんだが、価格の交渉だ。ここからはギルマスとしての私と父としての私のせめぎ合いになるかもしれない。つまり、マナ抽出所としての資産価値についてだ」
「あぁ、それで3人もいらしたんですね。俺はお金には興味ないので、テキトーにしてくれてかまわないですよ。みんなはどう?」
「アタシもいいかな。お金には困ってない」
「私も困ってないよ~」
「私は困ってます。たくさんほしいです。いらないなら、みんなの分もください」
クロは正直だった。
「それじゃ、価格交渉はクロに任せるよ。おこづかいくらいは欲しいから取り分は1割でいいよ」
「アタシもそれで」
「私も~」
と、いうことでクロに丸投げして帰ってきた。
お父さんと久しぶりに会えて満足したセオは嬉しそうだった。
「もう少し一緒にいなくてよかったの?」
「あ~、多分お金の話は私がいない方がやりやすいんじゃないかな~?」
「それもそうか」
「え?ライはそれ狙ってたんじゃなかったの?」
アネモネに質問される。
「ん?なーんにも考えてなかった」
「らしくていいわね」
アネモネはフッと笑っていた。
「いるな」
俺がつぶやくとみんなが頷いた。
扉を開けると、巨大な天使がいた。
おそらく、謁見の間であろう天井の高さが10mほどの広大な部屋に大きな天使が鎮座していた。
よく想像される、白衣の天使だ。
純白の羽もある。
先ほどのミニ天使同様、顔は鬼の形相であるが……。
「さて、どうしようか?」
「そうね。私が殴るわ」
アネモネは攻めるのが好きだ。
「あの大きさに通常攻撃が通るかはわからないね~」
セオは冷静だ。
「私は応援しとくね」
クロは逃げ腰だ。
「う~ん。作戦ってほどじゃないけど、前の悪魔像の時みたいに重力で動きとめるからその間に有効な攻撃を探してよ」
俺がまとめる。
「了解」「了解」「了解」
そう、大物相手には重力が有効だ。
だって、でかい時点で重力と戦ってるからね。
その手伝いをちょっとしてやるとすぐにバランスが崩れる。
ほらね。
「今だ。たのんだよー」
「は~い」
「わかったわ」
「がんばれー」
セオはセラミックのショートソードを作り、火オーラと闇オーラを纏って切りつける。
相手が大きすぎるから大ダメージにはなりにくいが、チクチク攻撃は通っている。
アネモネは全身を全開オーラで纏い、あらゆる箇所を攻撃している。
打撃メインであるため、攻撃が通っているのかわかりにくい。
決定打に欠けるな。
悪魔像は、足元の重力操作で自滅してくれたけど、さすがは天使。
重力魔術を相殺しだした。
ヤバイ
「重力魔術が相殺されたから動くぞ」
「了解」「了解」「了解」
短いやりとりで最大限のコミュニケーションをとる。
魔術師大会のアレいってみよう。
重力魔術を相殺された上から5000倍でかける。
すると、天使はあっという間にぺしゃんこになってしまった。
圧殺である。
「ちょっと、一人でおいしいとこ持って行かないでよ!」
アネモネが怒ってる。
「ご、ごめん。そんなつもりはなかったんだ。魔術師大会と同じ重力5000倍を使ったらこうなっちゃっただけで……」
「そんなの普通は耐えられないよ~。魔術師大会の相手は実はやり手の魔術師だったのかもしれないね~」
今頃あのマスクマンの評価が変わっても誰も得をしない。
だから、とりあえず聞き流した。
「それで、ドロップアイテムは天使の腕2本だったね」
クロが回収しながら言った。
通常の成人男性の腕とみられる腕が2本転がっていた。
大きくなくてよかった。
元の天使の大きさだったら持って帰れないところだった。
「んじゃ、帰りますか!」
「そうだね」
3人が頷いていた。
「あ、それなら~、冒険者ギルドに寄って帰ろうよ~」
「そうだな。帰還の報告もいるもんな」
「ん~ん、冒険者ギルドでドロップアイテム換金できるよ~」
「え?そうなの?魔術屋だけだと思ってた」
って、ことで、大量のドロップアイテムを持って冒険者ギルドへ寄った。
「いらっしゃませ。ドロップアイテムの換金ですか?魔術屋へ行くよりは安くなりますが、大きく差がでないようには勉強させてもらいます。いかがなされますか?」
「もう、お金にも困ってないので、ここでいいです」
こんなこと言う12歳はいやだな。
「私は多く欲しいですー!」
クロは叫んでいるがスルーする。
「お願いします」
「かしこまりました。査定ができましたらお知らせしますので、ギルド内で少々お待ちください」
「わかりました」
「次は帰還報告に行こ~」
「そうだね」
アネモネが答える。
「ライラックパーティ、無事帰還しました」
代表して俺がしゃべる。
「はい、わかりました。たしか行ったのは、アルルー城のダンジョン6でしたね。上級ダンジョンですね。全員無事ですか?」
「はい。無事です」
「そうですか。おつかれさまです。それでは、マナ抽出所の規模を査定に向かいますので、後日ご連絡させていただきます。次のダンジョン探索の予定はありますか?」
「いえ、今のところは考えていません。あ、あと、ドロップアイテムの査定も今お願いしてるんですけど、よかったら一緒に結果を報告してもらえませんか?」
「ええ、もちろんかまいませんよ。それでは、ドロップアイテムの査定も合わせて、後日、お知らせに向かいます」
「よろしくお願いします」
「って、ことでいいよね?今日はもう帰ろう?」
「わかったわ。ちょっと疲れたもんね」
「そうだね~あれだけの量だと査定に時間もかかるしね~」
そう、かなりの量である。
カートにして3台分。
カートが足りなくなったので、無色オーラで作り出したくらいだ。
「いいけど、また私のウチで査定報告なんでしょ?」
「ばれた?」
「さっき査定説明の訪問先が私のウチになってるの見えたもん」
クロは鋭かった。
「さて、今度こそ帰りますか」
「は~い、クロちゃんバイバイ~イ」
「クロちゃんまたね」
「はーい、それじゃ、明日の授業で会いましょう!」
解散した。
俺たちは3人で連れ立って歩いた。
ちょっと疲れたな。
ボスは大したことなかったけど、ザコの数が多かった。
前のゾンビ並みに倒したもんな。
「さぁ、帰ったら3人でお風呂入ろっか!」
「えー、狭いからやだ」
「私はいいよ~。肌が触れてる方が安心するんだ~」
「でも、お風呂はアタシが最初ね!早く着替えたいのよ。この服、袖なくなったし」
そうだな、腕が吹っ飛んだもんな。
再生できてよかったけど、できないと考えたら恐ろしい場所だな。
ダンジョンって。
「わかった~」
こんなやりとりしてるのも、誰も大けがしてないからだもんな。
即死以外は治るにしても、即死は無理だもんな。
あ、そういや、アリエルは時間巻き戻しで国民の皆さんを救ってたな。
俺もできないかな?
今度実験してみよ。
時間を止めるくらいならいくらでもできるしな。
皮膚が戻せるなら全体の時間も戻せそうだよな。
翌日、授業が終わってからクロの部屋にみんなが集まった。
すると、ノックの音がした。
「はい、どうぞ。入ってください」
「なんで、私のウチなのにライが仕切ってんのよ!」
怒られた。
「失礼します」
と、言って入ってきたのは、3人の男女だ。
報酬の報告に3人はいらんだろ?
「あ」
と、セオの声がする。
「こんにちは、私はギルドマスターをしています、ドノバン・ガストンです。いつもセオドーレがお世話になっています」
「お父さ~ん、どうしたの~?長い間出張だったでしょ~?」
「今日はギルドマスターとして訪問したんだよ。少し待っててね」
文字通り子どもをあやすように扱う。
大人な雰囲気を纏ったオジサマだ。
かっこいい。
「初めまして、市役所で迷宮探索部の部長をしています、アイリッシュ・スタンレーと申します」
キャリアウーマンと言った感じの女性だ。
30代後半といったところか?
「どうも、私は、冒険者ギルド支部長のウルガー・バインです」
小太りのオジサンだ。
見たことあると思ったら、近所のギルドの支部長だったか。
3人の挨拶が終わったところで俺たちも名乗る。
「さて、挨拶も済んだことですし、さっそく本題へ移りますね」
セオのお父さんが仕切る。
「昨日君たちが探索したダンジョンについてですが、名前を確認しても?」
「アルルー城のダンジョン6ですね」
俺が答える。
「そのダンジョンは今は存在しないんだ。どうやら、昔から心配されていたようにダンジョンが一つに繋がってしまい、巨大なダンジョンとなっていたようだ。ランクにして、『特別級』だ。それを学生4人でクリアしたと聞いて驚いたが、セオもいるとは……」
「なんかごめん~」
「いや、謝らなくていいんだよ。でも、危なかっただろ?」
「いいや~、ボスはライがサクッと倒してくれたから簡単だったよ~?」
周囲がどよめきたつ。
「サクッと? 天使の腕2本級を? 学生だけで? しかもこんな小さな子が?」
市役所の部長が驚いている。
「しかも、天使の羽級を何百と倒してる後だろ?」
ギルド支部長も驚いている。
「それだけのことをやったんだ。もう、C級冒険者では足りない評価なんだよ。だから、セオ、今日からはS級を名乗りなさい」
「!!!」
俺たち4人全員が驚く。
「ほかの友だちも含めて3階級特進にしよう。そうでないと、貴重な人材を埋もれさせることになる。こんな前例はない。しかし、君たちはそれだけのことを達成したんだ。誇っていい」
と、言われても全く実感がない。
正直、ランクが上がるならなんでもいいけど、3人も押しかけてきた意味がわからん。
「そこで、ここからが難しい話なんだが、価格の交渉だ。ここからはギルマスとしての私と父としての私のせめぎ合いになるかもしれない。つまり、マナ抽出所としての資産価値についてだ」
「あぁ、それで3人もいらしたんですね。俺はお金には興味ないので、テキトーにしてくれてかまわないですよ。みんなはどう?」
「アタシもいいかな。お金には困ってない」
「私も困ってないよ~」
「私は困ってます。たくさんほしいです。いらないなら、みんなの分もください」
クロは正直だった。
「それじゃ、価格交渉はクロに任せるよ。おこづかいくらいは欲しいから取り分は1割でいいよ」
「アタシもそれで」
「私も~」
と、いうことでクロに丸投げして帰ってきた。
お父さんと久しぶりに会えて満足したセオは嬉しそうだった。
「もう少し一緒にいなくてよかったの?」
「あ~、多分お金の話は私がいない方がやりやすいんじゃないかな~?」
「それもそうか」
「え?ライはそれ狙ってたんじゃなかったの?」
アネモネに質問される。
「ん?なーんにも考えてなかった」
「らしくていいわね」
アネモネはフッと笑っていた。
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