26 / 39
第一部 三章
ヒロインとピストル
しおりを挟む
そこに彼女はいた。
名前も顔も知らない女の子。
未だ机に伏せたまま。
なぜ、みんな彼女に気がつかなかったのだろうか。どうやって彼女は出席を取ったのだろうか。そもそも何で彼女は寝ているのだろうか。とか。
ひょっとして死んでしまっているのか。自分にだけ見えているのか。他の人には見えていないのか。
おかしなところは山ほどあったのだけれど。
だけれど。なぜかこの時の俺はその全てを起きたままに受け入れた。
なぜかこの時の俺はその全てをおかしなことだと思わず、当たり前だと思って。
思って、一歩ずつ彼女に近づいて行く。
周りの音が遠ざかり、周りの温度が遠ざかり、周りの匂いが遠ざかっていく。
足を進めて行くたびに、もうこの世界には自分と彼女の二人きりしかいないんじゃないかと思った。
目を覚まして、朝から妹が叫んだり、桜散る道を歩いたり、龍太郎と千和子と階段を走ったり。
今日のことだけじゃない。
昨日四人で映画を観に行ったこと。一昨日、辛口のカレーを食べたこと。十三歳のとき龍太郎とスーパーの試食を食べ歩いて一日過ごしたこと。七歳の時に千和子と積もりたての雪に顔を埋めたこと。三歳の時、妹に出会ったこと。
そういった今までの記憶が、ぽっかりと消失してしまって。
自分は今この身長、この体重、この格好のままで母親のお腹の中にいて、たったさっきこの世に誕生したような。
もちろんこの先こと。
入学式がどうとか高校生活がどうとか、そんなことは頭になかった。
何も考えていないようで、何かを考えながら、彼女の元へと歩いていった。
「も、もしもーし……」
側まで来たはいいが、なんと声を掛けていいか分からず定番の言葉で、様子を伺う。
けれど変わらず彼女は、すぅー……すぅー……と寝息を立てるだけ。
「あの、大丈夫、ですかー?……えっと」
えっと、なに、サンだ? 先ほどより声を大きくしてみたものの、俺はまだこの女の子の名前すら知らないのだ。
ふと教卓の方を振り返ると黒板の右端。赤いマグネットでA4ほどの用紙が貼られていた。
目はいい方では無いが察しはつく。俺は遅刻して来て空席が明白だったから自分の席がわかった。
けれどそうでない、最初に教室に入って来たような人でも自分の席が分かるように、クラスの座席図があるのが当然だ。
来た道を引き返して貼られた紙を見る。7×6で並べられた四角。囲われた枠の中に、クラスメイトの名前が書かれていた。
自分の名前はすぐに見つかる。
「美藤 錬真」と、苗字と名前で二段に分かれていた。
その左隣。
そこには漢字が三つ。
まずは上段、彼女の苗字であろう二文字、「聖本」と。
「あん?」
思わず素っ頓狂な声が出る。
「田中」とか「佐藤」とか、そこまでありふれたものじゃなくても、せめて「一岡」レベルだったら初めて見ても雰囲気で、ニュアンスでなんとなくわかる。だが、そこに書かれた二文字、「聖本」。
それは中一の時「乙訓」という苗字に出会った時の衝撃を彷彿とさせた。
ええ! そのZみたいなやつ漢字なの⁉ みたいな。記号じゃねぇのかよ的な。
苗字は……ダメだと諦める。
聖本の下段、おそらくは彼女の下の名前。
その一文字には見覚えがあった。
「うらら……」
漏れた言葉の余韻が口の中いっぱいに広がる。
「麗らか、だ」
昨日、初めて使った言葉。
ピンポンパンポンと軽やかなメロディーが聞こえ、窓の方へ目を向ける。
並ぶ透明のガラス。その一つが半分ほど開けっ放しになっていて、そこからゴミ回収車の音楽が二人だけの教室に入ってくる。
空には大きな雲。それが綿菓子を連想させて甘そうだな、なんて思った。
見つめていると自分も雲の一部になったようなフワッとした感覚がして少しの間、ゆっくり流れていく綿菓子然としたものから目を反らせなかった。
回収車の音楽が薄れていく、遠くへ離れて行ったのだろう。
すると頭上でチッチッチッ……と音がするので、なんだろうと見上げる。
黒板の上にかけられた時計、その長針が指すのは10寄りの9。
ああ、そうだ。ぼーっとしてる場合じゃない。
この後、入学式があるんだ、体育館で。もうすぐ始まってしまう。
彼女の名前が半分わかったところ、で急いで席へと戻る。
「うらら、うらら……」
と忘れてしまわないように独り言を繰り返す。
うららのアクセントはどこだろう。「う」に置くのか。ウらら。うラ、ら。
あれおかしいな。
今までどうやって読んでいたっけ。なんせ昨日初めて口にしたものだから。使いたてほやほやだから。
うららの文字がぐるぐる回る頭の中。そうこうしていると当の本人、なんとかうららさんの横まで来てしまう俺。
「おい、起きろよ」
声が裏返る。緊張していた。
「…………」
返事は返ってこない。
「起きろって」
小心者の自分に似合わず少しだけ語気を強めても、彼女は鼻呼吸を続けるだけ。
「う」
発音の仕方に自信は無い。おかしいかもしれないけれど、言うしかない気がした。
もしも聞こえているなら、どうか笑わないでほしい。
「うらら」
が、それでも居眠りを続ける彼女に痺れを切らしてもう一度「うららっ!」と大きな声量で呼びながらその肩へと手を伸ばした。
一定のリズムでゆっくり、かすかに上下運動を続けるその右肩に。
が、触れることはなかった。
パチリと瞼を開け少女は頭を上げる。
「触るなっ!」
自らへ伸びる腕を横目で捉えると、すかさず払いのける。
「へ」
不意に押され、少年はそのまま後ろへ尻餅をつく。
見上げれば彼女は席から立っていた。陰になってその顔は見えず。
先ほどとは真逆。少年を見下ろす少女。
呆然とする錬真。
前に立つ彼女に、思わず息をのむ。
その身長は自分よりは低いが腰の位置は高いような気がした。スラリと制服のスカートから伸びた白い脚は太くもなく細くもなく健康的で、かかと落としとか得意そうだな、なんて思った。
いや、身長も自分と同じくらいかもしれないと。そう思ったのは、輪郭だけ見える顔が作り物のように小さかったからだ。
ゴクリと、生唾を飲み込む音が自分でも聞こえた。
「いま、私に触った?」
透き通るような声が上から降ってくる。
それは脳裏に焼きつくような綺麗な声でもあったが、ふとした時に忘れてしまうと、二度と思い出せないような繊細なものでもあった。
呆気にとられて言葉が出ず。代わりに首を横にふる。
すると彼女は、一瞬、ブレザーの懐に両手を忍ばせたかと思うと、何かが宙に投げられた。
くるりくるりと空へ舞った二つの黒い物体。あるところまで行くと重力に従い彼女の元まで戻ってくる。
胸のところまで落ちてきたところで、両手を交差してそれを掴むと、まっすぐ腕を伸ばしてそれをこちらに向ける。
それまでの出来事は刹那の間に行われた。
あまりに無駄のない所作に見とれてしまう。
彼女のしなやかな四本の指がグリップを掴んでいて、残る人差し指は何かに引っかかっている。
目の、良い方では無いから、俺は。
勘違いの可能性も十分にあるのだけれど。
彼女の両手には拳銃が握られていた。
俺の目と見つめ合う二つの銃口。目があってビビッと電撃が走り、禁断の恋が始まる。
なんてことはなく。走ったのは戦慄だった。
背中に汗が流れる。血の気が引くってこういう感じなのかな。
「お前、それ、本物じゃない、よな」
途切れ途切れに口にする俺の言葉。だが彼女は聞こえないふりをする。いやふりじゃなくて本当に聞こえてなかったのかもしれない。
「いま、私に触った?」
先ほどと同じ言葉を放つ。響きは先ほどより冷たく。
名前も顔も知らない女の子。
未だ机に伏せたまま。
なぜ、みんな彼女に気がつかなかったのだろうか。どうやって彼女は出席を取ったのだろうか。そもそも何で彼女は寝ているのだろうか。とか。
ひょっとして死んでしまっているのか。自分にだけ見えているのか。他の人には見えていないのか。
おかしなところは山ほどあったのだけれど。
だけれど。なぜかこの時の俺はその全てを起きたままに受け入れた。
なぜかこの時の俺はその全てをおかしなことだと思わず、当たり前だと思って。
思って、一歩ずつ彼女に近づいて行く。
周りの音が遠ざかり、周りの温度が遠ざかり、周りの匂いが遠ざかっていく。
足を進めて行くたびに、もうこの世界には自分と彼女の二人きりしかいないんじゃないかと思った。
目を覚まして、朝から妹が叫んだり、桜散る道を歩いたり、龍太郎と千和子と階段を走ったり。
今日のことだけじゃない。
昨日四人で映画を観に行ったこと。一昨日、辛口のカレーを食べたこと。十三歳のとき龍太郎とスーパーの試食を食べ歩いて一日過ごしたこと。七歳の時に千和子と積もりたての雪に顔を埋めたこと。三歳の時、妹に出会ったこと。
そういった今までの記憶が、ぽっかりと消失してしまって。
自分は今この身長、この体重、この格好のままで母親のお腹の中にいて、たったさっきこの世に誕生したような。
もちろんこの先こと。
入学式がどうとか高校生活がどうとか、そんなことは頭になかった。
何も考えていないようで、何かを考えながら、彼女の元へと歩いていった。
「も、もしもーし……」
側まで来たはいいが、なんと声を掛けていいか分からず定番の言葉で、様子を伺う。
けれど変わらず彼女は、すぅー……すぅー……と寝息を立てるだけ。
「あの、大丈夫、ですかー?……えっと」
えっと、なに、サンだ? 先ほどより声を大きくしてみたものの、俺はまだこの女の子の名前すら知らないのだ。
ふと教卓の方を振り返ると黒板の右端。赤いマグネットでA4ほどの用紙が貼られていた。
目はいい方では無いが察しはつく。俺は遅刻して来て空席が明白だったから自分の席がわかった。
けれどそうでない、最初に教室に入って来たような人でも自分の席が分かるように、クラスの座席図があるのが当然だ。
来た道を引き返して貼られた紙を見る。7×6で並べられた四角。囲われた枠の中に、クラスメイトの名前が書かれていた。
自分の名前はすぐに見つかる。
「美藤 錬真」と、苗字と名前で二段に分かれていた。
その左隣。
そこには漢字が三つ。
まずは上段、彼女の苗字であろう二文字、「聖本」と。
「あん?」
思わず素っ頓狂な声が出る。
「田中」とか「佐藤」とか、そこまでありふれたものじゃなくても、せめて「一岡」レベルだったら初めて見ても雰囲気で、ニュアンスでなんとなくわかる。だが、そこに書かれた二文字、「聖本」。
それは中一の時「乙訓」という苗字に出会った時の衝撃を彷彿とさせた。
ええ! そのZみたいなやつ漢字なの⁉ みたいな。記号じゃねぇのかよ的な。
苗字は……ダメだと諦める。
聖本の下段、おそらくは彼女の下の名前。
その一文字には見覚えがあった。
「うらら……」
漏れた言葉の余韻が口の中いっぱいに広がる。
「麗らか、だ」
昨日、初めて使った言葉。
ピンポンパンポンと軽やかなメロディーが聞こえ、窓の方へ目を向ける。
並ぶ透明のガラス。その一つが半分ほど開けっ放しになっていて、そこからゴミ回収車の音楽が二人だけの教室に入ってくる。
空には大きな雲。それが綿菓子を連想させて甘そうだな、なんて思った。
見つめていると自分も雲の一部になったようなフワッとした感覚がして少しの間、ゆっくり流れていく綿菓子然としたものから目を反らせなかった。
回収車の音楽が薄れていく、遠くへ離れて行ったのだろう。
すると頭上でチッチッチッ……と音がするので、なんだろうと見上げる。
黒板の上にかけられた時計、その長針が指すのは10寄りの9。
ああ、そうだ。ぼーっとしてる場合じゃない。
この後、入学式があるんだ、体育館で。もうすぐ始まってしまう。
彼女の名前が半分わかったところ、で急いで席へと戻る。
「うらら、うらら……」
と忘れてしまわないように独り言を繰り返す。
うららのアクセントはどこだろう。「う」に置くのか。ウらら。うラ、ら。
あれおかしいな。
今までどうやって読んでいたっけ。なんせ昨日初めて口にしたものだから。使いたてほやほやだから。
うららの文字がぐるぐる回る頭の中。そうこうしていると当の本人、なんとかうららさんの横まで来てしまう俺。
「おい、起きろよ」
声が裏返る。緊張していた。
「…………」
返事は返ってこない。
「起きろって」
小心者の自分に似合わず少しだけ語気を強めても、彼女は鼻呼吸を続けるだけ。
「う」
発音の仕方に自信は無い。おかしいかもしれないけれど、言うしかない気がした。
もしも聞こえているなら、どうか笑わないでほしい。
「うらら」
が、それでも居眠りを続ける彼女に痺れを切らしてもう一度「うららっ!」と大きな声量で呼びながらその肩へと手を伸ばした。
一定のリズムでゆっくり、かすかに上下運動を続けるその右肩に。
が、触れることはなかった。
パチリと瞼を開け少女は頭を上げる。
「触るなっ!」
自らへ伸びる腕を横目で捉えると、すかさず払いのける。
「へ」
不意に押され、少年はそのまま後ろへ尻餅をつく。
見上げれば彼女は席から立っていた。陰になってその顔は見えず。
先ほどとは真逆。少年を見下ろす少女。
呆然とする錬真。
前に立つ彼女に、思わず息をのむ。
その身長は自分よりは低いが腰の位置は高いような気がした。スラリと制服のスカートから伸びた白い脚は太くもなく細くもなく健康的で、かかと落としとか得意そうだな、なんて思った。
いや、身長も自分と同じくらいかもしれないと。そう思ったのは、輪郭だけ見える顔が作り物のように小さかったからだ。
ゴクリと、生唾を飲み込む音が自分でも聞こえた。
「いま、私に触った?」
透き通るような声が上から降ってくる。
それは脳裏に焼きつくような綺麗な声でもあったが、ふとした時に忘れてしまうと、二度と思い出せないような繊細なものでもあった。
呆気にとられて言葉が出ず。代わりに首を横にふる。
すると彼女は、一瞬、ブレザーの懐に両手を忍ばせたかと思うと、何かが宙に投げられた。
くるりくるりと空へ舞った二つの黒い物体。あるところまで行くと重力に従い彼女の元まで戻ってくる。
胸のところまで落ちてきたところで、両手を交差してそれを掴むと、まっすぐ腕を伸ばしてそれをこちらに向ける。
それまでの出来事は刹那の間に行われた。
あまりに無駄のない所作に見とれてしまう。
彼女のしなやかな四本の指がグリップを掴んでいて、残る人差し指は何かに引っかかっている。
目の、良い方では無いから、俺は。
勘違いの可能性も十分にあるのだけれど。
彼女の両手には拳銃が握られていた。
俺の目と見つめ合う二つの銃口。目があってビビッと電撃が走り、禁断の恋が始まる。
なんてことはなく。走ったのは戦慄だった。
背中に汗が流れる。血の気が引くってこういう感じなのかな。
「お前、それ、本物じゃない、よな」
途切れ途切れに口にする俺の言葉。だが彼女は聞こえないふりをする。いやふりじゃなくて本当に聞こえてなかったのかもしれない。
「いま、私に触った?」
先ほどと同じ言葉を放つ。響きは先ほどより冷たく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
