【完結】 愛されない私と隠れ家の妖精

紬あおい

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17.決行

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朝から聞かれもしないのに、隠れ家の滞在時間が長くなると、ジークハルト様に伝える。
いつもは夕方前には邸宅に戻っていたが、今日は夕食も隠れ家で取り、夜に咲く花を見つけたので、それを見てから深夜に戻ると嘘を吐いた。
その時、ジークハルト様の表情が少し緩んだのを見逃さなかった。

邸宅の使用人には、絶対に秘密と宝石を握らせて、夜に二人がどの部屋にいるかを知らせるように指示した。
執務室なのか、客間なのかを知りたかった。
流石に寝室ではないと思いたい。

使用人には、裏切らないように、三ヶ月は暮らせそうな宝石を与えた。
黙っていてくれれば、そのまま雇用するし、安心していいと伝えた。

そして、私は夜まで隠れ家でのんびりしていた。

「何か企んでるでしょ?」

ピクシーが不意に現れる。

「うん。この先もここに来られるか、重大な企みよ。」

「そうか…何があっても、気を確かにね!」

ピクシーはそう言って消えた。

何があっても、か。
もう分かってるんだ。
私はジークハルト様を愛してしまったってこと。
最初から何の望みもなくて、惨めな自分は認めたくなかったんだって。

でも、もう限界だ。
終わるなら、それで仕方ない。
今までだって、自分が望んだものが手に入らないことはあった。
カシウス様だってそうだった。

たまたま、ジークハルト様が優しくしてくださったから、すっかり忘れていただけ。
欲をかいてしまったから、バチが当たったのかもしれない。

夜になり、私は意を決して邸宅に戻り、使用人に二人の居場所を聞いた。

「今は、客間にいらっしゃいます。」

やっぱりな、と思いつつ客間へ迎い、いきなりドアを開けてみた。

そこには、ソファで、ドレスを緩めてジークハルト様に口付けを強請るようなリシアンヌがいた。

「そういうこと、と認識していいのでしょうか?」

ジークハルト様は、慌ててリシアンヌの体を離す。

「いや、違うんだ!リシアンヌ嬢が気分がすぐれないと言うから!!」

「お姉ちゃん、違うのよ!!」

「二人きりで部屋に籠って?そんなに近付いて?義兄妹の距離にしては、随分と近いのですね。」

私は二人を見つめて、溜め息をついた。

「今後どうしたいか、それぞれ考えてください。」

今夜は邸宅にいたくない。
この後の二人の様子も知りたくない。
引き裂く気もなければ、縋り付く気もない。
私は、また隠れ家に戻った。

分かっていたことなのに。
涙が止まらない。
胸が苦しい、息が出来ない。
このまま、ここで倒れても誰も来ない。
それもいいかな、楽になってもいいかなと考えながら意識が途切れた。

朦朧とした中、ピクシーの声を聞いた気がする。
耳元で、はっきりと。

「大丈夫だよ。最後は望みが叶うから。」
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