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45.初めてのように *
しおりを挟む記憶を失くして、気持ちが通じて、初めて抱き合う。
テオドリクスは妙に緊張している。
「テオは…前のは…初めてだったの…?」
「その日の記憶が、まだはっきり思い出せてないから、凄く悔しいけど、今からするのも初めてになるのか…」
「えっ!?あんなに破廉恥なことした人が、今日は童貞って…え…?どうしよう…」
「一応貴族の男は、閨の教育は受けるから。俺は実地なしだったが。大丈夫!そういうことは体が覚えている気がする…」
「破廉恥>妻なのですかっ!?」
「いや!違う、違う!!」
これ以上は不毛な話し合いになりそうなので、ぶちゅっと唇を奪ってやった。
「んんんっ!」
声を漏らすテオドリクスの舌を、思う存分吸ってみる。
吸って絡めて舐め回す。
全部テオドリクスと一緒に私が覚えたこと。
はぁはぁと激しい息遣い、私を見つめる瞳、懐かしくて昂る。
でも、テオドリクスの反応は、初めての日と同じにも見える。
そう思うとドキドキが伝染する。
テオドリクスは、私の夜着を引き千切るように脱がし、乳房を両手で包み込む。
「柔らかい…可愛い…」
夢中で乳首を舐めて転がす。
「ぃやん、テオ…気持ちいぃ…」
テオドリクスは下に体をずらし、陰核に吸い付き、指は陰唇をかき分けて出し入れする。
「濡れてるし、中がピクピクしてる。挿れたら絶対気持ちいい…」
我慢出来ないといった様子で、陰茎を捩じ込んでくる。
でも、動かない。
「どうしたの?」
「動いたら、すぐ出ちゃいそうな気がして…」
「え…今更…」
「俺、そんなに早かった?」
「時と場合によるわ…回数は化け物級…」
「何か、いろいろ、すまない。でも…」
言葉と裏腹に、目付きがギラギラして、スイッチが入ったようだ。
ぱんっ、ぱんっと激しく打ち付けられ、私もそろそろ限界だ。
「あぁんっ、激しい!もうだめっ、イっちゃうっ!」
「締めんなっ!気持ちいい、イくっ!」
2人で達した充足感を微笑み合って分かち合う幸せ。
一度失ったと思ったものが帰って来たと感じる。
「セシリア、俺、幸せだ。」
「私も。テオが居れば何でもいい。絆なんて今からでも何とでもなる。また私を好きになってくれて、ありがとう。」
テオドリクスの目が潤んでいる。
そして、大切なものを包み込むように抱き締める。
「テオ…私の中のものがまた…」
「繋がったままだからな。セシリアがイった後も中がヒクヒクして気持ちいいんだ…挿れてるのに吸われてるみたいな?不思議な感覚だよ。なんて話してたら、またしたくなった…いいかな?」
また大公がワンコになってる。
懐かしさに胸がキュンとする。
「あっ、今締まった!もうダメだ…くっ、我慢出来ない!」
私を抱えて対面座位で突き上げる。
深い所をグリグリされると気が遠くなる。
「奥が…吸い付いてくる!何だ?これ…ちょっ、と、待っ、て…あぁ気持ち良過ぎ…」
「ゃだ、テオ!また大きくなった…あぁぁ、イくうぅぅ…」
「ダメだ、保たない…出るっっっ!!」
大きく息をして、テオドリクスはゴロンと横になった。
目を閉じたまま、しみじみ話す。
「俺、こんな凄い体験を忘れてるのか?信じられない…」
「無理に思い出さない方がいいんだって。ストレスになるから…だったら、また始めればいいわ。思い出してくれたこともあるし、新たな気持ちで、思い出を増やしていくことも出来るし。」
「また始めようと思ってくれて、ありがとう。本気でこの女離せないと思わせた俺の本能も凄いだろ?」
「威張るとこじゃない…私は一時本気で悲しかった…でも、もういい。前しか見ないから。」
ここまで来たのだから、この先もテオドリクスと一緒がいい。
あんなに壊れ掛けていた心を修復するのは、やっぱりテオドリクスにしか出来ないことだ。
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