【完結】嫌われ悪女は俺の最愛 〜グレイシアとサイファの恋物語〜

紬あおい

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6.意図せず求婚

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あっという間にデルーミア語を習得したグレイシアの噂は、すぐに俺の父であるガイヤ国王の耳に届き、晩餐に招待するように言い付かった。

「グレイシア、国王陛下が会いたがってるんだけど、晩餐に招待してもいい?」

「えっ!?いいけど、私はどの立場で参加するの?ドレスも普段着しかないわ。」

「ドレスは俺が今から準備するから大丈夫!恋人の立場で来てくれないか?」

「大丈夫かな…」

「大丈夫、俺が傍に居る。」

少し不安そうなグレイシアだったが、了承してくれた。
そして、挑んだ晩餐で、ガイヤ国王とカナリー王妃は、流暢にデルーミア語で受け応えするグレイシアに好感を持ったようだ。

「流石、皇族の血筋だな。」

笑顔で褒めた国王にグレイシアは、まさかの反論をした。

「グラナードとファビオラの血筋でございます。
私はエヴァンス公爵家の者です。
それには、グラナードとファビオラの二人が居るからこそのエミリオンと私ですから。」

「なるほど。エヴァンス公爵家の者は家族愛が深いと皇帝陛下は言っていたが、その通りだな。
では、グレイシア嬢がデルーミア王国の王妃になったとしたら?
それでもエヴァンス公爵家が一番なのか?」

「その場合は、サイファ殿下が一番で、デルーミア王国の民が二番、エヴァンス公爵家は三番目となりましょう。
優先順位は、その時その時で変化するものですから。」

ガイヤ国王は、グレイシアをじっと見据えた。

「民が一番ではないのか?」

「はい、サイファ殿下が一番です。この王国の制度に王政がある限り、国を統べる存在は絶対必要です。
ですから、サイファ殿下と添い遂げるなら、サイファ殿下を護ることが、私の中の一番です。」

「はっはっは!サイファ、ここで求婚する令嬢が居るとは!!凄い令嬢を連れて来たな。」

「えっ!?はっ???求婚!?」

サイファは立ち上がり、慌てるグレイシアを抱き締めた。

「陛下!いえ、父上、私はグレイシアと結婚します。」

「いいだろう。ちょっと破天荒な令嬢だが、そなたにはちょうどいい。ただ、二年は我慢しなさい。留学生として預かっているのだからな。」

「分かりました。その二年、グレイシアと他国の言葉やデルーミアの情勢を学び、王子妃に相応しい女性になってもらいます。」

そんな中、カナリー王妃がグレイシアに微笑みかけた。

「グレイシア嬢、サイファは甘ったれな子だから、しっかり面倒を見てあげてね?」

「は、は、はいっ!お任せください!!」

グレイシアは、ガイヤ国王とカナリー王妃を目の前に、サイファに求婚したことになってしまった。

(あれっ!?私がサイファに求婚されたんじゃなかったっけ?何でこんなことに…?)

サイファは、くるくる変わるグレイシアの考えが手に取るように分かり、一人ほくそ笑んだ。
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