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41.宴の後に *
しおりを挟む「そろそろお開きとするか!兄上はまだまだ私と呑みましょう。」
思い思いに楽しんだ晩餐会は、グラナードの〆の挨拶で、一同動き出す。
「さあ、リオラ、リディア!私と女の子だけのパーティをするわよ!!」
「えっ!?グレイシアお姉様と!」
「わーい!素敵!!」
「えーーっ、ズルい、僕も仲間に入れてください!」
グレイシアは、私とエミリオンにウィンクをして、双子達を連れ去ろうとすると、何故かエルドランド殿下も着いて行く。
「じゃあ、エルは寝るまで遊んであげる!」
「はい!」
エミリオンは、双子達に着いて行くエルドランド殿下を見て、一瞬ぴきっと額に青筋を立てたが、グレイシアに笑われただけだった。
「ヴェリティ、ちょっといい?」
そして、私がファビオラ夫人に呼ばれたので、エミリオンは「後でね」と小さく囁いて、私室に戻って行った。
「さあ、ヴェリティ、湯浴みよ!」
気合い充分のファビオラに翻弄され、コリンヌや他の侍女達に全身磨かれ、気付けば私はあっという間に薄いナイトドレス一枚にされた。
「はい、いってらっしゃい!」
「ヴェリティ様、しっかりお励みください!」
謎の声援を受けて、私はエミリオンの私室に送り届けられた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
部屋に入ると、バスローブの胸元を開けたエミリオンがソファで水を飲んでいた。
(うわっ、筋肉!!!)
「ヴェリティも何か飲む?」
「は、はい、私もお水をいただきます。」
グラスを受け取る時、指先が触れて、瞬時に緊張が走る。
「そんなに緊張しないで?俺にも伝染する…
まさか、グレイシアに見つかって、皆の公認のように、こうなるとは思っていなくて…
いや、こうなりたいとは思っていても、やっぱりヴェリティの気持ちが、自然とそうなるまで待つつもりで…」
エミリオンは、飽く迄も私の気持ちが優先なのだなと嬉しくなる。
「大丈夫ですよ?ちょっと皆様のお心遣いとか驚いたけど、エミリオン様に触りたいと言ったのは本心です。」
エミリオンは、ほっとしたような顔で微笑んだ。
「では、ベッドに参りましょうか、奥様。」
「はい。ひゃっ!?」
「新婚ですから、お連れします。」
グラスを置くと、エミリオンに横抱きにされ、ベッドに下ろされた。
「不手際があったら、直ぐ言って?」
「ふてぎわ…?」
「は、初めてなんだ、俺…」
私は真っ赤に染まったエミリオンが愛おしくて、手を引っ張り、口付けた。
正しい方法なんて、私にも分からない。
だから、今は求めたいように求めるだけ。
「ヴェリティ、愛してる…今日という日を忘れない。
リオラやリディアに父親として認められて、ヴェリティが腕の中に居て。俺は幸せだ。」
「私も、忘れられないと思います。」
「ヴェリティ、愛してるよ。」
口付けの角度が変わる度、エミリオンの口から漏れる囁きは、熱くて心地良い。
唇は重なったまま、私はエミリオンのバスローブを寛げ、分厚い胸板を撫でながら、背中を抱き締めた。
「ヴェリティ、脱がせていいか?」
こくりと頷くと、エミリオンはそっとナイトドレスのリボンを解き、胸を露わにする。
「ああぁ、綺麗だよ、ヴェリティ。これがヴェリティの…」
大きな手のひらで、そっと乳房を包み込み、頂を口に含む。
その全てが優しくて、私はやわらかな快感の中に沈んでいく。
「ぁんっ、エミリオン様…」
ちゅっちゅっと頂を吸いながら、時折甘噛みされ、私の口からも甘い声が漏れる。
そして、私の反応を楽しむように、エミリオンは脇腹を摩り、指先は更に下へと滑らせていく。
「ドレス、全部脱がせるね?」
するりとドレスは脱がされ、エミリオンは私の両膝を開く。
「ヴェリティ、濡れてる…心地良いのか?」
「はい、とても。」
「良かった…じゃあ、こっちも。」
エミリオンの指先は、太腿を摩り、濡れたひだをなぞる。
「ひぅっ!んんっ!!」
ぬぷりと膣に入る指先に、私の腰はびくんと跳ね上がり、エミリオンがふっと笑った気配がした。
「敏感なんだね…可愛いな、その声も何もかも…堪らない…」
次の瞬間、エミリオンはじゅっと吸い付き、舌が膣をぬるぬると蠢く。
「あっ、ああぁんっ、エミリオン様!」
私は、押し寄せる快感に我を忘れ、腰を押し付けると、エミリオンは指で膣をかき乱し、唇は花芽を吸い上げた。
「んんっ、それ、だめっ、エミリオン様!イくっ、イっちゃうからぁ!!」
今まで感じたことのないような快感に、私の体はびくびくと痙攣し、脱力した。
「ヴェリティ、達したのか?」
エミリオンは、私を気遣い、ふわりと抱き締め、顔を覗き込む。
こんな時も優しいのかと、私は胸が熱くなる。
「はい…凄かったです…私、エミリオン様も気持ち良くなって欲しいです。」
私はエミリオンの唆り立つものに手を伸ばす。
「あっ、ちょっ、待って、ヴェリティ、そ、それはまずい!触られたら、駄目だっ!!だったら、挿れていい?」
「はい。」
エミリオンはそっと起き上がると、ゆっくり膣に入って来た。
「あぁ…膣、狭いな…あたたかくて、ぬるりと包み込まれるみたいだ…
ヴェリティ、少しこのままで居させて?気持ち良過ぎて、動いたらやばい…」
じっくり味わうようなエミリオンに腕を伸ばし、私は深く口付け、琥珀色の瞳を真っ直ぐに見つめて囁く。
口に出したい言葉と衝動に、私は従う。
「エミリオン様、私、あなたを愛してる。」
「っ!?んんっ、あっ、あぁっ!!」
その瞬間、膣でどくんと跳ね上がり、下腹にあたたかいものが広がった。
そして、エミリオンが私に覆い被さってきた。
「ヴェリティ…それは、とんでもない反則技だ…我慢出来なかった…」
挿れただけで達したことを恥ずかしがるエミリオンが可愛くて、私は思い切り抱き締めた。
「愛してるは、反則技なの?」
「嬉し過ぎて、出てしまった…クソっ、ヴェリティをたくさん感じさせて、余裕のある男を見せたかったのに…やはり…本の通りにはいかないな…」
エミリオンはしょぼんと項垂れるが、私はそんなエミリオンが愛おしくて堪らない。
「そんなあなたも、全部愛してます。」
「ヴェリティ、俺も愛してる!」
膣で呼応するように、またエミリオンのものが圧を増す。
「あっ…今度は長持ちさせるから、またいいかな?」
照れるエミリオンに、私は微笑む。
「エミリオン様の好きにしていいの。私はあなたの妻でしょう?」
「ヴェリティ、俺のヴェリティ!」
エミリオンは性急な抽送で、私の五感全てをかき乱し、熱く火照らせ、狂わせた。
「ん、ふっ、あぁん、そこ、いい!」
「はぁ、ああぁ、ヴェリティ、俺も、溶けそうだ、ああっ、もう!すまない、やっぱり保たない!!」
追い込むかのような抽送と、目が眩むような昂りに二人は一つに溶ける。
「あっ、奥、あああん、だめっ、またイくっ!」
「ヴェリティ、出すよっ、膣に!口付けながら、一緒に!あああー、ヴェリティ、イくっ、んんんっ!!」
それからも、幾度となく高みに押し上げられ、その度にエミリオンは私に愛を囁き、それは窓からやわらかな陽射しが二人を照らすまで続いた。
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