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73.家族旅行 ① *
しおりを挟むそれから数日、こっそり家族旅行の準備をしたグラナードは、夕食の場で発表した。
「明日から家族旅行に行くぞぉぉぉー!」
「「「ええぇーーー!?」」」
ヴェリティと双子達だけ驚いている。
「グリーンベル湖の陛下の別荘に行くのだ!
馬車で片道二日間、滞在は五日、帰りも二日、合計九日間の旅だ。
メンバーは、私とファビオラ、エミリオンとヴェリティ、グレイシアとサイファ、リオラとリディア。
そして、エルドランドが案内役で、護衛騎士としてジオルグ。
クレシアとコリンヌも身の回りの世話を頼みたいので、着いて来てもらう。
ファーガソンは、申し訳ないがベンジャミンと執務を担当する為、残ってもらう。」
食堂の隅に立つクレシアは微笑み、コリンヌは何故か小さく拳を握り喜んでいる。
「ファーガソン、お土産買ってくるね!」
「リオラお嬢様、お気遣いなく。皆様が楽しんで、ご無事で戻られることが一番のお土産でございますよ。」
ファーガソンも、これが初めての家族旅行であり、このメンバーでの家族旅行は最初で最後だろうと感じていた。
「そう遠慮するな。皆の分も買ってくるよ!だから、留守を頼むよ。」
グラナードは、使用人達全員にお土産を買ってくると約束した。
こうして、エヴァンス公爵家+各婚約者達はグラナードが手配した外見は地味で、キャビン内は豪華な馬車五台で出発することにした。
「私とファビオラ
エミリオンとヴェリティ
グレイシアとサイファ
リオラ・リディア・エルドランド・ジオルグ
クレシアとコリンヌ
各一台ずつに乗車するように!」
「「うわっ!!」」
双子達の叫び声がして、ファビオラはこっそり微笑んだ。
グラナードは渋々だが、娘達の恋を応援する気持ちになったようだ。
「途中で休憩も挟むから、リオラとリディアは、一回位はじぃじと乗ってくれるか?」
「もちろんです!お祖父様とお祖母様とも馬車に乗りたいです!!」
「夜は、お祖父様とお祖母様と乗ります!!」
周りの大人達は、リオラとリディアがはっきり言うと、ジオルグとエルドランドががっかりしたように見えたのは、気の所為と思うことにした。
(リオラもリディアも、ちゃんと弁えているのね。)
ヴェリティは、グラナードの気持ちも、双子達の配慮も微笑ましく思った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翌朝、サイファやエルドランドやジオルグも合流し、エヴァンス公爵家の玄関先には見送りも含めて、たくさんの人で賑わっていた。
「皆、邸は頼んだぞ!しゅっぱぁぁぁつっ!!」
グラナードの掛け声で、各々馬車に乗り、わくわくした気持ちで家族旅行はスタートした。
エミリオンとヴェリティは、馬車の中で靴を脱いで、隣同士で座った。
「キャビン内は広いし、足元もふかふかですね。」
「父上と母上の拘りが全て入った馬車だからな。
これを五台も揃えたなんて、信じられないよ。」
「クレシアやコリンヌの馬車まで!ありがとうございます。」
「何か母上が手配したようだ。ヴェリティや双子達には家族みたいなものだからな。」
ファビオラは勝手に『ばぁば同盟』を組んだので、馬車についても同じ物をグラナードに手配させたのだ。
「リオラやリディア、仲良くしてるかしら?
とてもうきうきしていましたからね。」
「うきうきはヴェリティだろ?今日はずっと笑顔で可愛いよ。何度俺を惚れさせるつもりだ?」
「えっ…?」
エミリオンの手は腰を持ち上げ、ヴェリティを向かい合うように跨らせた。
「ねぇ、ヴェリティ、馬車でするの、憧れてたんだけどいい?」
「ーーーっ!?だ、駄目ですわっ!破廉恥が過ぎます!!」
エミリオンは、慌てるヴェリティが可愛くて、くすくす笑っている。
「でもさ、馬車はまだ当分休憩に入らないし、もうこんなになってるんだ。」
下腹部をヴェリティの股に押し付け、エミリオンが強請る。
「く、口付けだけなら…?」
「この馬車、内鍵が掛かるし、窓も外からは覗けないから!防音も完璧だし!!」
「だっ、駄目ったら…ちょっと待って…あん!」
ヴェリティの唇は、エミリオンにあっさりと塞がれ、絡まる舌に応える。
「ヴェリティ、明日からは控えるからお願い!」
口付けながら、エミリオンの手がどんどんドレスを寛げ、胸に吸い付き、気付けば繋がれる格好にされている。
「エ、エミリオン様、本当に明日からは控えてくださる?」
「ああ、そのつもりだ。だって、ヴェリティとの初めての旅行だ。たくさん想い出を作りたいからな。」
「分かりました。」
ヴェリティは覚悟を決めて、エミリオンのものを膣に沈めた。
「えっ!?ヴェリティ?」
「黙って私を感じてください。」
エミリオンに胸の頂を吸われて揺れ動く腰と、馬車の揺れで、既にとろとろしていたヴェリティの膣が更に潤みを増す。
「エミリオン様、気持ちいい?」
「ああ、熱くて蕩けそうだよ。はあ、ヴェリティ、善いよ、凄く。」
本当は今すぐにでも激しく突き上げたい気持ちを押し殺し、エミリオンはヴェリティの動きをただ受け止める。
「あぁ、ヴェリティ、膣がすっかり俺の形になったね。」
「エミリオン様の形…?」
「うん、奥まで挿れるとぴったり吸い付いてくるよ。他の男のものは、受け入れたら駄目だからな?」
「当たり前です!エミリオン様だけよ?」
「ヴェリティ!」
エミリオンの熱い塊は質量を増した。
「そろそろ出したい、いいかな?」
「はい、来てください。」
じゅぶじゅぶと水音が響いて、エミリオンに腰を掴まれながらも、ヴェリティは大きく揺さぶられる。
エミリオンに慣らされた体は、すぐにヴェリティを高みに押し上げる。
「はぅ、ああぁんっ、エミリオンさまっ!」
「くっ、ヴェリティ、善いよ、くぅ、締まる!」
エミリオンの首にしがみ付き、ヴェリティは昂りを受け止める。
必死なヴェリティの膣をエミリオンは突き上げ、ぐるりと抉るときゅうきゅうと締め付けられ、エミリオンも恍惚の表情を浮かべる。
「ここを擦ると、ヴェリティの膣が凄く畝るんだ。自分でも分かる?」
エミリオンは、指でヴェリティの陰核を押し潰すように擦る。
「は、はいっ、何かきゅうっとなって、凄く心地良いですっ、でも、もう私、あああー、私、エミリオンと、一緒がいいっ!」
「ああ、ヴェリティ、そろそろイこうか、はぁ、ヴェリティ、くっ、イくぞっ、ヴェリティ!」
「ああぁああ、エミリオンさまっ、イくっ!」
「出すぞっ、ヴェリティ!イくっ!!」
口付けながら同時に果てた二人は、お互いの熱を共有しながら、見つめ合う。
「すまない、ヴェリティ。一度で離してやれない。」
「今日は、我儘なお強請りさんなんですね。二人きりなので、もっとしてください。」
「俺が我儘なのも強請るのも、ヴェリティだけだからね?愛してるよ、ヴェリティ。」
「私もです。こんなに毎日お傍に居るのに、いつも恋しくて堪りません。愛しています、エミリオン様。」
ヴェリティは、自分のあまりにも素直で、大胆なところに、驚いたり嬉しかったりした。
有りの儘を受け止めてくれるエミリオンに、今本気で恋をしている。
「私、幸せです。」
微笑むヴェリティを再び抱きながら、もっともっと幸せにしたいと、エミリオンは思うのだった。
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