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11.旅行 ⑨ *
しおりを挟む「山だけかと思ったら、湖もあるのね!空気が澄んでいて、素敵な所だわ。」
到着した場所は、山と湖と少し離れた所に小さな集落があるだけだった。
木々が芽吹いた色鮮やかな新緑の山々と、太陽の光を受けてキラキラ光る湖面、湖のほとりに咲く、昔レオリスにもらった名もなき花に似ている草花。
のどかな景色に、確かに宿る生命力を感じて、心が洗われる気がした。
「忘れていた記憶がどんどん蘇ってくるの。レオリスとの思い出、たくさんあったんだね…忘れていて、ごめん…」
「それだけリアンナも日々余裕がなくて、思い詰めてたってことだろう?この旅行で心を解放出来たらいいなと思ってるんだ。」
「本来の自分を取り戻す旅…なのかな。ありがとう。こんな機会を与えてくれて。」
「どういたしまして。寧ろ、今生きてきた中で一番幸せだ。この先もずっと続けばいいと願うばかりだ…」
少し不安げな表情をした後、レオリスは笑って私の手を取る。
「別荘に入ろうか。山を歩くなら、着替えも必要だからな。」
「今度はどんな服かしら?流石にワンピースは無理よね!」
笑いながら別荘に入ると、同じ年頃と思えるような男女がいた。
「アンとマークで姉弟だ。昼間だけ別荘で世話をしてくれる。アン、マーク、俺の婚約者でリアンナだ。しばらく滞在するから宜しくな。」
「婚約者様ですか…宜しくお願いします。」
「レオリス様も隅に置けないですね。こんなお綺麗な方を!でも、良かった。俺、心配してたんですよ。お坊ちゃんはもしかして男色かと…」
「おい!馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ、マーク!!さっさと仕事しろ。肉が食いたいから、夕食は豪華にしろよ。」
「はーい。」
マークは、アンに引きずられて仕事に戻って行った。
「マークって面白いわね。男色のレオリスって。ふ、ふふふ…」
「リアンナまで…俺は男色でも女好きでもない!リアンナだけが好きだ!!」
「恥ずかしいから、叫ぶのはやめて!」
レオリスは、照れる私を抱き上げて、滞在する部屋に向かった。
そこは、湖が一望出来る二階の部屋だった。
「あぁ、綺麗ね。癒されるわぁ。」
「俺も癒して?」
レオリスの唇が私のそれと重なる。
舌先で唇をトントンされ、お互いの舌を絡め合う。
レオリスは口内を隅々まで味わうと、私の下唇をちゅぷっと吸って口を離した。
「はあぁぁ、癒された。でも、もっと癒されたいんだけど…?」
ギラつく眼差しを避けようとしても、抱っこのままでは避けられない。
「着替えるんでしょう?」
「そうだった!じゃあ脱がなきゃな。」
レオリスは私をベッドに下ろし、素早くワンピースを脱がせた。
そこからは、組み敷かれ、覆い被さり、レオリスの思うままにされる。
「ちょっ、レオリス!」
「だめ?」
「今朝までしてたのに、また!?」
「全然足りない…」
既に尖った乳首は赤々とレオリスを誘惑し、陰唇からは蜜が溢れそうだ。
たった一夜でレオリスの望む体になってしまったようで、私はただ恥ずかしい。
「ほら、準備万端みたいだよ?リアンナも欲しがってる…」
窓からの陽射しが眩しいのか、快感に目が眩んでいるのか、もう分からない。
ただレオリスの指や舌を感じている。
「レオリス…来て…?」
泣きたいような苦しいような、何だか分からないこの衝動を鎮められるのは、きっとレオリスだけだろう。
「リアンナ…君から欲しがるなんて…っ…くっ、もう、挿れるぞ!」
滑らかに受け入れる隘路は、ヒクヒクと包み、締め付ける。
「あぁ、リアンナ、締め過ぎっ!」
ぱん、ぱんと腰を打ち付けながら、はっ、はっと息遣いが荒くなるレオリスに、また私の下腹はきゅんとする。
「ダメだ、そんなに締めちゃ!」
「でも…いいの…凄くいいの…レオリス、イっていい?ねぇ、レオリス!」
「もう少し、も少し我慢して!一緒に、一緒にイきたい!!」
「あああー、奥、気持ちいいの!レオリス、お願い!お願いだから、イかせてー!!」
「リアンナ、リアンナ、くっ、気持ちいいっ!イくぞ、リアンナ!!」
「あぁ、イ、イくぅぅぅ!!」
最奥で繋がって、震える体を強く抱いて、一緒に達した。
私はレオリスの腰に脚を絡ませ、レオリスは私の最奥に飛沫の最後の一滴まで擦り付けた。
脱力した私とレオリスは、しばらく何も言わずに見つめ合っていた。
その均衡を崩したのはレオリスで、指で私の唇をなぞった。
「リアンナ、何度も言うけど、俺、幸せ。」
あどけない笑顔のレオリスに、私はちょっと鼻の奥がツンとした。
「私も幸せよ?不幸せに感じた日が嘘みたいに、今幸せ。」
「そうか。良かった。」
「レオリス……愛してる…」
「俺もだ。いや、俺の方が愛してる。」
「こんなふうに誰かを想うなんて、考えたこともなかったわ…ドキドキして、触りたくて、満たされて…不思議ね…」
「自分でコントロール出来ないのが恋とか愛なのかもな。それが出来たら、俺は疾うにリアンナを諦めていたかもしれないな………いや、諦めないか。俺は執念深いんだ。」
「ふふ。執念深いとかはやめて?愛情深いって言って欲しいわ。優しくて、気遣いが出来て。大好きよ、レオリス。」
「はぁぁぁ…君は…ほんとに俺を狂わせる天才だな…」
それからレオリスは、夕暮れまで私を離さなかった。
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