5 / 13
5.熱く深く
しおりを挟む「ファニア、挿れるぞ。」
額に汗が伝うクライスは、手で髪をかき上げながらファニアを見下ろした。
その姿が美しい獣のようだとファニアは見惚れていた。
「ファニア?」
「…っ!?……はい…いらしてください。」
「女性のここは…不思議だな…」
「それを仰るなら、男性のそこも不思議ですわ。そんなに大きいものが入るのかしら…ふふふっ…」
「善処する…ククッ…」
初めてまじまじと見る秘部に、お互い照れを感じ、少し笑った。
しかし、ファニアは次の瞬間、笑えない痛みに襲われた。
「ッッッ!?くぁっ…ッッッ!!いだっっっ!」
ファニアの口から漏れる擬音に、クライスは動きを止めようとするが、隘路に包まれ始めた肉棒が止まることを許さないかのように、貪欲に快感を求めて突き進む。
「すまない、止められない!くうっ!!」
一気に貫かれ、ファニアは痛みに悶えたが、その動きさえもクライスを夢中にさせる。
「ああっ、心地良い、ファニア、君の膣が熱く蕩けているっ!」
「ひぃっ!ク、クライスさまっ!!」
痛みなのか、別の感覚なのか、クライスには判断がつかないが、ファニアの歪んだ表情に心まで奪われそうになる。
「ファニア、我慢を強いてすまない。あまり保ちそうにない。」
「あっ、あんっ……んあっ……」
膝裏を持ち、左右に大きく開かれ、最奥を抉られたファニアは、徐々に痛みとは違う感覚を拾い集めていた。
「ファニア、出るっ!」
クライスの動きが速くなり、ファニアは下腹に熱いものを受け止めた。
「くっ…腰が溶ける…あぁ…」
ぎゅっと抱き締められ、ファニアはクライスの子種を受け止めた。
(これが…子を為す行為…)
「ファニア、大丈夫か…?無理をさせただろうか…」
抱き締められた腕が緩むと、クライスはファニアの頬を撫でた。
その手は優しくて、思わずファニアの目からは涙が滲む。
「っ!?痛かったか?」
気遣うクライスの瞳に優しい光が差し込み、ファニアは心が満たされたような気がした。
「大丈夫です。ふふ…」
穏やかな微笑みを浮かべたファニアに、言いようのない気持ちが湧いてきて、クライスは戸惑った。
今まで感じたことのなかったその気持ちが、くすぐったい気がした。
(この人は、こんなふうに笑うのか…何て艶やかで美しいのだろう…)
ただの作業だと思っていた行為が、こんなにも心地良く、熱くて眩暈がしそうなものだと、クライスは初めて知ったのだった。
そして、ファニアもこの行為に少しでも愛があれば、きっと痛みは悦びに変わり、濃密で幸せな時間なのだろうと想像した。
しかし同時に、これを続けることにより、離れ難くなるのではないかという虞も感じた。
お互い口には出さないが、ここに愛が在るならばと感じた夜だった。
決して嫌ってはいない。
まだまだ小さな木の芽のようで、愛と呼ぶには掛け離れた想いがそこに在った。
そして、それを口に出していたら、そこから確かに二人の関係性は違ったものになった筈だった。
264
あなたにおすすめの小説
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
公爵夫人は愛されている事に気が付かない
山葵
恋愛
「あら?侯爵夫人ご覧になって…」
「あれはクライマス公爵…いつ見ても惚れ惚れしてしまいますわねぇ~♡」
「本当に女性が見ても羨ましいくらいの美形ですわねぇ~♡…それなのに…」
「本当にクライマス公爵が可哀想でならないわ…いくら王命だからと言ってもねぇ…」
社交パーティーに参加すれば、いつも聞こえてくる私への陰口…。
貴女達が言わなくても、私が1番、分かっている。
夫の隣に私は相応しくないのだと…。
誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
〖完結〗愛しているから、あなたを愛していないフリをします。
藍川みいな
恋愛
ずっと大好きだった幼なじみの侯爵令息、ウォルシュ様。そんなウォルシュ様から、結婚をして欲しいと言われました。
但し、条件付きで。
「子を産めれば誰でもよかったのだが、やっぱり俺の事を分かってくれている君に頼みたい。愛のない結婚をしてくれ。」
彼は、私の気持ちを知りません。もしも、私が彼を愛している事を知られてしまったら捨てられてしまう。
だから、私は全力であなたを愛していないフリをします。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全7話で完結になります。
『恋心を凍らせる薬を飲みました』 - 残りの学園生活、どうぞご自由にお遊びください、婚約者様
恋せよ恋
恋愛
愛されることを諦めた。だから、私は心を凍らせた。
不誠実な婚約者・ユリアンの冷遇に耐えかねたヤスミンは、
伝説の魔女の元を訪れ、恋心を消し去る「氷の薬」を飲む。
感情を捨て、完璧な「人形」となった彼女を前に、
ユリアンは初めて己の罪と執着に狂い始める。
「お願いだ、前のように僕を愛して泣いてくれ!」
足元に跪き、涙を流して乞う男に、ヤスミンは冷酷に微笑む。
「愛?……あいにく、そのような無駄な感情は捨てましたわ」
一度凍りついた心は、二度と溶けない。
後悔にのたうち回る男と、心を凍らせた冷徹な公爵夫人の、
終わりのない贖罪の記録。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!
山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」
夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる