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111. ちょっとだけ、魔が差した
しおりを挟むそっと人差し指を伸ばして、胸の表面に軽く触れる。
柔らかいながら、確実に感じる反発。
触れる面積を、徐々に増やしていく。
指先から、指全体へ。指から、掌へ。
「んん…」
小さく美香が声を上げたが、起きる気配はない。
手のあちこちで、感触を愉しむ。
――分かっている。これはいけないことだ。
寝ている女の子の体を好きにしようなど、許されることではない。
(許してくれ…起きないでくれ…)
最低な願いを脳裏に携えて、俺の手は止まることはない。
自然に、触れていなかったピンク色の頂へと、吸い寄せられてしまう。
だが、すぐにそのものを触ることはしない。
まわりを指でなぞり、ほんの少しだけ爪で刺激を与える。
「…んっ…んぅ…」
気づけば、二つの蕾はさっきよりも存在感を強めている。
美香を起こさないように、そっと触れる。
「ひぅっ…」
確かな反発を感じた。
そのままゆっくりと撫でてみても、こりこりとした触り心地を感じる。
美香がくすぐったそうに、身をよじり始めた。
危ない。
これ以上は起こしてしまう。
(…俺は何をやってんだ)
急に冷静な気持ちが入ってきて、俺は胸から手を引いた。
手に残る感触が、名残惜しさを強めてくる。
ぼんやりと美香の胸を見つめ、そして顔に視線を移すと――
「…あ」
「…え」
ぱっちり目が開いた美香が、視界に飛び込んできた。
…つまるところ、目が合った。
「…えっと、これは…」
「…しないの?」
言い訳を紡ぎ出そうとした俺の言葉を遮って、美香はそう言った。
「続き、しないの?」
「…起きてたの?」
「あんなすぐに寝られないって」
「…ごめん!」
俺は頭を下げた。
「勝手に触るべきじゃなかった」
「…別にいいよ」
「それでも…!」
「んー…じゃあ、こうしよう」
美香は言った。
「わたしはこれからちょっと寝させてもらうね。その間、総司くんは私の体を好きにいじっていいよ。じゃ、そういうことで」
言い終えると、美香はまた目を瞑ってしまった。
…これはどういうことなのだろう?
美香が極端にマイペースなのか、それとも俺に触ってほしいのか――いまいち真意がわからないまま、再び無防備で整った綺麗な身体が晒される。
困惑に、欲望が勝った。
(いいというなら――触らせてもらおうじゃないか)
開き直った俺は掛け布団を引っ張り、下半身までを露出させる。
美香が息を呑む音が聞こえた。
太ももの内側に両手を突っ込んで、グッと押し広げる。
少し抵抗するように美香は力を入れたが、諦めたのか自分から足をグッと開いた。
俺は、そうしてできた足と足の間の空間に移動した。
さて、どういじってやろうか。
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