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第四話
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貴族学院勤務1ヶ月半
今日もイリスと朝練のはず……だった。
先週、校庭での練習は悪くはなかったが、魔力量の調整テクニックをもう少し伸ばすべし、という課題が見つかった。
なので今日は再び仮想空間を作って魔力量のコントロールを磨こうという話だったのだが、約束の時間から30分経ってもイリスは姿を現さない。
教室も見てみたが、そこにも姿はなかった。職員室に行って確認しても欠席連絡は来ていないようだった。
急用や体調不良で連絡できてないだけかもしれないが、なんとなく、とても嫌な予感がする。
そこに、たまたまラインハルトが通りがかった。何か知ってるかもしれない。
「ラインハルトさん、少しいいですか?」
「……わあ!マナト先生!」
私が突然現れたせいか、ラインハルトは飛び上がるほど驚いていた。申し訳ない。
「今朝、イリスさんとお約束していたのですがいらっしゃらず……なにかご存知ですか?」
「あいつ、這ってでも先生との朝練は行くんだって豪語してるくらいですし、自分の意思で来ないことはないかと。
かと言って、昨日の帰りも元気そうでしたし、用事で休むとも聞いてません」
「教えてくれてありがとうございます」
嫌な予感は加速する。
ゴルダ家に伝書鳩を飛ばしたのち、今日は1~2限の授業は持っていないため、時間の許す限りイリスさんの足取りを自分で探すことにした。
(…西方面にイリスさんの魔力の気配を感じる)
魔力コントロールが未熟ゆえ、魔力の気配が漏れているのが幸いし、なんとなく方角はわかった。
転移魔法を細切れに使いながら、イリスさんの気配を辿る。段々山間に近づいてくる。首都ではなく、自然も豊かな第二都市にある貴族学院に通う生徒は基本的に学院寮に入って生活するが、別荘を近隣に所有し入寮しないパターンもある。イリスさんは別荘に住んでいると聞いていたが、もう別荘地は完全に抜けてしまった。
事前情報と乖離があるため、追跡を誤ったか疑ったが、イリスさんの気配自体はやはり山間の方にある。山に向かってみることにした。
山に来るのは初めてなので、脳に地図を描けておらず、転移魔法は使えない。足で登っていくしかない。
(レオンハルトさん連れてくれば良かったかも)
草木をかき分けながら、10分ほど山に入ったところで、馬の鳴き声が聞こえてきた。イリスの馬車かもしれない!鳴き声の方に駆けると、そこには目出し帽を被り、手には剣やナイフを持った真っ黒な服の男5人がイリスを囲んでいた。
イリスはどうやら気を失っているようだ。頭に血痕がついているようにも見えるので殴られたのかもしれない。
馬車は横転し、御者は倒れ込んで微動だにしていない。馬はまだ息がある。通学途中に襲撃されたのだろうか。
「まず、私が黒魔法を使う目的なのですが、
――私は自分の命を守るために、黒魔法を会得しました。
この世界には私が死ぬと得をする人がたくさんいるんです。常に命を狙われながら生きてきました。黒魔法も変身魔法も、そんな世界で息をするために、必死で身につけた能力なんです」
イリスが、初めてのレッスンの時言っていた。
そうか……こういうことなのか。
「一時停止」
ハイルセン帝国にいる間は、手札を見せないために強力な魔法は極力使わない。これが魔塔の方針のため、後日怒られる気がするがそんなことは言っていられない。
視界できる範囲全ての時間を止めた。
時間を進める黒魔法と、時間を巻き戻す白魔法を絶妙なバランスで引き合わせる。
草木の揺れる音も、鳥の囀りも、何もかも聞こえない、この一瞬の静寂が私は大好きだった。
長く使える魔法ではないので、この隙に黒い服の男たちの手足を黒魔法で壊死させ、イリスを殴ったと思われるハンマーで全員の頭を殴っておいた。おそらく気絶してくれるだろう。
また、イリスを少し黒い服の男たちから離れたところに移動させた。
イリスはやはり頭を殴られたようなので、白魔法で回復させておく。馬も白魔法で回復させ、立ち上がることができた。服従魔法もかけておく。
ここまでで限界が来て、一時停止を解除した。
「イリスさん大丈夫?」
イリスさんはゆっくりと目を開けた。よかった、意識が戻っている。
「せ、先生……?!これはどういう状況ですか?!あの男たちはどこに」
「説明は後で!馬に乗って走って逃げるよ!私に捕まってて!」
馬車は完全に壊れ、御者も生き絶えていた。申し訳ないが放置。
イリスを前に抱き抱えながら、馬に跨がった。服従魔法の甲斐あり、馬はすぐ街の方面に走り出してくれた。
「先生!この体勢恥ずかしいです!」
イリスは私の腰に前から抱きつく格好だ。このまま走るのは私も辛い。
「もう体勢変えてる暇ない!このまま学校まで走るよ!」
とは言え、黒い服の男たちに仲間がいて追ってくる可能性もある。馬に乗り降りする時間が我々にはない。
貴族学院は騎士養成の名門でもあるし、王侯貴族の子女が通うため警備も厳重だ。馬で15分も走ればなんとかなるだろう。白魔法で回復させ続け、馬に疲労を感じさせないよう気をつける。
「なんで……なんで私なんか助けに来てくれたんですか?」
「朝練来ないから心配で駆けつけたらあの状況だったので……でも、そうだな、守りたいと思ったから。それだけですよ。」
馬は快調に走る。服従魔法も久しぶりに使ったけど効いてるようだった。
たまに振り返っても、追っ手が来る様子は今のところなかった。さすがに一時停止と白魔法を使ったあとは魔力も尽きかけてるので、油断せずに駆け抜ける。普段使わない騎士専用路を馬で駆け抜け、乗馬したまま風魔法で騎士専用の校門を吹っ飛ばし、学院内に突入した。承諾取ってる余裕ないから仕方ない。と言い訳しながら。
馬から、イリスを抱き抱えたまま降り、その勢いで芝生に2人して転がった。
「これは、始末書もんかも!クビになったらゴルダ家で雇ってね!」
私が爆笑してると、イリスさんは笑いながら、泣き出した。
「私を守ってくれる人なんて、この世にいたんですね……」
イリスにぎゅっと、首に手を回され、抱きつかれる格好となった。肩が震え、涙が止まらないようだった
「怖かったよね」
「怖かったです……いつも、いつも、怖いんです。
でも、1人でなんとかしなきゃいけないから、怖がってるのも隠さなきゃいけなくて……」
「大変だったね……」
「だから、こんな風に、守ってくれて……ありがとうございました……」
イリスの泣き顔は、あまりにも美しかった。
その後、貴族学院のお偉方に呼び出された事情聴取を受けた。校門を吹っ飛ばしたので大層怒られたが、事情を説明すると理事長は一瞬で手のひらを返し、イリスを守ったことを感謝された。やはり、イリスは子爵令嬢という立場だけではない何かがありそうだ。
あの後学院の騎士団が山に様子を見に行ったが、黒い服の男たちは既にナイフで何者かに殺されていたとのことだった。せっかく殺さないでおいたのに、情報が取れず残念だ。
学院内でも今回の件は話題をさらったらしいが、校門破壊による1週間の謹慎を命じられた私は全く分からなかった。
「イリスさん」
イリスは1週間休んだのち、今日から学院に復帰した。
「マナト先生!」
「少しいいですか?今日の放課後、魔法研究室にいらしてください。5分で終わりますので。」
そう声をかけると、嬉しそうな、がっかりしたような、複雑な顔をしながらイリスはうなずいた。
「これ、あげます。」
ガラスでできた三角錐を手渡した。
「これはなんですか?」
「これを割ると、世界中どこにいても私がイリスさんのところに現れます。」
私はあと1年もせず、この国を去る。
イリスと日常を過ごし、今回のようにトラブルに気づいて駆けつけることはできない。
でも、味方がいないイリスを、なんとか守ってあげたいと思ってしまった。
「だから……私がここから居なくなっても。あなたを守りたいと思ってます。危険な時、遠慮せずに割ってくださいね。」
「この一年、一緒に過ごせるだけでも嬉しかったのに、その後も……繋がりを持ってくださるんですね……」
イリスが、感極まって泣いてしまった。
正直1人の生徒に踏み込みすぎている。わかっている。
でも、どこに居てもあなたを大切に思ってる人間がいるとわかって欲しかった。その意思表示がコレだ。
「それでも、私が助けられないこともあるでしょう。だからこれからも、魔法があなたを守ってくれるように、練習頑張りましょう。」
「はい……!」
固い握手をした。ハグではないのが私たちらしいな、と思った。
今日もイリスと朝練のはず……だった。
先週、校庭での練習は悪くはなかったが、魔力量の調整テクニックをもう少し伸ばすべし、という課題が見つかった。
なので今日は再び仮想空間を作って魔力量のコントロールを磨こうという話だったのだが、約束の時間から30分経ってもイリスは姿を現さない。
教室も見てみたが、そこにも姿はなかった。職員室に行って確認しても欠席連絡は来ていないようだった。
急用や体調不良で連絡できてないだけかもしれないが、なんとなく、とても嫌な予感がする。
そこに、たまたまラインハルトが通りがかった。何か知ってるかもしれない。
「ラインハルトさん、少しいいですか?」
「……わあ!マナト先生!」
私が突然現れたせいか、ラインハルトは飛び上がるほど驚いていた。申し訳ない。
「今朝、イリスさんとお約束していたのですがいらっしゃらず……なにかご存知ですか?」
「あいつ、這ってでも先生との朝練は行くんだって豪語してるくらいですし、自分の意思で来ないことはないかと。
かと言って、昨日の帰りも元気そうでしたし、用事で休むとも聞いてません」
「教えてくれてありがとうございます」
嫌な予感は加速する。
ゴルダ家に伝書鳩を飛ばしたのち、今日は1~2限の授業は持っていないため、時間の許す限りイリスさんの足取りを自分で探すことにした。
(…西方面にイリスさんの魔力の気配を感じる)
魔力コントロールが未熟ゆえ、魔力の気配が漏れているのが幸いし、なんとなく方角はわかった。
転移魔法を細切れに使いながら、イリスさんの気配を辿る。段々山間に近づいてくる。首都ではなく、自然も豊かな第二都市にある貴族学院に通う生徒は基本的に学院寮に入って生活するが、別荘を近隣に所有し入寮しないパターンもある。イリスさんは別荘に住んでいると聞いていたが、もう別荘地は完全に抜けてしまった。
事前情報と乖離があるため、追跡を誤ったか疑ったが、イリスさんの気配自体はやはり山間の方にある。山に向かってみることにした。
山に来るのは初めてなので、脳に地図を描けておらず、転移魔法は使えない。足で登っていくしかない。
(レオンハルトさん連れてくれば良かったかも)
草木をかき分けながら、10分ほど山に入ったところで、馬の鳴き声が聞こえてきた。イリスの馬車かもしれない!鳴き声の方に駆けると、そこには目出し帽を被り、手には剣やナイフを持った真っ黒な服の男5人がイリスを囲んでいた。
イリスはどうやら気を失っているようだ。頭に血痕がついているようにも見えるので殴られたのかもしれない。
馬車は横転し、御者は倒れ込んで微動だにしていない。馬はまだ息がある。通学途中に襲撃されたのだろうか。
「まず、私が黒魔法を使う目的なのですが、
――私は自分の命を守るために、黒魔法を会得しました。
この世界には私が死ぬと得をする人がたくさんいるんです。常に命を狙われながら生きてきました。黒魔法も変身魔法も、そんな世界で息をするために、必死で身につけた能力なんです」
イリスが、初めてのレッスンの時言っていた。
そうか……こういうことなのか。
「一時停止」
ハイルセン帝国にいる間は、手札を見せないために強力な魔法は極力使わない。これが魔塔の方針のため、後日怒られる気がするがそんなことは言っていられない。
視界できる範囲全ての時間を止めた。
時間を進める黒魔法と、時間を巻き戻す白魔法を絶妙なバランスで引き合わせる。
草木の揺れる音も、鳥の囀りも、何もかも聞こえない、この一瞬の静寂が私は大好きだった。
長く使える魔法ではないので、この隙に黒い服の男たちの手足を黒魔法で壊死させ、イリスを殴ったと思われるハンマーで全員の頭を殴っておいた。おそらく気絶してくれるだろう。
また、イリスを少し黒い服の男たちから離れたところに移動させた。
イリスはやはり頭を殴られたようなので、白魔法で回復させておく。馬も白魔法で回復させ、立ち上がることができた。服従魔法もかけておく。
ここまでで限界が来て、一時停止を解除した。
「イリスさん大丈夫?」
イリスさんはゆっくりと目を開けた。よかった、意識が戻っている。
「せ、先生……?!これはどういう状況ですか?!あの男たちはどこに」
「説明は後で!馬に乗って走って逃げるよ!私に捕まってて!」
馬車は完全に壊れ、御者も生き絶えていた。申し訳ないが放置。
イリスを前に抱き抱えながら、馬に跨がった。服従魔法の甲斐あり、馬はすぐ街の方面に走り出してくれた。
「先生!この体勢恥ずかしいです!」
イリスは私の腰に前から抱きつく格好だ。このまま走るのは私も辛い。
「もう体勢変えてる暇ない!このまま学校まで走るよ!」
とは言え、黒い服の男たちに仲間がいて追ってくる可能性もある。馬に乗り降りする時間が我々にはない。
貴族学院は騎士養成の名門でもあるし、王侯貴族の子女が通うため警備も厳重だ。馬で15分も走ればなんとかなるだろう。白魔法で回復させ続け、馬に疲労を感じさせないよう気をつける。
「なんで……なんで私なんか助けに来てくれたんですか?」
「朝練来ないから心配で駆けつけたらあの状況だったので……でも、そうだな、守りたいと思ったから。それだけですよ。」
馬は快調に走る。服従魔法も久しぶりに使ったけど効いてるようだった。
たまに振り返っても、追っ手が来る様子は今のところなかった。さすがに一時停止と白魔法を使ったあとは魔力も尽きかけてるので、油断せずに駆け抜ける。普段使わない騎士専用路を馬で駆け抜け、乗馬したまま風魔法で騎士専用の校門を吹っ飛ばし、学院内に突入した。承諾取ってる余裕ないから仕方ない。と言い訳しながら。
馬から、イリスを抱き抱えたまま降り、その勢いで芝生に2人して転がった。
「これは、始末書もんかも!クビになったらゴルダ家で雇ってね!」
私が爆笑してると、イリスさんは笑いながら、泣き出した。
「私を守ってくれる人なんて、この世にいたんですね……」
イリスにぎゅっと、首に手を回され、抱きつかれる格好となった。肩が震え、涙が止まらないようだった
「怖かったよね」
「怖かったです……いつも、いつも、怖いんです。
でも、1人でなんとかしなきゃいけないから、怖がってるのも隠さなきゃいけなくて……」
「大変だったね……」
「だから、こんな風に、守ってくれて……ありがとうございました……」
イリスの泣き顔は、あまりにも美しかった。
その後、貴族学院のお偉方に呼び出された事情聴取を受けた。校門を吹っ飛ばしたので大層怒られたが、事情を説明すると理事長は一瞬で手のひらを返し、イリスを守ったことを感謝された。やはり、イリスは子爵令嬢という立場だけではない何かがありそうだ。
あの後学院の騎士団が山に様子を見に行ったが、黒い服の男たちは既にナイフで何者かに殺されていたとのことだった。せっかく殺さないでおいたのに、情報が取れず残念だ。
学院内でも今回の件は話題をさらったらしいが、校門破壊による1週間の謹慎を命じられた私は全く分からなかった。
「イリスさん」
イリスは1週間休んだのち、今日から学院に復帰した。
「マナト先生!」
「少しいいですか?今日の放課後、魔法研究室にいらしてください。5分で終わりますので。」
そう声をかけると、嬉しそうな、がっかりしたような、複雑な顔をしながらイリスはうなずいた。
「これ、あげます。」
ガラスでできた三角錐を手渡した。
「これはなんですか?」
「これを割ると、世界中どこにいても私がイリスさんのところに現れます。」
私はあと1年もせず、この国を去る。
イリスと日常を過ごし、今回のようにトラブルに気づいて駆けつけることはできない。
でも、味方がいないイリスを、なんとか守ってあげたいと思ってしまった。
「だから……私がここから居なくなっても。あなたを守りたいと思ってます。危険な時、遠慮せずに割ってくださいね。」
「この一年、一緒に過ごせるだけでも嬉しかったのに、その後も……繋がりを持ってくださるんですね……」
イリスが、感極まって泣いてしまった。
正直1人の生徒に踏み込みすぎている。わかっている。
でも、どこに居てもあなたを大切に思ってる人間がいるとわかって欲しかった。その意思表示がコレだ。
「それでも、私が助けられないこともあるでしょう。だからこれからも、魔法があなたを守ってくれるように、練習頑張りましょう。」
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