俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

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第2章 勇者大戦

三大魔王の興味と新魔王との駆け引き

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 ヒルグリムとゼレルアという三大魔王の内の2人の魔王の部下と出会ってしまった……

 前回会った魔人ギュネリスは今の俺では勝てない程の力の持ち主だったが、今俺の背にいるアーミシュにはあの男程の魔力を感じ取れない。

「1つ聞いて良いか? ギュネリスという魔人にも会った事があるんだがあの男は魔王達の部下の中ではどの位の実力者なんだ? 」

 アーミシュとの力量の差を感じ取れない以上、俺にはあの男の強さがどの程度なのか気になってしまう。

「あらあら私の事は聞かないのですか。残念ですね……そうですね、魔王の部下の中でもあの人の実力は1、2を争うぐらいだと私は思っていますよ? 私は3番目ですけどね」

 魅惑的な瞳でこちらを見てくるアーミシュだが、こんな幼女に興奮する事も無いので手を離してそのまま地面に突き落とす。

「え? ち、ちょっとレディに対してこれは失礼じゃないかしら? 」

 どうやら無事に地面に降りたアーミシュは俺に不満を言ってくるが、そもそもこいつの立ち位置が俺には分からない。

「自称魔王よりも強そうなお前に何で優しくしないといけないんだ? あと、レディなら人の背中で寝た振りなんてするな」

 頰を膨らまして抗議していたアーミシュだが、俺の反応が薄いせいかようやく本題に入りそうだ。

「面白みのない男ね……まぁいいわ。ここからはゼレルア様からの伝言になるからよく聞いておいてね。『新たに生まれし魔王よ、この世界の真理を知りたければ、アーミシュと共に私の前に来るといい。お前の知りたいであろう初代勇者と我々の戦いの全てを教えてやろう』以上よ」

 話し終えて大きな深呼吸をするアーミシュに、俺は三大魔王の考えている事が読めずに困惑してしまう。

「アーミシュ。先程も言ったが俺は自称魔王だ。何で三大魔王はそんな俺を魔王と認めているんだ? それにこの呼び名は最近使い始めたものだ。何故お前達はそんな最近の事まで知っている? 」

 あからさまにあやしい魔王からの伝言に俺は顔をしかめながらアーミシュに尋ねる。

「あら? 私達の魔王様の言葉を疑うというの? それだと私も流石に見過ごす訳には行かなくなるのだけど……」

 アーミシュがそう言った瞬間、途方もない魔力がこの場に吹き荒れる! 

 アヤハは魔剣を抜き、ゼラも戦いの意思を見せトバルはユニコーンやバイコーンの元に飛んでいく。

 ユニコーン達は子供達を守るように前面に立ち、魔力の圧力から子供達を守っている……意外だったな。

 そんな仲間達の姿を見せられて俺1人情けない姿を見せる訳にも行かない……何よりこいつはあの魔人の男よりも格下なのだ。

 そして……俺に敵対するなら話が早い! 

 普段から封じていた魔力を全て開放して、左手の宝石に魔力を流す。

 魔力を送られた赤い宝石は俺の体にミスリルの鱗を生やし、魔力によって全身の紋章が活性化する。

 そして目の前の敵への憎悪が高まり、心の中の俺が言っていた『憤怒』の力が動き出す! 



「そこまでです! アーミシュもいい加減になさい! それ以上彼を怒らすと最悪この大陸が滅びますよ」

 凛とした男の声が荒れ狂う魔力の中心であるこの場に響き渡る。


 新手が来たことに俺は内心苦々しさを覚えるが、ここで引けば全てを失いかねない。

 俺は荒れ狂う『憤怒』の力を強引に抑え、目の前の敵に全力で殴りつける! 

「「なっ ⁈  」」

 アーミシュと現れた男の動揺する声が聞こえると同時に、魔力の奔流となった俺の拳がアーミシュへと突き刺さる。

 次の瞬間、閃光となった魔力に掻き消されるようにアーミシュの姿は消えてしまう……

「ば、馬鹿な……アーミシュを一撃だと ⁈  」

 驚く男を見つけた俺は、アーミシュを殴った力をそのまま移動へと使い、爆発的な踏み込みで男の懐へと飛び込んむ。

「ま、待ってください。私は…

 最後まで喋らす余裕もないので、頭突きを相手の顔面へと放ち、相手をのけぞらせるとそのまま相手の右脇腹目掛けて竜の力と『憤怒』の力を乗せた左ブローを全力でで打ち込む! 

 またもや激しい閃光の後、その光が消えた後に残るものは何もなかった……






「ケイスケ凄い! あんな強そうな奴らを一撃だった! 」

 珍しく興奮したのか、俺に飛びついてくるアヤハとゼラ。

 他の奴らは今起こった事が理解出来ないのか動きが止まったまま動こうとはしない……

「圭介さん……あんな人達によく勝てましたね? 」

俺の方を信じれないものを見るような目でみながら青崎は声を掛けてくるが、俺は勝てるなんて考えてなかったしな。

「別に勝てるなんて思ってない。勝ちたいから戦っただけだ」

 俺の言葉にきょとんとした後、爆笑する青崎。

「な、何ですか…それ。勝ちたいから……って子供じゃ……無いんですよ? 」

 青崎は余程ツボに入ったのか、息も絶え絶えに答える。



「別に男なんてそんなもんさ。意地と我慢だけで生きてきた俺なんて特にな」



 俺は苦笑しながらも、みんなが無事である事が何よりも嬉しかった。


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