俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

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第2章 勇者大戦

寂れた村のもてなしと魔族の勧誘

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 魔族達の襲来を跳ね除け、ようやく落ち着いて村の人間と話が出来ると思っていたら、先程感じた魔力が2つ共俺の間近に転移してこようとしているのを感じとる。

「アヤハ、青崎、奴らはまだ死んでないようだ。他の奴らを連れてこの村で1番頑丈そうな所にでも隠れていろ」

 何か言いたそうな2人だったが、先程の戦いで自分達が足手まといになる事が分かったようで、2人とも黙ってこの場所に集まっている人達と避難を始める。

「そういう訳でやるのは俺一人だ。そう簡単には終わらせないから覚悟しとけよ? 」

 実際には魔力が半分を切るぐらいの消耗もあり、勝てる見込みは少ないだろう。

 だが、そうだからといって諦めるつもりはさらさらない。

 どちらか片方でも必ず道連れにしてやろう。



「ストーップ! ストップです! こちらからは何もしません……ってかゼルレア様に怒られたからもう敵対する事は無いから堪忍して! 」

「全く……私も貴女のとばっちりの所為でアングレーズ様に怒られてしまったではありませんか。しかし、新しい魔王様は思ったよりも短気なようですね」

 両手を上げながら現れたアーミシュと、ため息をつきながら肩を落とす青年が言い合いながら俺の方へ近寄ってくる……敵意は既に無いようだが油断は出来ないな。

「だから、そんなに怒らないで下さいよ。ゼルレア様から散々怒られた後なんですから私もそちらに対して敵意を見せたりしませんから」

「ゴキブリ以上にしぶとい魔族相手に気をぬくなという方が無理だろう。話があるならそこからにしてくれ。俺も『こいつ』を抑えるのに苦労しているんだ」

「ゴキブリ ⁈   」と激しく反応するアーミシュとは裏腹に、青年の方はこちらに対して思う事がないのか平然としている。

「そちらの男には多少は悪いと思うが、俺を騙したアーミシュの知り合いだった事を不幸だと思って我慢してくれ」

 俺がそう言うと、なぜかニコニコしながら俺に話しかけてくる青年。

「そうなんですよ! 分かりますか? こいつと同じ所にいると大体掻き回されて酷い目に合うんですよ。本当に大変なんです! 」

……思ったよりも切実だったみたいだ。

 しかし、俺のあの攻撃を受けて無傷とは流石に三大魔王の部下という所か……

「それは違いますよ? 我々の肉体は完全にあの時に消滅しましたから。魔王様が魂を使って復活させてくれなければ私達はここにいませんよ」






 三大魔王はそんな事まで出来るのか! 






 俺は益々、その魔王達が何故呼ばれただけの勇者に負けるような事があったのか疑念に感じてしまう。

「とりあえず今回はお詫びとして両魔王様からこちらを預かっています。それと今回はここまでとさせて頂きますが、次回は是非3人の魔王様が貴方に会いたいと仰っておりますので御返答をお聞かせ願えればと思い今日の所は失礼させて頂きます」

 青年はそう言うと魔法の袋を俺に手渡す。

 不満げなアーミシュを引きずるように連れて行くと、思い出したかのように俺に声を掛けてから消えていった。

 しかし、その青年の残した言葉は俺にとって心が揺れる言葉であり、三大魔王に会おうという気にさせる言葉だった事に間違いはなかった。





「それでは失礼します。そう言えば名乗るのを忘れていました。私は青葉  駿といいます。魔王アングレーズ様の部下にして、元三代目勇者ですので何かあればお呼びください」






「さて、色々あったがお前達はこれでも俺達を村に入れてもいいと言うのか? 」

 魔族達とも話が終わり村の中へと入っていくと、村の広場に大勢の村人達が集まっており、その中心に俺の仲間達も集まっていた。

 俺はその中心まで向かうと、アヤハや青崎達と合流する。

 その中で俺が放った言葉に村の大人達の困惑や不安のを感じとった俺はこの場から立ち去る事にする。

 子供達を助けたかったのはアヤハ達だし、何より無事にここまで送り届けたのだ。

 これ以上ここに留まる必要性を感じられない。



 そう思って村の外に向かおうとするのだが……何故か助けたはずの子供達が当たり前のようについて来ている。

「おい、お前ら。せっかく助かったのに何でこちらについてくるんだ? 早く家に戻って親から沢山怒られてろ」

「だって、父さん達はいっつも言ってるもん! 『借りは必ず返せ』って。だから借りを返さないといけないもん」

 俺の言葉に借りを返すまで帰らないと言わんばかりに反論してくる子供達。

 俺はため息をつきながら一番最初についてきた少年を両手で抱え、目と目が合う場所まで持ち上げる。

「いいか? 借りを返す場合と言うのは対等な場合だけだ。お前達みたいな子供を助けた場合は返さなくてもいいんだ……そうだな、お前達が借りだと思うのならお前達が大きくなってから、その時に子供達に親切にしてやれ」

 俺の言葉に不承不承ながらといった感じて頷く少年。

「それだと私達が貴方達に借りが残ってしまう。お願いだから私達に歓迎させて貰えないかね?」

 いつの間にか来ていたトゥガの父親が俺に対してそんなことを言ってくる。

「そうだよ! 不味い飯しかないけど食っていきな」

「俺達も子供達にいい所をみせないとな! 」

 俺が躊躇していると、他の大人達までもが俺に残れと言ってくる。

 アヤハやフランまで期待するような目を向けられて、俺は肩を落として了解する。

「分かった。ご相伴に預かろう。アヤハ、こいつらに食糧となりそうなものを配ってくれ。俺は美味い飯を食いたいからな」

「分かった。食べれそうな魔物を出していく」



 アヤハの嬉しそうな顔が、俺にとって少しだけ癒される時間だった。
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