俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

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第1章 鮮血の旅路

俺の心は復讐で満たされているはずなのに…

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 地球から来たと言われている2人の勇者と国際冒険者ギルドの部屋で相対している。ユータ・ミツイとマリア・ムーアである。

 ユータは日本人と会うのは久しぶりなのか椅子から立ち上がり俺に近づこうとしている。マリアの方は気を抜かず俺の動きを観察している。。この分だとマリアの方が俺の知りたい情報を持ってそうだ。

「勇者達よ、少し待ってくれないか?俺はまず前の街のイゼールの街で起きた襲撃事件について知りたい。あそこではいきなり襲われたんだ、正直言って信用出来ない。」
 
 ユータに対して手の平を向け近寄らないようにする。ユータは傷ついた表情でこちらを見るがいくら同郷とは言えそこは曲げられない。しばらくしてマリアがこちらを見て口を開く。

「イゼールの街での出来事に関しましては申し訳ありませんでした。あれは貴方が勇者の事を調べようとしていた為イゼールの支部長であるバニシールが独断専行で調べようとしていたようです。貴方が黒目黒髪だった為、勇者として身柄を無理矢理確保しようとした形跡もありますね。領主に頼んで貴方を犯罪者にしようとしていましたが私が貴方の名前を見て地球人である事を知り解除いたしました。バニシールは拘束済みです。」

 思ったよりまともな返答が返って来た。隣のユータも申し訳なさそうな顔でこちらを見ている。これで1つの疑問は晴れた。では本命と行こう。

「ではもう1つ聞かせて欲しい。イゼールの街の北にある研究所について何か知っている事はあるか?」

 俺が研究所と口にした途端、マリアの表情が変わるのが俺にも分かった。こいつか!俺は怒りを抑えきれずマリアに近づこうとする。しかし、その前にユータがマリアの前に立ち剣を抜く。

「待ってくれ圭介!いきなりそんな行動に出られてはこちらとしても対処しない訳には行かなくなる。取り敢えず落ち着いてくれ!」

 ユータが俺を止めようとするが俺には関係無い。やっと手掛かりを見つけたのだ…ユータも知っているのか?一応聞いておこう。最後の言葉くらいは聞いてやってもいい。同郷だしな。

「ユータは研究所について知らないのか?マリアは知っているみたいだぞ?」

 俺がマリアから目を離さず聞いて見るとマリアは俯いている…確定だな。一方のユータは何も知らないようだ。怪訝な様子で「知らない。」と言ってきた。

「ならユータは関係無いな。手を出さなければこちらも何もしない。だがマリアは別だ。研究所に関して知っている事を全て吐いてもらう。」

 怒りに満ちた俺の視線を見る事もせず、ただ俯いて何もしないマリアを見るとイライラする。俺が魔力の刃を生み出すとユータは驚きマリアは「やはりドゥクスはもう…」と呟く。

「…その技は勇者ドゥクスのものだ。圭介お前が何故使える?」

 ユータの気配が変わる。完全に俺を敵だと認めたようだ。2対1になるが仕方がない。ユータはある程度情に弱そうだしその辺りもつついて見るか。

「いい身分だよなお前達は。自分が勇者として呼ばれて活躍してるんだ。周りから持て囃され尊敬の目で見られるんだ…そんなお前達が作り出した研究所で俺はモルモットのように扱われ魔獣を体に埋め込まれそれを皆に笑われながら生きてきたんだ。お前ら勇者の所為で俺はこうなったんだ。自分らのしでかした事をその目に焼き付けるといい!」

 全ての力を開放する。右手が擬態を解除し蠱毒の蟲へと変わる。左手は肩まで鱗が生え爪が伸び手の甲に2つの紅い宝石が浮かび上がる。足元からはスライムの分体を出し周りに巡らせる。額の宝石は虹色に輝き何時でも幻影が使える事を教えてくれる。左目は魔力と相手の情報を集める。

「な、何なんだ…それは?」

 ユータは体を震わせ武器を落とす。思ったより動揺してくれたな。これで多少は戦闘が楽になりそうだ。一方のマリアはこちらを見ても余り驚いてはいない。想定通りという訳か?

「これがお前らのした事だ。俺にはお前らに復讐する理由がある!ユータ…お前は知らなかったようだな?この世界では俺のようなモルモットがお前達の所為で生まれているんだ。初代勇者がどう考えたかは知らないが今の国際冒険者ギルドにはこれを肯定する奴らがいるという事だ。分かったら手を出すな。」

 崩れ落ちるユータを無視してマリアの元に行く。マリアに魔力感知はずっとしているが戦うようなそぶりが見られない。それどころか…泣いている⁈泣きたいのはこっちだぞ!

「ごめんなさい。何も知らなかったとは言え貴方がこんな目にあっているとは知らなかった。ユータだけは助けてあげて彼は本当に何も知らないのだから。貴方の怒りが分かるとは言わない。貴方の気の済むようにして…」

 「…何だそれは?それじゃ貴様も何も知らないと言うのか?そんな訳無いだろう?早く教えろよ!こんな風に命令した奴を教えるんだ!…お前が命令したのか?どうなんだ!」

 左手でマリアの首を掴み持ち上げる怒りの所為か制御出来ない熱がマリアの首を焼いていく。しかしマリアは一言も口に出さずただ目を閉じてなされるがままとなっている。

「やめてくれ圭介!俺が悪い!ここの責任者は俺だ!マリアがした訳じゃ無い!殺すなら俺を殺してくれ!頼むマリアを殺さないでくれ!」

 スライムに溶かされる事も厭わず俺の足にかきついてくるユータ。捕食の為の溶解液に全身の皮膚を焼かれながらも俺の目を見て泣き続けるユータ。どうして攻撃してこない?お前達は俺の敵なんだろ?お前達を殺せばこの怒りは収まるんだろ?お前達さえいなければこんな事にはならなかったんだろ?お前達………

「うわぁああぁぁあ‼︎」

 左手のマリアを投げ捨て、スライムに焼かれているユータを蹴り飛ばして突き放す。俺は復讐したいのか、それとも殺されたくてここまで来たのか…今の俺には何も考えられなかった…










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