俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

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第2章 勇者大戦

強欲な者には死が訪れ、弱者には庇護が与えられる

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 赤ん坊のようなエルフとこちらを最大限に警戒しているエルフの少女はどうやら『何か』から逃げている最中のようだ。

 少女の手に持たれた鉈の辺りには俺が作り出したミスリルの糸が切られて落ちている。

 どうやら鉈自体もミスリルで出来ているようなのでそれで切り落としたのだろう。





「貴様ら何者だ ! あいつらの仲間か ? 」

 幼いながらも必死に生きようとする少女に多少は気になることは確かだが、それ以上にこちらに向かって来る相手の方が俺にとっては重要だ。

「ガキは後ろに隠れてろ。俺はお前の追っ手に用があるんだ」

 動きが固まる少女の脇を通り抜け、こちらに向かって来るかなりの魔力を持った人間もどきに対して俺は警戒態勢をとる。

 アヤハと青崎が少女を保護しようとしているがエルフの少女は警戒して近寄らせない見たいだ。



「なんだ貴様 ? こんな所に居るとは自殺志願者か ? それとも…エルフを捉えに来たのか ? 」

 俺の目の前には、五人の冒険者のような男達がいる。

 辺りを探索してみたがどうやら他に仲間はいないようだ。

「黙ってないで何とか言わねえか ! エルフを見たんならさっさと教えろ ! 」

 一人の斥候の姿をした男が苛立ちの為か俺に手を伸ばして来る。

 俺はその手を掴み握り潰す !

「ぐぎゃぁぁあ ⁈ 」

 手首から下をミンチにされた男はその場に蹲るが、その背に俺は足を振り下ろし背骨を踏んで叩き折る。

「げ ! ………ガバァ…」

 完全に動きが止まった男を蹴り飛ばし、俺は他の男達に視線を向ける。

「な、何だこいつ ? 何も言わないでイワンを殺しちまったぞ ⁈ 」

「お前ら気をつけろ ! かなりの手練れだ ! 」

 悠長に叫んでいる男達に無詠唱で聖なる槍を手足に打ち込む。

 前より強力になった聖なる槍は他の四人の手足を消し飛ばし五体満足な冒険者はこの場にいなくなる…

「ギヤァァァア ? 」

「お、俺の手が ⁈ 」

「あ…ぁぁぁぁ」

「た、助けてくれ ! 命だけは…」

 青崎が目を背け、アヤハは平然と冒険者達を眺め、ユニコーンとバイコーンはその場で震えている。

「さて、俺のストレスも発散したし、こいつらから情報を頂こうか」

 俺の言葉に声を無くす冒険者達、まさか八つ当たりでこんな目に合うとは夢にも思わなかったのだろう。

 今の俺にとって、人間もどきに出会う事は獣人の山賊達に会う事よりも遥かに苛立ちを覚える事になってしまっている…それが気に食わない相手なら尚更だ。

 俺は全員に(ヒール)を掛けてやり傷口を塞ぐだけの手当てをする…すぐに死んでもらっても困るからな。

「こいつらめ ! 」

 エルフの少女が鉈を持ち冒険者共に振り下ろそうとするのを片手で持ち上げ止める…俺は恐怖の目を向ける少女に仲間には見せられない笑みを浮かべて話し掛ける。

「誰が人様の獲物に手を出して良いと言った ? お前は命が助かったんだ、それだけで満足しろ。これは『俺』の獲物だ。手を出すなら同じ目に合うことを覚悟しろ」

 俺が忠告すると、少女は股の間から水滴を落とし始めた…やり過ぎたか ?    

 俺は少女をアヤハと青崎に渡し、冒険者達に向かおうとする。

なんだか青崎から凄い視線を感じるが勘弁してもらおう。






「さて、何でエルフを狙ったんだ ? 」

 俺の言葉に沈黙する冒険者達。
 
 俺は右手を一人の冒険者に当て、蠱毒の王の力を使う。

「ぎゃ ⁈ な、何をした ? 俺の体に何を入れた ? 俺の体はどうなっているんだ !」

 男の皮膚から白い芋虫のような物が皮膚を突き破りながら出てくる。

 際限なく破られていく己の体を見ながらも男は痛みで死ぬことが出来ない。

 この芋虫は麻痺性の唾液を出しながら獲物を食らう魔蟲だからだ、悲鳴をあげながらも死ぬ事が出来ない男は他の男達に絶望を与える。

「さて、素直に喋ればまともに死ねるぞ ? 」

 その言葉に恐怖に駆られた冒険者達は我先にと喋り始めた…

「成る程、国際冒険者ギルドの方でもエルフの存在をようやく知ったばかりなのか…だとすればこいつらは斥候のようなものか」

 全ての冒険者達を死体とし、俺は更にその亡骸に(クリエイト・アンデット)を掛ける。

 五体のスケルトンナイトとなった冒険者達を引き連れて皆の元に帰るが、ゼラとアヤハ以外は恐怖に引きつっている…






「圭介さん…どうしてそんな酷い事が出来るんですか ! 」

 青崎の泣くような叫びに、俺は自嘲するように答えてやる。

「仕方がないだろう ? これが『この世界』に受けた俺の在り方だ。既に俺にはこいつらが人間だとは捉えられないんだ。言ってみれば魔獣と変わらんな。君は魔獣と仲良く出来るか ? そう言う事だ」

 俺の言葉に涙を流す青崎。アヤハとゼラは俺を慰めるように抱きついて来る。

「クックル…」

 トバルの鳴き声だけが今のこの場所に響き渡るのだった。















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