俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

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第2章 勇者大戦

エルフの今後と山越えの結末

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「さて、一息ついた所でそいつらの事情を聞くか…」

 俺がエルフ達に目を向けると、エルフの少女はビクリと体を震わせる…まぁ、嫌われても仕方がないだろう。

「端的に聞くぞ ? お前達エルフは二人だけなのか ? 」

 少女は、俺の側にいるスケルトンナイトをを見ながら「はい」と震える声で答えた。

「じゃあ何で、お前達以外は全滅したんだ ? 」

 俺の更なる質問に、少女は口を閉ざす。

 よく考えてみれば、背中のエルフの赤子はずっと眠っている。

 あれ程の音や、悲鳴にも全く起きる様子が無かった。

「その子は生きているのか? 」

 確認しようと近づく俺を、精一杯止めようと俺にかきついてくるエルフの少女。

 その背で眠る赤子から変わった魔力を感じ取れる。

「成る程…呪いか何かか」

 俺の言葉に驚く周りの仲間達、エルフの少女も目を見開いてこちらを見ている。

「動くなよ…どうやら眠りの魔法だな。俺なら解呪出来るがどうする ? 」

 その言葉に、涙を浮かべて頷く少女。

 解呪の魔法(リムーブカース)で眠りの魔法を解呪してやると、エルフの赤子はようやくその瞳を開けるのだった。






「それでどうしてこうなるんだ? 」

 エルフの赤子に髪を引っ張られながらユニコーンの背に乗る俺と、エルフの少女であるフラン。

 あの後、フランから事情を聞き俺はこの二人を庇護する事になったのだが、赤子のエレがあまりに俺から離れる事を嫌がり、俺がだき抱えながらユニコーンにフランと乗る事になったのだ。

「だーだー! 」

「分かったから暴れるなよ? 馬の上だから危険だからな」

 ミスリル糸で優しく包むようにして離れないようにはしているのだが、何せ赤子だ…右へ左へと動き回る。

 おまけに俺に構ってもらうのが嬉しいのか、ずっとご機嫌である…

「すいません。この子がこんなに喜ぶのは見た事がないもので…」

 フランも恐縮しながら俺の前で赤子を気にかけている。

《かなり若いのが残念だが、乙女が二人も乗っているのだ。私が落とすことはありえない ! 》

 こちらも元気になったユニコーンが、山の荒地を飛ぶんでいるかのように素晴らしい乗り心地で進んでいる…こいつ手を抜いていたんだな。






 フランの話によると、三日ほど前から先程の冒険者達がこの辺りを徘徊し出したらしい。

 フランの父と母は元々、他の人が居ない土地で静かに暮らしていたそうだ。

 過去の話はほとんどしてくれなかったそうだがどうやら生きているエルフは彼女達を含め、100人を切っていたそうだ。

 その残りのエルフの村を勇者と呼ばれる人間達が襲い、蹂躙し村を滅ぼしたのだ。

 フランの父と母はその村から逃げ出した唯一のエルフの民であり、村が滅ぼされた時にはフランはまだ生まれたばかりだったらしい。

 この土地に住み、ようやく安心して暮らしていけると思ったのに突然の冒険者達の襲撃だ。

 彼女達の父は戦ったが、惨殺され、産後体を悪くしていた母親はエレに魔法を掛け、自ら家に火を放ち父の死体と共に燃えたそうだ。

 父の形見の鉈と、母から託された赤子を連れてこの二日間は山で逃げ惑っていたようだ。

 俺はフランを片手で抱きしめ、赤子のエレと一緒にしてやる。

 家は燃えて無くなり、何もかも失った子供だ。

行くあてが出来るまでは俺が面倒を見るべきだろう…



 しかし、それにしても勇者と国際冒険者ギルドの奴らには怒りが収まらない。

 俺をこんな体にしたどころか、亜人と呼ばれる者達に何か意図するものがあるのだろうか ? 






 旅の中でアヤハとフランは徐々に仲良くなっていく。

 青崎はフランの話を聞いて思う事があるのか、全く話さなくなった。

 数日をかけ、山を下るだけとなった時に、俺は複数の大きな魔力を感じとった…どうやらこの気配は勇者で間違い無いだろう。

「青崎、選択の時が来たようだ。勇者が複数、麓に来ている。俺達と同行するならこの後は地獄を見ることになるかも知れない。勇者の側につくのなら俺と会うのだけはやめておけ。今の俺は既にこの世界の人類に情けなど…持てないはずだ」

 山賊に襲われそうになっていた村のことが頭をよぎったが、俺は忘れることにする。

 アヤハやフランのような子供達を見てしまい、今の自分の人間もどきに対する憎しみを捨てることなどもう出来ないのだろうから…

「私は…秀雄を探すために旅をしたいと思います。圭介さんとは闘う気はありません」

 青崎自身が悩んで考え抜いた答えなのだろう。

 俺は魔法の袋に金貨を1000枚ほど入れ、食料や衣類を選んで入れておく。

「だったら、俺が暴れた後で山を降りた方がいいだろう。餞別だ、これも持っていけ ! 」

 魔法の袋を投げ渡し、ここから別行動にはいる。



 アヤハが青崎の姿を見ていたが、俺が麓に向かうのを見てこちらに駆け寄って来る。

 アヤハに言うことはもう俺には無い。

 首都を滅ぼした後も付いて来る事を選んだアヤハだ、俺から口を出すことなど彼女に失礼だろう。



 そしてこれから俺と勇者との戦いが始まるのだから…










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