俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

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第2章 勇者大戦

復讐の鐘は鳴り続ける

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 ほぼ全ての遺体をスケルトンナイトに変え、死の軍団と化した冒険者達を連れて俺は街道を進んで行く。

 バイコーンに乗ったアヤハとフランに寄り添うように、俺と俺の胸の中で上機嫌なエレを乗せたユニコーンがゆっくりと歩いている。

《ぐぬぬ、美少女が1人いなくなるわ、私の背には男と赤子だわ納得がいかぬ》

「うるさいぞ? それより本当にこの道を進めば、人の町につくんだろうな? 」

 乙女の数が減ったと不機嫌なユニコーンに俺は再度、確認をする。

《間違いない。人の匂いがするし、何より『奴ら』の匂いが臭くて堪らん》


「奴ら? 誰の事を言っている?」

 ユニコーンが嫌う匂いの正体とは一体何なんだ? 多少疑問には思ったが、そのままエレを落とさないように注意する事に専念する。

《魔族に決まっておろう。こんな匂いを出す奴は、奴ら以外おらぬ! 》

 その言葉に俺とアヤハ達は驚きを隠せない。

「ど、どういう事だ? 魔族が人と一緒に居るとでも言うのか? 」

 流石の俺もそれは想定してなかったので、少し口調が崩れるが、それに気付かないユニコーンは更なる爆弾を俺達に送ってくる。

《居るも何も、魔王を倒した後魔族と手を組んで亜人達を滅ぼそうとしたのは人間達ではないか?》

 不思議そうにユニコーンは答えるが、俺達はそれどころでは無かった。

「嘘……」

 アヤハが呆然として、言葉を紡ぐと、フランも信じ難いのか頭を振って混乱している。

「ゼラ! 2人をバイコーンから落ちないように固定しろ! バイコーン! 今の話は幻獣では当たり前の事なのか? 」

 俺の鬼気迫る表情に、バイコーンは驚きながらも頭を縦に振り、肯定の意思を示す。

「馬鹿な…だとすると、青崎が不味い。事実を知らない青崎が国際冒険者ギルドで魔族に会う可能性がある! 」

 俺はスケルトンナイト達に全力でこの道の先にある町に向かうように命令をする。

「アヤハ、フラン! 青崎が不味い事になった。下手をしたら街中で、魔族と出会っている可能性が出てきた。俺が先行して調べてくるからお前達は落ち着いたらでいいから、ゆっくり来れば良い。エレを頼む」

 そう言って、エレをフランに渡す。

 エレが少しぐずっているようだが、流石に今は相手に出来ない。

「ユニコーン! 悪いが全力で街まで頼む。青崎がどうなるか想像出来ない。どの位で着きそうだ? 」

 ユニコーンの鬣を掴み、俺自身が飛ばされないように首をしっかりと掴む。

 既に走る勢いを増しているユニコーンは猛りながらも、俺に従ってくれたようだ。

《美少女の為なら任せろ! このままなら30分もあれば着くであろう。あの乙女に傷一つつけさせるものか! 》

 疾風と呼ぶに相応しいスピードで道を駆け走るユニコーン。

 俺はその背にしがみつくだけで精一杯だ。



 いくつかの馬車を抜き去り、街の手前まで駆け抜けたユニコーンに礼を言い、ここからは別行動をする事にする。

「済まないが、ここからは別行動だ。お前の姿では町に入ることは危険すぎる。近くの茂みでバイコーンが来るまで待機していてくれ。その前後にはスケルトンナイトによる陽動攻撃をするから、その隙に入るようにしてくれ」

《分かった。絶対にあの乙女を守るのだぞ? 乙女に傷などあれば許さないからな》

 猛るユニコーンを軽く撫で、俺は(ダークリープ)で町の中に潜入を試みる。

 町の中の裏通りと思われる場所に俺が出るに充分な場所を見つけ、辺りを魔力感知で確認してから突入する。






「町の住民はまだ山の麓で行われた戦闘のことは何も知らないようだった。

 魔力感知には青崎の反応はあるのだが、何故か場所が中々特定できない。

 そして魔力感知に青崎以上の人間もどきとは違う魔力を確認した所で青崎の反応が消える。

「くそ! だったらこっちの魔力を辿らせてもらう」

 もう一つの強大な魔力の近くに移動すると、そこは人のいない倉庫のような場所であった。

 そしてその中心に強大な魔力の持ち主が、倒れた青崎の側にいる事を確認した時点で俺は奴に向かっていく! 

 正面からは魔力の刃を放ち、左右から魔力を上乗せしたミスリルの糸を逃げ場を無くすように向かわせる。

 青崎の側に立っていた人物は、俺の魔力の刃を避けようともせず、無抵抗に受け止める。



 しかし魔力の刃がその人物に当たると、刃は砂のように崩れていき奴の体に傷一つつけることが出来なかった。

「くそ! 何だあれは? 」

 咄嗟に口から出た言葉に、その人物がニヤリと笑ったことを確信し、俺は左右からミスリルの糸で拘束を試みる。

 しかし、奴の体に触れる前に、ミスリル糸は何かに弾かれるように全ての糸が吹き飛ばされる!

「成る程、強力な結界か!」

 ミスリルの糸が弾かれた直後に、奴を包み込むような半円状の球体を確認した俺は、それが結界であることを確信する。

「ならば、その結界を壊してみせる!」

 俺は魔力を解放し、目の前の相手を滅ぼす事を決めるとミスリルの鱗を身に纏い、体に紋章を這わせ左手に眠る竜を呼び起こすのであった。

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