神様、それはあんまりだ!

天霧 みとら

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一章 転移

プロローグ 神様、俺の話を聞いてくれ

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今俺がやっている神ゲー、王道系VRMMORPG
【ブレイブ・エルダー・アルカディア】
はっきり言って何を言いたいのか意味不明なタイトル名のゲームだ

VRMMOの中ではかなり人気のあるゲームで10人に一人くらいはその名前を聞いたことのあるようなゲームだ

まぁ、特に特徴がある訳ではないし、難しい訳もないようなものだ
デスゲームを挑んだ時の勢いでやってしまうとすぐにレベルがカンストしたり、チート称号が入ってしまうような初心者でもプレイ可能なゲームなのだ

デスゲームの時のアバターに愛着があった俺は、同じ名前、同じ容姿のアバターを製作した
同じ職業で、モンクでプレイしていた為、それはそれは目立った





最初のうちは楽しかった

みんなでワイワイ協力プレイ
PKとの戦い
未知のアイテム収集



けれど、緊張感の無さにだんだん飽きていった

デスゲームなんて嫌いだが、ふとあの頃のことを思い出している


仕事を疲れて引退した人が、しばらくすると仕事をしたくて堪らなくなるように…麻薬を吹かした男がまた麻薬を欲するように


俺もいつの間か、あの緊張感、命を賭けたゲームを欲していた




いつの間か眠ってしまったのか、布団の中にいた

いや、いつの間か眠ってしまったなら布団なんて敷いてる暇はないはずだ


周囲の異変に気付いた俺は勢いよく布団から飛び出した


「「おはよう!よく眠れたかな?僕は…ラノベ風にいうと異世界の神だ」」


女と男が混じった様な声が聞こえて来たので俺はそちらを向くとそこには、空中に浮かぶ女の子がいた

彼女は自分は神だということをいったあと、つらつらと事情を話しながら、俺に説明していった


超簡潔に言えば、”VRMMOで育てたアバターで私の世界に転移しないか?”

と言いたいらしい

彼女は俺の問いや、YES、NOを全無視し、勝手に話を進めていった

まるでゲームのNPCの様だ


もちろん、俺はNOだ
異世界転移とか絶対やだ
ラノベ作家として順風満帆な毎日を過ごしているんだ。
異世界転移なんてクリアなし、帰還不可の糞ゲーだ
糞ゲーハンターはもう辞めたんだ勘弁してくれ


けれど彼女は全無視しながら勝手に話を進める

イラついた俺は彼女を蹴り飛ばしてみたが、倒れたまま話を続ける姿には、かなり狂気を感じた



「神様!話を聞いてくれぇええ!!!!」








そう叫ぶ俺を無視して神様は、異世界転移を強行した







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