27 / 44
第五幕【聖女と魔女が集うとき】
5-4【迷宮管理計画】
しおりを挟む
いつまで経っても居座り続けるリーンシェッテに呆れつつも、結局思いつく限りの迷宮案を日付が変わるまで説明し続けた。
テーブルの上にはノートパソコンではなく、プラ板などを使って作った十センチ四方の試験的な迷宮がいくつも並んでいる。
どれも今日までに作った簡易的なものであり、白いプラと黄色いパテが剥き出しで塗装すら施されていない。
どれも床となるプラ板の上に壁に見立てて立てたプラ板を並べた、天井のない簡易迷路みたいなものばかりだ。
というよりも、迷宮と言われて思いつくイメージがこれしかなかったわけだが。
「……普通だな」
「だよな。俺もそう思う」
「ですがそこまで奇をてらうものを用意する必要はありませんよ?」
テーブルを囲い、試作品を見下ろす俺たち。
フィーちゃんはそれらを楽しげに見つめているが、リーンシェッテは退屈を隠そうともしない。
正直なところ、自分の貧相なイメージには俺自身退屈を覚えているわけで。
だが気取って変なものを作ったところで、二人に理解されなければ無意味に終わってしまう。
なのであえて今はこのシンプルな迷路を二人に見せることにしたのだ。
それにシンプルだからこそ、フィーちゃんやリーンシェッテも想像を膨らませやすいはずだ。
こうやって基本的なものから進めていくことこそ、完成への近道だと俺は思う。
で、早速リーンシェッテがサンプルの一つを手に取り、考え込む仕草を見せる。
「大体迷宮を名乗るならばトラップの一つでも用意せい。坊も男子ならばスケベな奴の一つや二つ思いつくだろう?」
「この迷宮は全年齢対象だ!」
何を言いだすかと思えば。このスケベ魔女は……。
しかし本気で言っていたわけではないのだろう。ニヤニヤと笑いながら俺の顔を見ている。
くそっ、無駄に顔が熱いぞ。
「というよりは、迷い込む方のいない迷宮に罠は必要ないのですが」
「甘いぞ娘。こういうのは必要か不必要かではないぞっ」
「ええ……」
妙に張り切るリーンシェッテに対し、フィーちゃんはやや引き気味だ。
「大体サンプルの段階でも落とし穴くらいは用意すべきだろうに。まさか作れないのか?」
「は? そんなの簡単だよ。ちょっと待ってて」
まるで挑発を受けたかのような発言に対し、俺は立ち上がり隣の部屋へ向かう。
落とし穴なんていうのは、要は床が開閉すればいくらでも作れる。
その程度造作もないし、そのために必要なものは既に作った経験がある。
俺はこれまでプラ板で作った試作品の一つを引き出しの中から持ち出し、二人の待つ居間へと戻る。
「ほら、これを床に応用すればいいだけだろ?」
俺の手のひらにあるそれを二人が見つめ、感嘆の声を上げる。
それは二枚のプラ板を組み合わせて作ったヒンジだ。
凹凸の形状にした二枚のプラ板を組み合わせ、噛み合う部分にドリルで穴をあけて真鍮線を通したシンプルな構造になっている。
開閉物の練習に作った簡素なものだが、大体の動きは見て分かるはずだ。
「えと、触ってもいいですか?」
「いいよ。ただの練習で作ったやつだから」
フィーちゃんが遠慮がちにプラ板のヒンジを手に取り、丁寧に扱いながら左右に動かす。
何が心の琴線に触れたのかは分からないが、その動きを楽しそうに眺めているようだ。
「これで基本的なトラップは用意できそうだな。僥倖僥倖」
「僥倖って、そのトラップにかかる侵入者がいないってのに」
「馬鹿者。こういうのはあるとないとで大違いなのだっ」
俺を指差し、頬を膨らませながら迷宮持論を語るリーンシェッテ。
まあ呆れている俺もそういう気持ちは分からないでもないわけだが。
それにただ壁を立てたものを並べるよりは、作る側としてもメリハリが生まれるのでいい刺激になる。
その分かかる手間については見ないことにするが。
「やはり迷宮とは仕掛けがあって然りよ。特定のモンスターを倒すとか決まった壁を破壊するとかなっ」
「それってだいぶ昔のゲームの話だろ」
その通りと言いつつ、リーンシェッテがけらけら笑う。
そういや千年間日本で暮らしていたんだったな。そりゃあ古いゲームの一つや二つ知ってるか。
だが某あの塔も気づかないうちに俺の迷宮イメージの一つになっていそうだ。
だとすると、やはり建造物としては塔の形状にするべきなのか。
最上階に巨人を眠らせる広いフロアを作って、それに繋がる階層を下に……。
「……あっ」
塔というイメージが浮かんだその瞬間、抱える問題を解決するアイディアが脳裏に浮かぶ。
声を上げた俺に反応するように、フィーちゃんとリーンシェッテが俺の顔を見る。
「あのさ、もしも多重の壁があった場合、瘴気ってのは外側の壁まで貫通して侵食するものなのか?」
「いえ。まずは一番近いものから侵食が進みますよ。もちろん瘴気の濃さによって進行速度は変わりますが」
フィーちゃんの説明を受け、俺の頭に浮かんだアイディアが役に立つものだと確信する。
俺は早速テーブル上の迷宮サンプルを端に寄せ、空いたところに紙を広げる。
二人が何事かと覗き込んでくる中、俺は紙にボールペンで脳内のアイディアを簡潔に描き進めていく。
それは、この迷宮の【核】となる部分の簡易的な図面だ。
「まずこれが最上階。ここには巨人を眠らせるための大きな空間を作る」
まずは棒人間を描き、それを楕円で囲む。
「この空間は外側に壁を設けて二重にして、内側の壁で瘴気の浸食を受け止めるんだ」
「多重防壁か。これならば内側の壁を交換さえすれば、外側の浸食はある程度抑えられるだろうな」
「だよな。俺としては迷宮の侵食を抑える方法はこれしかないと思う」
何も言わずにうなずくリーンシェッテだが、微妙な表情からしてきっと完璧な方法とは言えないのだろう。
だが単純だからこそ効果の分かりやすい方法だ。もっと根本的な解決を見出すまではこれが一番の手段だ。
「後は侵食した壁については、外側も内側も交換しやすい構造にして適時入れ替えをできるようにする。これってどうかな?」
「そうですね。侵食を受けた壁の処分という課題はありますが、可能な方法です」
残念ながら、処分方法については魔法の知識のない俺には手が出せない。
だがフィーちゃんの自信に満ちた表情を見る限り、その手は彼女の中に存在するとみていいだろう。
応急処置的な瘴気への対応。
だが俺のアイディアはこれで終わりではない。
ここからさらに、巨人を収める空間の下に柱を伸ばしていく。
そして柱の周りにいくつもの四角を階層になるよう付け足していき、いくつもの四角を重ねた塔の形にする。
「こいつはなんだ?」
中央の柱に集まる四角の集合体を指差し、リーンシェッテが俺の顔を見る。
「これはブロックに分けた迷宮だよ。ほら、これと同じような奴」
俺は端に寄せていた迷宮サンプルの一つを紙の上に置き、その上に別のものを重ねる。
ただ構造物を重ねているだけのものだが、これが俺のイメージ通りなのだ。
「巨人を収める空間に接続する形で長い柱を立てて、その周りにブロック別に作った迷宮を継ぎ足していくんだ」
「継ぎ足しか。ふむ、そういうことか」
「そういうこと?」
どうやらリーンシェッテはすぐに理解ができたようだ。腕を組みながらうんうんとうなずいている。
対するフィーちゃんはまだわかっていないようで、首をかしげながら積み重ねられた迷宮サンプルを見つめる。
「迷宮の中心になる大きな柱を先に作って、その周りに切り分けて作った迷宮をくっつけていくんだよ」
「くっつける……あっ、くっつけるということは」
「うん。その部分だけ外したりってこともできるんだ」
迷宮サンプルを手にしながら、はっとした表情を見せるフィーちゃん。
俺が言いたかったのは、ブロック別に作ったフロアで構築される積層構造の塔である。
昔見た中央から先に作る高層ビルを思い出し、そこからの思い付きでこの方法を思いついたのだ。
「多重の壁でも完全に瘴気を抑え込むことはできないんだろ? だから壁と同じように、汚染された迷宮の一部を同じように交換してしまう構造にするんだよ」
「だいぶ大がかりではあるが、まあ理に適ってはいるな。中央の柱も直しが入れられればなおのこと完璧だ」
「はい。ですがそうなると康介様の手間が……」
積まれた迷宮から俺の顔へと視線を送るフィーちゃん。
その不安げな表情からも、この構造による俺が受ける負担の大きさに気づいているのは明白だ。
交換できるようにするということは、その分俺が作る迷宮の数が膨大になる。
何もかもが手作りになるし、その分の材料費や労力、必要な時間は膨大だ。
これが模型でなく現物を建造するとなったら、一体どれほどのコストがかかることやら。
だが幸いにも、これはプラスチックの迷宮だ。
プラスチックが世界の狭間という特殊な環境下で、魔法の力によって現物になるという摩訶不思議だ。
つまりこれは模型と世界救済。趣味と実益を兼ね備えた非常に有益なことになる。
「大丈夫だよ、フィーちゃん」
今はまだプラスチックの張りぼてが手元にあるだけだ。
だがそこから俺の壮大な作品が始まっていく。
これを楽しみと思わずして、何だというのだ。
作業部屋で一人こもり、黙々とジオラマを作ってはSNSに上げたり店の展示スペースに置くだけだった日々。
そんな俺の趣味が、こんなにもすごいことを成し遂げられる機会を得られたのだ。
机上にしかない俺のアイディアが、おそらく誰も経験したことのない形で現実となるなんて。
「俺、今すげぇやる気が湧いてるから」
全てのアイディアが形になったとき、きっとそれは嬉しくて仕方のないことだ。
その一瞬を想像したとき、俺の顔は自然と笑顔になってしまう。
そんな俺を見て、フィーちゃんはようやく安堵の表情を浮かべるのだった。
テーブルの上にはノートパソコンではなく、プラ板などを使って作った十センチ四方の試験的な迷宮がいくつも並んでいる。
どれも今日までに作った簡易的なものであり、白いプラと黄色いパテが剥き出しで塗装すら施されていない。
どれも床となるプラ板の上に壁に見立てて立てたプラ板を並べた、天井のない簡易迷路みたいなものばかりだ。
というよりも、迷宮と言われて思いつくイメージがこれしかなかったわけだが。
「……普通だな」
「だよな。俺もそう思う」
「ですがそこまで奇をてらうものを用意する必要はありませんよ?」
テーブルを囲い、試作品を見下ろす俺たち。
フィーちゃんはそれらを楽しげに見つめているが、リーンシェッテは退屈を隠そうともしない。
正直なところ、自分の貧相なイメージには俺自身退屈を覚えているわけで。
だが気取って変なものを作ったところで、二人に理解されなければ無意味に終わってしまう。
なのであえて今はこのシンプルな迷路を二人に見せることにしたのだ。
それにシンプルだからこそ、フィーちゃんやリーンシェッテも想像を膨らませやすいはずだ。
こうやって基本的なものから進めていくことこそ、完成への近道だと俺は思う。
で、早速リーンシェッテがサンプルの一つを手に取り、考え込む仕草を見せる。
「大体迷宮を名乗るならばトラップの一つでも用意せい。坊も男子ならばスケベな奴の一つや二つ思いつくだろう?」
「この迷宮は全年齢対象だ!」
何を言いだすかと思えば。このスケベ魔女は……。
しかし本気で言っていたわけではないのだろう。ニヤニヤと笑いながら俺の顔を見ている。
くそっ、無駄に顔が熱いぞ。
「というよりは、迷い込む方のいない迷宮に罠は必要ないのですが」
「甘いぞ娘。こういうのは必要か不必要かではないぞっ」
「ええ……」
妙に張り切るリーンシェッテに対し、フィーちゃんはやや引き気味だ。
「大体サンプルの段階でも落とし穴くらいは用意すべきだろうに。まさか作れないのか?」
「は? そんなの簡単だよ。ちょっと待ってて」
まるで挑発を受けたかのような発言に対し、俺は立ち上がり隣の部屋へ向かう。
落とし穴なんていうのは、要は床が開閉すればいくらでも作れる。
その程度造作もないし、そのために必要なものは既に作った経験がある。
俺はこれまでプラ板で作った試作品の一つを引き出しの中から持ち出し、二人の待つ居間へと戻る。
「ほら、これを床に応用すればいいだけだろ?」
俺の手のひらにあるそれを二人が見つめ、感嘆の声を上げる。
それは二枚のプラ板を組み合わせて作ったヒンジだ。
凹凸の形状にした二枚のプラ板を組み合わせ、噛み合う部分にドリルで穴をあけて真鍮線を通したシンプルな構造になっている。
開閉物の練習に作った簡素なものだが、大体の動きは見て分かるはずだ。
「えと、触ってもいいですか?」
「いいよ。ただの練習で作ったやつだから」
フィーちゃんが遠慮がちにプラ板のヒンジを手に取り、丁寧に扱いながら左右に動かす。
何が心の琴線に触れたのかは分からないが、その動きを楽しそうに眺めているようだ。
「これで基本的なトラップは用意できそうだな。僥倖僥倖」
「僥倖って、そのトラップにかかる侵入者がいないってのに」
「馬鹿者。こういうのはあるとないとで大違いなのだっ」
俺を指差し、頬を膨らませながら迷宮持論を語るリーンシェッテ。
まあ呆れている俺もそういう気持ちは分からないでもないわけだが。
それにただ壁を立てたものを並べるよりは、作る側としてもメリハリが生まれるのでいい刺激になる。
その分かかる手間については見ないことにするが。
「やはり迷宮とは仕掛けがあって然りよ。特定のモンスターを倒すとか決まった壁を破壊するとかなっ」
「それってだいぶ昔のゲームの話だろ」
その通りと言いつつ、リーンシェッテがけらけら笑う。
そういや千年間日本で暮らしていたんだったな。そりゃあ古いゲームの一つや二つ知ってるか。
だが某あの塔も気づかないうちに俺の迷宮イメージの一つになっていそうだ。
だとすると、やはり建造物としては塔の形状にするべきなのか。
最上階に巨人を眠らせる広いフロアを作って、それに繋がる階層を下に……。
「……あっ」
塔というイメージが浮かんだその瞬間、抱える問題を解決するアイディアが脳裏に浮かぶ。
声を上げた俺に反応するように、フィーちゃんとリーンシェッテが俺の顔を見る。
「あのさ、もしも多重の壁があった場合、瘴気ってのは外側の壁まで貫通して侵食するものなのか?」
「いえ。まずは一番近いものから侵食が進みますよ。もちろん瘴気の濃さによって進行速度は変わりますが」
フィーちゃんの説明を受け、俺の頭に浮かんだアイディアが役に立つものだと確信する。
俺は早速テーブル上の迷宮サンプルを端に寄せ、空いたところに紙を広げる。
二人が何事かと覗き込んでくる中、俺は紙にボールペンで脳内のアイディアを簡潔に描き進めていく。
それは、この迷宮の【核】となる部分の簡易的な図面だ。
「まずこれが最上階。ここには巨人を眠らせるための大きな空間を作る」
まずは棒人間を描き、それを楕円で囲む。
「この空間は外側に壁を設けて二重にして、内側の壁で瘴気の浸食を受け止めるんだ」
「多重防壁か。これならば内側の壁を交換さえすれば、外側の浸食はある程度抑えられるだろうな」
「だよな。俺としては迷宮の侵食を抑える方法はこれしかないと思う」
何も言わずにうなずくリーンシェッテだが、微妙な表情からしてきっと完璧な方法とは言えないのだろう。
だが単純だからこそ効果の分かりやすい方法だ。もっと根本的な解決を見出すまではこれが一番の手段だ。
「後は侵食した壁については、外側も内側も交換しやすい構造にして適時入れ替えをできるようにする。これってどうかな?」
「そうですね。侵食を受けた壁の処分という課題はありますが、可能な方法です」
残念ながら、処分方法については魔法の知識のない俺には手が出せない。
だがフィーちゃんの自信に満ちた表情を見る限り、その手は彼女の中に存在するとみていいだろう。
応急処置的な瘴気への対応。
だが俺のアイディアはこれで終わりではない。
ここからさらに、巨人を収める空間の下に柱を伸ばしていく。
そして柱の周りにいくつもの四角を階層になるよう付け足していき、いくつもの四角を重ねた塔の形にする。
「こいつはなんだ?」
中央の柱に集まる四角の集合体を指差し、リーンシェッテが俺の顔を見る。
「これはブロックに分けた迷宮だよ。ほら、これと同じような奴」
俺は端に寄せていた迷宮サンプルの一つを紙の上に置き、その上に別のものを重ねる。
ただ構造物を重ねているだけのものだが、これが俺のイメージ通りなのだ。
「巨人を収める空間に接続する形で長い柱を立てて、その周りにブロック別に作った迷宮を継ぎ足していくんだ」
「継ぎ足しか。ふむ、そういうことか」
「そういうこと?」
どうやらリーンシェッテはすぐに理解ができたようだ。腕を組みながらうんうんとうなずいている。
対するフィーちゃんはまだわかっていないようで、首をかしげながら積み重ねられた迷宮サンプルを見つめる。
「迷宮の中心になる大きな柱を先に作って、その周りに切り分けて作った迷宮をくっつけていくんだよ」
「くっつける……あっ、くっつけるということは」
「うん。その部分だけ外したりってこともできるんだ」
迷宮サンプルを手にしながら、はっとした表情を見せるフィーちゃん。
俺が言いたかったのは、ブロック別に作ったフロアで構築される積層構造の塔である。
昔見た中央から先に作る高層ビルを思い出し、そこからの思い付きでこの方法を思いついたのだ。
「多重の壁でも完全に瘴気を抑え込むことはできないんだろ? だから壁と同じように、汚染された迷宮の一部を同じように交換してしまう構造にするんだよ」
「だいぶ大がかりではあるが、まあ理に適ってはいるな。中央の柱も直しが入れられればなおのこと完璧だ」
「はい。ですがそうなると康介様の手間が……」
積まれた迷宮から俺の顔へと視線を送るフィーちゃん。
その不安げな表情からも、この構造による俺が受ける負担の大きさに気づいているのは明白だ。
交換できるようにするということは、その分俺が作る迷宮の数が膨大になる。
何もかもが手作りになるし、その分の材料費や労力、必要な時間は膨大だ。
これが模型でなく現物を建造するとなったら、一体どれほどのコストがかかることやら。
だが幸いにも、これはプラスチックの迷宮だ。
プラスチックが世界の狭間という特殊な環境下で、魔法の力によって現物になるという摩訶不思議だ。
つまりこれは模型と世界救済。趣味と実益を兼ね備えた非常に有益なことになる。
「大丈夫だよ、フィーちゃん」
今はまだプラスチックの張りぼてが手元にあるだけだ。
だがそこから俺の壮大な作品が始まっていく。
これを楽しみと思わずして、何だというのだ。
作業部屋で一人こもり、黙々とジオラマを作ってはSNSに上げたり店の展示スペースに置くだけだった日々。
そんな俺の趣味が、こんなにもすごいことを成し遂げられる機会を得られたのだ。
机上にしかない俺のアイディアが、おそらく誰も経験したことのない形で現実となるなんて。
「俺、今すげぇやる気が湧いてるから」
全てのアイディアが形になったとき、きっとそれは嬉しくて仕方のないことだ。
その一瞬を想像したとき、俺の顔は自然と笑顔になってしまう。
そんな俺を見て、フィーちゃんはようやく安堵の表情を浮かべるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる