猫貴族ウル・カウネールの華麗なる猫(ニャン)生

とんでもニャー太

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お茶会でドキドキ!猫貴族の恋の行方は?

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 翌日、僕はムーンブルーム邸を訪れていた。
 心臓がドキドキと高鳴り、尻尾が少し震えている。

「ウル様、お待ちしておりました」

 執事に案内され、優雅な庭園に足を踏み入れる。
 そこには、青い薔薇に囲まれたテーブルがあり、リリアが微笑みながら立ち上がった。

「ようこそ、ウル。来てくれて嬉しいわ」

「こ、こんにちは、リリア」
 僕は少し緊張しながら挨拶をした。

 テーブルには、美しい花柄の食器セットが並べられている。
 そして、魚型のサンドイッチやマウス型のクッキーなど、猫を意識したお菓子の数々。

「わぁ、これは……」
「ウルのために特別に用意したの。気に入ってくれたかしら?」

 リリアの優しい心遣いに、僕は思わず顔を赤らめた。

「ありがとう。とても嬉しいよ」

 お茶を楽しみながら、僕たちは様々な話題で盛り上がった。
 社交界での出来事、音楽の話、そして互いの子供の頃の思い出など。

「ねえウル、あなたが子供の頃はどんな感じだったの?」
 リリアが興味深そうに尋ねた。

「えっと、そうだなぁ」僕は少し考え込んだ。「兄たちに比べると小さくて弱かったから、よく庭で一人遊びをしていたんだ。木に登ったり、蝶々を追いかけたり」

「まるで本物の子猫みたい」リリアがクスリと笑う。

「リリアはどうだったの?」
 今度は僕が尋ねた。

「私はね、よく父に連れられて音楽会に行ったわ。ピアノの練習も毎日欠かさなかったの」

「へぇ、小さい頃からお淑やかだったんだね」

 リリアは少し照れたように頬を染めた。
「でも、こっそり木登りをして、ドレスを破いてしまったこともあるのよ」

「にゃんてことだ!」僕は思わず声を上げた。「意外な一面だね」

 私たちは互いの意外な一面を知って、更に会話が弾んだ。

「ねえウル、最近の様子を聞かせて」
 リリアが真剣な眼差しで僕を見つめる。

「う、うん。正直、大変なんだ。みんなが僕に期待してくれるのは嬉しいけど……」
 僕は少し俯いた。「本当に僕でいいのかな、って思うことがあるんだ」

 リリアが優しく僕の手に触れた。

「ウル、あなたはそのままで十分素敵よ。猫の姿だからこそ、新しい視点を持てるんじゃない?」

「リリア……」
 その言葉に、僕は勇気づけられた気がした。

 話題が変わり、リリアが少し困ったような表情を見せた。

「実は、私にも悩みがあるの」
「え? どんな?」

「最近、親が政略結婚の話を持ちかけてきて……」

 その言葉に、僕の心臓が一瞬止まったような気がした。

「そ、そうなんだ……」
 僕は動揺を隠そうと必死だった。

「でも、私はまだ誰かを好きになったことがないの。だから、どうしていいか分からなくて」

 リリアの悩む姿を見て、僕は複雑な気持ちになった。
 助けたい。でも、どうすればいいのか分からない。

「リリア、僕には力になれることある?」
 僕は真剣な表情で尋ねた。

 リリアは少し驚いたような顔をしたが、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。

「ありがとう、ウル。あなたがこうして話を聞いてくれるだけで、とても心強いわ」

 お茶会が終わり、帰り際。
 リリアが僕に青い薔薇の花を一輪手渡してくれた。

「また会えるといいな」
「ええ、私もそう思うわ」

 カウネール邸に戻った僕は、青い薔薇を大切に花瓶に生けた。
 窓から差し込む月明かりに照らされ、花びらが淡く輝いている。

(リリア、僕に何ができるだろう)
 僕は青い薔薇を見つめながら、静かに考え込んだ。

 その夜、僕は決意した。
 リリアの力になるため、そして自分の気持ちと向き合うため、もっと頑張らなければ。

 猫貴族として、そして一人の男性として。
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