deep trap ―awakening―

あおい

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Story1 -slavely- 人間をやめる、ということ

Ⅰ 

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 ヨダカは、今からセックスをしようとしている。
 
 好きな人とではなく、相手は女性でもなく、自分の性器は必要とされず、そこには僅かな愛もない。
 
 不毛な行為と覚悟の上で、「生理的苦痛から逃れたい」その一心で、ヨダカはセックスを乞わねばならない。
 
 ヨダカは床に敷いた毛布にじっと横になり、恨めしく部屋の扉を見つめた。

 排泄管理は、あれからもう4日目。
 水分量まで調整されて、腹のなかですっかり便が固まっている。便から発生するガスも溜まっているのか、下腹部が丸く膨れていた。
 
 アナルプラグの上から固定された貞操帯はきつく、小便だけはかろうじて許されているが、それもたらたら溢れる程度で、気持ちよく放尿はできない。
 
 ヨダカは浅く、呼吸する。
 肛門や腹を意識しないよう他に思考を飛ばす。

 イトウは、まだ来ない。
 
……………………………………………………
 
「お前の糞穴、使って欲しくなったら言え。この意味、分かるな?ヨダカ」

……………………………………………………

 4日前、イトウは脱糞後すぐの尻穴にプラグを埋め、再び貞操帯にも鍵を掛けながら、笑った。
 力尽きたヨダカはもう、首を縦に振るしかなかった。
 
 それは、排泄管理の目的であり、肛門を塞ぐ栓を外す条件が、ヨダカ自身がアナルセックスを自ら乞うことだ、と言っているに等しい。
 
 ヨダカにも分かっている。

 選択肢などない。多少便意を我慢して先送りにしたところで、イトウが折れるわけがない。 

 最初から分かっていたが、自分の覚悟が決まらなかった。
 
 フェラチオはしたことがある。
 精液も飲んだ。
 どちらも拒否できる状況ではなかった。
 
 でも、今セックスは状況的に強いられてはいるが、僅かな猶予が与えられた。
 かわりに、ヨダカが自分で乞わねばならない。

 どちらがより屈辱的かといえば、自分から連絡をしてセックスを懇願するほうがよほど辛い。
 
 さらに、与えられた猶予がヨダカの決意を鈍らせる。
 セックスでは、間違いなく肛門を使う側、突っ込まれる側だ。

 それはヨダカにとって、男を捨てて女にさせられるようなもの。
 
 元来、性的に男が好きでもなく、アブノーマルな行為にも興味がない、至ってノーマルな性癖だ。
 
 肛門だって、排泄に使うための器官、人様に見せる場所ではない、という認識で19年生きてきたのだから、ひっくり返されてペニスを挿入されるなど当然ながら簡単に許容できない。

 すぐには首を振れなかった。
 
 しかし、脱糞を制限され、人為的に便秘にさせられると、2日目にはもう排泄のことしか考えられなくなった。

 24時間、脱糞のことを考える。
 
 尻の栓が気になり、その形まで鮮明に感じる。
 グッと尻に力が入ると、栓が貞操帯を押し上げるように浮き上がり、胎内に潜り込んでいる丸い膨らみが括約筋を押し拡げる。

 果てには、夢にまで見る始末だ。
 
 3日目、排泄欲と戦い続けたヨダカはもう、なりふり構ってはいられなくなった。

 我慢に我慢を重ね、ついに世話役を呼び止めて、イトウとの面会を頼んだときには、4日目の朝になっていた。
 
 誰かと愛しあうため、快感のため、もちろん金のためでもなく、ただ脱糞のために、アナルセックスを選ばなければならない。

 それも、腸管を使うのに邪魔だから糞を出すのだ。
 
 ヨダカにはそれ以外の選択肢を選ぶ自由はない。
 提示される選択肢は常に最悪だが、拒否など出来ない。

 自分の置かれた屈辱的な立場にギュッと唇を噛んだ。
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