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Story1 -slavely- 欲の天井
Ⅱ
しおりを挟むヨダカは腰を上下に振りながら、肩で息をする。
「ううっ、はあ、っ、」
バランスを崩して上体が前傾になり、尻穴からディルドがにゅるんと抜けて、撓んだリードが床を這った。
「、あ、ああっ、!」
ヨダカは汗を垂らしながら背後を振り向き、抜けたディルドを悲しそうに見やると、再度ディルドに跨がった。
ミツキは再び腰を揺らすヨダカの薄く開いた唇に舌を捩じ込む。
唾液を送り、胸のピアスを弄ってやりながら、その憐れな姿に同情すら感じている。
ヨダカの尻穴を突き刺すディルドは、床に吸盤で固定されているが、ヨダカが普段使うプラグより、ひと回り細く、さらに通常よりも、短い。
単純なつるんとしたミサイル型でペニス擬きのような凹凸や引っ掛かりもなく、床に尻たぶが着くほど腰を沈めてナカを擦っても、前立腺には当たりにくい仕様になっている。
おまけに、姿勢が崩れるとすぐにするりと抜けてしまうのだ。
イトウから渡されたジュラルミンケースには、3種類の玩具とローションが整然と並んで収まっていた。
いずれもプラグの台座に「夜鷹」の名前が刻まれた特注品だ。
特注品ならばヨダカにぴったり合うサイズかと思いきや、イトウの発注品は、まさかの、そうではない。
ミツキは、自分も道具を使うだけに、分かってしまう。
長さや太さ、形、大きさ、そのどれもが少しずつ足りない。まさに「生かさず殺さず」だ。
半端なディルドしか与えられず、それで何度も何度もアナルを突くが一向にイケないヨダカは、それでも唇を噛み、跨がる。
腕は後ろ手に締められて、自分自身を慰めることさえも許されない。突くしか、ない。
きっと、イトウはヨダカを気に入っている。
その従順で健気な姿は、同じ奴隷だったミツキでも、愛おしく感じるほどだ。
イトウのやり方は、好きな子に意地悪をするような、そんな感覚に近いのだろうが、だからといって、される本人はたまったものではない。
「全然イケない、ヨダカくん。お手伝いしてあげようか」
またしてもディルドが外れ、見かねたミツキの声に、ヨダカは涙の光る目を向けた。
「ミツキ、さん……、」
何をしてくれるの?とその目が問う。
いよいよ挿れてくれるの!?と。
ミツキは、ジュラルミンケースから2つ目のプラグを取り出し、ローションを纏わせる。
極々細くてよく撓るそれを、戸惑うヨダカの尿道にゆっくりと差し込んだ。
「ひ、あっ、くうっ、うう…!」
このプラグも、やはり前立腺刺激には長さが足りないし、形も単調で、圧迫感を心地良く感じられるほど太くもない。
それでも、新たな刺激にヨダカは悶え喜ぶ。
尿道プラグを差したまま、ひいひいと再び腰を振るヨダカの亀頭から、プラグをチュチュッと引き抜き、またゆっくり埋め込む。
そして、乳首ピアスと尿道プラグをチェーンで繋いだ。上体を揺らすとプラグも揺れる。
ミツキには分かる。
これぐらいじゃきっとイけない。
でも、むず痒い刺激に、背を丸めながら感じ入る姿は、虐めたくなる可愛さだった。
「気持ちいい?ヨダカくん」
「は、い…、ッう、う、ウッ」
「でも、イけないんだ?」
「んんっ、ふうっ……、手…っ、手でしたい、です」
「手? 手錠、外して欲しいの?」
ミツキはにっこり笑い、白い歯を見せながら言う。
「だーめ ♡」
ヨダカは、それでも必死にミツキに縋る。
もう、とっくに限界だ。
射精感が高まっているのに、出せない。イケない。
「そんなっ!い、挿れて、欲し、のに、なんでッ」
「何言ってんの、入ってるじゃん、さっきからずっと」
「ちが、違っ。おちんちん欲し、っ」
ヨダカは、ディルドの上に座り込み、後ろ手で手錠をガチャガチャ鳴らす。
「もっとっ、もっと!奥まで、突いてほし…」
全然、足りない、もっともっと……
意地悪な玩具に、半端な愛撫。ヨダカが欲しいのは、そんなんじゃない。
熱くて硬い肉棒だけだ。
そしらぬ振りで、ミツキは強請るヨダカの口に唇を噛み合わせて塞いだ。
舌を吸い出し、歯列をなぞる。
ミツキも、可愛くて可哀想なヨダカに、突っ込んでやりたい衝動に駆られる。
でも、ミツキには応えられない。
イトウの指示もあるが、前提として、ミツキ自身がそれを許されていないからだ。
現在のミツキの主は、芸能プロダクション佐武プロモーションの社長、佐武善晴だ。
同プロ所属のメンズアイドルグループ、NINEのメンバー ミナトとして活動しているが、それはあくまでもオマケ、表の顔。
ミツキは、既婚で子どももいるが、実は生粋のゲイである佐武の性欲処理として、金銭授受で雇われた愛人なのだ。
主がいる以上、指示がない限り、誰とも身体の関係は許されない。浮気は厳罰だ。
イトウにだけそれを許すのは、過去の主従関係が今尚生きているからであり、佐武が自身の性癖秘匿を条件に、それを許可しているからだ。
でも、そんな事情をヨダカになど説明する義理もない。
「焦らないでよ。じゃあさあー、まずヨダカくんの我儘で欲しがりなお尻の穴、どうなってるのか見てあげるよ ♡」
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