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Story1 -slavely- 蕩けるカラダ
Ⅱ
しおりを挟むシノブが無理矢理にでもプラグを引き抜いてくれたらいい、そう思っていたはずなのに………、奴隷として刷り込まれた習性がシノブの手を拒んだ。
打算は、自らの手で泡と消えた。
「じゃあさ、その我慢、俺も付き合うよ」
シノブは、ごめんね、と笑った。
「え、ッ……………?」
ヨダカは言葉を失くす。そんなことって………
「だって、やりたくないって、君が言ったんだろ」
心が、ぽきんと折れる音がした。
ヨダカには、性行為にも、いくつも厳しいルールがある。
自慰の禁止、ピアスを無断で外してはいけない、肛門プラグの無断抜栓禁止、排泄日以外の脱糞禁止、便秘時は肛門使用禁止、口淫勃起できなければセックス禁止など、いずれも破れば懲罰対象だ。
出来ない、確かに出来ないのだ。
シノブのせいではない。
でも、シノブの一挙一投足に気持ちが揺さぶられる。
ED男ならまだ良かった。
見込みがないと諦めもついたから。
でも、目の前に大好きな餌をぶら下げられたままお預けにされている、宙ぶらりんの今ほど、辛いことはない。
もういっそ、…きっぱり断わって欲しい。
ここから、去って欲しい。
勝手に期待して、勝手に失望して、………ほんとに馬鹿みたいだ。
「……俺とはやっぱり…、ヤりたくないですよね…」
「えっ、何で…………」
「分かってます、…全然いいです。貴方のような人が、俺とヤる必要なんかないです」
「ヨダカくん………、」
「俺、見た目こんなで、見ての通り汚いです。
ナカ、だけ じゃないです。だからヤりたくないの、当たり前です」
ぽつりぽつりと呟く。
もう諦めているが、身体が限界で、生理的な涙が浮かぶ。視界がボヤけて、声が震えてしまう。
「でも………、俺もうずっと我慢してて………めちゃくちゃヤリたいんです。………お腹ももう………、限界で………っ……………だから……………、もう、………………帰ってください」
ヨダカはシノブの前で正座した。
そして、膝の前に手を付き、頭を下げた。
「俺のせいにしてくれていい………、
俺が下手だった、それでいいです。
もう、期待するの、疲れたんです、だから…………、上手く出来なくて…、申し訳ございませんでした」
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