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神成
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「っ安田!何であんたが」
研究室には私とオサム二人きりだったはずなのに声のする方を振り向けば、予想通りそこには扉に背を預けて立つ安田の姿。腕を組んで斜め上からニヤニヤと目を細めて私を見つめる安田と目が合った瞬間、視界が真っ赤に染まって身体が急速に熱を持ち始めた。
「あ、違った。好きだった男か。神成、そうだよな?」
「……安田くん、は知ってるの?」
オサムの問いに対して、安田は笑顔ながら攻撃する様な言葉を口にする。
「さあ、どうだろね。何?お前神成が誰に振られたかなんて興味あんの?今まで神成個人のことなんて見向きもしなかった、お前が?」
「安田!いい加減にして!」
いつからそこにいたのか。どこから聞いていたのか。
さっきのやり取りを見られていたかもしれないことに対する羞恥が、安田に対する怒りにそのまま切り替わる。とにかく、これ以上安田に何か言われたくはない。私は声を荒げて安田の言葉を遮るも、安田はにやけた顔を更に歪ませ、軽快にしゃべり続ける。
「何だよ、本当のことだろ?お前だって知ってるくせに」
「……え。僕?」
「オサムは優しいから!私が振られたって聞いたら心配してくれるの当たり前でしょ。そうだよね?」
「う、うん」
私に対してだけじゃなく、オサムにも同じく不躾な発言をする安田に、純粋な怒りが湧いてくる。
何て、どこまでも最低な男なんだ。
この男は人が嫌がることをしてその反応を楽しんでいるだけだ。私やオサムの感情なんて、何も気にしちゃいない。
いや、反対か。自分の言動で相手の心が乱れれば乱れるほど、あいつの心は満たされるように見える。今だってオサムが困っているのを見て、心底楽しそうに口角を上げニヤニヤと笑っているのだから。
「心配、ねえ。神成がくそみてえな男に振られたのを知って、それでお前は何かしてくれんの?代わりに慰めてでもくれる訳?」
「え?」
「飯でも奢るか?気晴らしにどっかに行くか?でもなあ、こいつが欲しい慰めはそんなんじゃねえんだよ。な、神成?」
オサムには分からない様に言外にあの時のことを言われ、かあっと全身が熱くなった。
「安田!もう止めて。オサムごめん!私が変なこと言っちゃったから、オサムにまでこいつが暴言を。本当に私のことは気にしないで。さっきのことは全部過去の話だから」
「そうそう、そんなに心配なら神成の面倒は俺が見てやるから、お前は何も気にせず自分のことだけ考えてればいいよ。そういえばナミちゃんと待ち合わせしてるんじゃねえの?夕方そう聞いたけど」
「う、うん。そうだけど」
オサムが何か言いたげに私を伺うも、「ほら、早く行けって」と安田に扉の方へと肩を押され、オサムは少しの抵抗を示しながらも安田に促されるまま扉の外へと足を進めた。
「……じゃあ、神成さん。またね」
オサムは開けた扉の前で一回立ち止まると、顔だけ振り返ってそう私に言った。
私のように安田のターゲットにされて、オサムにまで嫌な思いをさせたくないというのはもちろんあった。だけどこれ以上オサムに余計なことを吹き込まれたくなくて、いや、身体の関係をバラされたくなくて、私はニコリと笑って手を振った。
「オサム。お前はナミちゃんと自分のことだけ考えてればいいんだよ。余計なことしようとなんて、思うなよ?」
安田がいつもよりも低い声でそう言って、バタンと扉を閉めた。オサムがこの場からいなくなったことで、緊張していた強張りが弛む。ほっと息をつくのも束の間、その代わりだというように胸の内に溜め込んでいた怒りが一気に再燃した。
「ちょっと!さっきのなんなのーーんんっ!」
盛大に文句をぶつけてやろうと距離を詰めれば、私以上に素早く安田が近付いてきて、抵抗する暇もなくあっという間に唇で唇を塞がれた。
吐き出したはずの言葉は全て安田によって飲み込まれ、これ以上何も言うなとばかりに強引に舌をねじ込まれる。安田の腕が後ろに回り、私の背と腰をきつく抱き寄せられると、二人の身体が苦しいくらいに密着した。
これでは抵抗しようとも身動きひとつできない。
それをいいことに、安田の舌が私の舌をぐるりと絡めとり、どちらのものとも分からない溢れる唾液をじゅるりと吸う。何度も触れ合う唇の角度を変えては、私の唇を貪り食らう。
がっちりと私の身体を拘束する腕とは反対に、安田のキスは乱暴なようでとても甘い。気が付けば頭の中はすっぽりと靄で覆われ、ぴりぴりと小さな痺れが全身を支配していた。
「あっ、や、やめっ!」
霞んでぼやけた意識が、胸への刺激によって簡単に呼び戻される。安田は拘束していた左腕を弛めて、私の右胸を下から大きく揉み込んだ。
「ああ、柔らけえ。最近さあ、ぷにぷにした玩具すげえ売ってるじゃん。あれ何て言ったっけ?スクイーズ?」
抵抗がなくなったと認識したのか、安田は背中に回していた右手も弛め、両手で胸を弄り始める。
「ん、んん」
「あれさ、ゲーセンにめっちゃあんの。知ってる?人気あるらしいぜ。俺さー、手あたり次第やりまくって集めてるんだけど。なーんか違和感があって腑に落ちないっていうか、これじゃない感がすごいっていうか」
「っああ!」
両胸の尖りを同時に弾かれ、全身が跳ねた。安田による拘束は解かれ身体は自由になったはずなのに、私はその場から一歩も動けなかった。そんな余裕、頭にも身体にも、これっぽっちもなかった。
ただひたすら、目の前にいる安田にしがみつかない様に両手をぎゅっと握って、膝から落ちてしまわない様に両足を突っぱねて。全身を駆け巡る痺れに、必死に抗うことで精いっぱいだった。
「ああ、これこれ。しっくりくるわ。めちゃくちゃ柔っこいのにずっしり重くて、しかも天辺はこりこりに硬くなって。この相反する感触が男の本能を刺激するんだよなー。わかるか?」
男の本能うんぬんと言われて、女の私に分かるはずもない。そもそも、男とか女とか関係なくこの男の考えていることなんて全くもって理解できない。できた試しもないし、この先できる気もしない。
私の思考回路からはかけ離れすぎていて嫌悪感しか抱かない相手なのに。
ーーどうして私は、この男に触れられると頭が働かなくなって、何も抵抗が出来なくなってしまうのだろう。
そんな疑問も安田に対する嫌悪感も、もう既に白み始め、どうでもよくなっているのだけど。
「触り方によって反応が違うのもいいよな。ほら」
「あ、んんん!」
「こうやって強めに摘まめば大きな声が出るしー」
「っは、あ、ああ」
「先端を優しく擦ればもどかし気な声が漏れる。ははっ、ラジコンしてるみてえ」
そういって可笑し気に笑う男の首を絞めて、その不快なことしか言わない口を塞いでやりたい。
今この男は私のことをラジコンだとのたまい、そして自分の思い通りに私を操縦している気でいると言ったのだ。
ーーふざけるな!
込み上げる怒りのままに、きっと顔を上げ、鼻がくっつきそうな程至近距離にある安田の顔を思いきり睨みつけると、三日月形に弧を描いた目に捕らえられた。
「何?もっとしてほしいのか?それとも、またキスしてほしい?」
「死ね。くず男」
殺意を込めて心の底からそう言えば、安田が一瞬目を瞠り、そして心底楽しそうにまた笑った。
さっきと同じにやけた顔。のはずなのに、三日月形に細められた奥にある瞳は、さっきとは比べ物にならない位力強く私を射抜いていた。
ぞくぞくっと腰からうなじにかけて震えが走り、下腹部の奥の奥がかあっと熱をもった。
「ははっ!最高!なあ、神成」
「っは、あん」
そしてまた強引に唇を蓋がれ、思い切り舌をねじ込まれる。
ぴちゃりぴちゃりと唾液が絡まる音と共に、どちらのものとも区別のつかない嗚咽なような呼吸が漏れ、私の耳から頭を犯す。
確実に芽生えたはずの殺意は呆気なく霧散し、脳がむくんだように感覚が鈍っていく。頭がぼんやりとして抵抗する事を止めれば、更に口づけは深くなる。
薄く開いた瞼の先には、『何か』を秘めた安田の瞳。
それがあることを確認して、何故か私の胸は苦しくなった。
研究室には私とオサム二人きりだったはずなのに声のする方を振り向けば、予想通りそこには扉に背を預けて立つ安田の姿。腕を組んで斜め上からニヤニヤと目を細めて私を見つめる安田と目が合った瞬間、視界が真っ赤に染まって身体が急速に熱を持ち始めた。
「あ、違った。好きだった男か。神成、そうだよな?」
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「さあ、どうだろね。何?お前神成が誰に振られたかなんて興味あんの?今まで神成個人のことなんて見向きもしなかった、お前が?」
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いつからそこにいたのか。どこから聞いていたのか。
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「……え。僕?」
「オサムは優しいから!私が振られたって聞いたら心配してくれるの当たり前でしょ。そうだよね?」
「う、うん」
私に対してだけじゃなく、オサムにも同じく不躾な発言をする安田に、純粋な怒りが湧いてくる。
何て、どこまでも最低な男なんだ。
この男は人が嫌がることをしてその反応を楽しんでいるだけだ。私やオサムの感情なんて、何も気にしちゃいない。
いや、反対か。自分の言動で相手の心が乱れれば乱れるほど、あいつの心は満たされるように見える。今だってオサムが困っているのを見て、心底楽しそうに口角を上げニヤニヤと笑っているのだから。
「心配、ねえ。神成がくそみてえな男に振られたのを知って、それでお前は何かしてくれんの?代わりに慰めてでもくれる訳?」
「え?」
「飯でも奢るか?気晴らしにどっかに行くか?でもなあ、こいつが欲しい慰めはそんなんじゃねえんだよ。な、神成?」
オサムには分からない様に言外にあの時のことを言われ、かあっと全身が熱くなった。
「安田!もう止めて。オサムごめん!私が変なこと言っちゃったから、オサムにまでこいつが暴言を。本当に私のことは気にしないで。さっきのことは全部過去の話だから」
「そうそう、そんなに心配なら神成の面倒は俺が見てやるから、お前は何も気にせず自分のことだけ考えてればいいよ。そういえばナミちゃんと待ち合わせしてるんじゃねえの?夕方そう聞いたけど」
「う、うん。そうだけど」
オサムが何か言いたげに私を伺うも、「ほら、早く行けって」と安田に扉の方へと肩を押され、オサムは少しの抵抗を示しながらも安田に促されるまま扉の外へと足を進めた。
「……じゃあ、神成さん。またね」
オサムは開けた扉の前で一回立ち止まると、顔だけ振り返ってそう私に言った。
私のように安田のターゲットにされて、オサムにまで嫌な思いをさせたくないというのはもちろんあった。だけどこれ以上オサムに余計なことを吹き込まれたくなくて、いや、身体の関係をバラされたくなくて、私はニコリと笑って手を振った。
「オサム。お前はナミちゃんと自分のことだけ考えてればいいんだよ。余計なことしようとなんて、思うなよ?」
安田がいつもよりも低い声でそう言って、バタンと扉を閉めた。オサムがこの場からいなくなったことで、緊張していた強張りが弛む。ほっと息をつくのも束の間、その代わりだというように胸の内に溜め込んでいた怒りが一気に再燃した。
「ちょっと!さっきのなんなのーーんんっ!」
盛大に文句をぶつけてやろうと距離を詰めれば、私以上に素早く安田が近付いてきて、抵抗する暇もなくあっという間に唇で唇を塞がれた。
吐き出したはずの言葉は全て安田によって飲み込まれ、これ以上何も言うなとばかりに強引に舌をねじ込まれる。安田の腕が後ろに回り、私の背と腰をきつく抱き寄せられると、二人の身体が苦しいくらいに密着した。
これでは抵抗しようとも身動きひとつできない。
それをいいことに、安田の舌が私の舌をぐるりと絡めとり、どちらのものとも分からない溢れる唾液をじゅるりと吸う。何度も触れ合う唇の角度を変えては、私の唇を貪り食らう。
がっちりと私の身体を拘束する腕とは反対に、安田のキスは乱暴なようでとても甘い。気が付けば頭の中はすっぽりと靄で覆われ、ぴりぴりと小さな痺れが全身を支配していた。
「あっ、や、やめっ!」
霞んでぼやけた意識が、胸への刺激によって簡単に呼び戻される。安田は拘束していた左腕を弛めて、私の右胸を下から大きく揉み込んだ。
「ああ、柔らけえ。最近さあ、ぷにぷにした玩具すげえ売ってるじゃん。あれ何て言ったっけ?スクイーズ?」
抵抗がなくなったと認識したのか、安田は背中に回していた右手も弛め、両手で胸を弄り始める。
「ん、んん」
「あれさ、ゲーセンにめっちゃあんの。知ってる?人気あるらしいぜ。俺さー、手あたり次第やりまくって集めてるんだけど。なーんか違和感があって腑に落ちないっていうか、これじゃない感がすごいっていうか」
「っああ!」
両胸の尖りを同時に弾かれ、全身が跳ねた。安田による拘束は解かれ身体は自由になったはずなのに、私はその場から一歩も動けなかった。そんな余裕、頭にも身体にも、これっぽっちもなかった。
ただひたすら、目の前にいる安田にしがみつかない様に両手をぎゅっと握って、膝から落ちてしまわない様に両足を突っぱねて。全身を駆け巡る痺れに、必死に抗うことで精いっぱいだった。
「ああ、これこれ。しっくりくるわ。めちゃくちゃ柔っこいのにずっしり重くて、しかも天辺はこりこりに硬くなって。この相反する感触が男の本能を刺激するんだよなー。わかるか?」
男の本能うんぬんと言われて、女の私に分かるはずもない。そもそも、男とか女とか関係なくこの男の考えていることなんて全くもって理解できない。できた試しもないし、この先できる気もしない。
私の思考回路からはかけ離れすぎていて嫌悪感しか抱かない相手なのに。
ーーどうして私は、この男に触れられると頭が働かなくなって、何も抵抗が出来なくなってしまうのだろう。
そんな疑問も安田に対する嫌悪感も、もう既に白み始め、どうでもよくなっているのだけど。
「触り方によって反応が違うのもいいよな。ほら」
「あ、んんん!」
「こうやって強めに摘まめば大きな声が出るしー」
「っは、あ、ああ」
「先端を優しく擦ればもどかし気な声が漏れる。ははっ、ラジコンしてるみてえ」
そういって可笑し気に笑う男の首を絞めて、その不快なことしか言わない口を塞いでやりたい。
今この男は私のことをラジコンだとのたまい、そして自分の思い通りに私を操縦している気でいると言ったのだ。
ーーふざけるな!
込み上げる怒りのままに、きっと顔を上げ、鼻がくっつきそうな程至近距離にある安田の顔を思いきり睨みつけると、三日月形に弧を描いた目に捕らえられた。
「何?もっとしてほしいのか?それとも、またキスしてほしい?」
「死ね。くず男」
殺意を込めて心の底からそう言えば、安田が一瞬目を瞠り、そして心底楽しそうにまた笑った。
さっきと同じにやけた顔。のはずなのに、三日月形に細められた奥にある瞳は、さっきとは比べ物にならない位力強く私を射抜いていた。
ぞくぞくっと腰からうなじにかけて震えが走り、下腹部の奥の奥がかあっと熱をもった。
「ははっ!最高!なあ、神成」
「っは、あん」
そしてまた強引に唇を蓋がれ、思い切り舌をねじ込まれる。
ぴちゃりぴちゃりと唾液が絡まる音と共に、どちらのものとも区別のつかない嗚咽なような呼吸が漏れ、私の耳から頭を犯す。
確実に芽生えたはずの殺意は呆気なく霧散し、脳がむくんだように感覚が鈍っていく。頭がぼんやりとして抵抗する事を止めれば、更に口づけは深くなる。
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