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悠馬
※episodeー3
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「ねえ。来月の十三日さ、どうする?」
「来月の十三日……あ、その日だめだわ。実家帰るから。言ってなかったっけ?」
「……何それ、聞いてないよ。実家って、いつから?」
「多分十日ぐらいから?まだ決めてないけど」
「まだ決めてないなら違う日にしてよ」
「なんで?」
「なんでって、本当にわかんないの?私達が付き合った日だよ」
「……あー、そっか。すまん、忘れてた」
「……」
「っと……本当に申し訳ないんだけどさ。地元の奴らと集まる約束しちゃったんだよね、十三日に。だからさ、かすみとはまた別の日に埋め合わせすっから」
「……」
「だから、悪いって」
「私よりも友達を優先するんだ」
「は?」
「友達って誰?」
「斎藤とか、新田とか」
「とか、誰?」
「わかんねーけど。暇そうなやつに声かけるって言うから、もっと来るんじゃないのか?」
「女子は?」
「……来るかもな」
「何それ……どーせ前付き合ってた子とか、好きだった子とか来るんでしょ。久々に会えそうで良かったね」
「……知らねーよ、そんなん。それに、今付き合ってんのはかすみなんだから、そんなん関係ないー」
「ほら、否定しない。やっぱ、そうなんだ」
「だから、来るかどーか分かんねえって」
「……彼女との記念日キャンセルして昔の女に会いに行くとか、信じらんない」
「なんでわざとそういう言い方すんだよ。友達と遊ぶだけだろ」
「ただの友達との約束だったら断ってよ。彼女との記念日を優先するのが普通でしょ?」
「いや、もう約束しちゃったし。今更断れねーよ。やらないっつってる訳じゃないんだから、その日にこだわらなくたって別の日でもいいだろ」
「悠馬にとっては記念日なんて、どうでもいいんだね」
「そんなことは言ってないだろ。どうでもいいなんて思ってないから他の日にしようっつってんじゃん」
「どうでもいいって思ってなかったら、そもそも忘れないでしょ?結局さ、悠馬にとって私ってそんなものなんだよ」
「どういう意味だよ」
「私のことなんて大して好きじゃないんだよ」
「好きじゃなかったらそもそも付き合ってない」
「そうだろうね。でも、それって他の人に比べたら、でしょ?私と同じくらい好きになってほしいなんて思ってないけど、私ばっかでツライよ。本当に悠馬は私のこと好きなのか、時々わかんなくなる」
「ちゃんと好きだよ……泣くなって」
「う、っふう……。私だって、こんなこと、本当は言いたくない。言いたくないけど、どうしても不安になっちゃって、止められない」
「ごめんって」
「……なんで、謝るの?元カノと会うから?それとも私のことが好きじゃないから?う……」
「何でそうなるんだよ。何回も、好きだって言ってんじゃん。かすみを泣くほど不安にさせたことに、ごめんって言っただけだ。かすみがそんなに嫌なら、実家には帰らないから」
「……ううん、私こそごめん。家族の人も待ってるもんね。今言ったことは忘れて、帰って楽しんできなよ」
「……だから帰らねえって」
「ううん、帰って。我儘言ってごめんね」
「帰らねえって。別に年末に帰ればいいんだし」
「でも、せっかく地元の友達と会えるんだから行ったほうがいいよ。私のことなんて気にしないで」
「何だよ、それ……はあ。どうしろっつーんだよ」
「……」
「じゃあ、帰るわ」
「……」
「いいんだな?」
「……」
「すぐ帰ってくるから。女子が来ても、なるべく話さないようにするし」
「……」
「メールするから。電話も」
「……」
「なあ、機嫌直せって」
「……う、っく」
「泣くなよ」
「……」
「……もう、俺寝るから。おやすみ」
「……」
※ ※ ※
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