【R18】二人は元恋人、現セフレ

遙くるみ

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悠馬

自慰とセックス

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 セックスをしなくてもいい。
 そう言ったのは紛れもない本心だが、できる状況が整えばやりたくなるのが男の性というもので。

 多分できると言っていた金曜の夜。かすみを俺の家に入れた途端に、我慢がきかなくなった。買ってきた夕飯も酒もつまみも、シャワーも会話も全部すっ飛ばして、かすみの手を引き寝室へ閉じ込める。後ろから抱きしめ、晒されたうなじに鼻を寄せれば、シャンプーなのか香水なのか計算し合成された香りと、かすみ本来の甘く香ばしい体臭が鼻をくすぐり、俺はそれらを胸いっぱいに吸いこんだ。

「生理、終わった?」

「……んっ、うん」

「していい?」

 回した手をかすみのお腹に当て、円を描くようにゆっくり撫でる。うなじを唇で優しく食むと、かすみがくすぐったそうに身を捩った。舌を出し、線を引く。数回往復した後、歯を当てて軽く噛むと、かすみが甘い声を漏らした。

「いい?」

 服の中に手を滑り込ませ、直接肌に触れる。てのひらに吸い付いてくるような、滑らかな肌触り。柔らかく、温かい。俺個人の勝手な見解だが、女性を一番感じられるのはここだと思う。そこを満足いくまで堪能し、その手をさらに下へと潜らせる。指先に当たる、肌とは全く違う感触。それを確かめる様に、わしゃりと撫でた。

「いい?」と再度聞く。かすみはゆっくりと振り返り、熱を孕ませた瞳で俺を捉え、「私も、したい」と溢した。

 ※ ※

 今すぐにでも突っ込みたい。でも、突っ込んで終わりにはしたくない。
 快楽を得るためだけでなく、セックスを愉しみたい。快楽によがり乱れるかすみが見たい。

「あ、やだ。こんな、の、ぁう、うう」

 必死に閉じようと力を籠める腿を掴み、限界まで開かせる。ぐぱっと大きく開かれたそこから放たれるセックスの香りも、いつも以上に濃厚だ。その香りを堪能しながら、ぺちゃぺちゃと音を立てて舐めしゃぶる。やだやだと口にする割には、さっきから舐めきれないほどの涎をだらだらと排出し、お尻の方まで汚しているのはどこのどいつだ。

「やなの?」

「やだ、やだよ!も……やぁっ」

「気持ち良くない?」

 かすみのそこに唇を寄せたまま見上げれば、両手で顔を覆い、頬を真っ赤に染め上げたかすみと目が合った。その下に映る、腕で押しつぶされはみ出た胸がいやらしい。

「……は、ずかし」

 つまり、気持ちがいいということか。その答えに満足して、行為を再開させる。

「う、えっ?や、やだって今いった!あっ、やあ、ら、はぁん!」

 顔を埋め、じゅるじゅると蜜を吸う。臭いもだが味もまた、たまらなくいやらしい。耳に入るかすみの啼き声も、ほんのりと色付く身体も、しとりと汗ばむ肌も。何もかもがいやらしくって、最高に興奮する。
 やっぱり、セックスはいい。
 指をつっと差し込むと、何の抵抗もなく招き入れ、俺を包み込む。

「ここは気持ちいいって言ってるけど」

「ん、はあっ何、いって」

「ひくひくしてる」

「……し、知らない!」

 顔を真っ赤にして羞恥に悶えるかすみを見て、ちょっとした悪戯を思いついた。

「……え、何?」

 顔を覆っていたかすみの手を取り、そこへと誘導する。あともう少しで触れるという所で、俺の意図に気付いたかすみが、身体を強張らせた。
 不安げに俺を見つめるかすみを安心させるように笑ってやる。それを見てかすみは安堵したように息を吐き、

「自分で確かめてみろって」

 笑おうとした口元が不自然に止まった。

「ちょ、やだ。やだやだやだ、あ。ああっ」

 かすみの手に自分のものを重ね、無理やりそこに触れさせる。

「びしょびしょだろ」

 かすみの手が逃げようと力を籠め、さらに強い力でそれをねじ伏せる。かすみの指を動かし、にちゃりにちゃりと音を立て、くぽりと沈める。
 目をきつく閉じ、いやいやと首を振るかすみを宥める様に、目尻に溜まった涙を吸う。

「ほら、自分の気持ちいいとこ触ってみ?」

「わ、わかんなっ」

 中指を差し込んだまま抜けない様に上から手を添え、耳元で甘く囁く。

「大丈夫だから。俺がしてると思って。ほら、動かして」

「で、できな」

「いーから」

 ふるふると涙をこぼしていたかすみが、観念したようにその指を動かした。くちゃ、くちゃ、と控えめな水音が奏でられる。

「気持ちいい?」

 かすみが目を瞑ったまま、首を横に振る。

「……や、もう、や、あっ!あ、あ、はンン!」

「じゃあ、手伝ってあげる。こうしたら、気持ちいい?」

 大きく膨らんだまま放置され続けていたクリトリスを、親指で撫でる。捏ねる。潰す。そして、くるくると円を描く。かすみは腰を大きくくねらせ、そしてもっとと願る様に突き出してきた。

「ほら、中の上の方。ぼこってなってるとこ、あるだろ」

「わ、わかんなっ、あっ!やだ、やあ、っはあ、あん」

「ほら、探してみろって」
 
 トントンと親指で優しく打つ。下から、上から、角度を変えて。刺激を絶えず与えて、かすみから理性を奪う。

「あ、うう。ん、んん」

 かすみから、甘い声が漏れる。拙い動きで、自分の秘部を弄り始めたようだ。

「そこがかすみの気持ちいいとこ。俺はさ、そのザラザラしたとこを引っ掻いたり、中からクリ目掛けて押し上げたりすると、かすみは気持ちいいのかなーって思ったんだけど。どう?自分で好きなように触ってみろよ」

 クリトリスを転がしながら、かすみを誘導する。
 少しずつ少しずつ、かすみの手の動きが大胆になり、意図を持って動き始める。添えていた手を離しても、かすみはもう止めようとはしない。
 目を瞑り、夢中で自慰にふけるかすみを、瞬きもせずにじっと見つめる。

「中、どんな感じ?」

「……あ、つい」

「それだけ?」

「……ぬるぬるしてる」

「気持ちいいんだろ?」

 俺の言葉にかすみが頷く。気持ちいいと眉を寄せる。

「……ん。それに、うねってる。私、なんにもしてないの、に」

「イキそう?」

 かすみが目を半分開き、ぼんやりと俺を見つめながら、首を横に振って明確な意志を示す。

「……やだ、ゆーまがいい」

 愛撫していた指が止まった。
 はあ、と大きなため息を吐いて、身体を起こす。
 手早く準備をしながら、心の中でかすみへ文句をぶつぶつ言い、ぐしょぐしょに濡れたそこに宛がった。

「……あ、はあん!」

 抵抗もなくすんなりと入るくせに、ぎゅうぎゅうと痛いくらいに締め付けてくるという不思議。ぶわっと全身から汗が迸る。

「気持ちいいか?」と聞くと、かすみは素直に「気持ちいい」と答えた。なんかもう、たまらなくなって、それをぶつける様にひたすら腰を打ち付ける。

「あっ!ああっ、あっ!」

 奥を突く度にかすみが大きく啼く。そのことに、ひどく満たされる。パズルのピースが、少しずつ埋まっていく。完成は、近い。

 一度引き抜き、正常位から対面座位に体勢を変える。かすみの中に全て突き入れた状態で、背中に腕を回し、そっと手を添える。目の前に、かすみの顔。ほぼ同じくらいの目線の高さで、視線が交差し、繋がる。
 恐る恐るという風にかすみの手が俺の背中にまわり、そっと触れた。かすみの背中にまわした腕にほんの少しだけ力を籠めると、かすみもまた、俺の背中にまわした腕に少しだけ力を籠めた。少しだけ、少しだけ。
 そうやって最終的に、きつくきつくかすみを抱きしめ、きつくきつくかすみに抱きしめられた。

 距離がゼロになる。いや、まだゼロじゃない。

 身体はピタリと密着させたまま顔だけを離す。視線を合わせ、かすみの涙袋がふくりと浮かび。鼻先を当て、薄く唇を開き、角度をつけ。

 キスをした。

 軽く触れ合わせ、少し離し、目を開ける。照れ臭さから目を伏せ、やっぱりもう一度視線を合わせ、ふっと笑い合う。そしてまた、唇を重ね合わせる。

 これが、俺の知ってる正しいセックス。 
 
 キスをして、互いを抱きしめ、身体を繋げる。だからこんなにも気持ちいい。かすみとだから正しいセックスができるのだと、俺はもうちゃんとわかっていた。



 一人勝手に充足感で満たされていた俺は、何にもわかっていなかった。

 完成したと思ったパズルは実は形だけで、全然完成されていないってことにーー

 
 
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