37 / 39
後日談
俺の可愛い異世界彼女
しおりを挟む
キスを繰り返しながら、お互いの服を手早く脱がし合う。エィミの細い首に巻かれた俺の瞳と同じ色のスカーフを解けば、そこには朝俺がつけた独占欲の証があった。そこを愛撫する様に撫でながら、ワンピースのボタンも外していく。露わになった肩をなぞってから、下着越しに柔らかな胸に触れれば、まだ俺のシャツを脱がし終えていないエィミが焦ったように手を突っぱねた。
「あ、ま、待って」
「待たない」
その感触を確かめるように下から胸を揉みしだくと、堪えきれないとばかりにエィミが高い声を漏らす。親指ですでに硬くなっている突起をなぞると、エィミは身体をびくりと震わせて、更に高い声で鳴いた。
愛しいその声を飲み込むかのようにエィミの唇を自分のそれで塞ぐ。苦しそうに悶えるエィミが、どうしようもなく俺の情欲を刺激する。
エィミを翻弄して、自分の手によって彼女を高めるこの時間だけが唯一、俺は彼女よりも上に立つことができた。この時間があるからこそ、俺は心の均衡を保てていると言っても過言ではない。
もう片方の手でワンピースを全て剥ぎ取り、晒された太ももをつーっと撫でる。エィミの肌はどこもかしこも滑らかで、ずっと触っていたくなるほど気持ちがいい。
「お、願い。ちょっと、待って」
肩を押され顔を離すと、顔を紅潮させ息も切れ切れになったエィミに可愛く睨まれた。そして、口をすぼめて何か言いたげに視線を伏せる。高ぶった鼓動を持て余しながらエィミの言葉を待てば、エィミが恥ずかしそうにモゴモゴと口を開いた。
「……あの、その。今日は私がしてあげる」
「え?」
「だから、ジョセフは何もしちゃ駄目」
「……え」
そのまま手を取られ、ベッドに後ろ手につくように促される。そして、そんな俺にのしかかる様にしてエィミが顔を寄せてきた。
いつもとは逆の構図、エィミに迫られたような形になり、どきんと大きく胸が跳ねる。
俺を見下ろすエィミの眼差しは真剣で、その瞳の強さに引き込まれ、俺の身体は痺れて動けなくなかった。
「……脱がすね」
結局二つしか外せてなかった俺のシャツのボタンを、エィミが一つ一つ外していく。
ボタンを全て外したところで、ゆっくりとシャツを脱がされ、俺の上半身が露わになった。エィミの小さい手が俺の胸をなぞり腹へと降りて、その下にある硬く留められたベルトに触れる。エィミが覚束ない手つきでベルトを弛め、シュルシュルと抜き去り、そして下履きに手をかけた。
エィミが俺の服をじれったい程ゆっくりと剥いでいく。その官能的な光景が視界いっぱいに広がり、頭がくらくらした。
まるでイケないことをしていくかのような背徳感に襲われ、その事に背筋がゾクリと震える。
軽く腰を上げれば、その意図を正しく解釈したエィミが俺のズボンを一気に脱がす。 と、同時にすでにギンギンに硬く勃ち上がった分身が姿を見せ、羞恥心に襲われた。
「うわ、おっきい」
エィミの呟きに更に羞恥が募る。耐えられず目を瞑れば下着越しにそっと触れられ、びくりと身体が跳ねた。エィミが声も出さずにフフっと笑う。
「ジョセフ、可愛い」
顔が近付く気配がし、唇が静かに塞がれた。エィミが俺の腹に乗って、上からいくつものキスを降らせる。我慢できなくなって、ついてた片腕を外しそっと胸に添えると、「ダメ」とその手首を取られた。
「ジョセフは何もしちゃ駄目っていったでしょ」
子供を叱るかのように言われ、思わず「はい」と従ってしまう。そんな俺を見て、エィミは満足そうにまた笑った。
もどかしくって熱がたぎる。思いっきり腰を打ち付けたい衝動に駆られるが、それもできず、どうしようもない思いだけが燻ぶっていく。
押さえつけられてる訳でもないのに、両手がベッドに縫い付けられてしまったかのように動かない。俺は何もできずに、エィミから与えられる甘い疼きをひたすら受け止めていた。
ちゅっちゅっと啄むような軽いキスを繰り返しながら、エィミの手が俺の胸元をそろりと撫でる。そして、そこにある小さな飾りを指でなぞった。
「男の人も、ここって気持ちいいの?」
エィミが不思議そうに指でこする。
「なんか、くすぐったい」
「気持ちよくはない?」
「どうだろ。エィミは気持ちいいの?」
「え?」
「エィミがされて気持ち良かった風に、俺にもしてよ」
挑発する様にわざとそう言えば、エィミの頬が真っ赤に染まった。あ、とか、う、とか言いながらしばし口ごもり、最終的には「もう、知らない」と口を尖らせ、そっぽを向かれてしまう。
そんなエィミが可愛すぎて、頬が緩んだ。
ああ、もう!キスをして、胸を揉んで、思いっきりエィミを喘がせたいのにそれができないなんて!
今すぐ身体を入れ替えてエィミを押し倒したい衝動に駆られるが、エィミに魔法をかけられたかのように俺の身体は動かない。
結局、そのことがいつも以上にこの行為に対する欲を高めていた。
エィミが俺の胸元に顔を寄せて、胸の飾りをチロチロと舐め始める。
特別気持ちいいとか感じるとか、そういうことはない。ただ、エィミが俺の胸を舐めているという事実だけで、その光景だけで、俺は今にでも射精してしまいそうなほど興奮していた。
「エィミ。俺も、エィミのこと気持ちよくしたい」
懇願する様にそう言えば、エィミが首を横に振る。その瞳にはどこか余裕が垣間見え、自分ばかり高められている事実に泣きたくなる。
「は、お願い」
下着を脱がされ、勢いよく俺の分身が飛び出した。すでに漏れ出ているものでその先端は濡れそぼっていて、またしても羞恥で死にたくなる。情けなくって顔を隠したいのにそれも許されない。
ベッドに後ろ手で腰かけた俺の脚の間に、エィミがそっと顔を寄せた。
「う、は」
エィミの唇が触れた瞬間、こらえきれずに声が漏れた。片手でそっとそれを抑えて、根元の部分からちゅっと触れるだけのキスをされる。弱すぎるくらい微かな刺激だったはずなのに、もうすでに限界まで張り詰めていたそこは呆気なく達しそうになった。ぎゅっと目を閉じ、与えられる刺激にひたすら耐える。ゆっくりともどかしい位の時間をかけて繰り返しキスをされ、ようやく先端にたどり着いた時には腰から頭にかけて電撃が走った。気合いで自身を戒めるも、そんな俺の努力を一切無視するかのようにエィミが舌で先端の窪みをつついてくる。暴力的なまでの快感が俺を襲い、俺はもう息も絶え絶えだった。
「エィミ、は、もう」
「気持ちいい?」
片手を添え先端にキスをしたまま、エィミが上目遣いで俺を見る。その光景に目の前が真っ赤に染まった。
「気持ちいい。もっと、して」
やめてほしいというつもりだったのに、気が付けばその先を求めるような言葉が出た。エィミは目を細めうっそりと笑うと、また俺の分身にキスを降らせ始める。
もっと、もっと強く握ってほしい。思いきり口に含んでほしい。そう思うのに、今のこの焦らされている状況がずっと続けばいいとも思っている。エィミの好きなように翻弄されていると、エィミの口づけがまた徐々に下に降りていき、根元の部分をぱくりと含まれた。
「うっ」
歯を立てない様に優しく食まれ、そして優しく手で扱かれる。ぴくりぴくりとそれが震えたのが分かった。手の動きはそのままに、エィミの口が更に下へと移動する。あっと思った時には、パンパンに膨れ上がった袋を口に含まれていた。
「ちょ、まって。う、は、あ」
エィミの口の中でコロコロと転がされるように舌を動かされ、今までに経験のしたことのないような何かがせり上がってくる。気持ちいいのとも気持ち悪いのとも違う。本当に言葉できない、何かだ。未知なる快楽に腰が引ける。
「エィミ、それ、やめて」
思わず泣きだしそうになりながら懇願すれば、俺の睾丸を口に含みながらそり勃ったものを扱くエィミを視界に捉え、またしても眩暈がした。頭が沸騰し、今すぐに全てを開放したい衝動に駆られる。
「よくない?」
「よくないっていうか、なんか、変だ。ちょっと、怖い」
俺がそう言うとエィミは顔をくっと上げて、そして幼い少女のように無邪気に笑った。
どきんと大きく胸が跳ねる。その笑顔に見とれていると、エィミは躊躇することなく扱き続けていたものを口に含んだ。
「っは!…あ」
ずっと求めていた刺激が与えられ、腰が震えた。頭が真っ白になって何も考えられなくなり、もはや押し寄せてくる本能に逆らうことは不可能だった。無意識のうちに突き上げるように腰を動かせば、エィミがそれに合わせるように頭を揺らす。
駄目だ、もう限界だ。
込み上げてくる射精感が極限まで上り詰めて、俺は咄嗟についていた手を離しエィミの頭を抱え込んだ。エィミはそれを咎めることなく、更に口をすぼめ刺激を強くする。
そして俺は、呆気なく我慢することを放棄した。
「う、は!」
せり上がってくる衝動に抗うことなく全てを吐き出す。全てから解き放たれた、最高の瞬間だった。
びくんびくんと長い射精が終わると、エィミがそっと顔を離し俺を見上げる。そして、俺と目が合ったのを確認してから、口の中のものを吐き出すことなく、ごくんと一思いに飲み込んだ。
「エィミ!」
思わず大きな声で制止したが、もう遅かった。少ししてエィミがぐっと眉をひそめ、べーっと舌を出す。まさか、と思ったがそこには何も見当たらない。
「……うわあ、マズい」
「美味しい訳ないでしょ!どうして飲むの。ほら、うがいしよう」
「何だろう、この味。燻されまくったイカみたいな。喉に張り付くなんとも言えない不快感。……こんなに不味いの初めて食べたよ」
そう言ってエィミは涙を溜めたまま、にかっと笑った。
ーーその笑顔を見て、エィミが何をしたいのか、俺に何を伝えたいのかが、分かった。
泣きたいような、大声で笑いたいような、どうにも言い表せない大きな感情の波に飲み込まれ、俺はエィミの頬を両手でしっかりと包んで、そのまま強引に唇を合わせた。
「ん!?んんー!」
エィミが抵抗するのも無視して、最初から深いキスをする。舌をねじ込みエィミの口の中を思いきりかき回し、エィミの全てを余すことなく味わい尽くす。ひとしきり蹂躙したところで、ぷはっと口を離し、そして俺もべーっと舌を出した。
「はっ、本当だ」
「え?何が?」
「めちゃくちゃ不味い。こんな不味いキスは、俺も初めてだ」
エィミが目を丸くしてパチパチと瞬きをして、くしゃりと顔を歪めて笑った。
「まずーい」
「はははっ、不味いな」
お互いに険しい顔をして、声を上げて思いきり笑って、そして泣いた。
過去は変えられない。
それを丸ごと受け止めることもまだ難しい。嫉妬をなくすことなんて不可能だ。
だけど、二人しか知らない新しい何かを共有することで、前に進むことができる。心にゆとりができ、二人の絆に揺るぎない芯のようなものが生まれる。それを少しずつ増やしていけば、いつの日か何百年も前から聳え立つ大樹のような、そんな関係になれるのかもしれない。そうなれると、信じたい。
まあ、どうやっても俺のエィミに対する独占欲と嫉妬は無くならないと思うけど。何年経っても俺がエィミに夢中であることは変わらない。これは予想でも願望でもなく、事実だ。
そのことを早く彼女にも気付いてほしい。
「あ、ああっ」
さっきとは逆にエィミをベッドに縫い付け、その白く艶めかしい身体を見下ろす。俺が腰を揺らす度にエィミも一緒になって揺れ、そして柔らかな胸が躍る。顔を紅潮させ、苦しそうに眉を顰めるエィミはとてつもなく官能的で、かつ女神のように神々しい。
腰を引き、浅い部分を何度も突けばエィミが身体を捩って抵抗する。片手でエィミの両手首を抑え、頭の上で固定すると、エィミが不安から更に眉を下げた。
「え、なに」
「大丈夫。もっと気持ちよくしてあげるだけだから」
下半身を繋げたまま、その上でぷっくりと膨らんでいる蕾を撫でる。エィミが背中を反らせて大きく喘ぐが、しっかりと固定された身体は俺から逃げることはできない。それをいいことに、くりくりと突起を押しつぶす。
「あっ、ああーー!や、やめ!」
「どうして?エィミの中は、すごくいいって俺を締め付けてるよ?」
「ああっやあっ!だ、だめえ」
突起に刺激を与える度にエィミの中が俺をきつく締め付ける。その手を止めないまま俺は腰を引き、またしてもエィミの良い所を狙って突く。
「や、だめ!お願い!出ちゃう!出ちゃうからあ!」
エィミがポロポロと涙を流しながら俺に訴えかけてくる。そこまで言われると止めて上げたくもなるが、その口とは反対にエィミの全身が気持ちよくって仕方ないと主張している。ここで止めたらエィミだって辛いはずだ。
それにーー
「出して。我慢しないで」
「あっあっ、やあっ」
エィミが快感に顔を真っ赤にさせながらブンブンと首を横に振る。流れ出た涙を唇で吸い、「お願い」と甘くおねだりすれば、エィミの中がぎゅううっとうねった。
「ああっあああーーー!」
一際高い喘ぎ声と共に、繋げた下半身が濡れたのが分かった。チラリと視線を下げれば、微かに潮を吹いた様子が見え、そのことに俺はひどく満足する。視線を戻せば、エィミは快楽と羞恥が混ざり悦に入った表情を浮かべていて、またしても俺の胸が熱く燃え滾る何かで満たされた。
エィミを潮吹きさせることができるのは俺だけだ。今までも、そして、これからも。
未だ絶頂の余韻に浸っているエィミを強制的に呼び戻す様に、俺は力いっぱい腰を打ち付ける。
「ああーー!」
さっきとは反対に、今度はひたすら奥を狙って激しく突く。
「あっあっ!まって、まだ、イってる、ああ!」
頭の上で固定していた手を解き、そして指を一本一本絡ませ、貪る様なキスをする。
繋がれるところ全てでエィミと繋がっていたかった。
そう言うと聞こえがいいが、とにかくエィミを離したくなくて、どこにも行かせたくなくて、俺だけを感じてほしくて、必死だった。
ーー俺だけの、俺だけの。
そう願いを込めながら、手を絡め、キスを交わし、一心不乱に奥を穿つ。
エィミの中に俺の全てを注ぎ込んで、身体の中から俺のものに作り替えられてしまえばいいのに。そして、こっちの世界に塗り替えられてしまえばいい。俺とエィミが混ざり合って、エィミのお腹に新たな命が宿ればいい。
そうすれば、そうすればーー
淀んだ不埒な思いを込めて、祈る様に俺はエィミの奥深くに全てを解き放った。
「あ、ま、待って」
「待たない」
その感触を確かめるように下から胸を揉みしだくと、堪えきれないとばかりにエィミが高い声を漏らす。親指ですでに硬くなっている突起をなぞると、エィミは身体をびくりと震わせて、更に高い声で鳴いた。
愛しいその声を飲み込むかのようにエィミの唇を自分のそれで塞ぐ。苦しそうに悶えるエィミが、どうしようもなく俺の情欲を刺激する。
エィミを翻弄して、自分の手によって彼女を高めるこの時間だけが唯一、俺は彼女よりも上に立つことができた。この時間があるからこそ、俺は心の均衡を保てていると言っても過言ではない。
もう片方の手でワンピースを全て剥ぎ取り、晒された太ももをつーっと撫でる。エィミの肌はどこもかしこも滑らかで、ずっと触っていたくなるほど気持ちがいい。
「お、願い。ちょっと、待って」
肩を押され顔を離すと、顔を紅潮させ息も切れ切れになったエィミに可愛く睨まれた。そして、口をすぼめて何か言いたげに視線を伏せる。高ぶった鼓動を持て余しながらエィミの言葉を待てば、エィミが恥ずかしそうにモゴモゴと口を開いた。
「……あの、その。今日は私がしてあげる」
「え?」
「だから、ジョセフは何もしちゃ駄目」
「……え」
そのまま手を取られ、ベッドに後ろ手につくように促される。そして、そんな俺にのしかかる様にしてエィミが顔を寄せてきた。
いつもとは逆の構図、エィミに迫られたような形になり、どきんと大きく胸が跳ねる。
俺を見下ろすエィミの眼差しは真剣で、その瞳の強さに引き込まれ、俺の身体は痺れて動けなくなかった。
「……脱がすね」
結局二つしか外せてなかった俺のシャツのボタンを、エィミが一つ一つ外していく。
ボタンを全て外したところで、ゆっくりとシャツを脱がされ、俺の上半身が露わになった。エィミの小さい手が俺の胸をなぞり腹へと降りて、その下にある硬く留められたベルトに触れる。エィミが覚束ない手つきでベルトを弛め、シュルシュルと抜き去り、そして下履きに手をかけた。
エィミが俺の服をじれったい程ゆっくりと剥いでいく。その官能的な光景が視界いっぱいに広がり、頭がくらくらした。
まるでイケないことをしていくかのような背徳感に襲われ、その事に背筋がゾクリと震える。
軽く腰を上げれば、その意図を正しく解釈したエィミが俺のズボンを一気に脱がす。 と、同時にすでにギンギンに硬く勃ち上がった分身が姿を見せ、羞恥心に襲われた。
「うわ、おっきい」
エィミの呟きに更に羞恥が募る。耐えられず目を瞑れば下着越しにそっと触れられ、びくりと身体が跳ねた。エィミが声も出さずにフフっと笑う。
「ジョセフ、可愛い」
顔が近付く気配がし、唇が静かに塞がれた。エィミが俺の腹に乗って、上からいくつものキスを降らせる。我慢できなくなって、ついてた片腕を外しそっと胸に添えると、「ダメ」とその手首を取られた。
「ジョセフは何もしちゃ駄目っていったでしょ」
子供を叱るかのように言われ、思わず「はい」と従ってしまう。そんな俺を見て、エィミは満足そうにまた笑った。
もどかしくって熱がたぎる。思いっきり腰を打ち付けたい衝動に駆られるが、それもできず、どうしようもない思いだけが燻ぶっていく。
押さえつけられてる訳でもないのに、両手がベッドに縫い付けられてしまったかのように動かない。俺は何もできずに、エィミから与えられる甘い疼きをひたすら受け止めていた。
ちゅっちゅっと啄むような軽いキスを繰り返しながら、エィミの手が俺の胸元をそろりと撫でる。そして、そこにある小さな飾りを指でなぞった。
「男の人も、ここって気持ちいいの?」
エィミが不思議そうに指でこする。
「なんか、くすぐったい」
「気持ちよくはない?」
「どうだろ。エィミは気持ちいいの?」
「え?」
「エィミがされて気持ち良かった風に、俺にもしてよ」
挑発する様にわざとそう言えば、エィミの頬が真っ赤に染まった。あ、とか、う、とか言いながらしばし口ごもり、最終的には「もう、知らない」と口を尖らせ、そっぽを向かれてしまう。
そんなエィミが可愛すぎて、頬が緩んだ。
ああ、もう!キスをして、胸を揉んで、思いっきりエィミを喘がせたいのにそれができないなんて!
今すぐ身体を入れ替えてエィミを押し倒したい衝動に駆られるが、エィミに魔法をかけられたかのように俺の身体は動かない。
結局、そのことがいつも以上にこの行為に対する欲を高めていた。
エィミが俺の胸元に顔を寄せて、胸の飾りをチロチロと舐め始める。
特別気持ちいいとか感じるとか、そういうことはない。ただ、エィミが俺の胸を舐めているという事実だけで、その光景だけで、俺は今にでも射精してしまいそうなほど興奮していた。
「エィミ。俺も、エィミのこと気持ちよくしたい」
懇願する様にそう言えば、エィミが首を横に振る。その瞳にはどこか余裕が垣間見え、自分ばかり高められている事実に泣きたくなる。
「は、お願い」
下着を脱がされ、勢いよく俺の分身が飛び出した。すでに漏れ出ているものでその先端は濡れそぼっていて、またしても羞恥で死にたくなる。情けなくって顔を隠したいのにそれも許されない。
ベッドに後ろ手で腰かけた俺の脚の間に、エィミがそっと顔を寄せた。
「う、は」
エィミの唇が触れた瞬間、こらえきれずに声が漏れた。片手でそっとそれを抑えて、根元の部分からちゅっと触れるだけのキスをされる。弱すぎるくらい微かな刺激だったはずなのに、もうすでに限界まで張り詰めていたそこは呆気なく達しそうになった。ぎゅっと目を閉じ、与えられる刺激にひたすら耐える。ゆっくりともどかしい位の時間をかけて繰り返しキスをされ、ようやく先端にたどり着いた時には腰から頭にかけて電撃が走った。気合いで自身を戒めるも、そんな俺の努力を一切無視するかのようにエィミが舌で先端の窪みをつついてくる。暴力的なまでの快感が俺を襲い、俺はもう息も絶え絶えだった。
「エィミ、は、もう」
「気持ちいい?」
片手を添え先端にキスをしたまま、エィミが上目遣いで俺を見る。その光景に目の前が真っ赤に染まった。
「気持ちいい。もっと、して」
やめてほしいというつもりだったのに、気が付けばその先を求めるような言葉が出た。エィミは目を細めうっそりと笑うと、また俺の分身にキスを降らせ始める。
もっと、もっと強く握ってほしい。思いきり口に含んでほしい。そう思うのに、今のこの焦らされている状況がずっと続けばいいとも思っている。エィミの好きなように翻弄されていると、エィミの口づけがまた徐々に下に降りていき、根元の部分をぱくりと含まれた。
「うっ」
歯を立てない様に優しく食まれ、そして優しく手で扱かれる。ぴくりぴくりとそれが震えたのが分かった。手の動きはそのままに、エィミの口が更に下へと移動する。あっと思った時には、パンパンに膨れ上がった袋を口に含まれていた。
「ちょ、まって。う、は、あ」
エィミの口の中でコロコロと転がされるように舌を動かされ、今までに経験のしたことのないような何かがせり上がってくる。気持ちいいのとも気持ち悪いのとも違う。本当に言葉できない、何かだ。未知なる快楽に腰が引ける。
「エィミ、それ、やめて」
思わず泣きだしそうになりながら懇願すれば、俺の睾丸を口に含みながらそり勃ったものを扱くエィミを視界に捉え、またしても眩暈がした。頭が沸騰し、今すぐに全てを開放したい衝動に駆られる。
「よくない?」
「よくないっていうか、なんか、変だ。ちょっと、怖い」
俺がそう言うとエィミは顔をくっと上げて、そして幼い少女のように無邪気に笑った。
どきんと大きく胸が跳ねる。その笑顔に見とれていると、エィミは躊躇することなく扱き続けていたものを口に含んだ。
「っは!…あ」
ずっと求めていた刺激が与えられ、腰が震えた。頭が真っ白になって何も考えられなくなり、もはや押し寄せてくる本能に逆らうことは不可能だった。無意識のうちに突き上げるように腰を動かせば、エィミがそれに合わせるように頭を揺らす。
駄目だ、もう限界だ。
込み上げてくる射精感が極限まで上り詰めて、俺は咄嗟についていた手を離しエィミの頭を抱え込んだ。エィミはそれを咎めることなく、更に口をすぼめ刺激を強くする。
そして俺は、呆気なく我慢することを放棄した。
「う、は!」
せり上がってくる衝動に抗うことなく全てを吐き出す。全てから解き放たれた、最高の瞬間だった。
びくんびくんと長い射精が終わると、エィミがそっと顔を離し俺を見上げる。そして、俺と目が合ったのを確認してから、口の中のものを吐き出すことなく、ごくんと一思いに飲み込んだ。
「エィミ!」
思わず大きな声で制止したが、もう遅かった。少ししてエィミがぐっと眉をひそめ、べーっと舌を出す。まさか、と思ったがそこには何も見当たらない。
「……うわあ、マズい」
「美味しい訳ないでしょ!どうして飲むの。ほら、うがいしよう」
「何だろう、この味。燻されまくったイカみたいな。喉に張り付くなんとも言えない不快感。……こんなに不味いの初めて食べたよ」
そう言ってエィミは涙を溜めたまま、にかっと笑った。
ーーその笑顔を見て、エィミが何をしたいのか、俺に何を伝えたいのかが、分かった。
泣きたいような、大声で笑いたいような、どうにも言い表せない大きな感情の波に飲み込まれ、俺はエィミの頬を両手でしっかりと包んで、そのまま強引に唇を合わせた。
「ん!?んんー!」
エィミが抵抗するのも無視して、最初から深いキスをする。舌をねじ込みエィミの口の中を思いきりかき回し、エィミの全てを余すことなく味わい尽くす。ひとしきり蹂躙したところで、ぷはっと口を離し、そして俺もべーっと舌を出した。
「はっ、本当だ」
「え?何が?」
「めちゃくちゃ不味い。こんな不味いキスは、俺も初めてだ」
エィミが目を丸くしてパチパチと瞬きをして、くしゃりと顔を歪めて笑った。
「まずーい」
「はははっ、不味いな」
お互いに険しい顔をして、声を上げて思いきり笑って、そして泣いた。
過去は変えられない。
それを丸ごと受け止めることもまだ難しい。嫉妬をなくすことなんて不可能だ。
だけど、二人しか知らない新しい何かを共有することで、前に進むことができる。心にゆとりができ、二人の絆に揺るぎない芯のようなものが生まれる。それを少しずつ増やしていけば、いつの日か何百年も前から聳え立つ大樹のような、そんな関係になれるのかもしれない。そうなれると、信じたい。
まあ、どうやっても俺のエィミに対する独占欲と嫉妬は無くならないと思うけど。何年経っても俺がエィミに夢中であることは変わらない。これは予想でも願望でもなく、事実だ。
そのことを早く彼女にも気付いてほしい。
「あ、ああっ」
さっきとは逆にエィミをベッドに縫い付け、その白く艶めかしい身体を見下ろす。俺が腰を揺らす度にエィミも一緒になって揺れ、そして柔らかな胸が躍る。顔を紅潮させ、苦しそうに眉を顰めるエィミはとてつもなく官能的で、かつ女神のように神々しい。
腰を引き、浅い部分を何度も突けばエィミが身体を捩って抵抗する。片手でエィミの両手首を抑え、頭の上で固定すると、エィミが不安から更に眉を下げた。
「え、なに」
「大丈夫。もっと気持ちよくしてあげるだけだから」
下半身を繋げたまま、その上でぷっくりと膨らんでいる蕾を撫でる。エィミが背中を反らせて大きく喘ぐが、しっかりと固定された身体は俺から逃げることはできない。それをいいことに、くりくりと突起を押しつぶす。
「あっ、ああーー!や、やめ!」
「どうして?エィミの中は、すごくいいって俺を締め付けてるよ?」
「ああっやあっ!だ、だめえ」
突起に刺激を与える度にエィミの中が俺をきつく締め付ける。その手を止めないまま俺は腰を引き、またしてもエィミの良い所を狙って突く。
「や、だめ!お願い!出ちゃう!出ちゃうからあ!」
エィミがポロポロと涙を流しながら俺に訴えかけてくる。そこまで言われると止めて上げたくもなるが、その口とは反対にエィミの全身が気持ちよくって仕方ないと主張している。ここで止めたらエィミだって辛いはずだ。
それにーー
「出して。我慢しないで」
「あっあっ、やあっ」
エィミが快感に顔を真っ赤にさせながらブンブンと首を横に振る。流れ出た涙を唇で吸い、「お願い」と甘くおねだりすれば、エィミの中がぎゅううっとうねった。
「ああっあああーーー!」
一際高い喘ぎ声と共に、繋げた下半身が濡れたのが分かった。チラリと視線を下げれば、微かに潮を吹いた様子が見え、そのことに俺はひどく満足する。視線を戻せば、エィミは快楽と羞恥が混ざり悦に入った表情を浮かべていて、またしても俺の胸が熱く燃え滾る何かで満たされた。
エィミを潮吹きさせることができるのは俺だけだ。今までも、そして、これからも。
未だ絶頂の余韻に浸っているエィミを強制的に呼び戻す様に、俺は力いっぱい腰を打ち付ける。
「ああーー!」
さっきとは反対に、今度はひたすら奥を狙って激しく突く。
「あっあっ!まって、まだ、イってる、ああ!」
頭の上で固定していた手を解き、そして指を一本一本絡ませ、貪る様なキスをする。
繋がれるところ全てでエィミと繋がっていたかった。
そう言うと聞こえがいいが、とにかくエィミを離したくなくて、どこにも行かせたくなくて、俺だけを感じてほしくて、必死だった。
ーー俺だけの、俺だけの。
そう願いを込めながら、手を絡め、キスを交わし、一心不乱に奥を穿つ。
エィミの中に俺の全てを注ぎ込んで、身体の中から俺のものに作り替えられてしまえばいいのに。そして、こっちの世界に塗り替えられてしまえばいい。俺とエィミが混ざり合って、エィミのお腹に新たな命が宿ればいい。
そうすれば、そうすればーー
淀んだ不埒な思いを込めて、祈る様に俺はエィミの奥深くに全てを解き放った。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる