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8年前③
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その日を境にザルツマンはアルフェンに絡んできては
「悪魔め!!」
「琥珀色の瞳が気味悪い!!」
「この厄病神が!!」
と罵罵雑言を吐いたり、背後から音もなく肩や腕などを弾くようにぶつかってきては「鬱陶しい」と険しい表情で睨みつけたりするなどの行為を繰り返してきた。
さらには裏で手を回し、薬を卸している薬問屋などを脅して取引を断ったりほかの薬屋からの仕事も勝手にキャンセルさせたりと、裏でアルフェン達の仕事を潰しているのが判明した。
「ああつ・・・もう腹立つ!!何なんだよあいつ・・・何で兄さんにあそこまで嫌がらせしてくるんだよ。」
ガンっとテーブルを勢いよく叩いた後。ガシガシとヴァルトは頭を掻きむしった。執拗なまでにアルフェンを罵倒し嫌がらせするザルツマンに対してヴァルトのいら立ちは増すばかりだ。
「ちょっとヴァルトあんた何テーブルに八つ当たりしてるのよ。」
「シシイ……」
苛立つヴァルトを心配して友人のシシイが声を掛けてきた。
シシイはアルフェンたちがこの町に暮らし初めて1年後にやってきた流れの錬金術師だ。
独特な文化と伝統を持ち、定住せず各地を巡る流浪民族の血を引き、育ての親である祖母から薬の調合と占いを学んだあと、4年前に若干13歳で錬金術の上位である占星術師となり、現在は各地を旅しながら錬金術師ギルドを渡り歩いている
年が近いこともあってアルフェンと親しく、彼らの末弟リュ一クは「シシイちゃん」と呼んで懐いている。
「それで、ヴァルトは何をイライラしてるのよ。」
と、たずねるシシイにアルフェンは1ヶ月前に起きたギルド長とザルツマンとのトラブルのこと。その数日後になぜかザルツマンに目を付けられ嫌がらせを受けていることを話した。
「・・・確認だけどさあ、アルフェンは領主様の異母弟の・・・ザルツマンさん……と面識あるの?」
「いや全然。見かけたのはギルド長に一方的に怒鳴っていたあの時なんだけど、その時話しかけてもないし、これと言った理由が思い当たらないんだよ。」
何度考えてもザルツマンから目を付けられる理由も、あそこまで嫌われる理由がアルフェンには思い当たらなかった。
「アルフェンたちがこの街に来たのって私より1年前なのよね?それに領主様の異母弟さんってずいぶん前に王都にいったきり領地には帰ってきていないのよね……アルフェン達って王都に行ったことって……「「ない(よ)!!」」ないかぁ~アルフェンって何か恨まれるようなこと……」
そう言葉を切るとアルフェンの顔をジッと見る。
「…………ないわねぇ。どっちかって言うとアルフェンは恨みを買うっていうより、押し売りとかにカモにされる性質よね。」
「ちょっと待って。それ酷くないか!?」
「・・・確かに・・・」
「ヴァルトまで……」
「まあ、冗談はこれくらいにして……どっちにしてもアルフェン、ギルド長に相談した方がいいかもしれないわよ。ギルド長、領主様と親しいみたいだし、仲介役になってくれるかもよ。」
「シシイの言うとおりだよ。兄さん、あの男コッチの話を全く聞く耳もたないし、俺達だけで解決できる問題じゃないよ。」
「……………」
できればギルド長に迷惑かけたくはなかったので相談するのを躊躇っていたアルフェンだったが、シシイと弟の真剣な瞳を見てその考えを少し改めた。
「・・・・わかった。明日、ギルド長と話をしてみるよ。」
しかし、その数分後。ギルドにリュークと下宿屋の女将がやってきてザルツマンがアルフェンら兄弟の下宿先を襲撃し、部屋を荒らしていると知らされる。
「悪魔め!!」
「琥珀色の瞳が気味悪い!!」
「この厄病神が!!」
と罵罵雑言を吐いたり、背後から音もなく肩や腕などを弾くようにぶつかってきては「鬱陶しい」と険しい表情で睨みつけたりするなどの行為を繰り返してきた。
さらには裏で手を回し、薬を卸している薬問屋などを脅して取引を断ったりほかの薬屋からの仕事も勝手にキャンセルさせたりと、裏でアルフェン達の仕事を潰しているのが判明した。
「ああつ・・・もう腹立つ!!何なんだよあいつ・・・何で兄さんにあそこまで嫌がらせしてくるんだよ。」
ガンっとテーブルを勢いよく叩いた後。ガシガシとヴァルトは頭を掻きむしった。執拗なまでにアルフェンを罵倒し嫌がらせするザルツマンに対してヴァルトのいら立ちは増すばかりだ。
「ちょっとヴァルトあんた何テーブルに八つ当たりしてるのよ。」
「シシイ……」
苛立つヴァルトを心配して友人のシシイが声を掛けてきた。
シシイはアルフェンたちがこの町に暮らし初めて1年後にやってきた流れの錬金術師だ。
独特な文化と伝統を持ち、定住せず各地を巡る流浪民族の血を引き、育ての親である祖母から薬の調合と占いを学んだあと、4年前に若干13歳で錬金術の上位である占星術師となり、現在は各地を旅しながら錬金術師ギルドを渡り歩いている
年が近いこともあってアルフェンと親しく、彼らの末弟リュ一クは「シシイちゃん」と呼んで懐いている。
「それで、ヴァルトは何をイライラしてるのよ。」
と、たずねるシシイにアルフェンは1ヶ月前に起きたギルド長とザルツマンとのトラブルのこと。その数日後になぜかザルツマンに目を付けられ嫌がらせを受けていることを話した。
「・・・確認だけどさあ、アルフェンは領主様の異母弟の・・・ザルツマンさん……と面識あるの?」
「いや全然。見かけたのはギルド長に一方的に怒鳴っていたあの時なんだけど、その時話しかけてもないし、これと言った理由が思い当たらないんだよ。」
何度考えてもザルツマンから目を付けられる理由も、あそこまで嫌われる理由がアルフェンには思い当たらなかった。
「アルフェンたちがこの街に来たのって私より1年前なのよね?それに領主様の異母弟さんってずいぶん前に王都にいったきり領地には帰ってきていないのよね……アルフェン達って王都に行ったことって……「「ない(よ)!!」」ないかぁ~アルフェンって何か恨まれるようなこと……」
そう言葉を切るとアルフェンの顔をジッと見る。
「…………ないわねぇ。どっちかって言うとアルフェンは恨みを買うっていうより、押し売りとかにカモにされる性質よね。」
「ちょっと待って。それ酷くないか!?」
「・・・確かに・・・」
「ヴァルトまで……」
「まあ、冗談はこれくらいにして……どっちにしてもアルフェン、ギルド長に相談した方がいいかもしれないわよ。ギルド長、領主様と親しいみたいだし、仲介役になってくれるかもよ。」
「シシイの言うとおりだよ。兄さん、あの男コッチの話を全く聞く耳もたないし、俺達だけで解決できる問題じゃないよ。」
「……………」
できればギルド長に迷惑かけたくはなかったので相談するのを躊躇っていたアルフェンだったが、シシイと弟の真剣な瞳を見てその考えを少し改めた。
「・・・・わかった。明日、ギルド長と話をしてみるよ。」
しかし、その数分後。ギルドにリュークと下宿屋の女将がやってきてザルツマンがアルフェンら兄弟の下宿先を襲撃し、部屋を荒らしていると知らされる。
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