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サプライズ
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抱き返してこないなんて、不満だ。
「大丈夫よ。私の魔力をあげるからーー」
ぎゅうっと抱きついて、ぐっしょりと濡れそぼった銀髪に指を埋めて、強引に唇を奪った。
「ーーん」
触れ合った唇から魔力を注ぐと、ヴァイスの全身が淡く発光した。
触れるだけのキスだったのに、部屋中に光が乱反射する。
眩しくて目を開けていられないくらいだ。
以前、魔力を受け渡した時にも感じた、軽い眩暈に襲われる。
もうこれくらいで充分行き渡ったかな? と顔を引こうとしたら……逆に首を押さえられた。
あれ? と思う間も無く、貪るような口付けに変わる。
「ん、ぅむ……ん、んー!」
魔力の受け渡し以上に深く口付けられて、結局根負けしたのはシオンのほうだった。
どんどんと胸を叩くとようやく解放されたが、今度は足から力が抜けてしまった。
「もう、バカ! やりすぎだってば」
照れ隠しに八つ当たりをする、シオンの膝が折れる前にヴァイスが支えてくれた。
その頃には先ほどまでが幻だったかのように、すっかり身綺麗な姿に戻っている。
それはシオンも同様で、ドレスには染みどころか、シワひとつない。
「俺は駄目だと言った」
悩ましい吐息と共に睨まれて、シオンは不覚にも黙り込んだ。
目はじっとりと熱を帯びていて、あ、これ結構本気のやつだと怯んでしまう。
「そんなに怯えた顔をして、シオンはずるいな」
ヴァイスは不満を隠すように、シオンを抱え上げた。
膝の下に手を入れて横抱きにする。
今や定番となったお姫様抱っこだ。
「だって、ヴァイスまで私に秘密にするなんて、悲しいじゃない」
「それが”さぷらいず”だと姉上が言っていた。俺が遅刻をしたせいで、台無しになったがな。申し訳ない」
「それは、ヴァイスのせいじゃないわよ。……ヴァイスのお陰で沢山の人が助かったのよ。ありがとう。朝からお疲れ様」
ヴァイスは早朝から、領民のために駆けずり回ってくれた。
それなのに謝られたものだから、シオンもしゅんと大人しくなった。
今日は責めたらいけなかった。と、反省する。
するとヴァイスは、にこりと声もなく微笑んで、シオンを横抱きにしたまま歩き出した。
(……こうして見ると、随分と表情豊かになったわね)
以前は、喜怒哀楽が読み取りにくかった。
今も、言葉数は少ないけれど、シオンにはヴァイスの心が少しはわかるようになった気がする。
抱かれるままに、シオンはヴァイスの横顔を見上げた。
部屋を出て、待っていてくれたネンゲルたちと合流する。
格好は恥ずかしいが、皆がここまでお膳立てしてくれたのだから、ここはされるがまま従おう。
抱っこでの移動は、そのまま教会まで続いた。
王城の敷地内には、神事を執り行う聖殿がある。
先日、監禁されかけた聖具室のある建物だ。
その一角に、礼拝堂がある。
エルデガリアに来た初日に、ヴァイスとの結婚を宣誓した場所でもある。
入り口は開け放たれて、新郎新婦の到着を待ち受ける人々の姿がチラリと見えた。
「大丈夫よ。私の魔力をあげるからーー」
ぎゅうっと抱きついて、ぐっしょりと濡れそぼった銀髪に指を埋めて、強引に唇を奪った。
「ーーん」
触れ合った唇から魔力を注ぐと、ヴァイスの全身が淡く発光した。
触れるだけのキスだったのに、部屋中に光が乱反射する。
眩しくて目を開けていられないくらいだ。
以前、魔力を受け渡した時にも感じた、軽い眩暈に襲われる。
もうこれくらいで充分行き渡ったかな? と顔を引こうとしたら……逆に首を押さえられた。
あれ? と思う間も無く、貪るような口付けに変わる。
「ん、ぅむ……ん、んー!」
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「もう、バカ! やりすぎだってば」
照れ隠しに八つ当たりをする、シオンの膝が折れる前にヴァイスが支えてくれた。
その頃には先ほどまでが幻だったかのように、すっかり身綺麗な姿に戻っている。
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「俺は駄目だと言った」
悩ましい吐息と共に睨まれて、シオンは不覚にも黙り込んだ。
目はじっとりと熱を帯びていて、あ、これ結構本気のやつだと怯んでしまう。
「そんなに怯えた顔をして、シオンはずるいな」
ヴァイスは不満を隠すように、シオンを抱え上げた。
膝の下に手を入れて横抱きにする。
今や定番となったお姫様抱っこだ。
「だって、ヴァイスまで私に秘密にするなんて、悲しいじゃない」
「それが”さぷらいず”だと姉上が言っていた。俺が遅刻をしたせいで、台無しになったがな。申し訳ない」
「それは、ヴァイスのせいじゃないわよ。……ヴァイスのお陰で沢山の人が助かったのよ。ありがとう。朝からお疲れ様」
ヴァイスは早朝から、領民のために駆けずり回ってくれた。
それなのに謝られたものだから、シオンもしゅんと大人しくなった。
今日は責めたらいけなかった。と、反省する。
するとヴァイスは、にこりと声もなく微笑んで、シオンを横抱きにしたまま歩き出した。
(……こうして見ると、随分と表情豊かになったわね)
以前は、喜怒哀楽が読み取りにくかった。
今も、言葉数は少ないけれど、シオンにはヴァイスの心が少しはわかるようになった気がする。
抱かれるままに、シオンはヴァイスの横顔を見上げた。
部屋を出て、待っていてくれたネンゲルたちと合流する。
格好は恥ずかしいが、皆がここまでお膳立てしてくれたのだから、ここはされるがまま従おう。
抱っこでの移動は、そのまま教会まで続いた。
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