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反撃
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一方でその横から躍り出たブルネンもまた、雄叫びを上げてオーグレイルを目指して敵の群れへと勇み飛び込む。
「おのれ! 悲願まであと僅かだったものを……! いったい何をした!? 誓約の効力は絶対だ。破られるほど私の魔力は甘くない!!」
唸るように言い捨てると、オーグレイルは右の掌を上に向けた。
紫紺色の炎がそこに生まれて、手の中で膨らむ。
「私と戦え、クラウディオ! 逃げが戦術などとほざくのではあるまいな!!」
計画が狂い、完全に形勢が逆転したと悟ったのだろう。
怒髪天を衝く勢いで吠えると、掌から飛び出した紫紺の炎が真っ直ぐにクラウディオへと襲いかかる。
しかし、それらはコールヴァンの防御魔法によって空中で弾かれた。その場で破裂する。
「何故ダァッ! 何故、邪魔が入る!? 全ての妨害は無効とーー」
「原因を知りたいか? 誓約は、成立していない!」
激高し、空高くまで舞い上がり、喚くオーグレイルの声を遮るように、クラウディオが叫ぶ。
「お前も王族の一員のつもりなら、誓約書は最後までよく読むんだったな」
「なんだと!?」
オーグレイルはクラウディオを睨みつけ、自身の空間から誓約書を再度取り出した。
「それは俺の真名ではない」
クラウディオはオーグレイルに向かい、告げた。
「な……に?」
オーグレイルの瞳が、ギュルリと揺れる。
瞳孔がある一点で止まり、右手からはらり、と紙片がすり抜ける。
ひらひらと風に乗って地上に舞い落ちたそれを、レオノールは飛び上がって受け止めた。
身を乗り出したコールヴァンと一緒に文面を覗き込むと「ほーん」と意味深な声を上げた。
レオノールが見当違いな箇所を眺めていると、コールヴァンはある箇所をトントンと指し示す。
そこに記されているのは筆記体で綴られた”Claudio Elglan”の署名ーー
「あっ、そうか! クラウディオ様の署名はClaudio Elgranだから……」
レオノールは思わず膝を打った。
確かに、結婚式で見たクラウディオの署名もElglanではなく、Elgranと綴られていた。
「でもそんな、些細なことで……?」
「些細じゃないぜ。契約ごとには絶対に必要だ。王子サマ、随分と大胆なマネするじゃねえか」
レオノールが呟くと、コールヴァンはクラウディオに水を向ける。
クラウディオは少しきまり悪そうに顎をかいた。
「……君とセレスが城に来てから、魔法について学ぶ機会があったからな。それに俺たちは、常に互いの居場所を把握できるようになっていた」
そう言ってクラウディオがポケットから取り出したのは、ベルトに繋がれた懐中時計だった。
いや、正しくは時計を模した発信機のようだった。
蓋を開くと針はなく、小さな赤い点が時計盤に表示されている。
「これね。実行したのはセレスだが、発案は王子サマだってよ。お忍びデートした時からずっと研究してたらしいぜ。いい旦那を捕まえたな」
「コールヴァン! そんなことは、今はどうでもいいだろう」
クラウディオは咎めるように咳払いをした。
「おのれ! 悲願まであと僅かだったものを……! いったい何をした!? 誓約の効力は絶対だ。破られるほど私の魔力は甘くない!!」
唸るように言い捨てると、オーグレイルは右の掌を上に向けた。
紫紺色の炎がそこに生まれて、手の中で膨らむ。
「私と戦え、クラウディオ! 逃げが戦術などとほざくのではあるまいな!!」
計画が狂い、完全に形勢が逆転したと悟ったのだろう。
怒髪天を衝く勢いで吠えると、掌から飛び出した紫紺の炎が真っ直ぐにクラウディオへと襲いかかる。
しかし、それらはコールヴァンの防御魔法によって空中で弾かれた。その場で破裂する。
「何故ダァッ! 何故、邪魔が入る!? 全ての妨害は無効とーー」
「原因を知りたいか? 誓約は、成立していない!」
激高し、空高くまで舞い上がり、喚くオーグレイルの声を遮るように、クラウディオが叫ぶ。
「お前も王族の一員のつもりなら、誓約書は最後までよく読むんだったな」
「なんだと!?」
オーグレイルはクラウディオを睨みつけ、自身の空間から誓約書を再度取り出した。
「それは俺の真名ではない」
クラウディオはオーグレイルに向かい、告げた。
「な……に?」
オーグレイルの瞳が、ギュルリと揺れる。
瞳孔がある一点で止まり、右手からはらり、と紙片がすり抜ける。
ひらひらと風に乗って地上に舞い落ちたそれを、レオノールは飛び上がって受け止めた。
身を乗り出したコールヴァンと一緒に文面を覗き込むと「ほーん」と意味深な声を上げた。
レオノールが見当違いな箇所を眺めていると、コールヴァンはある箇所をトントンと指し示す。
そこに記されているのは筆記体で綴られた”Claudio Elglan”の署名ーー
「あっ、そうか! クラウディオ様の署名はClaudio Elgranだから……」
レオノールは思わず膝を打った。
確かに、結婚式で見たクラウディオの署名もElglanではなく、Elgranと綴られていた。
「でもそんな、些細なことで……?」
「些細じゃないぜ。契約ごとには絶対に必要だ。王子サマ、随分と大胆なマネするじゃねえか」
レオノールが呟くと、コールヴァンはクラウディオに水を向ける。
クラウディオは少しきまり悪そうに顎をかいた。
「……君とセレスが城に来てから、魔法について学ぶ機会があったからな。それに俺たちは、常に互いの居場所を把握できるようになっていた」
そう言ってクラウディオがポケットから取り出したのは、ベルトに繋がれた懐中時計だった。
いや、正しくは時計を模した発信機のようだった。
蓋を開くと針はなく、小さな赤い点が時計盤に表示されている。
「これね。実行したのはセレスだが、発案は王子サマだってよ。お忍びデートした時からずっと研究してたらしいぜ。いい旦那を捕まえたな」
「コールヴァン! そんなことは、今はどうでもいいだろう」
クラウディオは咎めるように咳払いをした。
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