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反撃
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「ええ、死ぬほど嬉しいですけど……、喜ぶにはまだ早い」
「そうだ、決着をつけなければ。レオノール、先の問答で明らかになったが、奴の本質はオーグレイルだ。残念だが、アルヴァロ王子はもういない」
コールヴァンの軽口に色をなしたクラウディオは、それでもすぐに真顔に戻った。
レオノールの瞳に映るクラウディオは、とても頼もしく見える。
レオノールは、意味をなさない誓約書を放り投げて剣を取った。
右手に柄を握り直し、感触を馴染ませる。
クラウディオの指摘は的確だ。
あれの中身にアルヴァロが残っているなら、こんなミスは犯さない。
アルヴァロは仮にも国使を率いる第二王子だ。
歯を食いしばり、身を捩って宙をのた打つ暴君はオーグレイルに他ならない。
「なぜだ? 私の完璧な計画が……なぜこうも!」
オーグレイルは苛立ちを露わにして、地上を睥睨する。
次々と襲いくる魔物の群れを駆逐して、セレスとブルネンは早くもオーグレイルの足元まで迫っていた。
無差別に振り撒かれる雷撃に怯みもしない。それどころか、回避の動きすら最小限で乱れがない。
「くっそう、こうなれば! 全てを業火で焼き尽くしてやる。ノーキエも、エルグランも、海を越えた隣国も全部。レオノール、クラウディオ! お前たちの守るべきもの全てをな!!」
ビシビシ……ッ!
一際大きな雷鳴が轟いたかと思うと、赤と黒の狭間のような暗青色の空が引き裂かれた。
横一文字に亀裂が走る。
亀裂は上下に幅を広げ、暗黒の瞳のように瞼を開いた。
中からは、さらに黒色の帯のような光が瞬き始めた。
(ーーあれは!?)
「クラウディオ様、下がって!!」
「俺の後ろに!」
レオノールとコールヴァンがほぼ同時に叫んだ。
次の瞬間、巨大な光の矢がセレスとブルネン、レオノールたちを目掛けて、地表へと墜落してくる。
『ハーミット・ヴェール!』
『リタリエイト・フェイス!』
セレスとコールヴァン、2人の詠唱と同時に巨大な光の矢は地表へと突き刺さり、そのまま爆発的な力を放出した。
ドゴオオオオォーンッ!
耳を聾する音が、空気を切り裂くように駆け巡る。
地上の全ての音を、その圧倒的な質量は押し潰してしまった。
強烈な閃光と轟音が収まると、広がる世界は一面の焦土と化していた。
木々も草花も、無残にも焼け焦げて原型を留めていない。
森は吹き飛び荒地となり、天へと昇る黒煙が燻っている。
強力な防御のおかげで味方は無傷だったが、これが街中で使われていたと思うと、ゾッとする。
「こんなにするなんて……やっぱり、オーグレイルね……」
今は人の皮を被っていても、中身はやはり、災厄の魔王なのだ。
「レオノール、君の懸念はわかるつもりだ。だが……」
「ええ、やむを得ないのは、私もわかります。……」
レオノールの葛藤を察したクラウディオが、遠慮がちにレオノールの肩に触れた。
温かい掌が触れたところから、穏やかな気持ちが流れ込んでくるようだ。
「そうだ、決着をつけなければ。レオノール、先の問答で明らかになったが、奴の本質はオーグレイルだ。残念だが、アルヴァロ王子はもういない」
コールヴァンの軽口に色をなしたクラウディオは、それでもすぐに真顔に戻った。
レオノールの瞳に映るクラウディオは、とても頼もしく見える。
レオノールは、意味をなさない誓約書を放り投げて剣を取った。
右手に柄を握り直し、感触を馴染ませる。
クラウディオの指摘は的確だ。
あれの中身にアルヴァロが残っているなら、こんなミスは犯さない。
アルヴァロは仮にも国使を率いる第二王子だ。
歯を食いしばり、身を捩って宙をのた打つ暴君はオーグレイルに他ならない。
「なぜだ? 私の完璧な計画が……なぜこうも!」
オーグレイルは苛立ちを露わにして、地上を睥睨する。
次々と襲いくる魔物の群れを駆逐して、セレスとブルネンは早くもオーグレイルの足元まで迫っていた。
無差別に振り撒かれる雷撃に怯みもしない。それどころか、回避の動きすら最小限で乱れがない。
「くっそう、こうなれば! 全てを業火で焼き尽くしてやる。ノーキエも、エルグランも、海を越えた隣国も全部。レオノール、クラウディオ! お前たちの守るべきもの全てをな!!」
ビシビシ……ッ!
一際大きな雷鳴が轟いたかと思うと、赤と黒の狭間のような暗青色の空が引き裂かれた。
横一文字に亀裂が走る。
亀裂は上下に幅を広げ、暗黒の瞳のように瞼を開いた。
中からは、さらに黒色の帯のような光が瞬き始めた。
(ーーあれは!?)
「クラウディオ様、下がって!!」
「俺の後ろに!」
レオノールとコールヴァンがほぼ同時に叫んだ。
次の瞬間、巨大な光の矢がセレスとブルネン、レオノールたちを目掛けて、地表へと墜落してくる。
『ハーミット・ヴェール!』
『リタリエイト・フェイス!』
セレスとコールヴァン、2人の詠唱と同時に巨大な光の矢は地表へと突き刺さり、そのまま爆発的な力を放出した。
ドゴオオオオォーンッ!
耳を聾する音が、空気を切り裂くように駆け巡る。
地上の全ての音を、その圧倒的な質量は押し潰してしまった。
強烈な閃光と轟音が収まると、広がる世界は一面の焦土と化していた。
木々も草花も、無残にも焼け焦げて原型を留めていない。
森は吹き飛び荒地となり、天へと昇る黒煙が燻っている。
強力な防御のおかげで味方は無傷だったが、これが街中で使われていたと思うと、ゾッとする。
「こんなにするなんて……やっぱり、オーグレイルね……」
今は人の皮を被っていても、中身はやはり、災厄の魔王なのだ。
「レオノール、君の懸念はわかるつもりだ。だが……」
「ええ、やむを得ないのは、私もわかります。……」
レオノールの葛藤を察したクラウディオが、遠慮がちにレオノールの肩に触れた。
温かい掌が触れたところから、穏やかな気持ちが流れ込んでくるようだ。
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