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恋心
競い合いの行方 1
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アシュレイの父もなかなかに憎らしい男だったが、それでもいくらかマシに思えるほどのクズっぷりだ。
いよいよもって、こんな男を勝たせるわけにはいかない。
アルダシールさえ負かせば良いと考えていたが、作戦は変更だ。
シルランも、追い落とし、アシュレイが勝利する。
(こんな、男どもが好き勝手ばかりする、馬鹿げた儀式。私が勝って無効にしてやる)
アシュレイにとってエステルは恋敵だし、混乱ばかりもたらす相手だけれど、どうにも憎めない。
エステルは ”アルダシールが羨ましい”と 言った。
アルダシールの妻の座を望むなら、羨む対象はアルダシールでなくアシュレイになるはずだ。
望まぬ結婚から逃れるためにアルダシールの求婚を受けようとしているなら、話し合いの余地がある。
どちらにしても、アシュレイの勝利が必須だ。
まだ3つ目の課題も出ていない今、どうやってそれを可能にするかは見当もつかないが、とにかく決めた。
「そうだな、3つ目には知恵を問う課題を予定していたくらいだ。知恵を否定するわけにもいかんだろう」
したり顔で講釈を垂れるのは禿頭の、トルファソとかいう男だ。
ローネッドと並び立つ運営側の人間だが、どうにもいけ好かない。
「トルファソ、まさかシルランに入知恵したのではないだろうな」
「まさか。私はずっと君と一緒だった。課題の内容も、知っているのはローネッドただ一人だろう」
指摘を受けて、ローネッドはぐうと言葉に詰まる。
(そうは言ってもね、あの札や石を準備したり、保管したりする場所が誰かに露見した可能性はある。札や石の配置先がわかれば、課題のおおよその内容に予測が立つ)
アシュレイは腕を組んで、一同を静観した。
指摘してやりたい気持ちは山々だが、口を開けば正体がバレる。
「私はこのまま、3名で課題に臨めば良いと考える。こう言ってはなんだが、2つ目までの挑戦で、力の差は歴然としていた」
「トルファソ、いくらお前の意見でも、参加者の肉親だ。丸呑みはできない」
ごちゃごちゃと内輪で揉め始め、長考の気配が漂い始める。
しかし、チャンスを奪われた参加者たちからも、クレームは上がらない。
棄権を名乗り出なかった者たちも同様だ。
なので、シルランの予想は案外的を得ているのかもしれない。
アシュレイとしては、彼らが加わろうと棄権しようとどちらでも構わないのだが。
黙って待っていて、埒が開くのか開かないのか。
経過する時間に比例して苛立ちが募り始めた頃、剛を煮やしたアルダシールが提案した。
「いくら検討しても、時間の無駄です。希望者の全員で3回目に挑めば良いでしょう。公平というならそれが一番だ」
「はあっ? 阿呆かぁ!? そんじゃ、真面目に勝ち抜いた俺はどうなる? コイツらは丸儲け、どこが公平だ!」
唾を飛ばして喚くシルランに、とうとうアルダシールは激昂した。
「参加者から公平を奪ったお前が、どの口でぬけぬけと!」
胸ぐらを掴んで一喝する。
いよいよもって、こんな男を勝たせるわけにはいかない。
アルダシールさえ負かせば良いと考えていたが、作戦は変更だ。
シルランも、追い落とし、アシュレイが勝利する。
(こんな、男どもが好き勝手ばかりする、馬鹿げた儀式。私が勝って無効にしてやる)
アシュレイにとってエステルは恋敵だし、混乱ばかりもたらす相手だけれど、どうにも憎めない。
エステルは ”アルダシールが羨ましい”と 言った。
アルダシールの妻の座を望むなら、羨む対象はアルダシールでなくアシュレイになるはずだ。
望まぬ結婚から逃れるためにアルダシールの求婚を受けようとしているなら、話し合いの余地がある。
どちらにしても、アシュレイの勝利が必須だ。
まだ3つ目の課題も出ていない今、どうやってそれを可能にするかは見当もつかないが、とにかく決めた。
「そうだな、3つ目には知恵を問う課題を予定していたくらいだ。知恵を否定するわけにもいかんだろう」
したり顔で講釈を垂れるのは禿頭の、トルファソとかいう男だ。
ローネッドと並び立つ運営側の人間だが、どうにもいけ好かない。
「トルファソ、まさかシルランに入知恵したのではないだろうな」
「まさか。私はずっと君と一緒だった。課題の内容も、知っているのはローネッドただ一人だろう」
指摘を受けて、ローネッドはぐうと言葉に詰まる。
(そうは言ってもね、あの札や石を準備したり、保管したりする場所が誰かに露見した可能性はある。札や石の配置先がわかれば、課題のおおよその内容に予測が立つ)
アシュレイは腕を組んで、一同を静観した。
指摘してやりたい気持ちは山々だが、口を開けば正体がバレる。
「私はこのまま、3名で課題に臨めば良いと考える。こう言ってはなんだが、2つ目までの挑戦で、力の差は歴然としていた」
「トルファソ、いくらお前の意見でも、参加者の肉親だ。丸呑みはできない」
ごちゃごちゃと内輪で揉め始め、長考の気配が漂い始める。
しかし、チャンスを奪われた参加者たちからも、クレームは上がらない。
棄権を名乗り出なかった者たちも同様だ。
なので、シルランの予想は案外的を得ているのかもしれない。
アシュレイとしては、彼らが加わろうと棄権しようとどちらでも構わないのだが。
黙って待っていて、埒が開くのか開かないのか。
経過する時間に比例して苛立ちが募り始めた頃、剛を煮やしたアルダシールが提案した。
「いくら検討しても、時間の無駄です。希望者の全員で3回目に挑めば良いでしょう。公平というならそれが一番だ」
「はあっ? 阿呆かぁ!? そんじゃ、真面目に勝ち抜いた俺はどうなる? コイツらは丸儲け、どこが公平だ!」
唾を飛ばして喚くシルランに、とうとうアルダシールは激昂した。
「参加者から公平を奪ったお前が、どの口でぬけぬけと!」
胸ぐらを掴んで一喝する。
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