学校一美人な奴の消しゴム拾ったら大変なことになった。

マガツゆい

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06話

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 僕の予想した通り、次の日からピタリと噂は止みいつもの日常に戻った。僕と秦さんの関係は軽く話ができる程度になった。
 
 「よし、じゃあこれから1ヶ月後に控えている学園祭についての打ち合わせをする。学級委員の2人は前にでてくれ。」

 と先生が言い、話し合いがはじまった。

 「比那山くん、どうする?何やる?」
 「うーん…無難に喫茶店とか縁日とかそういうありきたりなものでいいんじゃない?」
 「いいね~。ザ・王道って感じ。」

 なんて2人で話しながら話し合いにちょこちょこ意見を出す。

 「それでは、うちのクラスの出し物は猫カフェに決定します!」

 …どうしてこうなった。
 確かにオリジナリティーを出しやすいのはカフェだろうという意見でまとまってオリジナリティーの話に移った。そして謎の団結力でオリジナリティー案の猫に男子ほぼ全員が手をあげていた。

 「はいは~い。委員長、しつもーん。」
 「ん?秦さん、なにかな?」
 「猫ってどうするの?本物を連れてくるの?」
 「へ?それはホール担当の人に猫要素のある服を着せたりとか…」
 (あ、こいつさては…)

 秦さんが質問をするとあからさまに目が泳ぐ委員長。さてはホールにいる女子に猫耳でも付けさせるつもりだったな?

 「でも、服だけじゃ猫要素が薄くない?」

 と他の女子からも援護射撃が入る。

 「じゃあ、ホール担当の人全員猫耳でもつけましょうか。」
 
 と委員長は口走る。その瞬間、

 「「「「は?」」」」

 とだいぶ低い声が教室にこだました。うちの学校は毎年学園祭などの祭ごとの催しに物凄い力を入れているため、TV局が取材に来るレベルで物凄い盛り上がる。
 そのため、全国に自分の猫耳姿を晒されることになるのだ。

 「じゃ、じゃあそういうことで…以上!話し合いおしまい!」

 と委員長が強引に話し合いを終わらせると、自分の席に戻った。

 その日の帰り、雛立はものすごーく不機嫌だった。

 「あんのクソメガネ、結局女子の猫耳姿見たかっただけでしょ!」
 
 と言い足下の小石を蹴飛ばす。

 「ま、まぁまぁ。あいつはやりすぎだから絶対変わると思うぞ?」

 と春樹が宥める。春樹は意外と宥めるのがうまかったりする。結構話し上手なのでこういう時いてくれてありがたい。

 しかし、委員長よくやったみたいな風潮にクラスの男子が一致団結し、結局猫耳は覆ることがなかった。
 
 「どうしてこうなるのよっ!」
 「いだだだだだ!?お、俺は関係ない…というかお前ら側だったろ?…ちょっ、まじで肩が外れる、待て、いや待ってください雛立さん。これ以上はマジでまずいんですだからやm…やめてくれぇぇ!」

 と教室の隅では春樹に折檻が行われていた。

 「…助けておく?」
 
 と隣の陽太に聞くが、

 「肉食獣の食事は邪魔するとやばい。」

 とだけいうとそっとその場を離れた。こうなると僕1人の力ではもうどうすることもできない。

 (さらば春樹。安らかに眠れ。)

 と心の中で春樹に手を合わせると僕もその場を後にした。
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