143 / 195
1章【暗黒討伐編】
第142話・新技開発【弾】
しおりを挟む
尻尾を、大きく畝(う)ねらせる。
思い切り筋肉を引き伸ばし、とぐろを巻く様に動かす。
ギギギ⋯⋯と、筋肉を伸ばす音が聞こえる程まで。そして、俺自身が痛みを感じるまで、尻尾を収縮させた。
今にも千切れそうな程、弾性エネルギーが溜まった尻尾。
その先端の僅か数ミリの箇所に、高圧縮した魔力を集中させる。──そして、起爆。
瞬時に尻尾から力を抜き、溜めていた莫大なエネルギーを一気に解放。
尻尾は、巻いたとぐろの逆方向に大きく回転を始める。
一周し、二週し⋯⋯。最後の半周に尻尾が差し掛かったタイミングで、同時に俺は踏み込んだ。
回転に合わせる様に。尻尾の先端へ遠心力がより強力に掛かる様に、全身を捻る。
要領は──そう。鞭を、強靭な鞭を全力で振るうのと同じ様に⋯⋯ッ!!
──ッタアァァァァァンンッッッ!!
甲高い破裂音が響き、直後に突風が発生する。
“ソニックブーム”と呼ばれる、物体が音の壁を破った時に発生する現象である。
広範囲に円形の衝撃波を齎(もたら)したソレに、俺は思わず驚愕で目を見開く。
全身を突風が叩いた事に気付いたのは、次にアインに話し掛けられてからであった。
「──ほほう? 尻尾を極限まで収縮させ、それを解放するエネルギーで魔力の弾丸を撃ち出したのか」
「あ、あぁ。自分でも、ここまで強く撃ち出せるとは思っていなかったけどな⋯⋯
それで、どうなった? 俺が発射した魔力弾の行方は?」
「なにィ? 自分で撃っといて見えねぇのかよ? 全くしょうがねぇ奴だな⋯⋯」
ぽりぽりと頭を掻きつつ、アインは目を細める。
太陽の光を遮る様に手のひらで顔を覆い、遠くを見つめるアイン。
数秒してから『おっ』と声を漏らした彼は、俺に振り返って何度か頷いた。
「──超長距離の攻撃手段としちゃあ、まぁまぁだな。
お前の魔力弾は、丁度 地平線の辺りで消滅したらしい。
その先の雲まで散らせてりゃあ文句無しだったが⋯⋯まぁ、良しとするぜ」
「そうか、それなら良かった。たった一発なのに、尻尾がもう痛てぇのなんの⋯⋯」
「ハッ。その程度は我慢できる様になんなきゃダメだな。
超長距離攻撃の優れた点は、“相手の射程外”から“超高速”での“一撃必殺”を撃てる事だ。
ンまぁ、今のお前じゃそこまでの威力はまだ出せないが⋯⋯
それでも、いずれは一発で相手を殺れる技だと思えば、多少の痛みぐれぇどうって事ねぇだろ?」
「そう聞くと、まぁそうだな⋯⋯っと」
尻尾を摩りながら、腰を降ろす。
ギチギチとした痛みが続いているが、アインの言う通り 威力の期待値を考えれば我慢すべきか。
⋯⋯いやぁしかし、アインが理想とする合格点が『地平線の先の雲を散らす』とは。
地平線の更にその先まで到達するって事は、重力を振り切れる速度が必要って訳だろ?
第一だが第二だかの宇宙速度⋯⋯。そう、脱出速度と呼ばれるモノくらい俺だって知っているが⋯⋯
人に求めるくらいなら、アインは当然可能なんだろうか。
確かに魔族の実力は底知れないが、宇宙まで届く攻撃範囲を持っているとは少し信じられないな。
「──なぁ、アイン」
「あン? なんだ?」
「折角だし、手本が見たいなぁ~⋯⋯なんちゃって♡」
「おん、いいぜ。参考があった方が、鍛錬もやり易いしな」
⋯⋯えっ、軽いっ。
そんな、いっちょやるか~的なノリで始められても⋯⋯
あぁ、もうやる気なのね。もっとこう、カッコつけてやるぜ! みたいな雰囲気出すと思ってたけどな⋯⋯
「どうせなら、お前と同じ方がいいか」
「ん? 俺と同じって──」
続きを言うより早く、アインに変化が現れる。
全身から白い光を放ったかと思えば、その中でアインの影が大きく形を変えた。
首が伸び、尻尾が生え、その全身はまるで──
「ほ、こんなモンだな」
「そんな事も出来んのかよ、魔王幹部ってのは」
「ん~? 誰でも出来るぞ、慣れりゃあな」
光から現れたアインは、グレイドラゴンの姿で会話する。
何気に初めての同族だが、目の当たりにした情報のせいで感動が薄いぜ。
何だよ、魔物に変化するって。何だよ、誰でも出来るって。
⋯⋯つーか、同じグレイドラゴンなのに魔力の質が全然違うんだが?
元が魔王幹部というのはあるが、同族でありながら明確に劣っているのって、オスとしての敗北感やべぇな。
「──肉体の年齢と使用する魔力はお前に合わせる。
いいか。目ん玉ひん剥いてよォく見とけよ~?」
「お、おう。分かったぜ⋯⋯」
肩を落とす俺を後目(しりめ)に、アインは構える。
先程の俺と全く同じ動きで──。⋯⋯いや、なんか違うぞ?
もっと腰を深く落としているし、尻尾の伸びが凄まじい。
とぐろも四周程も巻けているし、アレなら尻尾の先端の加速に必要な距離も確保が──
「せいッ!」
「あ、」
アインが、尻尾を振り抜く。
それと同時に、俺の世界から音が消えた。
比喩では無い。彼が放った一撃の衝撃音で、鼓膜が破れたのである。
そして、俺が頭に響く金切り音に不快感を覚える頃。
背中と後頭部に、鈍い痛みが発生している事に気が付いた。
──と。ここまでの事態を認識して、俺はようやく自分が吹き飛ばされた事を理解した。
「うーい、大丈夫か~?」
「あ⋯⋯う!? え!?」
俺の負傷箇所を治しつつ、アインは此方に歩く。
未だ耳鳴りの様な感覚があるが、それは俺の意識の果てに追いやられていた。
手を振るアインの背景に、釘付けになっていたからだ。
「──まぁ、少なからずこの星の重力圏は飛び出したな。
今のお前でも、改善を重ねりゃ同じ事が出来る筈だぜ」
アインの台詞に、静かに息を飲む。
いつの間にか鼓膜が治っていた事にも気付かず、俺は光景に前のめりになった。
遠い筈の地平線。その先の雲に、円形の穴が空いている。
アインの一撃が通過した事実を示すかの様に、その穴はゆっくりと広がり続けていた。
「どうだ、参考になったか?」
「な、なってたまるか⋯⋯」
「あぁン? 俺の実演に不満があるってのかよォ~??」
バックチョークを決める様に、アインは俺に抱き着く。
一瞬、締め上げられるのではと警戒した俺だったが、今回は免除された様だ。助かったぜ。
「⋯⋯はぁ。にしても、本当に魔力の差ってデカいんだなぁ」
「ば~か。さっき言ったろ? 『使用する魔力はお前に合わせる』ってな。コレは、技術の差だぜっ」
「ドヤ顔で言うな。コッチの劣等感がヤバすぎるから」
「あァ? ドラゴンの表情筋でドヤ顔なんて出来てんのか?」
「この俺を見ろ。表情豊かだろ?」
グダグダと駄弁(だべ)り、完全回復を持つ。
まぁ大して傷も付いていないし、回復魔法を掛けられる必要もあんま無いんだが。
くっちゃべるのは好きだし、こうしてリラックス出来んなら悪く無いぜ⋯⋯って、ん? なんだ?
なんか、やたらアインが俺の顔を覗いてきてるが⋯⋯
「──お前って、雌か?」
「⋯⋯は? フツーに雄だよ、雄」
「ほぉん? なんか、イケるかもしれねぇ」
「え"っ」
な、なんだって? 今、コイツなんてった?
『イケる』⋯⋯? はて、ドコにいけるんだろうなぁ⋯⋯
なんて、云ってる場合じゃあねえ!
グレイドラゴンの俺って雌っぽいのか?! 前世での俺は中性的だったし、たまに女に間違われる事もあったが!
もしかして、転生者って肉体が変わっても前世の姿の影響を受けるとか!?
⋯⋯はっ! そういえば、前に幼女の力で人の姿になった時も、前世の格好だった気がする!!
ちょ、ちょ待てよ! いや、多様性は大事にしたいけども!
「ちょっと俺に身を委ねろよ~、エェ?」
「や、やめろ! アンタそんな趣味があったのか!?」
「グレイドラゴンの生態の調査だ。知的好奇心ってヤツだぜ」
「ひっ! 股間をケツに打ち付けるなバカっ!」
「ギャハハハハ!」
揉み合いになり、2人で転げ回る。
アナが無くて良かったぜ⋯⋯と言いたい所だが、この光景を誰かに見られたら死ぬ。
こんな、犬の交尾みたいな──
「アインへルム⋯⋯」
「ハッ!?」
「おぉ、魔王サマ。いつからそこに」
いつの間にか居たゼルは、俺達へ視線を送る。
なんかもう、複雑そうな表情だが⋯⋯。コレ、俺まで誤解されてないだろうな?
「いや⋯⋯まぁ、そうだなぁ。好みはそれぞれだもんなぁ。
ウン、邪魔した。俺の事は気にせず、存分に続けてくれ」
「ま、待ってくれ。待ってください、魔王ゼル様! これは、ちょっとした誤解でですね⋯⋯」
その後、日が暮れるまでゼルに説明を繰り返した。
隣のアインがずっとニヤニヤしてせいで、誤解が加速したのは言うまでも無いだろう。
最終的に、『他の連中には言わないでおくから』と俺の肩を叩いたゼルの視線は、深く心に突き刺さったのだった。
思い切り筋肉を引き伸ばし、とぐろを巻く様に動かす。
ギギギ⋯⋯と、筋肉を伸ばす音が聞こえる程まで。そして、俺自身が痛みを感じるまで、尻尾を収縮させた。
今にも千切れそうな程、弾性エネルギーが溜まった尻尾。
その先端の僅か数ミリの箇所に、高圧縮した魔力を集中させる。──そして、起爆。
瞬時に尻尾から力を抜き、溜めていた莫大なエネルギーを一気に解放。
尻尾は、巻いたとぐろの逆方向に大きく回転を始める。
一周し、二週し⋯⋯。最後の半周に尻尾が差し掛かったタイミングで、同時に俺は踏み込んだ。
回転に合わせる様に。尻尾の先端へ遠心力がより強力に掛かる様に、全身を捻る。
要領は──そう。鞭を、強靭な鞭を全力で振るうのと同じ様に⋯⋯ッ!!
──ッタアァァァァァンンッッッ!!
甲高い破裂音が響き、直後に突風が発生する。
“ソニックブーム”と呼ばれる、物体が音の壁を破った時に発生する現象である。
広範囲に円形の衝撃波を齎(もたら)したソレに、俺は思わず驚愕で目を見開く。
全身を突風が叩いた事に気付いたのは、次にアインに話し掛けられてからであった。
「──ほほう? 尻尾を極限まで収縮させ、それを解放するエネルギーで魔力の弾丸を撃ち出したのか」
「あ、あぁ。自分でも、ここまで強く撃ち出せるとは思っていなかったけどな⋯⋯
それで、どうなった? 俺が発射した魔力弾の行方は?」
「なにィ? 自分で撃っといて見えねぇのかよ? 全くしょうがねぇ奴だな⋯⋯」
ぽりぽりと頭を掻きつつ、アインは目を細める。
太陽の光を遮る様に手のひらで顔を覆い、遠くを見つめるアイン。
数秒してから『おっ』と声を漏らした彼は、俺に振り返って何度か頷いた。
「──超長距離の攻撃手段としちゃあ、まぁまぁだな。
お前の魔力弾は、丁度 地平線の辺りで消滅したらしい。
その先の雲まで散らせてりゃあ文句無しだったが⋯⋯まぁ、良しとするぜ」
「そうか、それなら良かった。たった一発なのに、尻尾がもう痛てぇのなんの⋯⋯」
「ハッ。その程度は我慢できる様になんなきゃダメだな。
超長距離攻撃の優れた点は、“相手の射程外”から“超高速”での“一撃必殺”を撃てる事だ。
ンまぁ、今のお前じゃそこまでの威力はまだ出せないが⋯⋯
それでも、いずれは一発で相手を殺れる技だと思えば、多少の痛みぐれぇどうって事ねぇだろ?」
「そう聞くと、まぁそうだな⋯⋯っと」
尻尾を摩りながら、腰を降ろす。
ギチギチとした痛みが続いているが、アインの言う通り 威力の期待値を考えれば我慢すべきか。
⋯⋯いやぁしかし、アインが理想とする合格点が『地平線の先の雲を散らす』とは。
地平線の更にその先まで到達するって事は、重力を振り切れる速度が必要って訳だろ?
第一だが第二だかの宇宙速度⋯⋯。そう、脱出速度と呼ばれるモノくらい俺だって知っているが⋯⋯
人に求めるくらいなら、アインは当然可能なんだろうか。
確かに魔族の実力は底知れないが、宇宙まで届く攻撃範囲を持っているとは少し信じられないな。
「──なぁ、アイン」
「あン? なんだ?」
「折角だし、手本が見たいなぁ~⋯⋯なんちゃって♡」
「おん、いいぜ。参考があった方が、鍛錬もやり易いしな」
⋯⋯えっ、軽いっ。
そんな、いっちょやるか~的なノリで始められても⋯⋯
あぁ、もうやる気なのね。もっとこう、カッコつけてやるぜ! みたいな雰囲気出すと思ってたけどな⋯⋯
「どうせなら、お前と同じ方がいいか」
「ん? 俺と同じって──」
続きを言うより早く、アインに変化が現れる。
全身から白い光を放ったかと思えば、その中でアインの影が大きく形を変えた。
首が伸び、尻尾が生え、その全身はまるで──
「ほ、こんなモンだな」
「そんな事も出来んのかよ、魔王幹部ってのは」
「ん~? 誰でも出来るぞ、慣れりゃあな」
光から現れたアインは、グレイドラゴンの姿で会話する。
何気に初めての同族だが、目の当たりにした情報のせいで感動が薄いぜ。
何だよ、魔物に変化するって。何だよ、誰でも出来るって。
⋯⋯つーか、同じグレイドラゴンなのに魔力の質が全然違うんだが?
元が魔王幹部というのはあるが、同族でありながら明確に劣っているのって、オスとしての敗北感やべぇな。
「──肉体の年齢と使用する魔力はお前に合わせる。
いいか。目ん玉ひん剥いてよォく見とけよ~?」
「お、おう。分かったぜ⋯⋯」
肩を落とす俺を後目(しりめ)に、アインは構える。
先程の俺と全く同じ動きで──。⋯⋯いや、なんか違うぞ?
もっと腰を深く落としているし、尻尾の伸びが凄まじい。
とぐろも四周程も巻けているし、アレなら尻尾の先端の加速に必要な距離も確保が──
「せいッ!」
「あ、」
アインが、尻尾を振り抜く。
それと同時に、俺の世界から音が消えた。
比喩では無い。彼が放った一撃の衝撃音で、鼓膜が破れたのである。
そして、俺が頭に響く金切り音に不快感を覚える頃。
背中と後頭部に、鈍い痛みが発生している事に気が付いた。
──と。ここまでの事態を認識して、俺はようやく自分が吹き飛ばされた事を理解した。
「うーい、大丈夫か~?」
「あ⋯⋯う!? え!?」
俺の負傷箇所を治しつつ、アインは此方に歩く。
未だ耳鳴りの様な感覚があるが、それは俺の意識の果てに追いやられていた。
手を振るアインの背景に、釘付けになっていたからだ。
「──まぁ、少なからずこの星の重力圏は飛び出したな。
今のお前でも、改善を重ねりゃ同じ事が出来る筈だぜ」
アインの台詞に、静かに息を飲む。
いつの間にか鼓膜が治っていた事にも気付かず、俺は光景に前のめりになった。
遠い筈の地平線。その先の雲に、円形の穴が空いている。
アインの一撃が通過した事実を示すかの様に、その穴はゆっくりと広がり続けていた。
「どうだ、参考になったか?」
「な、なってたまるか⋯⋯」
「あぁン? 俺の実演に不満があるってのかよォ~??」
バックチョークを決める様に、アインは俺に抱き着く。
一瞬、締め上げられるのではと警戒した俺だったが、今回は免除された様だ。助かったぜ。
「⋯⋯はぁ。にしても、本当に魔力の差ってデカいんだなぁ」
「ば~か。さっき言ったろ? 『使用する魔力はお前に合わせる』ってな。コレは、技術の差だぜっ」
「ドヤ顔で言うな。コッチの劣等感がヤバすぎるから」
「あァ? ドラゴンの表情筋でドヤ顔なんて出来てんのか?」
「この俺を見ろ。表情豊かだろ?」
グダグダと駄弁(だべ)り、完全回復を持つ。
まぁ大して傷も付いていないし、回復魔法を掛けられる必要もあんま無いんだが。
くっちゃべるのは好きだし、こうしてリラックス出来んなら悪く無いぜ⋯⋯って、ん? なんだ?
なんか、やたらアインが俺の顔を覗いてきてるが⋯⋯
「──お前って、雌か?」
「⋯⋯は? フツーに雄だよ、雄」
「ほぉん? なんか、イケるかもしれねぇ」
「え"っ」
な、なんだって? 今、コイツなんてった?
『イケる』⋯⋯? はて、ドコにいけるんだろうなぁ⋯⋯
なんて、云ってる場合じゃあねえ!
グレイドラゴンの俺って雌っぽいのか?! 前世での俺は中性的だったし、たまに女に間違われる事もあったが!
もしかして、転生者って肉体が変わっても前世の姿の影響を受けるとか!?
⋯⋯はっ! そういえば、前に幼女の力で人の姿になった時も、前世の格好だった気がする!!
ちょ、ちょ待てよ! いや、多様性は大事にしたいけども!
「ちょっと俺に身を委ねろよ~、エェ?」
「や、やめろ! アンタそんな趣味があったのか!?」
「グレイドラゴンの生態の調査だ。知的好奇心ってヤツだぜ」
「ひっ! 股間をケツに打ち付けるなバカっ!」
「ギャハハハハ!」
揉み合いになり、2人で転げ回る。
アナが無くて良かったぜ⋯⋯と言いたい所だが、この光景を誰かに見られたら死ぬ。
こんな、犬の交尾みたいな──
「アインへルム⋯⋯」
「ハッ!?」
「おぉ、魔王サマ。いつからそこに」
いつの間にか居たゼルは、俺達へ視線を送る。
なんかもう、複雑そうな表情だが⋯⋯。コレ、俺まで誤解されてないだろうな?
「いや⋯⋯まぁ、そうだなぁ。好みはそれぞれだもんなぁ。
ウン、邪魔した。俺の事は気にせず、存分に続けてくれ」
「ま、待ってくれ。待ってください、魔王ゼル様! これは、ちょっとした誤解でですね⋯⋯」
その後、日が暮れるまでゼルに説明を繰り返した。
隣のアインがずっとニヤニヤしてせいで、誤解が加速したのは言うまでも無いだろう。
最終的に、『他の連中には言わないでおくから』と俺の肩を叩いたゼルの視線は、深く心に突き刺さったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる