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一章 悪役令嬢のフラグを避けましょう
7歳の誕生日 2
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「おはようございます、お父様、お母様」
「あぁ、おはようスキアー。誕生日おめでとう」
「おはようスキアー、お誕生日おめでとう。7歳になったのね」
はい、と頷いて席に着くと両隣の兄たちが
「誕生日おめでとう、キア!」
「キア。誕生日おめでとう。可愛い君の生まれた日に喜びを覚えるよ」
と語りかけてきた。
「ありがとうございます、お兄様方!」
「・・・おめでとう。スキアー」
「カプ姉様も、ありがとうございます」
いかにも「おもしろくない」と言った顔で口では祝福してくれるカプ姉様。
「さて、スキアーも7歳。来月からは小学校に入る事になるな。勉学に励むのだぞ」
「はい、お父様」
「ドュートゥル家の名誉を傷付けぬよう、精進するのですよ・・・こんな事言わなくとも、スキアーなら大丈夫ですわね」
その母の言葉に兄達が
「当たり前ですよ母上。我らが妹のキアなのですから・・・キア。友を大切にする事だぞ」
「はい、トワ兄様」
「キア、勉強じゃなくてもわからないことあったら何でも教えてあげるよ!!」
「ありがとうございます、アナ兄様」
兄様たちが顔を片手で隠して悶え始めた。
うーん・・・・・・凄いシスコンだなぁ。
「それにしても、キアの入学する小学校は我々とは違うとか?」
「あぁ。ハールヴィン小学校に入学させようと思っているのだよ」
「ええっ!?」
驚きの声を出したのはカプ姉だ。
ハールヴィン学校・・・小中高と合同の国でも最も教養の高い・・・それこそ、次期皇后候補たちや次期国王、次期大臣候補たちが集まる小学校だ。
カプ姉でも、トワ兄様達でも入学できなかった学校。
カプ姉など、以ての外・・・らしい。
「お、お父様!?どうして!?」
「カプリース、スキアーはとても頭が良い。時にはトワイライトと共に書物を解読しているくらいだ。国王様から直々に申し出があったのだよ・・・どうかな、スキアー」
「・・・行ってみます!」
「うむ。よく言ったぞ」
カプ姉は唇を噛んで黙り込んでしまった。
「そんな事より、キア。俺からのプレゼントだ」
「あ、僕からも」
「私達からもよ」
母上と父上からはネックレス、アナ兄様からは香水、トワ兄様からは手袋が贈られて。
とても可愛らしくて、全て寒色と統一性があり・・・侍女たちがプレゼントしてくれた物と合わせたらとても良いかもしれない。
「カプリースは用意できなかったらしい。許してやってくれ」
「いえ、そんな!カプ姉様、大丈夫です、ありがとうございますわ!」
「・・・えぇ、ごめんなさいね」
カプ姉は俯いたまま答えた。
「あぁ、おはようスキアー。誕生日おめでとう」
「おはようスキアー、お誕生日おめでとう。7歳になったのね」
はい、と頷いて席に着くと両隣の兄たちが
「誕生日おめでとう、キア!」
「キア。誕生日おめでとう。可愛い君の生まれた日に喜びを覚えるよ」
と語りかけてきた。
「ありがとうございます、お兄様方!」
「・・・おめでとう。スキアー」
「カプ姉様も、ありがとうございます」
いかにも「おもしろくない」と言った顔で口では祝福してくれるカプ姉様。
「さて、スキアーも7歳。来月からは小学校に入る事になるな。勉学に励むのだぞ」
「はい、お父様」
「ドュートゥル家の名誉を傷付けぬよう、精進するのですよ・・・こんな事言わなくとも、スキアーなら大丈夫ですわね」
その母の言葉に兄達が
「当たり前ですよ母上。我らが妹のキアなのですから・・・キア。友を大切にする事だぞ」
「はい、トワ兄様」
「キア、勉強じゃなくてもわからないことあったら何でも教えてあげるよ!!」
「ありがとうございます、アナ兄様」
兄様たちが顔を片手で隠して悶え始めた。
うーん・・・・・・凄いシスコンだなぁ。
「それにしても、キアの入学する小学校は我々とは違うとか?」
「あぁ。ハールヴィン小学校に入学させようと思っているのだよ」
「ええっ!?」
驚きの声を出したのはカプ姉だ。
ハールヴィン学校・・・小中高と合同の国でも最も教養の高い・・・それこそ、次期皇后候補たちや次期国王、次期大臣候補たちが集まる小学校だ。
カプ姉でも、トワ兄様達でも入学できなかった学校。
カプ姉など、以ての外・・・らしい。
「お、お父様!?どうして!?」
「カプリース、スキアーはとても頭が良い。時にはトワイライトと共に書物を解読しているくらいだ。国王様から直々に申し出があったのだよ・・・どうかな、スキアー」
「・・・行ってみます!」
「うむ。よく言ったぞ」
カプ姉は唇を噛んで黙り込んでしまった。
「そんな事より、キア。俺からのプレゼントだ」
「あ、僕からも」
「私達からもよ」
母上と父上からはネックレス、アナ兄様からは香水、トワ兄様からは手袋が贈られて。
とても可愛らしくて、全て寒色と統一性があり・・・侍女たちがプレゼントしてくれた物と合わせたらとても良いかもしれない。
「カプリースは用意できなかったらしい。許してやってくれ」
「いえ、そんな!カプ姉様、大丈夫です、ありがとうございますわ!」
「・・・えぇ、ごめんなさいね」
カプ姉は俯いたまま答えた。
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