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36. そんな伝承にしか残っていないような高度な魔法を扱えるとでも!?
「もちろん安全面の保証はできないので、色々と試さないといけませんが。
魔力って、このように物にも込められるので」
私は、持っていたハンカチに僅かに魔力を込めて見せます。
見やすいようにわざとぼんやりと発光させると――
「おおー!?」
何故でしょう。
ものすごく驚かれました。
「ひめさま? それ、触っても良いですか?」
好奇心に負けたように、近くで見ていたゴブリンが目を輝かせてそう言いました。
リリーネさんを恐れるようにブヒータさんが全面に押し出されていましたが、今や興味津々の魔族たちが寄ってきて凄まじい密度です。
「良いですけど、そこに込められているのは聖属性の魔力です。
気分が悪くなったらすぐに手放してくださいね」
私の魔力なので大丈夫だとは思いますが、万が一と言うこともあり得ます。
こう前置きしてをしてから、ハンカチを手渡します。
「ひめさま? 何も起こらないですよ?」
「何の効果も込めてないですからね」
きょとんとした表情のゴブリンに、苦笑しながらそう答えます。
ちょんちょん、とつつかれたゴブリンは隣にハンカチを渡し。
何の変哲もない発光するハンカチを、興味深そうにしげしげと眺めています。
「なるほど、魔力を込めたハンカチですか。
なるほど、無事に戦場から帰って来られるようにお手伝いという言葉の意味」
ブヒータさんが、驚愕したような顔でこちらを見ました。
その様子だと伝わったのでしょうか。
私は小さく頷こうとして――
「このハンカチを返すまでは、決して死ぬなと!
ハンカチに込められた魔力は、離れていても魔力はひめさまと常に一緒だと。
ハンカチ、一生の宝にします!」
「なんで、そうなったの!?」
あさっての解釈を自信満々で語られ、思わず全力で突っ込んでしまいました。
とりあえずハンカチは返して欲しい。
「魔力が沢山込められる魔導石に、今日お見せしたような治癒の魔法の効果を込めれば良いと思ったんですよ。
私がわざわざ戦地を訪れなくても、うまく魔導石に魔法を転写できれば、魔法が発動できますからね」
「ま、まさか!?
そんな伝承にしか残っていないような高度な魔法を扱えるとでも!?」
私の提案に、大げさに驚いてくれたのはブヒータさん。
宴会仕込みなんでしょうか、やっぱりノリが良いです。
「そのまさかなんです!」
乗っかるように、私もえっへんと大げさなリアクション。
「癒しの魔法は、幼いころからずっと使ってきた魔法ですからね。
反復練習が欠かせない転写の魔法と、相性はバッチリなんですよ。
任せてください!」
それは使える魔法の少ない私にとって、密かな自慢でした。
ぽかーんとした表情で、ブヒータさんたちがこちらを見つめてきます。
尊敬を通り越え、もはや信奉者を見るような眼差し。
あれ、さっきのは大げさに驚いてくれただけだよね?
何か様子がおかしいことを悟り、
「あ、今日やったのとまったく同じ効果が出るかは分からないですよ。
広範囲に影響する魔法は、試したことないですしね」
と慌ててそう言葉を重ねますが
「いやそんな訳の分からないもの。
普通は試そうとすら思わないだろ……」
ブヒータさんは呆れた様子で、そう呟きました。
――これがアビーを救った、癒しの奇跡か……。
他のゴブリンやオークも、驚きに目を丸くしていました。
ブヒータさんはたちのテンションはうなぎ登り。
「あ、あの……。
何かみなさん勘違いをしていらっしゃるような。
私には正せません、助けてください!」
魔王様には『国の恩人』などと言われ、魔族たちには『癒しの奇跡』などと持ち上げられる。
なにその歴史書に載っていそうな人物。
「フィーネ様……」
『ひめさま……』
アビーとリリーネさんは、呆れたような目でこちらを眺め。
『「手遅れです」』
そう声を揃えて言いました。
解せぬ。
「次来るときは、癒しの魔法を込めた魔導石のサンプルを持ってきますね」
兵士たちのキラキラした眼差しから感じるのはプレッシャー。
これは責任重大ですね。
この後は、魔王様とのお茶会が控えています。
二日酔いで寝込んでいた昨日は、情けない姿を晒してしまいましたからね。
お詫びの意味も込めて、しっかり準備してから向かいたいところ。
結局、私はブヒータさんたちの勘違いを正すことを諦めて魔王城へと戻るのでした。
魔力って、このように物にも込められるので」
私は、持っていたハンカチに僅かに魔力を込めて見せます。
見やすいようにわざとぼんやりと発光させると――
「おおー!?」
何故でしょう。
ものすごく驚かれました。
「ひめさま? それ、触っても良いですか?」
好奇心に負けたように、近くで見ていたゴブリンが目を輝かせてそう言いました。
リリーネさんを恐れるようにブヒータさんが全面に押し出されていましたが、今や興味津々の魔族たちが寄ってきて凄まじい密度です。
「良いですけど、そこに込められているのは聖属性の魔力です。
気分が悪くなったらすぐに手放してくださいね」
私の魔力なので大丈夫だとは思いますが、万が一と言うこともあり得ます。
こう前置きしてをしてから、ハンカチを手渡します。
「ひめさま? 何も起こらないですよ?」
「何の効果も込めてないですからね」
きょとんとした表情のゴブリンに、苦笑しながらそう答えます。
ちょんちょん、とつつかれたゴブリンは隣にハンカチを渡し。
何の変哲もない発光するハンカチを、興味深そうにしげしげと眺めています。
「なるほど、魔力を込めたハンカチですか。
なるほど、無事に戦場から帰って来られるようにお手伝いという言葉の意味」
ブヒータさんが、驚愕したような顔でこちらを見ました。
その様子だと伝わったのでしょうか。
私は小さく頷こうとして――
「このハンカチを返すまでは、決して死ぬなと!
ハンカチに込められた魔力は、離れていても魔力はひめさまと常に一緒だと。
ハンカチ、一生の宝にします!」
「なんで、そうなったの!?」
あさっての解釈を自信満々で語られ、思わず全力で突っ込んでしまいました。
とりあえずハンカチは返して欲しい。
「魔力が沢山込められる魔導石に、今日お見せしたような治癒の魔法の効果を込めれば良いと思ったんですよ。
私がわざわざ戦地を訪れなくても、うまく魔導石に魔法を転写できれば、魔法が発動できますからね」
「ま、まさか!?
そんな伝承にしか残っていないような高度な魔法を扱えるとでも!?」
私の提案に、大げさに驚いてくれたのはブヒータさん。
宴会仕込みなんでしょうか、やっぱりノリが良いです。
「そのまさかなんです!」
乗っかるように、私もえっへんと大げさなリアクション。
「癒しの魔法は、幼いころからずっと使ってきた魔法ですからね。
反復練習が欠かせない転写の魔法と、相性はバッチリなんですよ。
任せてください!」
それは使える魔法の少ない私にとって、密かな自慢でした。
ぽかーんとした表情で、ブヒータさんたちがこちらを見つめてきます。
尊敬を通り越え、もはや信奉者を見るような眼差し。
あれ、さっきのは大げさに驚いてくれただけだよね?
何か様子がおかしいことを悟り、
「あ、今日やったのとまったく同じ効果が出るかは分からないですよ。
広範囲に影響する魔法は、試したことないですしね」
と慌ててそう言葉を重ねますが
「いやそんな訳の分からないもの。
普通は試そうとすら思わないだろ……」
ブヒータさんは呆れた様子で、そう呟きました。
――これがアビーを救った、癒しの奇跡か……。
他のゴブリンやオークも、驚きに目を丸くしていました。
ブヒータさんはたちのテンションはうなぎ登り。
「あ、あの……。
何かみなさん勘違いをしていらっしゃるような。
私には正せません、助けてください!」
魔王様には『国の恩人』などと言われ、魔族たちには『癒しの奇跡』などと持ち上げられる。
なにその歴史書に載っていそうな人物。
「フィーネ様……」
『ひめさま……』
アビーとリリーネさんは、呆れたような目でこちらを眺め。
『「手遅れです」』
そう声を揃えて言いました。
解せぬ。
「次来るときは、癒しの魔法を込めた魔導石のサンプルを持ってきますね」
兵士たちのキラキラした眼差しから感じるのはプレッシャー。
これは責任重大ですね。
この後は、魔王様とのお茶会が控えています。
二日酔いで寝込んでいた昨日は、情けない姿を晒してしまいましたからね。
お詫びの意味も込めて、しっかり準備してから向かいたいところ。
結局、私はブヒータさんたちの勘違いを正すことを諦めて魔王城へと戻るのでした。
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