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4.行政大学校イベント編
14.幼女のテレはなかなか乙なものだとわかることのススメ
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『あ奴は、ダメージが蓄積しすぎ、この世界で存在を保っていられなくなったようじゃ。それにしても先ほどの魔法はなんじゃ!我の本体の魔素を大量に使ってからに!!』
『新しく開発した電撃高熱魔法だよ。そうだな。名前は「アーク」にしようかな。昔「フレア」を開発した時に、地面が熱で溶けてしまったのを覚えてないか?その後、地面が固まったのちに電撃魔法を通したら、理由はわからなかったけど、すごくよく電撃が流れて、眩しいくらいの光と高熱と火花を発したのを思い出したんだよ。これは使えると思って、電撃魔法の魔素を、溶岩から作った剣に蓄えて、それをアモンに突き刺し、一気に電撃を流したら、予想通り、熱と光が信じられないほど増幅したというわけだよ』
『熱は「フレア」よりもでていたように感じたぞ。主殿よ』
そこまで高熱になるとは思っていなかったけど、新しい電撃兼高熱魔法が完成したのでよしとしよう。新魔法「アーク」の考察は後回しで、急ぎシルフェさんたちの後を追わないと。
探知魔法で、シルフェさんたちの気配を探る。
『やばい!シルフェさんが虫の息だ。第三王女専属護衛騎士は既にやられている。トビアスも交戦中みたいだ』
俺は急ぎ、お気に入りの黒ローブと顔を隠すためのマスクを、エクスの亞空間から取り出し、王都の地下組織「ノーフェイス」の一員ように偽装し、転移魔法でシルフェさんの元へ向かう。
転移先の目の前には、第三王女専属護衛騎士の死体が仰向けに転がっていた。
金属製の鎧の胸の部分が陥没しており、顔面を強打されたようでつぶされており、頭部が破裂し、脳漿で地面が濡れていた。
その近くにシルフェさんも虫の息で仰向けに倒れていた。
俺は、シルファさんに近づく。そして、シルフェさんの無惨な姿に衝撃を受ける。
シルフェさんは、辛うじて息をしているという状態だった。
彼女も強力な打撃を全身に受けたのだろう。
右腕を折られ、細腕が4倍ぐらいにはれ上がっていた。
左手も魔法を封じるためか潰されており、手のひらが血まみれで薬指だけがピクピク動いていた。
護衛騎士同様、シルフェさんも顔面を強打で潰され、鼻骨と前歯全部がおられ、顔が判別できないほどはれ上がっていた。俺は魔素でシルフェさんだと判別できたけど、見た目だけだったら、誰かわからないぐらいだ。
追手たちの狙いは第三王女だろう。
すでに虫の息だし、とどめを刺すのは時間が惜しく、彼女の右足も折れており、追跡を邪魔をされないという判断で運良く見逃してもらえたようだ。
やばい。俺の呼吸が早くなってきた。
落ち着け。
無惨なシルフェさんの姿をみたことからくる怒りとシルフェさんが今にも死んでしまいそうな焦りから頭が真っ白になる。
『落ち着くのじゃ。主殿。主殿ではなかったら、この娘っ子は助からんし、仮に一命をとりとめたとしても、顔は潰され歪んで醜いままじゃ。しかも一生寝たきりじゃぞ。そうしないために主殿がしっかりせねばなるまい。とにかく落ち着くのじゃ』
エクスに諭され、深呼吸をして、なんとか、怒りや悲しみなどのいろいろな感情を抑え込んだ。
とにかく、シルフェさんを助けなくてはならない。
傷が深すぎて、回復魔法では効果が期待できないため、まずは、シルフェさんの魔素に干渉し、心臓の鼓動をとめないように処置する。左手をシルフェさんの胸の上にのせて、俺の魔素をシルフェさんの体内に浸透させる。そして、シルフェさんの魔素の形質転換を促す。自身の魔素で回復できるよう魔素の形質を変え、鼓動を安定させる。
次にシルファさんの身体中に俺の魔素を循環させ、内臓の損傷を修復する。右の肋骨の半分以上が折られているため、ある程度まで修復する。急ぎ命に別状がないところまで直さないと。
それと、顔が変形したままだと、乙女には死ぬほど辛いだろうと思い、パンパンに腫れている顔も回復させる。俺は、周囲に探知魔法を展開し、彼女の折れた歯をすべて見つけ出す。魔法で無から新たな物質はつくれないので、折れた歯を結合させて元の状態に戻す。
同様に鼻骨や陥没している頬の骨も元の状態に戻し、顔の腫れを引かせ顔の修復も完了。
あとは、左手の甲の粉砕骨折は今直しておかないと握力が一生戻らなくなってしまうかもしれない。
『主殿よ。王女っ娘についているトビアスという小僧も危うそうだぞ』
『今はまだここを離れられない。どうするか?』
『仕方がないのう。また我の本体の魔素を少し使うしかない。この貸しは少し高いぞ』
『甘味を全部で半年分、毎日進呈させていただきます』
『んいや。甘味の話じゃが、そこまで甘くはないぞ。一年分、毎日じゃ』
『9か月分、毎日』
『クフフ。致し方ないのう。そのあたりで妥協しておくかのう』
本体の備蓄魔素を削ってまで、助けてくれてありがとうエクス。大好きだよ。
『面と向かって言われると照れるぞ。主殿よ』
魔法様でも照れるんだな、と6年以上一緒にいるエクスの意外な一面をみれて新鮮な気持ちになった。
『新しく開発した電撃高熱魔法だよ。そうだな。名前は「アーク」にしようかな。昔「フレア」を開発した時に、地面が熱で溶けてしまったのを覚えてないか?その後、地面が固まったのちに電撃魔法を通したら、理由はわからなかったけど、すごくよく電撃が流れて、眩しいくらいの光と高熱と火花を発したのを思い出したんだよ。これは使えると思って、電撃魔法の魔素を、溶岩から作った剣に蓄えて、それをアモンに突き刺し、一気に電撃を流したら、予想通り、熱と光が信じられないほど増幅したというわけだよ』
『熱は「フレア」よりもでていたように感じたぞ。主殿よ』
そこまで高熱になるとは思っていなかったけど、新しい電撃兼高熱魔法が完成したのでよしとしよう。新魔法「アーク」の考察は後回しで、急ぎシルフェさんたちの後を追わないと。
探知魔法で、シルフェさんたちの気配を探る。
『やばい!シルフェさんが虫の息だ。第三王女専属護衛騎士は既にやられている。トビアスも交戦中みたいだ』
俺は急ぎ、お気に入りの黒ローブと顔を隠すためのマスクを、エクスの亞空間から取り出し、王都の地下組織「ノーフェイス」の一員ように偽装し、転移魔法でシルフェさんの元へ向かう。
転移先の目の前には、第三王女専属護衛騎士の死体が仰向けに転がっていた。
金属製の鎧の胸の部分が陥没しており、顔面を強打されたようでつぶされており、頭部が破裂し、脳漿で地面が濡れていた。
その近くにシルフェさんも虫の息で仰向けに倒れていた。
俺は、シルファさんに近づく。そして、シルフェさんの無惨な姿に衝撃を受ける。
シルフェさんは、辛うじて息をしているという状態だった。
彼女も強力な打撃を全身に受けたのだろう。
右腕を折られ、細腕が4倍ぐらいにはれ上がっていた。
左手も魔法を封じるためか潰されており、手のひらが血まみれで薬指だけがピクピク動いていた。
護衛騎士同様、シルフェさんも顔面を強打で潰され、鼻骨と前歯全部がおられ、顔が判別できないほどはれ上がっていた。俺は魔素でシルフェさんだと判別できたけど、見た目だけだったら、誰かわからないぐらいだ。
追手たちの狙いは第三王女だろう。
すでに虫の息だし、とどめを刺すのは時間が惜しく、彼女の右足も折れており、追跡を邪魔をされないという判断で運良く見逃してもらえたようだ。
やばい。俺の呼吸が早くなってきた。
落ち着け。
無惨なシルフェさんの姿をみたことからくる怒りとシルフェさんが今にも死んでしまいそうな焦りから頭が真っ白になる。
『落ち着くのじゃ。主殿。主殿ではなかったら、この娘っ子は助からんし、仮に一命をとりとめたとしても、顔は潰され歪んで醜いままじゃ。しかも一生寝たきりじゃぞ。そうしないために主殿がしっかりせねばなるまい。とにかく落ち着くのじゃ』
エクスに諭され、深呼吸をして、なんとか、怒りや悲しみなどのいろいろな感情を抑え込んだ。
とにかく、シルフェさんを助けなくてはならない。
傷が深すぎて、回復魔法では効果が期待できないため、まずは、シルフェさんの魔素に干渉し、心臓の鼓動をとめないように処置する。左手をシルフェさんの胸の上にのせて、俺の魔素をシルフェさんの体内に浸透させる。そして、シルフェさんの魔素の形質転換を促す。自身の魔素で回復できるよう魔素の形質を変え、鼓動を安定させる。
次にシルファさんの身体中に俺の魔素を循環させ、内臓の損傷を修復する。右の肋骨の半分以上が折られているため、ある程度まで修復する。急ぎ命に別状がないところまで直さないと。
それと、顔が変形したままだと、乙女には死ぬほど辛いだろうと思い、パンパンに腫れている顔も回復させる。俺は、周囲に探知魔法を展開し、彼女の折れた歯をすべて見つけ出す。魔法で無から新たな物質はつくれないので、折れた歯を結合させて元の状態に戻す。
同様に鼻骨や陥没している頬の骨も元の状態に戻し、顔の腫れを引かせ顔の修復も完了。
あとは、左手の甲の粉砕骨折は今直しておかないと握力が一生戻らなくなってしまうかもしれない。
『主殿よ。王女っ娘についているトビアスという小僧も危うそうだぞ』
『今はまだここを離れられない。どうするか?』
『仕方がないのう。また我の本体の魔素を少し使うしかない。この貸しは少し高いぞ』
『甘味を全部で半年分、毎日進呈させていただきます』
『んいや。甘味の話じゃが、そこまで甘くはないぞ。一年分、毎日じゃ』
『9か月分、毎日』
『クフフ。致し方ないのう。そのあたりで妥協しておくかのう』
本体の備蓄魔素を削ってまで、助けてくれてありがとうエクス。大好きだよ。
『面と向かって言われると照れるぞ。主殿よ』
魔法様でも照れるんだな、と6年以上一緒にいるエクスの意外な一面をみれて新鮮な気持ちになった。
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