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41話
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哀留side
さて、と。
あまり時間も無いことだしと、手短にせっちゃん達に俺の作戦を伝える。
「さっきのルール変更!あれだと、皆川先輩は多分、向こうかこっちの陣地に来ると思うんだよ………捕まってる逃走者達の解放に」
捕まっている奴等の解放。
それが出来るからこそのルール変更だろうし、面白いことが好きな皆川先輩の楽しみだろうし。
……せっかく捕まえたのに、それを急遽解放可ってさ、ただのドエスだよな…
遠い目をし出した俺に、カナたんの声がかかる。
「それが一番確率高いですね…。で、どうするんです?」
まさか、ただ守りに入るわけではないでしょう?
と、挑戦的に言ってくるカナたんに俺も好戦的になる。
「もっちろん!守るだけなんてつまらんっしょ!そこで、魔王には勇者をぶつけようってんだよ!」
フフンっと自信満々に言ったけども、その場は静まり返った。
……ん?拍手はないのかね?
いやいや、「うわ、何言ってんだコイツ…」って冷えた視線はいらないって。
寄越すなら、キラキラした「流石です!哀留様っ!」って視線と拍手がほしい。
…………
…
「…で、どうするんです?」
「…そうだな、」
ヲイ。
何仕切り直してんだよ。
まるで、俺の台詞とドヤ顔が無かったかのように、スルッと無視して話てんじゃねーよ。
俺をスルーしやがったカナたんと蓮を指さし、
「ちょっと、あれおかしくね?」
と、せっちゃんに言ったら。
「てめぇがな」
と、真顔で言われた。
真顔、よくない!!
ダメージくるよ、心にダメージがっ!!
こんな所で負けるな、哀留!!!
挫けそうになってる自分を奮い立たせる。
俺はやれば出来る子!
「ちっくしょう…
魔王の皆川先輩に、勇者である小猿くんをぶつけて付きまとわせて、皆川先輩を足止めしている間に逃走者を捕まえようー……っていう、なんとも素敵かつ成功率高い作戦があるっていうのに…何なんだよお前らは、マジイジメ反対!!」
その上、さっきの松江の放送から裏技的な事を気づいたってのに…何なんだよ、もう!!!
もう、俺泣いちゃ「なぜそれを早く言わない…?」
ガシッと頭を掴まれた…
わし掴みにされた……
あれ?ちょっと待とうか。
痛いよ?
ちょっと、ギチギチ鳴ってるよ?
「ちょ、待て待t「で?あのくそ猿をどうやって皆川にぶつけんだ?」
「それに、裏技的なの…とは、何です?」
おっかしいなー?
俺がいじめられてんのに、せっちゃんとカナたんの会話が普通に聞こえるぞ?
てかさ、
「おら、さっさとはけ」
頭を掴みながらぐらぐらと揺らす君は…、やはり蓮君かね。
いやだわ、手の大きさとか力加減とかで誰に掴まれてるとか分かってきちゃったわ。
…おま、どんだけ頭掴まれてんだ…?!って疑問は口にしちゃいけません!
飲み込んで!
と、こんな事を心のなかで俺が語っている間も、頭をぐらぐらと揺すられてます。
せめて人にものを尋ねるときは、頭掴むのよそうよ?
視界が暗くて(手のひらで)、意味が分かりません。
どうせここで、「はなせよー!」とか言ってると更に握り潰されそうな気がするので、このまま話を進めようかと思います。
俺も学習するんです…!!(ドヤ)
…悲しいかな、顔面に手のひらフィットしていて俺のドヤ顔が公に晒されなかった…!!
「…えっとですねー…」
(?声のトーンが下がりましたね)
(…しっかし、よくあの体勢で普通に話せんな)
(…手、疲れたな)
テンションだだ下がりした俺は、カナたん、せっちゃん、蓮がこの時何を思っていたか知らなかった。
そして、何だが頭の手も離れた…!
やったね!
…さて、頭上の邪魔物も去った事だし話の続きを。
俺が考えたのは、こうだ。
先ずは皆川先輩を止めねばならない。
だがしかし、あの人をそう簡単に足止め出来るはずがない!
出来たとしても人員を割くだろうし、どれだけ足止め出来るか…
そこで考えたのが、小猿くんをその足止めに使おうって訳だ。
小猿くんのあのしつこさ!美形への執念!ムダな強い力!迷惑な大声!おだてりゃ乗ってくるであろう、単純そうな性格!
…悪口じゃないよ?
俺の見解だよ?
ごほん。
で、そんな小猿くんを皆川先輩に絡ませれば、大分時間はかせげると思うんだ!
あわよくば、小猿くんに付きまとってる生徒会の奴等もそこに巻き込んで、向こうの戦力を削ぐ!
その間に、俺らは逃走者を狩れば良いって事で…
「…なるほど、それならば皆川さんを足止め出来る確率が高いですね」
「あの猿も役立つもんだな」
人通り作戦を話すと、カナたんとせっちゃんの納得した声が聞こえた。
うん、結構良い作戦だと思う。
…だけど、
「でも、ここで1つだけ問題が」
ピッと人差し指を立てると、蓮が眉間にシワを寄せた。
まぁ、問題ってほど大袈裟でもないけどさ…。
そう、へらっと前置きをして、
「その小猿くんを皆川先輩に絡ませるために、小猿くんと接触してお膳立てをする奴が居ないとなー…って!」
あっはは~と、笑いながら言ったら。
その場が、しーんとなった。
…あれ?
「…くそ猿と接触、だと?」
「皆川さんだけでも大変だというのに、」
「…一番の問題じゃねぇか」
3人が一気に殺気をだし始めた。
何故に?!
いや、小猿くんに自ら会いに行くのは、そりゃあ嫌だろうけど。
でも、小猿くんをその気にさせて皆川先輩に接触させなきゃ、この作戦の意味がない。
「そこはもうしょうがないから、我慢しろって!」
もうっ!って腰に手をあてて3人を見回すと、蓮に怪訝な顔をされた。
「…あ?何でお前はそう楽観的なんだ?」
「だって、俺関係ないし」
「「「は?」」」
「?!」
3人に、一気に見られた。
ビックリしたー…!!
てか、なんでお前らはそんなに驚くんだ?
「俺なんか平凡+敵対してる奴が小猿くんに何言ってもダメだろ?
そこは、お前らイケメンの誰かが行けよ」
と、すごく当たり前の事を言ったのに……
「あ゛?てめぇふざけてんのか?」
「面白いこと言いますねー」
「哀留のくせに、何上からモノ言ってんだ?ん?」
せっちゃんには、凶悪な顔をされドスを聞かされ。
カナたんからは、口は笑ってるけど目が笑ってない視線を寄越され。
蓮からは、舌打ちされおもいっきり見下された…
ちょ、ちょっと待とうか君ら!
「え、ちょっとこの雰囲気待ってよ。話聞いてた?俺じゃあ、イケメン好きな小猿くんを誘導出来ないから、イケメンの君らにその役目を言ってんだぞ?むしろ、イケメンのお前らを讃えてんだぞ?
わかるか?俺は、自らを平凡でこの作戦では使えないからって言って……ちっくしょう!!自分で自分を蔑ろにするだなんて、悲しすぎる…!!
この涙の分までお前らに託す!
生きろ!お前らは美しい…!!」
グッと拳を握りしめ、訴え、「それじゃあ、制限時間まで生きろよ!」と、涙ながらにその場を去ろうt…「ヲイコラ、待てや…!!」
………ちっ←
流石は友人。
捲し立ててフェードアウト出来るかと思ったが、目敏く気づきやがった。
もう少しで離脱…ごほん。
責任転換…げふん。
逃げれ……うん、逃げれるはずだったのに、走り出す寸前で蓮に捕獲された。
せっちゃんとカナたんは、俺のあまりの力強い力説に納得しかけていたというのに…!←ただ捲し立てられて圧されていただけ
「いや、マジでさ。その役目が面倒とか嫌だとか言うわけではなく…「面倒で嫌なんだな」………俺には荷が重いし小猿くんの性格を考慮して、成功確率が低いから言ってるだけであって…」
あーだこーだと正論を言ってるのに、何だが蓮は聞き入れてくれない。
えー……
えー…って顔をして蓮を見上げると、
「…確かに、お前が言ってるのも分かる。が、こういうのは口が上手く相手を言いくるめれる奴が行くべきだ。それはお前しか居ない…お前だったら、あの猿もあの人も操れるだろ?」
何て言ったって、俺達の委員長なんだからー…
と、酷く真剣な顔で言われた。
……蓮、そこまで俺を評価してくれてんのか…
「…で、その心は?」
「お前が猿の方へ行け。
俺たちはその屍の上を行く」
やっぱりか…!!!!!
じゃ、そういう作戦で。
そうですね。
行くか。
俺が一瞬でも打ちひしがれていた瞬間に、3人は普段ではあり得ないアイコンタクトを取り頷き、一斉に走り出していった。
…走り出していった?!
「ちょ!マジかお前らぁぁぁぁぁぁ!!!?」
「生きてまた会いましょう!」
「任せたぞ、チビ!」
「お前はやれば出来る子だ(棒読み)」
「いっやぁぁぁぁあぁあ?!!」
カナたん、せっちゃん、蓮の順で贈られた声援に、俺はその場で膝をついた。
ちくしょう!!
この作戦は俺が論外だからと…自分に被害が来ないからと楽観的に考えたのに!!
まんまと、自らの作に嵌まったわ…!!
「…おのれー……!」
こうなったら、この恨み小猿くんと皆川先輩にぶつけるしかない!
え、自分で考えたのが悪くね?って空耳は空耳のままにして、俺は立ち上がった。
あ、そういえば裏技的なのを皆に言うの忘れてた。
…いいや、後でギャフンと言わせてやる!
とりあえず、その裏技的なので必要なものをゲットしに行きつつ、小猿くん達の方の陣地に行こうと思います!
急げ、俺!!
あ、因みにうちの陣地にいた逃走者達は冒頭前に全員、せっちゃん達があの世……
あ、間違った。夢の世界に旅立たせ(気絶させ)その辺りの草木に転がし隠してます!←
本当、あいつら容赦ないよなー…←それを止めずに、ただ見てた人
哀留side end
皆川side
ザッザッと、俺が歩く音に混じり微かに他者の足音も聞こえる。
唯達と別れてから着いてきて居たのは気づいていたが、俺は振り返らずとりあえず足を進めていた。
…そろそろ良いか…
ザッと、歩みを止めると他者の足音も止まる。
「…何か用か?」
ソイツが居るであろう方に向き、声をかける。
…声はかけたが、素直に出てくるとは思ってなかった…が、
「……お前か」
「…久し振り、かな?」
見知った奴が現れた。
お互い公で会える間柄ではなく、そうそう会うような関係性でもない。
お互いの存在は知っていて、利害が一致するときは協力するくらい。
実を言えば、今回のこの勝負もコイツに掛け合って実現した部分もある。
(流石の俺でも、学園を巻き込んでの事を1人で出来るわけがない。それなりの権力者の協力が必要だった)
そこで、ふと。
普段はその身を隠すように振る舞っているコイツが、この場に居る事に疑問を持った。
そう問えば、
「…あぁ。少し、な」
と、相変わらずの儚さで笑んだ。
コイツの事情も、立場も少しは知っているからな…
…大方、気になったんだろう。
そして、最初から長居はするつもりは無かったんだろう。
それじゃあな、と。ソイツは身を振り返り…
「あぁ、そうだ。
くれぐれも、無茶はしないでくれよ…
お前はお遊びが過ぎるからな、」
と。
そう言い残し、ソイツは「自分の持ち場に戻る」と、今度こそ去っていった。
…俺に対しての言葉…、だけではないだろう。含みが読み取れる。
俺はそれに「はいはい」と、その背にお座なりに答えた。
しっかし、
「それだけを言いに追ってきたなんて、随分と暇人なんだな」
否。
それほど大切…なんだろう。
なんだかな…と、おもわずため息をひとつ吐き出した。
皆川side end
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さて、と。
あまり時間も無いことだしと、手短にせっちゃん達に俺の作戦を伝える。
「さっきのルール変更!あれだと、皆川先輩は多分、向こうかこっちの陣地に来ると思うんだよ………捕まってる逃走者達の解放に」
捕まっている奴等の解放。
それが出来るからこそのルール変更だろうし、面白いことが好きな皆川先輩の楽しみだろうし。
……せっかく捕まえたのに、それを急遽解放可ってさ、ただのドエスだよな…
遠い目をし出した俺に、カナたんの声がかかる。
「それが一番確率高いですね…。で、どうするんです?」
まさか、ただ守りに入るわけではないでしょう?
と、挑戦的に言ってくるカナたんに俺も好戦的になる。
「もっちろん!守るだけなんてつまらんっしょ!そこで、魔王には勇者をぶつけようってんだよ!」
フフンっと自信満々に言ったけども、その場は静まり返った。
……ん?拍手はないのかね?
いやいや、「うわ、何言ってんだコイツ…」って冷えた視線はいらないって。
寄越すなら、キラキラした「流石です!哀留様っ!」って視線と拍手がほしい。
…………
…
「…で、どうするんです?」
「…そうだな、」
ヲイ。
何仕切り直してんだよ。
まるで、俺の台詞とドヤ顔が無かったかのように、スルッと無視して話てんじゃねーよ。
俺をスルーしやがったカナたんと蓮を指さし、
「ちょっと、あれおかしくね?」
と、せっちゃんに言ったら。
「てめぇがな」
と、真顔で言われた。
真顔、よくない!!
ダメージくるよ、心にダメージがっ!!
こんな所で負けるな、哀留!!!
挫けそうになってる自分を奮い立たせる。
俺はやれば出来る子!
「ちっくしょう…
魔王の皆川先輩に、勇者である小猿くんをぶつけて付きまとわせて、皆川先輩を足止めしている間に逃走者を捕まえようー……っていう、なんとも素敵かつ成功率高い作戦があるっていうのに…何なんだよお前らは、マジイジメ反対!!」
その上、さっきの松江の放送から裏技的な事を気づいたってのに…何なんだよ、もう!!!
もう、俺泣いちゃ「なぜそれを早く言わない…?」
ガシッと頭を掴まれた…
わし掴みにされた……
あれ?ちょっと待とうか。
痛いよ?
ちょっと、ギチギチ鳴ってるよ?
「ちょ、待て待t「で?あのくそ猿をどうやって皆川にぶつけんだ?」
「それに、裏技的なの…とは、何です?」
おっかしいなー?
俺がいじめられてんのに、せっちゃんとカナたんの会話が普通に聞こえるぞ?
てかさ、
「おら、さっさとはけ」
頭を掴みながらぐらぐらと揺らす君は…、やはり蓮君かね。
いやだわ、手の大きさとか力加減とかで誰に掴まれてるとか分かってきちゃったわ。
…おま、どんだけ頭掴まれてんだ…?!って疑問は口にしちゃいけません!
飲み込んで!
と、こんな事を心のなかで俺が語っている間も、頭をぐらぐらと揺すられてます。
せめて人にものを尋ねるときは、頭掴むのよそうよ?
視界が暗くて(手のひらで)、意味が分かりません。
どうせここで、「はなせよー!」とか言ってると更に握り潰されそうな気がするので、このまま話を進めようかと思います。
俺も学習するんです…!!(ドヤ)
…悲しいかな、顔面に手のひらフィットしていて俺のドヤ顔が公に晒されなかった…!!
「…えっとですねー…」
(?声のトーンが下がりましたね)
(…しっかし、よくあの体勢で普通に話せんな)
(…手、疲れたな)
テンションだだ下がりした俺は、カナたん、せっちゃん、蓮がこの時何を思っていたか知らなかった。
そして、何だが頭の手も離れた…!
やったね!
…さて、頭上の邪魔物も去った事だし話の続きを。
俺が考えたのは、こうだ。
先ずは皆川先輩を止めねばならない。
だがしかし、あの人をそう簡単に足止め出来るはずがない!
出来たとしても人員を割くだろうし、どれだけ足止め出来るか…
そこで考えたのが、小猿くんをその足止めに使おうって訳だ。
小猿くんのあのしつこさ!美形への執念!ムダな強い力!迷惑な大声!おだてりゃ乗ってくるであろう、単純そうな性格!
…悪口じゃないよ?
俺の見解だよ?
ごほん。
で、そんな小猿くんを皆川先輩に絡ませれば、大分時間はかせげると思うんだ!
あわよくば、小猿くんに付きまとってる生徒会の奴等もそこに巻き込んで、向こうの戦力を削ぐ!
その間に、俺らは逃走者を狩れば良いって事で…
「…なるほど、それならば皆川さんを足止め出来る確率が高いですね」
「あの猿も役立つもんだな」
人通り作戦を話すと、カナたんとせっちゃんの納得した声が聞こえた。
うん、結構良い作戦だと思う。
…だけど、
「でも、ここで1つだけ問題が」
ピッと人差し指を立てると、蓮が眉間にシワを寄せた。
まぁ、問題ってほど大袈裟でもないけどさ…。
そう、へらっと前置きをして、
「その小猿くんを皆川先輩に絡ませるために、小猿くんと接触してお膳立てをする奴が居ないとなー…って!」
あっはは~と、笑いながら言ったら。
その場が、しーんとなった。
…あれ?
「…くそ猿と接触、だと?」
「皆川さんだけでも大変だというのに、」
「…一番の問題じゃねぇか」
3人が一気に殺気をだし始めた。
何故に?!
いや、小猿くんに自ら会いに行くのは、そりゃあ嫌だろうけど。
でも、小猿くんをその気にさせて皆川先輩に接触させなきゃ、この作戦の意味がない。
「そこはもうしょうがないから、我慢しろって!」
もうっ!って腰に手をあてて3人を見回すと、蓮に怪訝な顔をされた。
「…あ?何でお前はそう楽観的なんだ?」
「だって、俺関係ないし」
「「「は?」」」
「?!」
3人に、一気に見られた。
ビックリしたー…!!
てか、なんでお前らはそんなに驚くんだ?
「俺なんか平凡+敵対してる奴が小猿くんに何言ってもダメだろ?
そこは、お前らイケメンの誰かが行けよ」
と、すごく当たり前の事を言ったのに……
「あ゛?てめぇふざけてんのか?」
「面白いこと言いますねー」
「哀留のくせに、何上からモノ言ってんだ?ん?」
せっちゃんには、凶悪な顔をされドスを聞かされ。
カナたんからは、口は笑ってるけど目が笑ってない視線を寄越され。
蓮からは、舌打ちされおもいっきり見下された…
ちょ、ちょっと待とうか君ら!
「え、ちょっとこの雰囲気待ってよ。話聞いてた?俺じゃあ、イケメン好きな小猿くんを誘導出来ないから、イケメンの君らにその役目を言ってんだぞ?むしろ、イケメンのお前らを讃えてんだぞ?
わかるか?俺は、自らを平凡でこの作戦では使えないからって言って……ちっくしょう!!自分で自分を蔑ろにするだなんて、悲しすぎる…!!
この涙の分までお前らに託す!
生きろ!お前らは美しい…!!」
グッと拳を握りしめ、訴え、「それじゃあ、制限時間まで生きろよ!」と、涙ながらにその場を去ろうt…「ヲイコラ、待てや…!!」
………ちっ←
流石は友人。
捲し立ててフェードアウト出来るかと思ったが、目敏く気づきやがった。
もう少しで離脱…ごほん。
責任転換…げふん。
逃げれ……うん、逃げれるはずだったのに、走り出す寸前で蓮に捕獲された。
せっちゃんとカナたんは、俺のあまりの力強い力説に納得しかけていたというのに…!←ただ捲し立てられて圧されていただけ
「いや、マジでさ。その役目が面倒とか嫌だとか言うわけではなく…「面倒で嫌なんだな」………俺には荷が重いし小猿くんの性格を考慮して、成功確率が低いから言ってるだけであって…」
あーだこーだと正論を言ってるのに、何だが蓮は聞き入れてくれない。
えー……
えー…って顔をして蓮を見上げると、
「…確かに、お前が言ってるのも分かる。が、こういうのは口が上手く相手を言いくるめれる奴が行くべきだ。それはお前しか居ない…お前だったら、あの猿もあの人も操れるだろ?」
何て言ったって、俺達の委員長なんだからー…
と、酷く真剣な顔で言われた。
……蓮、そこまで俺を評価してくれてんのか…
「…で、その心は?」
「お前が猿の方へ行け。
俺たちはその屍の上を行く」
やっぱりか…!!!!!
じゃ、そういう作戦で。
そうですね。
行くか。
俺が一瞬でも打ちひしがれていた瞬間に、3人は普段ではあり得ないアイコンタクトを取り頷き、一斉に走り出していった。
…走り出していった?!
「ちょ!マジかお前らぁぁぁぁぁぁ!!!?」
「生きてまた会いましょう!」
「任せたぞ、チビ!」
「お前はやれば出来る子だ(棒読み)」
「いっやぁぁぁぁあぁあ?!!」
カナたん、せっちゃん、蓮の順で贈られた声援に、俺はその場で膝をついた。
ちくしょう!!
この作戦は俺が論外だからと…自分に被害が来ないからと楽観的に考えたのに!!
まんまと、自らの作に嵌まったわ…!!
「…おのれー……!」
こうなったら、この恨み小猿くんと皆川先輩にぶつけるしかない!
え、自分で考えたのが悪くね?って空耳は空耳のままにして、俺は立ち上がった。
あ、そういえば裏技的なのを皆に言うの忘れてた。
…いいや、後でギャフンと言わせてやる!
とりあえず、その裏技的なので必要なものをゲットしに行きつつ、小猿くん達の方の陣地に行こうと思います!
急げ、俺!!
あ、因みにうちの陣地にいた逃走者達は冒頭前に全員、せっちゃん達があの世……
あ、間違った。夢の世界に旅立たせ(気絶させ)その辺りの草木に転がし隠してます!←
本当、あいつら容赦ないよなー…←それを止めずに、ただ見てた人
哀留side end
皆川side
ザッザッと、俺が歩く音に混じり微かに他者の足音も聞こえる。
唯達と別れてから着いてきて居たのは気づいていたが、俺は振り返らずとりあえず足を進めていた。
…そろそろ良いか…
ザッと、歩みを止めると他者の足音も止まる。
「…何か用か?」
ソイツが居るであろう方に向き、声をかける。
…声はかけたが、素直に出てくるとは思ってなかった…が、
「……お前か」
「…久し振り、かな?」
見知った奴が現れた。
お互い公で会える間柄ではなく、そうそう会うような関係性でもない。
お互いの存在は知っていて、利害が一致するときは協力するくらい。
実を言えば、今回のこの勝負もコイツに掛け合って実現した部分もある。
(流石の俺でも、学園を巻き込んでの事を1人で出来るわけがない。それなりの権力者の協力が必要だった)
そこで、ふと。
普段はその身を隠すように振る舞っているコイツが、この場に居る事に疑問を持った。
そう問えば、
「…あぁ。少し、な」
と、相変わらずの儚さで笑んだ。
コイツの事情も、立場も少しは知っているからな…
…大方、気になったんだろう。
そして、最初から長居はするつもりは無かったんだろう。
それじゃあな、と。ソイツは身を振り返り…
「あぁ、そうだ。
くれぐれも、無茶はしないでくれよ…
お前はお遊びが過ぎるからな、」
と。
そう言い残し、ソイツは「自分の持ち場に戻る」と、今度こそ去っていった。
…俺に対しての言葉…、だけではないだろう。含みが読み取れる。
俺はそれに「はいはい」と、その背にお座なりに答えた。
しっかし、
「それだけを言いに追ってきたなんて、随分と暇人なんだな」
否。
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なんだかな…と、おもわずため息をひとつ吐き出した。
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