三人の精霊と俺の契約事情

望月 まーゆ

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三人の精霊と光の精霊の書

皇子と光の精霊④

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 けたたましい爆音とともに城門が開く。


  開くと同時に一斉にキャットハンズの兵士達が飛び出す。

  その余りの速さにクルセイダーズ達は何が起こったか分からずにバタバタと倒されて行く。

  クルセイダーズ達はたまらず魔法攻撃するがキャットハンズ達は動き回り撹乱する。

  撹乱し誘発を狙う役、 足元などを狙い足を止める役、 動きが止まった所を仕止める役など個々に役割が決まっていてそれを忠実に実行する。

  キャットハンズ達はあっという間には城門付近の敵を粉砕したーー まさに電光石火。

「噂以上の騎士団だ・・・ 連絡をしろ」


ーー その必要はないデス ーー


「必要ない、 ひつようない、ヒツヨウナイ」

「ひゃああははは」


  クルセイダーズの大群たちが一斉に道を開ける、 その奥から黒いローブを被った三人の人形程の大きさの物体がフワフワと宙に浮きながらやってくる。 その後ろを一人の男が千鳥足で歩い来ている。

「この魔力は、 ヤバイですにゃあ」

   白猫ミントは、 察知系の特異能力を持っていて危険回避能力に長けている。

「魔力が感知できなくてもこの異様な雰囲気は分かるにゃん」

「ゲキヤバな感じだけは伝わるよ」

「先手を打ちますかにゃ」

  メルル、 ミント、 カスケード、 たまの四人が先頭に立って身構える。

「何デス? こんな可愛らしいお子ちゃま相手に苦戦しているのデスか。 薔薇十字ともあろう者達が恥ずかしいデスね」

「恥ずかしい、はずかしい、ハズカシイ」

「魔女の香り・・・確かにここに居るのデスね。 少しだけお手伝いしてあげます」

 ローブを脱いだその姿は肌が紺色、目は赤く、とがった耳を持ち、とがった歯を有する裂けた口を持ち、頭部にはヤギのような角を生やし、とがった爪の付いたコウモリのような翼に尻尾が生えている。 手には三又に割れた槍を持っている。

 そう、 悪魔サタンだ・・・


「悪魔族・・・」

「メルル様」

「分かるにゃん! いくぞ!」

「にゃん!!」

  サタンと悪魔族目掛けて一斉に先頭に立っていた四人は駆け出す。

「軽く相手してやりなサイ」

「御意」
 
  ミント、 たまが飛び出すと悪魔族目掛けて二人が交わるようにクロスに切り込む。

  その背後の死角からカスケードが回転しながら悪魔族目掛けて切り込む。

  そしてーー 天高く舞い上がっていたメルルが悪魔族の脳天目掛けて一撃ーーーー

  まさに、 連携。 一連の無駄のない動きと鍛錬に鍛錬を重ねた賜物だ。

「殺られた、 やられた、 ヤラレタ」

  悪魔族の一人は砂のようになって崩れ落ち消えた。

「ふーん。 お見事デス。 次は同じ手は食わないデス」

  サタンは、 印を結び何やらブツブツと呪文を唱え始めた。

「デビルよ! 我が魔力を分け与える」

「ひぁはははははははは」

   デビルと呼ばれた悪魔族の目つきは鋭くなり牙は剥き出し顔つきは明らかに変わった。

「なんだ? 顔つきが変わったよーな」

「変わったのは顔つきだけではないですにゃん。 魔力が桁違いに増大してますにゃ」

  ミントは血相を変えてメルルの方を見て叫ぶ。

「ひぁはははははははは」

  キャットハンズの兵士達に向けデビルの口から黒い炎が吐き出される。

「ヤバイ! その炎には触れるなあああ」

「ダメにゃーー 範囲が広過ぎる」


ーー 避けれない ーー


「だから俺を呼べって言っただろ」

 黒い炎の中に男が一人は立っている。

「ーーーー!? 何者デス」

その男の差し出す剣に黒い炎は、 吸い込まれる。

マジックセールソード魔封剣

ーー この声はまさか ーー

「アクセスにゃん!」

「俺の出る幕がないんじゃなかったか? メルル」


ーー 皇子見参 ーー
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