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依頼に行かせてもらえませんか?
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絶対に切れないスライム、通称神の悪戯。もはやスライムという名前すらないが、いつの間にかこのように呼ばれるようになっていたそうだ。いくら切っても切っても切れないため、神が悪戯心でスライムを最強にしたのだろう、ということで神の悪戯という名前をつけたという説が一番有力だそうだ。ちなみに、そんな最強の魔物がいたら街なんか一瞬で滅びるんじゃ?と思うかもしれないが、この神の悪戯は耐久性以外普通のスライムと殆ど同じようで、攻撃力なんかはスライムより劣っているそうだ。なんとも、バランスの悪いスライムである。だが、今はそんなことを言っている場合ではない。なぜなら…
「どうやって倒したんですか!?」
「どうやったんだ!?」
受付嬢とお婆さんに質問攻めにあっているからである。
「どうやって倒したって、ただ剣で切っただけなんですけど…」
俺は嘘をつかずに正直に答える。多分信じてもらえないだろうが。そして、予想通りやはり信じてもらえていない。
「絶対に切れないスライムですよ!切れるわけありません!」
受付嬢は俺が嘘をついているとでも思っているのだろうか?信じられないことに驚くのは悪いとは言わないが、受付嬢という身分を忘れていないだろうか?せめて、もう少し言葉遣いを…と思っていると思いもよらぬところから声がかかる。
「若しかすると、剣が特別なものなのかもしれん。一度見せてもらえないだろうか?」
お婆さんが先程までの様子とはうって変わり、冷静な様子で俺に頼んできた。俺は普通に頼んでもらったので剣を見せることにする。もしさっきの調子のままで頼まれていたら多分見せていなかっただろう。
お婆さんは俺の剣を受け取って、端から端までじっくりと見ている。
「唯の剣だな…」
暫く剣を見ていたお婆さんが剣を俺に返しながら小さくそう呟いた。その言葉を聞いて俺はただの剣でよかった、と安堵する。一応ゼウスに貰ったスキルの中にあった剣なので、若しかしたら異常なものだったかもしれないので、本当によかったと思う。
「唯の剣ならもしかすればスキルか何かの力か…?」
お婆さんは次の検討をつけている。だが今回はスキルである。流石にスキルに関しては頼まれても見せるわけにはいかない。何故ならゼウスに貰ったチートがあるからだ。あんなものを見られては面倒事にしかならないだろう。なのでスキルに関しては見られませんように、と願っていると、お婆さんの次の言葉でそれは杞憂となる。
「ステータスとスキルに関しては国が動かないことには強制的に見ることは出来ないからなぁ…」
この世界は個人情報保護が結構しっかりとしていそうだと、安堵したのだった。
というか、早く依頼に行きたいんですけど?
「どうやって倒したんですか!?」
「どうやったんだ!?」
受付嬢とお婆さんに質問攻めにあっているからである。
「どうやって倒したって、ただ剣で切っただけなんですけど…」
俺は嘘をつかずに正直に答える。多分信じてもらえないだろうが。そして、予想通りやはり信じてもらえていない。
「絶対に切れないスライムですよ!切れるわけありません!」
受付嬢は俺が嘘をついているとでも思っているのだろうか?信じられないことに驚くのは悪いとは言わないが、受付嬢という身分を忘れていないだろうか?せめて、もう少し言葉遣いを…と思っていると思いもよらぬところから声がかかる。
「若しかすると、剣が特別なものなのかもしれん。一度見せてもらえないだろうか?」
お婆さんが先程までの様子とはうって変わり、冷静な様子で俺に頼んできた。俺は普通に頼んでもらったので剣を見せることにする。もしさっきの調子のままで頼まれていたら多分見せていなかっただろう。
お婆さんは俺の剣を受け取って、端から端までじっくりと見ている。
「唯の剣だな…」
暫く剣を見ていたお婆さんが剣を俺に返しながら小さくそう呟いた。その言葉を聞いて俺はただの剣でよかった、と安堵する。一応ゼウスに貰ったスキルの中にあった剣なので、若しかしたら異常なものだったかもしれないので、本当によかったと思う。
「唯の剣ならもしかすればスキルか何かの力か…?」
お婆さんは次の検討をつけている。だが今回はスキルである。流石にスキルに関しては頼まれても見せるわけにはいかない。何故ならゼウスに貰ったチートがあるからだ。あんなものを見られては面倒事にしかならないだろう。なのでスキルに関しては見られませんように、と願っていると、お婆さんの次の言葉でそれは杞憂となる。
「ステータスとスキルに関しては国が動かないことには強制的に見ることは出来ないからなぁ…」
この世界は個人情報保護が結構しっかりとしていそうだと、安堵したのだった。
というか、早く依頼に行きたいんですけど?
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