プレイヤーキラー~PKギルドの世界征服~

栗金団(くりきんとん)

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第3章 大貴族の乗っ取り作戦

【第35話】 ソーサラス

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 「『雷撃』」
 「誰だ!?」
 男が破壊した窓から、一人の女が現れる。
 まるで天から降りてきたかのように、下駄の先で着地して立つ姿は、まるで真っ直ぐな茎の上に白く花開いた花弁が乗った芍薬のようだ。
 思わず見惚れるスキンヘッドの男だったが、カーラは喉元からせり上がってくるものを押さえるのに必死だった。
 柳眉を逆立てた表情を見るまでもなく、彼女からは鬼神のようなオーラが伝わってくる。
 「うっ…!?」

 (冒険者組合にいた女の人!?
 でも、明らかに雰囲気が違う!)

 「なんつう恰好だよ…あんたもそいつらの味方か!?」

 (何だコイツ、ただの女じゃねぇな?
 どう立ち向かっても…絶対に勝てないのがわかる)

 「あなたが、建物を攻撃してきた人間ですね?」
 「はぁ…?いやぁ、何のことやら…」
 「このハゲっ…!」

 (こいつ、この期に及んで…!
 そうだ、あの子たちは…!)

 まだ火がくすぶっている窓枠を横目に白を切る男に、カーラは怒りを瞳に滲ませた。
 彼には、人を傷つけるという罪悪感が全くないようだった。
 まだ完全には動かない身体を傾けて右腕をついて起きると、窓の向こうを見る。
 そこに少女たちが見つからないことに、カーラは心の底からほっとした。
 だが、まだ脅威は去っていない。寧ろ、スキンヘッドの男よりも厄介な脅威が目の前にある。
 「まぁ、いいですよ。私には見えているので」
 「おいおい、本当だぜ?」

 (聞いてねぇな。
 犯罪と名の付く行為は大体やってきたが、コイツはこちら側の人間だ。
 そこの女と違って、一切迷いがねぇ)

 フォマは、男の嘘を魔力の揺らぎで見抜いていた。
 さらにMPが大量に減っていることから、今度こそ狙いをつける。
 男はフォマの落ち着きようから、相手は嘘を含めて自分の話を全く聞く気がないと悟った。
 だが、数秒前の雷は男とカーラを引き離すように落ちたことを見逃さない。
 巻き込まなかったということは、カーラが傷ついたら困るということだ。
 男は初めて見るマーカーという対象を絞って攻撃するシステムを、長年の経験から一度見ただけで理解していた。
 「さぁ、幼子を泣かせ、少女の柔肌を焼いた罪を償ってください」
 「一応聞くが、誰に雇われた?
 金や謝罪で許して貰えるかね?」
 「無駄です、あなたに彼女以上のものは払えないです」
 「だろうな、目を見ればわかる。
 どんな大金で雇われたか知らないが、こっちも抵抗はさせてもらうぜ」
 男は廊下側へ後退をしながら、まだ仲間が後ろで戦っているのを確認する。
 あわよくば相手の狙いを仲間に逸らそうとしながら、射程距離を見極める。
 男の狙いはフォマではなく、カーラだ。相手が魔法を使う前に詠唱をして先に攻撃が届けば、男にも勝機はある。
 フォマは窓から歩き出すと、男のいる廊下ではなく階段へと進む。
 男はそれを、カーラを庇うためだと思い詠唱をする。それが男の最後の言葉だった。
 「『火球』!!」
 「『雷神の裁き』」
 男の手の先から火が放たれる。
 だがその火球ごと、遥か上空からレイコンマ三秒で雷が落下する。
 雷撃や雷斧を超えるエネルギーが全てのエネルギーを攻撃に変えて、男に降り注ぐ。
 人の身体は骨まで残らず焼き尽くされ、天を貫く落雷の音が十キロ先まで響き渡る。

 フォマはそのまま歩みを止めず、階段を上がっていった。
 残されたカーラは、ついに耐え切れなくなって嘔吐した。
 男の立っていた場所には、屋根から地面まで一直線に穴が開いていた。

 「…今の、フォマの攻撃でござるか?」
 「…だろうな」
 一つの下の階で、キングとサカナは互いに別々の部屋から廊下に出てきた。
 そして、廊下に空いた穴を見上げてから見下ろす。
 下層階で寝泊まりしていた執事たちを掃滅して回っていた二人だが、あまりの部屋数の多さに想定よりも時間を食っていた。
 いかに強力なスキルを持っていても、連続で使用することはできない。
 フォマのように魔力が見えるわけでもない二人は、結局最後は虱潰しに部屋を回るしかなかった。
 「俺らが遅いから急かしに来たに一票」
 「拙者は…フォマがキレているに一票でござるな」
 「はぁ?キレた理由を賭けろよ」
 ようやく階の捜索を終えて、二人は階段を上がっていく。
 一方的な戦闘が楽しくなってテンションが上がっていた二人だったが、雷は数メートルずれていれば自分たちに当たっていた。
 さすがに一撃で死ぬことはなくても、多少は気分が下がって階段を上る足取りも重くなる。
 たとえ階が異なっていても、フォマの固有スキルなら同じ棟にいるだけで相手を狙うことができる。
 「では、メイド関連でござるな。
 ロリを助けに来たに一票」
 「それを言うなら、隣の棟だろ。
 この棟に来てからメイドは一人も見てねぇ。
 しかもあいつがいるのは恐らく上の階だぞ」
 「は~~キングこそ、わかっていないでござるな~~」
 「なんだと?」
 わざとらしく語尾を伸ばすサカナに、キングは牙を剥く。
 踊り場で半回転をしながら、サカナは講師のように指を立てる。
 キングが言う通り、北棟を制圧する予定時間は少し前に過ぎている。
 ただ、それなら仕事を終えた時点で宿に帰るなり夕食を食べに行くなり単独行動をしている方が自然だ。
 お互いを心配し合う仲でもない。
 それに、サカナは東棟にはオルガより年下でフォマのどストライクの年齢の少女たちがいると予想していた。
 「だからって、あいつが頼まれて動くタイプか?」
 「いやいや、そもそも拙者たちはフィーナに頼まれてここに来たでござるよ?
 そして、オルガが何故村に戻りたがらなかったか?話はそこからでござるよ」
 「何でって…仲間がいるからだろ。
 逃げたら罰を受けるだの何だの言ってただろうが」
 「そうでござる、だがそれだけではないでござる。
 彼女たちはハーバー家が村から選んだ美女でござるよ?彼女たちがただの家事仕事だけで済むと思うでござるか?」
 「……家族に合わせる顔がないってことか」
 「そう、大量解雇でもない限りでござるがな。
 いわば、ここは大奥でござる。
 そして、フォマはそういう輩が一番嫌いでござる」
 「けっ、俺からすれば同じロリコンだぞ」
 「でも、フォマは決して手を出さないでござる。
 だから、これは嫉妬と同族嫌悪でござるな」
 キングは、自分と同じ境遇で故郷を守るために行動した村長を面白い奴と感じて救った。
 だが、フォマの場合は真逆だった。
 自分と同じ趣向を持ちながら自分が守っている不文律を破っている輩を、彼女は決して許さない。
 キングはフォマの性格を見抜いた上で計画に乗ったサカナを、末恐ろしく思う。

 (こいつが長年ギルドリーダーをやれてるのは、そういうところから来ているのかもな)

 「…で、お前は最初からわかってたのか?こうなることを」
 「まさか!
 ただ村長の話と冒険者組合の話から、そうなってもおかしくはないと思ってたでござる。
 それに、拙者がイケメンすぎてどこに行っても目立ってしまうのは予想外でござった」
 「はいはい、猫かぶりやがって。
 つくづくお前が敵じゃなくて良かったぜ」
 「それはこっちのセリフでござるよ」
 階段を上がりきったキングとサカナが、廊下に出る。
 廊下の半分あたり、そこに人が倒れていた。
 傍らには剣が落ち、近寄ると死体は正面から切られて血を流していた。
 見た目は冒険者の護衛にも関わらず、明らかに複数人同士で争った形跡がある。
 それを見て、キングはサカナを見る。これも想定通りなのかと。
 思わずサカナの素が出る。
 「…すまぬ、これは想定外でござる」
 「想定外って…見たところ、内輪もめか?」
 「そして、まだまだ護衛がいるということでござるな」
 「部屋は全部で6つ、少ないな」
 「そうでござるな、恐らくここは位が高い者が使う階なのかもしれないでござるな」
 「スイートルームってわけだ。俺は右から行く、お前は左からでいいな?」
 「いや待つでござる、上でフォマが暴れているなら、拙者は上に合流したいでござる」
 「別に合流する必要なくねぇか?」
 「…いや、ハルマンまで殺されそうで怖いでござる」
 「あぁ、それもそうか」
 「拙者ならフォマの攻撃を何回か食らっても無事でござる。
 だからキングに悪いとは思うでござるが…」
 「わかってる、隠れている奴等を全員探し出すのはだるいが…
 アイツと戦うよりはマシだ。任せろ」
 「助かるでござる」
 そのさらに上の階で、火傷の男は落雷が落ちた天井と廊下を見て目を細めた。
 「…これは想定外だ」
 「何の音だ!えぇ!?何この穴!?」
 「…どうやら、侵入者がいるようだ」

 (白々しい…どうせ、起きて様子を伺っていたくせに…)

 爆音に起こされて、別室で仮眠を取っていたトリトマと残りの彼が従える部隊が出てくる。
 大穴を見て仰天するトリトマだが、こんなときでも兜は被ったままだった。
 火傷の男は、部下であるスキンヘッドの男が火炎竜巻で建物を破壊したことに気づいていた。
 同じように、トリトマもその時から起きて様子を伺っていたに違いないと思う。
 大穴の周りをグルグルと回って叫ぶトリトマの部下は、火傷の男の部下より遥かに屈強な戦士だった。
 「侵入者!?
 というか、これは魔法なんすか?
 どう思います?冒険者として」
 「魔法でしょうね、雷属性の魔法でもここまで強いのは見たことがないですが」
 「奇遇っすね、俺もですよ。
 ひょっとすると、この国最強のマクシミリアン・ユーリ・ワッフルすらも超える使い手なんじゃないかとすら思えてくるっすよ」
 「はっ、それは流石にないでしょう。
 かの魔法使いは、自然現象すら操るそうですよ。
 それがただの盗人にできるわけ…」
 「…なるほど、彼女っすか」
 だが、廊下の向こう側から階段を上がってきた人物を見てトリトマも火傷の男も閉口する。
 強者の身体からは、例外なく強力な魔力が溢れている。
 特に生まれつき魔法が使える魔法生物は、その魔力を隠す必要がない。
 だから魔力を察知して敵のレベルを推し量れることは、冒険者としての生き死に関わる重要な判断だった。
 それはトリトマも変わらない。 
 気になるのは、それだけの強さを持つ魔法使いが脚や腕を惜しげなく露出していることくらいだ。
 「何故、そんな恰好を…?」
 「まだこんなに残っているんですか。
 無能ですねぇ…」
 「おい冒険者のあんた、さっさとハルマンを連れて逃げな」
 「最初からそのつもりだったが…本当にいいのか?
 俺が加勢しなくても」
 トリトマも火傷の男も、フォマから目を放さずに会話をする。
 魔法使いは、杖や指先から魔法を放つ。その前兆を逃すまいと気を張る首元から、汗が流れ落ちた。
 火傷の男は、トリトマの自分を犠牲にした発言に少し驚く。
 護衛として全員でかかって足止めしなくて良いのか、疑問を口にする。
 黙って立ち去るには、あまりに悲惨な状況だった。
 「じゃあ聞くが、あんたはアレに勝てるか?」
 「無理だな」
 「そういうことだ、でもあんたは部外者だろ」
 「…恩に着る」
 「生き残れるといいな、多分難しいだろうが」
 「あんたもな」
 火傷の男は、ノックをせずにハルマンの部屋に入った。
 騒ぎ出す主人を無視して、部屋の奥に土足で踏み込む。
 それを見て、トリトマは一息つく。首を回して見回せば、短い間だが護衛を共にしてきた仲間が並んでいる。
 歴戦の戦士から選ばれた護衛の中にも、敵の強さを察して怯えるものがいた。
 みな、トリトマの指示を待っている。彼は大きく息を吸い込むと、力を込めて腹から声を出す。
 「全員整列!敵はすぐそこだ!
 戦闘陣形を組め!」
 「奥の部屋が当主の部屋ですね、退けば長生きできますよ」
 「それは困るっすよお嬢さん、そのハルマンを守るのが俺らの仕事だ」
 「では死ぬしかないですね」
 だが、トリトマは戦士として沸き立っていた。
 アドレナリンは死の恐怖を塗り替えて、純粋な闘争心を高めていく。
 神経の一本一本、筋肉の繊維一本一本にまで力がみなぎって、身体が武者震いで震えた。
 フォマは一定の速度で、ハルマンの部屋を目指して歩いてくる。
 闘技場で最強となって十年、やっと現れた強者にトリトマは皮肉を込めて神に礼を言う。
 例え相手が魔法使いでも自分以上に強い人間に戦って負けるならば、彼にとってそれは本望と言えた。

 (ありがとう神様!
 素晴らしい対戦相手を俺の前に寄越してくれて!)

 「お嬢さん!お名前を伺っても?」
 「何故?これから死ぬのに」
 「……もしてかして、俺のこと知らない?」
 「知りませんね」
 「俺の名はトリトマ!スパルタの戦士だ!
 戦いの流儀に則って、名前を教えていただきたい!」
 「暑苦しい…嫌です」
 「それは残念!
 よしお前ら気合を入れろ!!相手は俺と同じくらい強いと思え!」
 「あなたと同じ?冗談を」
 陣形を組んでトリトマと同じ剣を構えた男たちのレベルは、フォマの半分もない。
 それを同じと言われて少しだけ気に障ったフォマは、せっかくなら一撃で仕留めようと考える。
 トリトマは相手が挑発に乗ってきたのを見ると、あえて気に障るようなことを言う。
 そしてガーネットを傷つけた男と同列に語られたフォマは、予想通り鬼気迫る表情で手を挙げると、トリトマたちに狙いをつける。
 「…そういえば、あの爆発もあんたがやったのか?」
 「あんな輩と、私を同じにしないでください。」
 「突撃!!」
 「『火竜の突風(ドラゴン・ブレス)』」
 「「うおおおおお!!」」
 腹が立ったフォマは、あえてスキンヘッドの男と同じ火属性の攻撃を選んだ。
 手の平から火花が散って空中に火の玉が現れた。
 かと思えば突風が瞬時に火力を押し広げながら、雄叫びを上げて突進するトリトマ達に襲い掛かった。
 突風は強さを増して竜巻となり、風に乗った火は竜のように回転しながら相手を焼き尽くす。
 雄叫びが聞こえなくなった廊下は、焼けた灰と燃えカスで壁が一面黒く変色し天井が無くなっていた。
 フォマは宝石が散らばったような星空の下で真っ暗な道を歩き、廊下の先で立ち止まった。
 「しぶといですね」
 「戦、士…だからな…がはっ、はぁっ、はぁ…ったく、あんた、強ぇな…」
 ただ一人、トリトマは仰向けに倒れたまま答える。
 右手に握った剣の刀身は無くって柄だけとなり、左腕は焼かれて炭と化していた。
 爆風で廊下の先まで飛ばされた身体はピクリとも動かないが、不思議とまだ息はあった。
 胸元に垂れ下がっていたペンダントが衝撃で開き、幼い少女とトリトマが映った写真が見えていた。
 このまま放っておいても、トリトマが死ぬのは明らかだった。
 すぐそこには、ハルマンの部屋へ続く金色の扉がある。
 だが、フォマは彼に向かって手を向けた。トリトマが倒れている箇所一体に魔法陣が出現して発光する。
 「あんた、ではなくフォマです。
 冥途の土産くらいは持たせて上げますよ」
 「はは……どうも…あんた、漢だよ」
 「『天界の落とし物』」
 「ははっ…すげぇ…!」
 日が沈んだ空が明るく輝き出す。その明るさの中心に一つの星がおり、徐々に徐々に光を増しながら大きくなっていく。否、地面に近づいてきていた。
 光と思ったのは燃え盛る炎で、星と思ったのは落下してきた隕石だった。
 目を開くのもやっとな光を発しながら、奇跡のような確率で起きた現象。
 トリトマはその特等席に座りながら、戦士として生きた三十年に渡る生涯の幕を閉じた。
 フォマは背を向けて歩き出すと、背後の爆音を聞き流しながら首を傾げた。
 「何でわかったんでしょうね…?」
 すぐに襲い来る爆風で閉じられた扉が全て開かれて戸はどこかへ飛んで行き、敷物も彫像も天井が無くなった空へ舞っていく。
 粉塵が舞って視界を覆い隠すので、フォマは箒を出現させて一払いした。
 ハルマンの部屋には、フォマに怯えた顔を向ける全裸のハルマンと火傷の男がいた。
 ハルマンは剣を掴んでおり、その足元には背中を切られ全裸のまま床に横たわる少女が二人いた。
 フォマの顔が険しくなり、魔力が電撃となって身体から溢れる。
 「この…!下衆がっ!!」
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