プレイヤーキラー~PKギルドの世界征服~

栗金団(くりきんとん)

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第3章 大貴族の乗っ取り作戦

【第36話】 無知蒙昧

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 「この…!下衆がっ!!」
 この数分前。
 火傷の男はハルマンの部屋に入るなり、脱出することを伝えた。
 だがハルマンからすれば、まさに青天の霹靂だ。
 彼はベッドから身体を起こして、言われたことをそのまま繰り返す。
 「し、侵入者!?」
 「はい、もうすぐそこまで来ています。ですから脱出を」
 「ま、待て…トリトマはどうした!?あいつは」
 「今彼らが外で足止めをしています、ですがそれもいつまで持つか」 
 「部屋の外でか!?なぜ…護衛が裏切ったのか!?」
 「ご準備を」
 「そういえば、メイドたちがどうとか言っていたな?
 それはどうしたんだ!」
 「…それは、」

 (ちっ。これだから貴族は…この状況を全くわかってねぇ。
 メイドの不審な動きも侵入者も目的がわからねぇが、アレは一人で国を壊滅できる魔法使いだ。
 他の貴族や隣国から雇われた説も否定できねぇ。
 だが、こいつに死なれちゃ困るんだ)

 「メイドとのつながりは不明です。
 ですが、とにかく避難を」
 「避難ってそんな急に…おい執事長を呼べ!
 身支度をするように伝えろ!」
 「…その執事長も、もう殺されているかと思います」
 「は…はぁ?」
 ハルマンは、まるで状況が掴めていないようだった。
 ハルマンがこうして命を狙われるのは、初めてのことではない。
 いつの時代も民の上に立ち暖衣飽食の生活をしてきた貴族は、他の階級の人間からはもちろん権力争いで同じ貴族からも恨まれることが多い。
 しかし、常に侵入者がハルマンの視界に入る前に、トリトマや護衛の冒険者が敵を退け殲滅してきた。
 だから、ハルマンは本当の意味で命の危機というのを感じたことがない。
 そしてそれにより、侵入者が迫っているという目の前の現実を受け入れることができなかった。
 扉の向こうから、雄叫びが聞こえる。
 メイドでも、何かこれまでにない危機が迫っていることが嫌でもわかる男たちの声だ。
 「そうだ…貴様ら!
 やっぱり何か知っているんじゃないのか!?答えろ!!」
 「ひいっ!?
 ち、違います!
 私たちは本当に…本当に何も知りません!」
 「この僕を裏切ったんだろ!!そうなんだろ!?
 おい、ハーバー家に逆らってただで済むと思っているのか!?」
 「た、助け…ひっ、いたっ!!」
 メイドの一人の髪を掴んで引っ張るハルマンに、メイドは慌てて否定をする。
 まだ酒も飲めないような歳のメイドは疲れきった顔で火傷の男に助けを求めるが、火傷の男は彼女たちを助ける気はさらさらないようだった。
 まるで関心のない視線を向けていると、彼女は平手打ちを食らってベッドから転がり落ちた。
 ハルマンさえ助けられれば、男はその後に報酬をたんまりと貰える。
 逆にハルマンを置いて逃げても、後々貴族たちからも冒険者組合からも冷たい目で見られ制裁を加えられるのが目に見えていた。
 「本当のことを言え!この恩知らずども!
 メイドたちが暗殺者を雇ったんじゃないのか!?」
 「違いますっ!違いますっ!お助けを!お助けを!」
 「ハルマン様。
 とにかく時間がありません。ここから脱出を…」
 「黙れ冒険者風情が!僕に逆らうのか!?」
 「……このガキ」

 (いいからさっさと金目のものを持てって言ってんだよ!
 馬鹿なのかこいつは!?)

 火傷の男は冒険者であって、執事ではない。
 よって、ハルマンの機嫌を取る方法などわかるはずもなかった。
 責任の所在を探してメイドたちに八つ当たりするハルマンに手を挙げることができるはずもなく、時間がないと急かすことしができない。
 しかし生まれてこのかた「敵から逃げた」ことがないハルマンは目に角を立て、護身用の剣を持って立ち上がった。
 廊下から凄まじい破壊音が聞こえる。
 だが、だからといって本職の冒険者に斬りかかるほど彼は馬鹿ではない。
 彼がストレスを発散させるのは、いつだって自分より弱いものだ。
 「おやめくださいハルマン様!ど、どうかお気を確かに…」
 「うるさい黙れ!!僕に命令するな!」
 逃げようと背中を向けるメイドに、剣を振り上げたハルマン。
 剣を握ることのない貴族だが、それは装飾として一流の鍛冶師に作らせた一級品の剣である。
 鋭利な切っ先は、ハルマンのひ弱な腕力でも重力に従ってメイドに迫る。
 裸のメイドを守るものは何もなく、柔肌はあっさりと切り裂かれた。血が噴き出し、メイドはそこで走るのを止めて倒れ込む。
 青ざめたもう一人のメイドも同じように逃げようとするが、疲弊した身体は動かず、追撃が迫る。
 「貴様らのせいだ!お前たちが僕に逆らうから!」
 「……気はすみましたか?いいから行きますよ」
 「はぁ、はぁ…何だその口の利き方は…僕はいずれ宰相となる男だぞ」
 「窓から逃げましょう、一応飛行魔法をかけますが…二人分持つかどうか」
 火傷の男は、敵が扉の向こう側にまで迫っているのを感じると、いよいよ焦り出した。
 窓を開けて外を見れば、ハルマンを背負っても飛び降りるのは難しい高さだとわかる。
 高層階に部屋があるのが、完全に仇となった。
 だが闘技場の覇者トリトマですら勝てないと断言する相手と対峙するよりは、幾分かマシに思える。
 火傷の男はハルマンの腕を掴むと、強引にでも窓の外に出ようと試みる。
 「窓から!?
 おい!もっとましな方法はないのか!?
 しかも僕はまだ服を着ていないのだぞ!?」
 「時間がありません、いいから飛び降りま…」
 「僕は貴族だぞ!少しは体裁を考えろ!」
 「ちっ…なら、さっさと着替えてください!」

 (くっそ、わがまま言いやがって!
 だが、せっかくハルマンを救い出してもコイツに感謝されなければ宰相からの報酬もパーだ!
 全裸で逃げ出してハーバー家の面子に傷をつけたと思われても厄介だしな…)

 火傷の男は、もはや苛立ちを隠そうとしなかった。
 逃げ出した後でハルマンが周囲に何を吹き込んでも、平民で冒険者の彼は訂正をすることができない。
 全裸で外に出るのを嫌がるハルマンを無理矢理連れ出すのは、間違いなくハルマンとその父の心証を悪くすると留まった。
 それに着替えるくらいなら数分だろうと手を放すが、解放されたハルマンは一向にその場から動こうとしない。
 火傷の男はわけがわからずにいると、振り返ったハルマンが思いもよらないことを言い出す。
 「おい、何をしている。さっさと僕を着替えさせろ」
 「は…はああああ!?」
 そして、扉が遥か彼方へ飛んでいった。
 すぐに舞い上がった煙に紛れて逃げようと考える火傷の男だったが、ハルマンがうるさく咳き込むのでそれすら叶わない。
 煙から現れたフォマは誰が見ても怒り心頭で、もはや火傷の男は死を覚悟する。
 しかしフォマはハルマンを差し置いて、速足でメイドに駆け寄った。
 「…な、え?」

 (なぜ俺を殺さない?やはりメイドと組んでいたのか?
 いや…トリトマを殺す力があるんだ、護衛だろうが何だろうがすぐに殺す必要もないということか)

 「…あなたはまだ、意識がありますね?
 少し我慢してください、先に彼女を助けます」
 しゃがみ込んで膝をつき、メイドの一人を仰向けに抱きかかえるフォマ。
 メイドに飲ませたポーションを見て、火傷の男は瞠目した。
 ただのポーションにしては華美な容器のデザイン、中に入ったポーションはまるで水のように滑らかに動き、新鮮な血液のように真っ赤な色をしている。
 メイドに使うには惜しいほどの、高濃度ポーションだ。
 さらにポーションを飲んだメイドの身体に刻まれた傷から流れる血が止まり、鞭に打たれた傷が数秒で治っていく。

 (馬鹿な!
 あのポーションがあれば、即死攻撃もすぐさま治るというのか!?)

 たかがポーション。しかしどんな攻撃を受けても倒れない兵がいれば、それは英雄にすら匹敵する力となる。
 平穏だった国際社会の形勢が狂い、弱小国家が強国を食らうほどの大きな番狂わせが起きるだろう。
 その伝説級のポーションをしばらく見ていた火傷の男だったが、ふと気づく。
 フォマが来てから今まで蛇に睨まれた蛙のように動きを止めていたが、相手はメイドの救助を最優先している。
 そこに、逃げる余地がある。
 「ハルマン様、どうか、ゆっくりこちらに…」
 「……」
 「ハルマン様…?」
 「…なんて美しいんだ」
 「う、美しい…?何が…え?」
 ハルマンを見た火傷の男は、そこに場違いにキラキラと瞳を輝かせるハルマンを見た。
 嫌な予感がして手を伸ばし捕まえようとする男の手をかいくぐり、ハルマンはフォマに近寄る。
 そしてあろうことか、ポーションを少女に飲ませるその腕を掴んだ。
 火傷の男は、もはや目の前の貴族が同じ人間なのかもわからなかった。
 ハルマンの目には、煙の中から現れた女性が宗教画の聖処女のように見えていた。
 「おい女、名を名乗れ」
 「は?触るな屑が」
 突然全裸の男に触られたフォマは、殺気を込めた視線を向けた。
 「く、くず…?」
 「これが終わったらお前を殺します、黙って待ってろ」
 「殺すって…僕のことを…?何故だ?」
 「何故?」

 (何を言っているんですかこいつは…?
 すぐにでも殺してやりたいのですが、今は彼女たちを優先しなければ)

 突然全裸の男に触られたフォマが咄嗟にハルマンを殺さなかったのは、メイドの二人を介抱していたからだ。
 自分を中心にした一騎当千の広範囲攻撃が得意なフォマだが、裏を返せば自分の近くに守るべきものがあると、むやみやたらにスキルを使えなくなる弱点があった。
 さらに既に一度局所攻撃に適した雷神の裁きを使っているため、クールタイムで同じ技を使うことができない。

 (雨のち槍では範囲を絞れてもどこに落ちるか私でもわからないですし…下手に使うと建物が崩れてしまう。
 確実に殺すためにもここは耐えなければ)

 「子供が世の宝だと何故わからないのですか?」
 「宝?ぼ、僕はハーバー家の人間だぞ!」
 「だから何です?」
 「何…何って…うわっ!?」
 介抱をしていた少女が、ポーションを飲み終えビクリと魚のように跳ねて意識を取り戻す。
 ようやくフォマがハルマンの腕を振り払った。ハルマンは振り払われたときに素直に手を放せば良いものを、力を込めて握った。
 その結果振り払われた勢いをモロに食らって後ろに倒れ、受身が取れずに尻餅をつく。
 フォマはうるさい蠅がいなくなり清々した顔で少女をベッドの上に彼女を寝かせようとして、乱れたシーツをしばらく見て、ソファの上に寝かせた。
 彼女の汗ばんだ顔にまとわりつくオリーブ茶色の髪を指でどかすと、開いたばかりのシトラスの瞳にほほ笑んだ。
 「あ、あなたは…?」
 「もう大丈夫ですよ、私は通りすがりの魔法使いです。
 カワイイお嬢さん、お名前は?」
 「か、カスミです…私、あれ…?切られて…」
 「カスミ、良い名前ですね。
 もう一人の彼女は?」
 「スミレです…そうだ、彼女は…?」
 「無事です、今治療をしています」
 そして、もう一人の女性にもポーションを渡される。
 ハルマンは自分が手を振り払われたことが信じられずしばらく茫然自失としていたが、この場で誰よりも肝を冷やした人間がいる。
 火傷の男だ。
 護衛対象が危機に自ら頭を突っ込んでいったことで、彼もついに我慢の限界が訪れる。
 爆風で開いた窓に足をかけると、地上までの高さを確認して自身に魔法をかけた。
 ハルマンを置いて、一人で脱出を試みる。

 (何を考えていやがるんだ、あの馬鹿貴族は!
 だが、お陰でどういう理屈かあの化け物がしばらくは動かないことがわかった。
 逃げるなら今しかねぇ)

 「『飛行(フライ)』」
 「…どこに行くつもりですか?」
 「っ!?」
 窓枠を蹴って外に出た火傷の男は、幼い頃街に下りてきたモンスターのことを思い出した。
 本能が、相手は天敵だと告げる。少女を膝に乗せたフォマの片手が上がっていき、手の平が火傷の男に向けられた。
 その先から何が出るのか、冒険者が知らないわけがない。
 ちらりと見た扉の奥では、満足に死体も残らず滅却された廊下があった。
 きっと埋葬をしようにも、誰が誰なのかすらわからないだろう。
 火傷の男は、自分が同じように灰と化すのを想像する。

 (殺される!回避を…いや飛行魔法がかかった状態では素早く動けねぇ!
 なら反撃…も俺の魔法ごと巻き込んで返されるに決まっている!
 いや、待て。巻き込んで…?)

 「『雷神の…」
 「『火炎竜巻』!!」
 「っ、」
 詠唱を聞いた男は一か罰か、周囲を巻き込んだ範囲攻撃を仕掛けた。
 部屋を包むように火が溢れ、フォマどころかハルマンもメイドも巻き込んで広がっていく。
 男はフォマの魔法を見たことも聞いたこともなかった。
 だが、彼女が恐らくメイドやハルマンたちを巻き込まないように攻撃することだけはわかる。
 だからこそ、男はフォマを攻撃するのではなくフォマを巻き込んで攻撃をした。
 フォマの魔法は男を殺すことは出来ても、男の放った火を無くすことはできない。
 出来るとしたら放たれた火ごと強力な魔法で押し返すことくらいだが、狭所でそんなことをすればメイドたちを巻き込みかねない。
 だから、彼女は防御に徹するしかないというのが男の目論見だった。
 そしてフォマは目論見通り、攻撃を止めてメイドたちを救いにかかる。
 しかし男は知る由もなかった、強力な攻撃魔法を放つ彼女が、一切の防御魔法と回復魔法を使えないことを。
 「…ちっ。お嬢さん方、失礼しますよ」
 「っ!?」
 「ぐぇ…!?」
 フォマは魔法をかけようと上げた手を下ろし、敵に背を向けて走り出した。
 爆炎が上がり四方に広がっていくのを横目にソファの上の少女を抱きかかえ、膝を曲げて力を溜めて扉の外へ跳躍する。
 ついでにその間に立っていたハルマンの腹に蹴りを入れ、同じ方向へ蹴り上げる。
 爆風と高熱が部屋を満たす前にフォマは脱出し、火傷の男も壁を蹴って勢いをつけ高度を下げて逃げる。
 「避けた…!?
 防御するか打ち返されると思っていたが…
 とにかくついてるぜ…!」

 (まだ他にも強者の気配がする。
 飛行魔法が切れるまであと数分。
 目立つことはできねぇな)

 追われないように地上スレスレを飛んで中庭の木々を避ける男。
 まだ辺りは暗いとはいえ高度を上げれば位置がばれてしまうため、魔力で勝る相手に追いつかれないよう攪乱しながら進む。
 裏門から行くか正門から行くか迷ったが、あえて遠い正門を選んだ男はそのまま東棟に沿って行く。
 「冒険者組合か騎士団か…いや、冒険者組合はもう閉まっているか。
 とにかく、増援を読んで逃げるしかねぇ」
 東棟の角まで辿り着いたところで、飛行魔法の効果が切れる。
 男は地面に着地すると、剣を抜いて南棟の横を通って走る。
 正門の前にある庭が見え、ほっとして芝生に足を踏み入れる。
 建物を超えて後は庭を通り抜けるだけだというところで、南棟の入口で人影が動いた。
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