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「さて、改めて言おう。リトア、自身の罪を悔いながら死んでくれ」
二人を倒したその足で私の眼前に近寄る。
命までは奪われていない、だけれどすぐに動くのは難しい状況。
もう、守ってくれる人はいない。
「イデア様のことはごめんなさい。あの時の私はおかしくてーー」
「弁明は不要と、言ったつもりだったが」
言い切る前に、白刃が煌めく。
すんでのところで、服を強引に引っ張られ後ろへと。
刃は服を裂いて終わり、肉には届かず。
「駄目だよ、リトア。この王子はいつもの優しい王子様じゃないのだから。会話が通じない」
「君の相手は後ですると言ったつもりだったが」
「ああ、言われたね。でも、私は了承してないからね」
「ならーー君から取らせてもらうっ」
言いつつ、ペコットに刃が向かう。
ペコットは起点が利くとはいえ、基本的には少し力が強い程度の女。
シュライグは勿論、エクレアの如き身体能力は持ち合わせていない。
「待って!」
だが、その一言でカストリア様の動きは止まる。
言葉一つで静止する。
だが、刃は彼女の首元にたどり着いている。
一息で、彼女の命は終わる。
終わるはずだがーーその一息が遠い。
「リトアの言葉は聞き飽きたのなら、私の言葉をーーというか話を聞いてくれないかな」
「今君と話すことはないっ! 大人しく散るといい」
「まあまあ、落ち着いて。貴方の大事な人のことだから」
「大事な人ーーまさか、イデアに何かしたのか?」
「ご名答」
笑うように彼女は言う。
「君の大好きなお姉さん、虚弱で大人しいお姉さんに一服盛らせてもらったよ。この騒動に乗じてね。まあ楽な仕事ではなかったが、難しいという程でもなかったよ。王子様、貴方はお姉さんを置いてリトアに別れを告げに行くべきではなかったんだよ。少なくとも、この場合はね」
と、凶悪な発言を。
「なんてことをしてくれたんだ!」
カストリア様は、剣を投げ捨て、代わりにペコットと首元を掴む。
冷静さは断ち消え、冷たい表情が怒りで塗り替えられる。
過去の贖罪よりも、迫る危機の方が重要。
なによりも愛する姉の命が重要。
「何、ペンタグラの毒じゃないんだ、すぐに死にはしないよ。解毒剤さえ飲めば、大丈夫。急いだ方がいいけどね。ーーそれより、その手を離してくれないかな。か弱い私が、お姉さんよりも先に死んでしまうよ? そしたら、解毒剤のありかも分からず仕舞い、それでもいいのかな」
「ーーくぅう、くそっ」
うめくように叫び、手を離す。
「分かればよろしい」
そう言って、カストリア様から距離をとる。
服の埃をはたきながら言う。
「だけれど、ただで渡せるほど解毒剤は安くない。君にも条件を飲んでもらう」
彼女は続ける。
「何、毒じゃないんだ。死にはしないさ」
彼女は続ける。
「リトアとの婚約破棄、あれを撤回してくれないかな」
彼女は、続ける。
「というか、そのままリトアと結婚してくれないかな」
おかしな条件を、
謎の条件を。
「リトア=エーテルザットとの結婚。大事な君のお姉さんを助ける条件さ」
二人を倒したその足で私の眼前に近寄る。
命までは奪われていない、だけれどすぐに動くのは難しい状況。
もう、守ってくれる人はいない。
「イデア様のことはごめんなさい。あの時の私はおかしくてーー」
「弁明は不要と、言ったつもりだったが」
言い切る前に、白刃が煌めく。
すんでのところで、服を強引に引っ張られ後ろへと。
刃は服を裂いて終わり、肉には届かず。
「駄目だよ、リトア。この王子はいつもの優しい王子様じゃないのだから。会話が通じない」
「君の相手は後ですると言ったつもりだったが」
「ああ、言われたね。でも、私は了承してないからね」
「ならーー君から取らせてもらうっ」
言いつつ、ペコットに刃が向かう。
ペコットは起点が利くとはいえ、基本的には少し力が強い程度の女。
シュライグは勿論、エクレアの如き身体能力は持ち合わせていない。
「待って!」
だが、その一言でカストリア様の動きは止まる。
言葉一つで静止する。
だが、刃は彼女の首元にたどり着いている。
一息で、彼女の命は終わる。
終わるはずだがーーその一息が遠い。
「リトアの言葉は聞き飽きたのなら、私の言葉をーーというか話を聞いてくれないかな」
「今君と話すことはないっ! 大人しく散るといい」
「まあまあ、落ち着いて。貴方の大事な人のことだから」
「大事な人ーーまさか、イデアに何かしたのか?」
「ご名答」
笑うように彼女は言う。
「君の大好きなお姉さん、虚弱で大人しいお姉さんに一服盛らせてもらったよ。この騒動に乗じてね。まあ楽な仕事ではなかったが、難しいという程でもなかったよ。王子様、貴方はお姉さんを置いてリトアに別れを告げに行くべきではなかったんだよ。少なくとも、この場合はね」
と、凶悪な発言を。
「なんてことをしてくれたんだ!」
カストリア様は、剣を投げ捨て、代わりにペコットと首元を掴む。
冷静さは断ち消え、冷たい表情が怒りで塗り替えられる。
過去の贖罪よりも、迫る危機の方が重要。
なによりも愛する姉の命が重要。
「何、ペンタグラの毒じゃないんだ、すぐに死にはしないよ。解毒剤さえ飲めば、大丈夫。急いだ方がいいけどね。ーーそれより、その手を離してくれないかな。か弱い私が、お姉さんよりも先に死んでしまうよ? そしたら、解毒剤のありかも分からず仕舞い、それでもいいのかな」
「ーーくぅう、くそっ」
うめくように叫び、手を離す。
「分かればよろしい」
そう言って、カストリア様から距離をとる。
服の埃をはたきながら言う。
「だけれど、ただで渡せるほど解毒剤は安くない。君にも条件を飲んでもらう」
彼女は続ける。
「何、毒じゃないんだ。死にはしないさ」
彼女は続ける。
「リトアとの婚約破棄、あれを撤回してくれないかな」
彼女は、続ける。
「というか、そのままリトアと結婚してくれないかな」
おかしな条件を、
謎の条件を。
「リトア=エーテルザットとの結婚。大事な君のお姉さんを助ける条件さ」
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