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3章 政略と征略
61.戦い方
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役に立たないアルベルトと、棒立ちの私はルパインとメノウの戦闘を見守るしかなかった。
アルベルトの予想に反し、ただの使用人であるはずのメノウは善戦していた。
無骨なコンバットナイフを華奢な短刀で見事に捌ききっている。
それでいて、短刀の切っ先を致命傷にはならないものの、ルパインの体に当てている。
徐々に、
確実に。
「ほう、綺麗な顔してなかなかやるねぇ」
「御託は良いです。命が惜ければ退きなさい」
だが、ルパインは余裕な表情を崩さない。
呼吸も落ち着いている。
対するメノウは、焦りと苛立ちが顔に出ていた。
息は乱れ、
肩が上下に動いている。
「いくら小技を当てても、首を切らないと戦闘は終わらねぇ。踏み込みが足りねぇ、命を捨ててない証拠だ」
「命は捨てない、当たり前です。私がここで死んだら、お嬢様のお世話を誰がするんですかっ!」
叫びつつ、メノウはふんわりスカートの裏地に手を伸ばし、鋭利な何かを投擲した。
何か、というかそれは短刀であった。
握っている短刀よりも小さく、短い。
だが、5本ーーいや10本程度による投擲。
攻撃範囲は広い。
全ては当たらないが、
全て避けることも難しい。
数本刺されば、動きは止まる。
その隙を、きっと彼女は刺すのだろう。
投擲の勢いのままに、自身も突撃する。
短刀の雨と、
自身の突進の二段構え。
命を大事に、という作戦では決してない。
ほぼ捨て身だ。
「おいおい、雑で乱暴な攻めだな。師匠の顔が見てみたいぜ」
嘆息交じりに言うと、ルパインはコンバットナイフを捨てた。
代わりに、ポケットから黒い塊を取り出しーー地面に投げつけた。
「あんた、その攻撃が失敗した後のことを考えてなかったのか?例えば、敵が携帯用のポケットシールドを持っているとか、さ。想定が甘ぇよ。甘すぎだ」
吐き捨てる言葉とともに、黒い塊は成長する。
それが展開しきるまでに、1秒とかからない。
ルパインとメノウの間に、黒い壁が構築されていく。
地面から空に向かい、垂直に。
高さは2m程度くらいしかない、だが、メノウが投擲した短刀を防ぐには十分すぎる高さ。
短刀は黒壁に阻まれ、重力に従い地面に散らばる。
メノウも自身が壁に激突する瞬間に、右に飛び退ける。
そこを、ルパインのコンバットナイフのグリップアタックが炸裂した。
「くっ、がっあ」
嗚咽とともに、メノウはその場に倒れ臥す。
「美人は国の宝ってな。俺は綺麗な女を殺す趣味はねぇ」
ルパインは続ける、メノウの手から短刀を奪って。
「無論、傷モノにするつもりもな」
シニカルに、
ニヒルに、
笑う。
アルベルトの予想に反し、ただの使用人であるはずのメノウは善戦していた。
無骨なコンバットナイフを華奢な短刀で見事に捌ききっている。
それでいて、短刀の切っ先を致命傷にはならないものの、ルパインの体に当てている。
徐々に、
確実に。
「ほう、綺麗な顔してなかなかやるねぇ」
「御託は良いです。命が惜ければ退きなさい」
だが、ルパインは余裕な表情を崩さない。
呼吸も落ち着いている。
対するメノウは、焦りと苛立ちが顔に出ていた。
息は乱れ、
肩が上下に動いている。
「いくら小技を当てても、首を切らないと戦闘は終わらねぇ。踏み込みが足りねぇ、命を捨ててない証拠だ」
「命は捨てない、当たり前です。私がここで死んだら、お嬢様のお世話を誰がするんですかっ!」
叫びつつ、メノウはふんわりスカートの裏地に手を伸ばし、鋭利な何かを投擲した。
何か、というかそれは短刀であった。
握っている短刀よりも小さく、短い。
だが、5本ーーいや10本程度による投擲。
攻撃範囲は広い。
全ては当たらないが、
全て避けることも難しい。
数本刺されば、動きは止まる。
その隙を、きっと彼女は刺すのだろう。
投擲の勢いのままに、自身も突撃する。
短刀の雨と、
自身の突進の二段構え。
命を大事に、という作戦では決してない。
ほぼ捨て身だ。
「おいおい、雑で乱暴な攻めだな。師匠の顔が見てみたいぜ」
嘆息交じりに言うと、ルパインはコンバットナイフを捨てた。
代わりに、ポケットから黒い塊を取り出しーー地面に投げつけた。
「あんた、その攻撃が失敗した後のことを考えてなかったのか?例えば、敵が携帯用のポケットシールドを持っているとか、さ。想定が甘ぇよ。甘すぎだ」
吐き捨てる言葉とともに、黒い塊は成長する。
それが展開しきるまでに、1秒とかからない。
ルパインとメノウの間に、黒い壁が構築されていく。
地面から空に向かい、垂直に。
高さは2m程度くらいしかない、だが、メノウが投擲した短刀を防ぐには十分すぎる高さ。
短刀は黒壁に阻まれ、重力に従い地面に散らばる。
メノウも自身が壁に激突する瞬間に、右に飛び退ける。
そこを、ルパインのコンバットナイフのグリップアタックが炸裂した。
「くっ、がっあ」
嗚咽とともに、メノウはその場に倒れ臥す。
「美人は国の宝ってな。俺は綺麗な女を殺す趣味はねぇ」
ルパインは続ける、メノウの手から短刀を奪って。
「無論、傷モノにするつもりもな」
シニカルに、
ニヒルに、
笑う。
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