4 / 45
4.選択肢が一つしかないときは、諦めポジティブに考えろ!
しおりを挟む
「冗談は置いといて、問題は私たちのクリア条件をどうするか、ということだね」
「え、生き残ることと、元の世界に戻ることくらいじゃないのか」
「半分正解で、半分間違い。生き残っても、元の世界に戻ったら、兄さん、死んじゃってるかもしれないじゃない。だってトラックに轢かれちやったんでしょ。意識だけこっちの世界に飛ばされて、本体は絶命している可能性だって十分にある」
妹は自身のことについては言及しなかった。
そして、
だったらさ、と妹は続ける。
「こっちの世界で第二の生をエンジョイするのが正解でしょう。やりたいと思っても、なかなかできないよ、異世界転生なんて」
「そんな軽々しく言うけど……」
「いや、軽く考えようよ。まだこの世界が、私たちが見ている夢、という可能性も否定できない」
だからさ、と妹は笑う。
そして再び。人差し指をピンと立てる。
「今はこの世界を楽しもう。つまりは考え方、ポジティブシンキング。今の私たちの手札じゃ、どうやってもすぐに元の世界に戻ることができない。だったら、ネガティブに落ち込むよりも、ポジティブに楽しむ方が精神衛生上いいでしょ」
妹は続ける。
確かに、そう考えるのもいいかもしれない。少なくとも、現実世界に戻るということは、この妹との非日常が終わることを意味している。
なら、このままおかしな夢に溺れてみるというのも、ありかもしれない。
「まあ、ネガティブに考えるときがいいときもあるよ。準備するときとかね。不安だと、余計に準備したくなるからさ。学生時代のテスト勉強とか。不安は準備のモチベーションを上げてくれる。逆に準備期間中に『俺は天才だし、本番に強いから大丈夫!』とか思ったら何もしないでしょ? そのままだらだら過ごすだけでしょ? だから、ベストはネガティブに準備して、いざ事にあたったら、ポジティブに考えるのがベスト」
ほら、と妹は私の背後を差す。
小柄な、金髪の少女がいた。精巧に作られた、人形のような無機質な見た目。だが、こちらにおびえているのか、不安げな様子が見て取れた。
「第一村人発見!」
と少女の様子を気にすることもなく、妹は笑った。
「え、生き残ることと、元の世界に戻ることくらいじゃないのか」
「半分正解で、半分間違い。生き残っても、元の世界に戻ったら、兄さん、死んじゃってるかもしれないじゃない。だってトラックに轢かれちやったんでしょ。意識だけこっちの世界に飛ばされて、本体は絶命している可能性だって十分にある」
妹は自身のことについては言及しなかった。
そして、
だったらさ、と妹は続ける。
「こっちの世界で第二の生をエンジョイするのが正解でしょう。やりたいと思っても、なかなかできないよ、異世界転生なんて」
「そんな軽々しく言うけど……」
「いや、軽く考えようよ。まだこの世界が、私たちが見ている夢、という可能性も否定できない」
だからさ、と妹は笑う。
そして再び。人差し指をピンと立てる。
「今はこの世界を楽しもう。つまりは考え方、ポジティブシンキング。今の私たちの手札じゃ、どうやってもすぐに元の世界に戻ることができない。だったら、ネガティブに落ち込むよりも、ポジティブに楽しむ方が精神衛生上いいでしょ」
妹は続ける。
確かに、そう考えるのもいいかもしれない。少なくとも、現実世界に戻るということは、この妹との非日常が終わることを意味している。
なら、このままおかしな夢に溺れてみるというのも、ありかもしれない。
「まあ、ネガティブに考えるときがいいときもあるよ。準備するときとかね。不安だと、余計に準備したくなるからさ。学生時代のテスト勉強とか。不安は準備のモチベーションを上げてくれる。逆に準備期間中に『俺は天才だし、本番に強いから大丈夫!』とか思ったら何もしないでしょ? そのままだらだら過ごすだけでしょ? だから、ベストはネガティブに準備して、いざ事にあたったら、ポジティブに考えるのがベスト」
ほら、と妹は私の背後を差す。
小柄な、金髪の少女がいた。精巧に作られた、人形のような無機質な見た目。だが、こちらにおびえているのか、不安げな様子が見て取れた。
「第一村人発見!」
と少女の様子を気にすることもなく、妹は笑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!
Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた!
※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる