虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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一章 黒髪令嬢の日常

12.覚悟

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覚悟は決めました。
選択しました。

いつも通り、神さま含めて誰も助けてくれないこの状況。
打開するためには、やはり暴力しかありません。

いつもと違うのは、私がフォルテシア=マーテルロではなく、ただの使用人のオルテシアであるということ。
頭の金色をとってしまえば、消えてしまう、
霞のような存在。

つまりは、オルテシアがやったことは犯人不在の事象になります。
だって、そんな人間はいないのですから。

だからこそ、私はいつもは取らない選択を選ぶことができます。
真っ正面からの叛逆という選択肢を。

「もういい。手荒な真似はしたくなかったが、強引にでも跪いてもらうぞ」

お兄様はそう言って、私に相対します。
もう既に、十二分に手荒な真似はしていたと思いますが。
本人の中では、そうでなかったようですね。
ひょっとしたら、いつもの私への乱暴も純粋にストレス解消の意味しかないのかもしれません。
私への害意や悪意なんてものは欠片もないのかもしれません。

ーーなかったところで、私が痛いことには変わらないのですけどね。

さて、余分な回想はここまでにしましょう。
今大事なのはいかにしてオルテシアが無事逃げ切り、フォルテシアに安心して戻るか、ということ。
お兄様に引っ張られたせいで、多少位置関係はずれてしまいましたが、ここは廊下であることに変わりません。

私の背後は浴室への戻り道、
お兄様の背後が、自室への帰り道。

前者を選び、フォルテシアに戻ってから自室に帰ることもできます。
その場合はフォルテシアとしてお兄様と遭遇することになります。
それはいけません。
不機嫌なお兄様と相対することなど、百害あって一利なしです。
少なくとも、私としては。

ならば、私が選ぶべきは後者。
お兄様を乗り越え、自室にてフォルテシアに戻る道。
幸い、お屋敷は広いので、お兄様を巻くことは容易なはずです。
オルテシアを探しているお兄様が、わざわざ私の自室に入ってくることは考え難いです。

問題は、どう突破するか、ということですがーー
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