虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

文字の大きさ
18 / 121
一章 黒髪令嬢の日常

16.フォルテシア=マーテルロは国を滅ぼしたい

しおりを挟む
振り返ってみれば、虐げれてる時間よりも平穏に読書している時間の方が圧倒的に長いのです。
自由な、誰にも縛られていない時間が。

だからといって、あの人たちの行為を許しているかというと、
そんなことはありません。

憎しみの火は休むことなく燃え盛っていますし、
古傷は四六時中、痛みを持ってその存在を誇示しています。
今だってそうです。
顔から下の色んな場所から、鈍痛を伴って叫びます。

あの時の傷が、
この時の傷が、
最初の傷が、
最近の傷が。

自分が呪われている存在であることを、叫んでいるようです。

だけど、好きで呪われた訳ではありません。
それに、呪いの黒髪と言っても、本当にただ色が黒いだけです。
魔法も使えないし、
大人よりも賢くもない、
超常的な力も何もない。
ただの色違い。
むしろ、こうやって誰も彼もからも虐げられている状況こそが、呪いだと私は思っています。

先天的、というより後天的。
もし、皆さんがこの色を受け入れてくれるならば、別に呪いなんて無いのではないかと思います。
本当に、
心から。

それと同時に、私は家族を憎んでいます。
加えて言うなら、この国を恨んで言います。
黒い髪が呪いという伝承を育んだのはこの国だから。

だから、力と機会があれば、私はいつだってこの国を滅ぼすつもりでいます。
今この瞬間でさえ、そのつもりです。
けれど、今の私は非力で無力。
なので待つのです、
耐えるのです、
その時が来る時まで。


ーーおっと、話が逸れましたね。
ごめんなさい。
今は私に1日の紹介でしたのにね。

ただ、その紹介も三文でお終いです。

余り物のご飯を食べます。
お風呂に入ります。
寝ます。

ね、短くてつまらない話でしたよね?
けど、どうしてこんなお話をしたのか、不思議に思う人もいると思います。

理由はありません。
ただ、なんとなく自分のことを省みてみたくなった。
そんな気分だったのです。

だって、私も皆さんと同じ、普通の人間なんですから。
それくらいは、許して欲しいです。
怒らず、
殴らず、
水に流して欲しいです。

コンコン、
ノックの音が聞こえます。

「フォルテシア、いるか?」

お父様です。
ほら、私の不幸が始まりました。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

処理中です...